2009/04/17
【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第7号 2009年4月17日発行
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平野貞夫の国づくり人づくり政治講座 第7号 2009年4月17日発行
筆者 : 土佐南学会代表 平野貞夫
発行 : 一般財団法人 国づくり人づくり財団
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《前尾政治学》 第7回 ― 東洋思想が世界を救う ―
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3月3日の小沢民主党代表秘書の政治資金規正法違反容疑による逮捕問題で、「
政治と金」「議会政治の理想と現実」を4回にわたって述べてきた。4月20日
現在、東京地検特捜部の暴走ぶりが、専門家から指摘されるようになった。この
問題の背景には、日本社会の病根そのものがあり、これを知らなければならない
。平成時代に入って、日本人は国家社会に対する感性を失ってきた。政治・経済
・社会の各方面で混迷が深まった。平成21年の現在、多くの日本人は国の行方
と自分の将来に、大きな不安におののいている。日本は危機にある。
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『現代政治の再生』
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平成12年に私は『危機の日本』を刊行した。当時、いわき市にある東日本国際
大学で「現代日本政治論」を講義したものをまとめたものであった。その序文で
「危機の日本を救う鍵は、歴史に学ぶことであり、それは日本人の足下にある」
と述べておいた。その具体策は、東洋思想で日本政治を再生することだと確信し
ていた。もちろん、いまも変わらない。この大学の経営者が私に提示したのは、
「現代政治を論語の精神で再生する」というテーマであった。
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『忠恕』
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昭和10年生まれの私は、国民学校4年生で敗戦、占領軍支配の中で新制中学、
高校と、漢文、剣道、柔道などが禁止されていた。国家主義教育だということで
だ。解放されたのが日本が独立した後で、高校3年生のとき、漢文まして論語な
どを知るはずもなかった。
私は「論語読まずの論語知らずだ」と断ったところ、「君の生まれは土佐だろう、
土佐南学は儒学だ。君の心身は儒学と切り離せなくなっているよ」と言われ、そ
れでは論語を学びながらその精神で、日本の政治再生に挑戦しようと決断した。
この話があった日、自宅に帰ると床の間に故人となった私の人生の師、前尾繁三
郎元衆院議長の掛け軸が目に止まった。そこには論語の学而第一から「人不知而
不慍」(人知らずしていきどおらず)という言葉が書いてあった。初めて自分が
論語文化の中で暮していたことに気がついた。
その夜、高校時代の恩師・美馬敏男先生の著書『流れ木』を読んでいると、昭和
38年に書かれた「論語について」が目に入った。「今あらためて論語を読み返
してみて、その無限の含蓄と新しさに打たれる。
これは何よりも実践道徳の書であり、激しい自己反省と修行の書である」と述べ
、特に「忠恕(ちゅうじょ)」の意味について「忠は内なるまごころに背かぬこ
と、恕はまごころによる他人への思いやりで、目指すところは『仁』であろうか
、と孔子の高弟・曽子の言葉を引用して、教育者の基本姿勢とすべきだと論じて
いた。
美馬先生は、当時、高知県の教職員組合すなわち日教組活動の指導者で、社会党
左派の立場の教員であった。日教組の指導者が、論語の精神を教育者の基本姿勢
とすべきと論じる時代が日本にはあったのだ。私はこの2人の師に教えを受けた
天の配剤に感謝し、これを次の世代にどう伝えるかが、これからの使命だと考え
るようになった。「国づくり人づくり財団」の活動と共鳴させて広げたい。
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『東洋思想』
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さて、平成20年9月のリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、米国の金融
資本主義は崩壊した。ポスト資本主義を人類は構築しなければならない。何故金
融資本主義は崩壊したのか。その根本原因は、西欧近代思想の破綻であることを
知るべきだ。「合理性、論理性、効率性」を追求することが正義であるとの西欧
近代思想で、今日の繁栄を築いた人類は、所有欲と存在欲を限界まで引き延ばし
た結果が、今日の資本主義の終末的危機である。人類は「倫理」と「共生」を柱
とする東洋思想によって救われるのだ。(つづく)
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