平野貞夫の国づくり人づくり政治講座  RSSを登録する

永田町で45年を過ごした経験を元に、「日本の将来を託せる政治家の育成」のために自身の体験と理論の全てを注入いたします。「人間と政治」「日本人と政治」「日本の議会政治」等の問題を解明し、さらに時々の政治問題なども分析して解説していきます。

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2009/09/25

【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第30号 2009年9月25日発行

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  平野貞夫の国づくり人づくり政治講座  第30号  2009年9月25日発行

             筆者 : 土佐南学会代表 平野貞夫
             発行 : 一般財団法人 国づくり人づくり財団

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 ◇◆ 宇宙的地球時代 共尊共生の世紀へ          ◇◆
 ◆◇ 第5回 夢・地球交響博 ~国づくり人づくりの祭典~ ◆◇  
           
  日時 2009年10月3日(土)10:30~21:00
  場所 第1部 基町クレド 11F NTTクレドホール
     第2部 リーガロイヤルホテル広島 3F ロイヤルホール

    ★過去開催分のプレビュービデオが公開されています。

  ⇒詳しくはこちら http://www.kunidukuri-hitodukuri.jp/expo/ 

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《『政(まつりごと)の心』を求めて》 ― 日本の議会政治の反省(9) ― 
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誤解のないように言っておくが、私は現在民主党員であり数年前まで民主党所属
の参院議員であった。今回の本格的政権交代を20年前から仕掛けてきた人間で
ある。鳩山内閣の成立を心から喜んでいる元政治家だ。

マスコミの世論調査はこぞって70%台を超え、まずは目出度い出発であるが、
スタート期に憲法の原理や議会政治の常道に著しく反して、これは大丈夫かとい
う心配がある。

民主党が国民のため健全な議会民主政治を行うため、あえて問題を提起しておく。 


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『 鳩山内閣の発足にともなう不安 』
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第一は閣議で官僚の記者会見を原則禁止することを決定したことである。反響が
多くその後かなりのなしくずし的変更があったようだ。官僚という政治に従属す
る立場とはいえ、その職務について記者会見を求められたら応じるのが、国民の
知る権利を満たすため拒否できない問題である。会見の内容についてはその時の
状況で守秘義務があるのは当然だ。

問題は閣議という政治決定の場所で、官僚(ねらいは事務次官)の記者会見を禁
止することになると、憲法21条の表現の自由を保障する規定に違反する可能性
がある。 

官僚は政治家と異なり行政の実務や技術的専門的事項について、記者から要求が
あれば応じて説明するのが憲法の原則である。ところが鳩山内閣が官僚支配打破
という掛け声なので、官僚に余計なことを言わせないため、原則禁止という決定
を行ったものと思われる。恐らく歴史的政権交代という気負いの中で、思いつき
的な発想で行われたものであろう。 

歴史的政権交代だからこそ、憲法の原理に関わることは慎重さが必要だ。閣僚の
中にそういう感性の政治家がいないことに驚くが、情けないのは新聞協会などマ
スコミ側が抗議しないことだ。せっかくの政権交代だが憲法の原理を理解してい
ないことでは、自公政権と変わりないといえる。


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『 第二の問題は民主党での議員立法禁止通知 』
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報道によれば与党の二元的意思決定を一元化するため、議員立法は原則禁止し、
法案提出は原則、政府提案に限ることを決め、同党所属の全国会議員に通知した。
とのことである。 

これが事実なら著しく憲法に違反した行為である。政府に法案の提出権を認めて
いるのは内閣法5条である。憲法72条は「内閣総理大臣は、内閣を代表して議
案を国会に提出し、……」と規定している。

新憲法発足時には学者や政治家の中には「政府には憲法上法案の提出権はない」
と解釈運用すべきとの強い意見があった。その不安定さを内閣法で明記したのだ。 

昭和22年から始まった国会、61年にわたる国会改革の基本方針は「政府提出
法案を抑え議員立法による国会の活性化」であった。国会審議の大部分が政府提
出の法案であることが、議員活動を政府に従属させる原因だというのがその理由
であった。民主党の議員立法禁止の理由は「政策決定がスムーズになり、族議員
の誕生を防ぐ」としているが、基本的なことで誤りを犯している。 

「政策決定がスムーズ」であることは民主政治の基本ではない。スムーズが必要
な場合も慎重であることも政府与党の状況判断の問題だ。「族議員の誕生を防ぐ」
とは政治家の姿勢の問題である。自分たちの都合のため、国会議員の基本権であ
る立法権を自縛するような党議決定をどうしてするのか。 

「官僚の記者会見禁止」「議員立法の禁止」といい、民主党鳩山内閣の発足時に
出た問題は議会民主政治の原理に反するものだ。そういえば朝日新聞の声欄に、 
武蔵野市の老婦人が「国家戦略局の名称は、戦争を想起させる」と投書していた。
鳩山内閣の発足を準備してきた民主党関係者に憲法の原理に対する感性がないこ
とが心配である。批判する官僚より官僚的発想で、民主党の官僚化が始まったの
が気になる。



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