平野貞夫のISC政治塾 第2号 2008年3月21日
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平野貞夫のISC政治塾 第2号 2008年3月21日
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□□□□ 筆者 : 土佐南学会塾長 平野貞夫
□□□□□□□ 発行 : 誇れる国づくり魅力ある人づくり事務局
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道路財源問題の本質は何か
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道路特定財源が、ミュージカルやマッサージチェア、アロマテラピー器具、その
果てには「公共用地補償機構」職員の大名旅行に乱用されていることが判明し、
国会もマスコミも大騒ぎしているが、誰も「道路特定財源」の本質を論じるもの
はいない。情け無いのが日本の政治状況だ。
そこで、二回目の講座では誰も論じない「道路財源問題」の本質を話そう。
敗戦の混迷から立ち直るため、日本は国策として鉄鋼・石炭鉱業の復興計画であ
る傾斜生産方式を推進した。昭和二〇年代の終わり頃、道路を整備することが、
より復興を促進するとの議論が高まり、道路特定財源という制度ができる。
これは田中角栄という政治家が発想したものではない。
ケインズという経済学者が考え出した「公共投資」による経済の発展政策である。
当時の日本政府の政策頭脳のアイデアであった。
昭和三〇年代と昭和四〇年代の約二〇年間、道路特定財源を中心に道路公団など
特殊法人、そして、特別会計の三点セットで、わが国の基幹道路網は高い水準で
整備された。この道路整備が、日本の高度経済成長をもたらしたことは、誰しも
が知っていることだ。この間の国家投資は、財政規模として戦前の満州国への投
資と同じ規模だといわれている。
資本主義というのは、常に拡大しなければほろびるものだ。満州国への投資は結
局太平洋戦争へと拡大して敗戦の悲劇を起こした。その意味で、戦後の道路整備
では珍しくケインズ政策が成功したケースだ。
しかも、それは昭和四〇年代までであった。その理由は、特定財源・特殊法人・
特別会計という非常手段による政策の遂行は、永遠に続けるものではない。目的
が終われば直ちに、一般的で総合的な国家政策の中に統合されるべき性格のもの
であった。
昭和五〇年代には、この道路特定財源などの政策を整備しようという動きがあっ
た。それは戦後赤字が拡大し深刻化する中で、公共事業への予算を毎年一〇%カ
ットする方針が立てられ、道路のトンカチ行政を見直すべきだと、当時の建設省
で真剣に議論した時期もあった。こういった歴史を誰もが忘れていることに、現
在の日本政治の劣化がある。
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何故道路行政の抜本改革が実現しなかったのか
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この時期、何故道路行政の抜本改革が実現しなかったのか、理由は二つある。
一つは、バブル経済の発生である。もう一つは、道路財源の甘い汁から離れるこ
とができなくなった官僚の腐敗である。
道路官僚がシナリオをつくり、自民党の道路族が談合調整をし、土建業者が工事
で儲ける資金と票を自民党政治家に廻す。そして道路官僚は天下り先の財団法人
を次々とつくり、生涯道路に関わる税金で生きていく仕組みを完成させたのだ。
これはソ連共産党がかつて国家を独占したことと同じである。道路特定財源のよ
うな政策は、一定の期間特定の目的で、公正な行政と国会の監視で行われるべき
である。
昭和五〇年代の末期から始まった日本のバブル経済は、政治家・官僚・企業の倫
理観を喪失させた。公私混同、私利私益優先の日本社会をつくってしまった。こ
れは道路問題だけではない。年金問題の厚生省の実態も同じだ。まだまだ国民の
知らない官僚がつくるシナリオで、政治家と企業が癒着して税金を私欲のため浪
費している構造はいくらでもある。この構造は自民党政権が永遠に続くという前
提で成り立っている。要するに自民党政権を続けるために、道路特定財源やガソ
リン税の暫定措置が存続しているのである。
本来、二〇年前に廃止など抜本改革して、社会保障や教育や環境、食料、エネル
ギー問題などと同次元で、国家としての資源・財源の再配分として適切な仕組み
を創るべきであった。
いま国民的論議となっている「道路財源問題」が、根本的に改革されないならば、
この国は亡国の道路を突っ走ることになる。
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