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永田町で45年を過ごした経験を元に、「日本の将来を託せる政治家の育成」のために自身の体験と理論の全てを注入いたします。「人間と政治」「日本人と政治」「日本の議会政治」等の問題を解明し、さらに時々の政治問題なども分析して解説していきます。

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2009/03/13

【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第2号 2009年3月13日発行

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     平野貞夫の国づくり人づくり政治講座  第2号  2009年3月13日発行

                         筆者 : 土佐南学会代表 平野貞夫
                         発行 : 一般財団法人 国づくり人づくり財団

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《前尾政治学》 第2回 ― 修己治人 ― 
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前尾政治学の方法論は

『政治も経済も、すべての社会現象は、人間が関わり、人間が行っているものだ。
人間の本質を知れば、あらゆる問題は解明できるし、対処することもできる』

というものです。 

この「人間の本質を知る」ということは、極めて困難なことで、前尾先生自身悩
みに悩んだ問題でした。亡くなられる2週間前、私が最後にお会いしたとき、 

『人間という動物はまことに複雑怪奇で、一筋縄ではいかない。理解したと思っ
たとたんに、その理解をするりと抜け出してしまう。まったく人間の理解には骨
が折れる。』 

と、笑って話されたことを憶えています。そういえば、「政治が悪い」とか「経
済が悪い」と、よく言われます。考えてみれば「人間が悪い」から、政治や経済
が悪くなるのです。すべてが人間のあり方にかかっていると思います。 


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『 人間理解の難しさ 』
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現代の日本政治を、人間論からみてみましょう。平成時代となって20年を過ぎ
ました。私は昨年11月『平成政治二十年史』(幻冬舎新書)を刊行して、最近
の政治について論じてみました。結論は「平成政治の20年間は、議会政治や憲
法原理が崩壊していく政治の連続であった」というものでした。 

この私の見方に反対する人は、ほとんどいないと思います。それだけ政治が悪く
なっているのです。ということは人間、日本人が悪くなっているといえます。正
確にいえば、日本の政治家の人間性が劣化しているのです。 

驚くべきことが発生しています。今月2月25日付の英国フィナンシャル・タイ
ムズ紙は社説で、現在の世界金融危機に対処する日本の政治を厳しく批判してい
ます。 

『麻生政権は弱体化しすぎていて、政策を通せない。自民党も不人気すぎて、衆
院議員の任期満了となる9月より前の総選挙を、検討もできなくなった』と。 

たしかに麻生首相の政治家としての資質には問題があります。しかしこれはいま
に始まったことではありません。日本の首相の政治家としての資質が極端に劣化
したのは、平成12年4月に5人組の談合でつくられた森喜朗首相からです。 

森首相による衆院解散・総選挙中、TBSの政治討論会で「森首相の政治家とし
ての資質」が問題となりました。私が、前尾先生が日頃力談していた「政治家で
ある前に人間であれ」との教訓を紹介して、「森首相は人間としての資質に問題
がある」と言ったところ、自民党の野中広務議員が大声で反論してきたことがあ
ります。話が脱線したので戻します。 

前尾先生は、この「人間理解の難しさ」を究明するため、何を参考にしようとし
たのか。「人間のあり方」を研究する為「儒学」、わけても孔子の思想を中心に
「論語」に注目していました。「論語は、人間の本質とあり方を研究するバイブ
ルだ」と、口ぐせのように語っていました。 


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『 修己治人 』
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そこで前尾先生が、孔子をどのように評価していたのでしょうか。遺稿となった
『十二支攷』から紹介しましょう。

孔子を儒教の総師として、孟子によって継承されて理論化し、さらに荀子によっ
て体系化されたと述べています。道教との違いについて、己を高める「修己」を
道家が目的としているのに対して、儒家は修己とともに人を治める「治人」とい
う政治思想を重視しています。孔子、孟子、荀子とそれぞれの所説が決して同じ
ではありません。その理由は経済発展による社会構造の変化だと論じています。 

さて、その総師である孔子の基本思想を前尾先生は

『仁の徳をもって己を修め、これを近き者から遠き者に及ぼし、博愛をもって人
を治め、国を治め、天下を治める』

と整理しています。「国づくり人づくり」の原点は、ここにあります。 



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