情処プロマネ対策 午後I強化塾 Vol.10
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┏━┓ 情報処理試験プロマネ対策 発行日:2008/05/26
┃ ┣┓ 午後I試験 強化塾
┗┳┛┃
┗━┛ 〜事例問題への対応力を強化します〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.10
発行者:テレコムリサーチ 佐藤( http://pm.tlcm.jp/ )
(注)本稿は等幅フォントでの参照を前提として記載しています。罫線
などがずれて表示される場合は、ブラウザ及びビューアのフォン
トを等幅フォントに変更されることをお勧めします。
┌──────────────────────────────────
│●メールマガジンの趣旨
└──────────────────────────────────
情報処理技術者試験プロジェクトマネージャの、午後I試験(事例
問題)への対応力をつけるためのメルマガです。
過去問題の解説や、問題を解くための学習方法について掲載します。
また、プロマネの基礎知識や、筆者造作の模擬試験なども掲載しま
す。午後I試験の強化を重点テーマとして考えていますが、試験全
般に関する話題も取り上げていきます。
単なる受験対策ではなく、受験対策そのものを楽しんで行えるよう
にしたいと考えています。
2008年度 秋のプロマネ試験にむけて情報発信していきます。
┌──────────────────────────────────
│●今回の目次
└──────────────────────────────────
(1)プロマネ午前II試験の<超早>予想問題集!
第2回 出題テーマ:EVM(Earned Value Management)
(2)試験解答パターンの学習
第6回 【問題掲載】No.12、No.13、No.14を掲載
(3)頻出用語の学習
第3回 【用語掲載】No.9〜No.12を掲載
(4)編集後記
〜IT業界の見積もりの根拠のなさという大鉱脈〜
┌──────────────────────────────────
│(1)プロマネ午前II試験の<超早>予想問題集!
└┬────┬────────────────────────────
│第 2回│出題テーマ:EVM(Earned Value Management)
└────┴────────────────────────────
本講座では、H21年度春季から出題される、午前II試験に対応し
た内容を掲載します。
具体的には、テーマに沿った模擬試験(選択式)を掲載し、その後
解説をします。模擬試験は、筆者が考えたものなので、当然ながら
本番の試験で出題されることを保証するものではありませんが、模
擬試験で実力をつけておけば、実際の試験でも応用を利かすことが
できると考えます。
ちなみに現行の試験制度においても、この知識は無駄にはならず、
むしろ有効に活用できると思います。特に、論文作成時に用いるこ
とで、より具体的な論述ができると思います。
第2回の今回の出題テーマは、「EVM」からの出題です。近年、
午後I試験では、EVMに関連する出題が増えているように思いま
す。おそらく、午前II試験でもEVMに関連する問題は必ず出題さ
れるといえるでしょう。
【問1】難易度:I
EVMを用いることで得られるメリットに関する記述のうち、最も
適切でないものはどれか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ア.現時点のパフォーマンス状況をもとに、将来予測をする手法が
確立されている。
イ.作業の遅延をコストベースで把握することが可能になり、遅延
量が可視化される。
ウ.スケジュールとコストの両面のプロジェクト状況を把握できる
ので、効果的なマネジメントが可能になる。
エ.どのプロジェクトにおいても容易なデータ収集で、精度の高い
管理を行うことができる。
【問2】難易度:I
次のプロジェクトの状況について、最も的確な状況把握をしている
記述はどれか?
<プロジェクトの状況>
在庫管理システム構築プロジェクトのプロジェクトマネージャは、
進捗状況がおもわしくないことを気にかけていた。
現在は外部設計工程であり、本工程の全所要工数は12人月と計
画している。現在、外部設計工程の半ばであるが、現時点のPV
を8人月と計画していたのに対し、EVは6.5人月となってい
る。また、ACは6人月である。
ア.過剰な工数をかけているにも関わらず作業が進んでいない状況
であるため、プロジェクト・チームでは、手戻り作業が増加し
ている等の問題に直面している状況だと判断できる。
イ.計画的な工数投入ができており、ほぼ予想通りの出来高となっ
ている。むしろ当初計画が誤っていると考えられるため、計画
を現在のスケジュールに合うように変更する必要がある。
ウ.コスト・パフォーマンスが悪化しているため、人的資源の投入
などによる挽回策を打つ必要がある。
エ.人的資源の投入が満足にできていない状況であるため、計画し
ていた工数がなぜ投入できていないのかを探る必要がある。
【問3】難易度:II
次のプロジェクト状況について、最も適切な記述はどれか?
<プロジェクトのWBSと状況>
(単位:万円)
WBS番号+タスク名称 BAC PV EV AC
+-------------------------------------+----+---+---+---+
通信システム開発プロジェクト 3500 260 245 240
1. 外部設計工程 340 260 245 240
1.1 既存システムの調査 100 100 100 80
1.1.1 既存システムの仕様書調査 100 100 100 80
1.2 設計書の作成 200 150 135 145
1.2.1 Aサブシステム 30 30 30 40
1.2.2 Bサブシステム 80 70 75 65
1.2.3 Cサブシステム 90 50 30 40
1.3 レビュー 40 10 10 15
1.3.1 Aサブシステム 10 10 10 15
1.3.2 Bサブシステム 10 0 0 0
1.3.3 Cサブシステム 20 0 0 0
:
:
ア.外部設計工程と並行して、他の作業を遂行しており、結果的に
プロジェクト全体としてはオンスケジュールの状態である。
イ.計画に対してスケジュールが最も遅延しているタスクは、WB
S番号 1.2.3 の作業である。
ウ.設計書の作成作業全体では(1.2 設計書の作成)、スケジュー
ル、コスト面ともに計画通りである。
エ.レビュー作業がほとんど進展しておらず、進捗遅延のネックと
なっている。
【問4】難易度:II
EVMを適用するために各タスクの評価基準を定める必要がある。
出来高パーセント法に関する記述のうち、適切なものはどれか?
ア.個々のタスクの進捗状況を集約し、プロジェクト全体の進捗状
況とする手法。
イ.タスク担当者の主観や独自の基準に従って、百分率で進捗を計
上する方法。
ウ.タスクの主要な進捗時点をマイルストーンとして設定する手法。
エ.タスクの着手時点と完了時点で計上する進捗の割合を固定的に
配分する手法。例えば20-80ルールなどがある。
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・・・そもそも本書を執筆するためのモチベーションは、筆者がプロジ
ェクトマネージャ試験の受験勉強中に、次のように感じたことがきっか
けでした。
「プロジェクトマネージャの受験対策本では、過去問題の詳細な解説や
受験テクニックは教えてくれるが、プロジェクトマネジメントそのも
のの知識をほとんど解説していない。
自分は、プロジェクトマネジメントの知識も学びたかったのに、これ
では、別の書籍を読むしかない....」
受験勉強をしながら、受験とは関係のないプロジェクトマネジメントの
書籍を読むというのは時間的に厳しく、また、
「こんなことをしていて合格できるのか?過去問題を解いたほうがよ
いのではないか?」
と自問自答することにもなり、精神衛生上もあまりよろしくありません
でした。
しかし・・・・・!
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【解答】
問1:エ
問2:エ
問3:イ
問4:イ
【解説】
●問1
EVMのメリットと、適用にあたっての困難性を問う問題です。順
番に解説していきましょう。
ア.は正しい説明です。EVMでは、単に現時点のパフォーマンス
状況を把握するだけでなく、将来予測をする手法があります。例え
ば、現在のパフォーマンスでプロジェクトが進展した場合、プロジ
ェクト完了時点で必要とされる総コストがいくらになるのか?期間
はどれくらい超過(または前倒し)するのか?などといった推測が
可能になります。
イ.ですが、EVMの単位は、一般的には通貨単位(円など)とな
っています。よって、作業の遅延など、すべてのプロジェクト状況
がコスト(予算、工数などの総称と考えましょう)で定量的に把握
できます。よって正しい説明です。
ウ.も正しい説明です。EVMは、スケジュール面とコスト面を統
合したツールです。EVMはプロジェクト状況把握に優れているた
め、ステークホルダとのコミュニケーションを促進するツールとも
考えられています。
エ.ですが、「どのプロジェクトにおいても容易なデータ収集で」
という点が誤りです。EVMを適用するには、コスト情報を収集す
る必要がありますが、組織によっては、金額ベースの実績コストを
収集できるのは毎月末であったりします。そのため、月に1度のパ
フォーマンス評価しかできず、精度の高い管理を行えない場合があ
ります。
そのため、実績コストを用いたEVMではなく、スケジュール状況
から実績コストを「みなし」で算出したり、金額ではなく、稼働工
数を用いたりするなど、適用にはひと工夫が必要な場合が少なくあ
りません。また、請負契約で発注している作業については、コスト
情報の収集に関して、発注者は責任範囲が及びませんので、この点
についても工夫が必要になります。
●問2
EVMの指標から、プロジェクトで起こっている問題について推測
できるかどうかを問う問題です。プロジェクト状況から得られる情
報を整理すると以下のようになります。
BAC=12
PV =8
EV =6.5
AC =6
SV =−1.5
CV =0.5
SPI=0.81
CPI=1.08
(※EVMの基本的な指標についておさらいが必要な場合は、本解
説の末尾に説明を掲載していますので、そちらを先に読んでく
ださい)
PV=8に対して、AC=6と、実際に投入した工数が少なくなっ
ています。これは、計画通りの工数投入ができなかったことを意味
しています。
また、コスト・パフォーマンス指標をみるとわかりますが、コスト
効率は良く、これがプロジェクト進捗遅延の原因ではありません。
よって前述のように、投入工数が確保できていないことが原因であ
り、この点を追及する必要があります。これに合致する選択肢は、
エ.となります。
また選択肢イ.では、当初計画のほうが誤っており、リスケジュー
ル(スケジュールをし直すこと)をするべきだ、とあります。もち
ろん、計画の策定が大幅な見積もり誤りを起こしており、過度に厳
しいスケジュールとなっており、挽回の見通しが立たない場合は、
リスケジュールをすることが解決策になります。ただし、問題文を
読む限りでは、見積もり誤りが原因であることを確定できません。
計画と実績の差異が発生した原因を追及することなしにリスケジュ
ールを行うのは誤りです。
★EVMで用いられる基本的な指標の説明★
(引用:佐藤創, システム開発現場のプロジェクトマネジメント
教科書, テレコムリサーチ, 2008年)
・BAC(Budgeted At Completion)
完了時総予算と呼ばれ、プロジェクト完了時におけるすべての作
業に割当てられた予算を総和したものです。
・PV(Planed Value)
計画予算のことで、ある時点までに完了するように予定した作業
の予算コストです。例えば、ある作業を行った時に、1週間後に
消化するはずの計画されたコストのことです。
・AC(Actual Cost)
実績コストのことで、作業で実際に消化したコストのことです。
・EV(Earned Value)
出来高のことで、作業を完了したタスクに割りつけられているコ
ストを示します。例えば、ある作業に100人時が割当てられて
おり、作業の50%が完了した場合は、100人時の半分、つま
り50人時がEVです。EV=BAC×進捗率 で示されます。
EVの算出では、進捗率を用いるのではなく、完了までの期間や
工数(残作業)を用いて算出する場合もあります。
>(例)計画作業日数を x日分とする。
> 計測時点で、後y日仕事をすれば完了するとする。
> 計測時点のEVは、(x-y)/ xで求められる。
>
> EV = (x - y)x
> ┌───────┐
>
> ┌───────┼─────────────┐
> │ 完了分作業 │ 残作業(y) │
> └───────┼─────────────┘
>
> └─────────────────────┘
> x
※ > 部分の出典:情報処理振興事業協会, EVM活用型プロジェクト
・マネジメント導入ガイドライン, 2003年(一部加筆)
・SV(Schedule Variance)
スケジュール差異を示します。計画に対してどの程度進捗が遅れ
ているのか、また進んでいるのかを示します。
SV = EV − PV で示されます。
SV>0 : スケジュールは予定よりも進んでいる
SV=0 : スケジュールは計画通り
SV<0 : スケジュールは予定よりも遅延している
・CV(Cost Variance)
コスト差異を示します。計画に対してどの程度コスト超過、また
はコスト効率が良いかを示します。
CV = EV − AC
CV>0 : 予定よりも少ないコストで実施されている
CV=0 : コスト消費は計画通り
CV<0 : コスト超過が発生している
・SPI(Schedule Performance Index)
スケジュール効率指標のことで、スケジュール進行のパフォーマ
ンスを示します。
SPI = EV / PV
SPI>1 : スケジュールは計画よりも効率的に進行中
SPI=1 : 計画通りの進行
SPI<1 : 計画よりもスケジュール効率が悪い
・CPI(Cost Performance Index)
コスト効率指標のことで、コスト消費のパフォーマンスを示しま
す。
CPI = EV / AV
CPI>1 : コスト消化は計画よりも効率的に進行中
CPI=1 : 計画通りの進行
CPI<1 : 計画よりもコスト効率が悪い
●問3
プロジェクトで収集されたEVM情報から、適切なプロジェクト状
況を読み取る問題です。まずは、表に不足している情報を追記して
みましょう。SPI/CPIを追記した表を以下に示します。
WBS番号+タスク名称 BAC PV EV AC SPI CPI
+-------------------------------------+----+---+---+---+----+----+
通信システム開発プロジェクト 3500 260 245 240 0.94 1.02
1. 外部設計工程 340 260 245 240 0.94 1.02
1.1 既存システムの調査 100 100 100 80 1.00 1.25
1.1.1 既存システムの仕様書調査 100 100 100 80 1.00 1.25
1.2 設計書の作成 200 150 135 145 0.90 0.93
1.2.1 Aサブシステム 30 30 30 40 1.00 0.75
1.2.2 Bサブシステム 80 70 75 65 1.07 1.15
1.2.3 Cサブシステム 90 50 30 40 0.60 0.75
1.3 レビュー 40 10 10 15 1.00 0.66
1.3.1 Aサブシステム 10 10 10 15 1.00 0.66
1.3.2 Bサブシステム 10 0 0 0 - -
1.3.3 Cサブシステム 20 0 0 0 - -
また、表を読む際に注意するのは、親タスクの指標は下位タスクの
指標を集積した値になっているという点です。
ア.では、「外部設計工程と並行して、他の作業を遂行しており」
とありますが、「通信システム開発プロジェクト」の行の指標を
見ると、PV/EV/ACは、「1.外部設計工程」と同じ値になっています。
親タスクは、下位タスクを集積した値になっている前提ですので、
外部設計工程以外の作業には着手していないことがわかります。
よって、ア.は誤りです。
イ.では、「1.2.3 Cサブシステム」タスクが最も遅延している
作業であると記載されています。このタスクの SPI を参照すると、
0.6 となっており、すべての作業のなかで最もスケジュール・パフ
ォーマンスが悪いことがわかります。よって、イ.の内容は正しい
ため正解となります。
ウ.に記載されている「1.2 設計書の作成」は、SPI/CPI ともに遅
延傾向を示しており、問題文の内容とは異なりますので、誤りです。
エ.では、レビュー作業が進展していないとあります。確かにレビュ
ー関連の作業は EV が0になっているために、進んでいませんが、PV
も0となっています。つまり、現時点でレビューの実施が計画されて
いないことを示しており、レビューが進捗遅延のネックとなっていま
せん。よってエ.も誤りです。
●問4
タスクの評価基準に関する問題です。EVMでは、タスク遂行状況
の明確なルールが必要になります。主要なタスク評価手法について
以下に記載します。
┌──────┬──────────────────────────┐
│評価基準 │内容 │
├──────┼──────────────────────────┤
│固定比配分法│タスクの着手時点と完了時点で計上する進捗率を固定的に│
│ │配分する方法。例えば、0-100ルール、20-80ルール、 │
│ │50-50ルールなどがある。0-100ルールは、タスク着手時点│
│ │で進捗を計上せず、タスク完了時点で100%を計上する方法│
│ │である。 │
├──────┼──────────────────────────┤
│出来高パーセ│タスクの担当者の主観、もしくは担当者独自のルールによ│
│ント法 │って、百分率で進捗を計上する方法。適用が容易だが、報│
│ │告者の主観による方法であるため、定期的な進捗チェック│
│ │と、明確な作業スコープがないと、進捗率の妥当性が薄れ│
│ │る。 │
├──────┼──────────────────────────┤
│重み付けマイ│タスクを個々の期間に分割し、マイルストーンとして設定│
│ルストーン法│する。マイルストーンには、予め達成度合いが設定されて│
│ │おり、それをもって進捗度を評価する。期間の長いタスク│
│ │に適用される。すべてのタスクのマイルストーンを設定す│
│ │ることが難しいが、客観的な評価方法である。 │
├──────┼──────────────────────────┤
│マイルストー│出来高パーセントの容易さと、マイルストーン法の客観性│
│ン出来高パー│を取り入れた手法。進捗率の主観的な評価が、マイルスト│
│セント法 │ーンごとに許容されている。例えば、担当者による設計書│
│ │の作成完了までは、進捗率0〜70%を主観的に計上すること│
│ │ができ、レビュー完了までは71〜90%を、レビューによる │
│ │指摘事項の修正完了までは、91〜100%を主観的に計上でき│
│ │る、というような方法である。 │
└──────┴──────────────────────────┘
(引用:佐藤創, システム開発現場のプロジェクトマネジメント教科
書, テレコムリサーチ, 2008年)
上記解説内容に合致する選択肢は、イ.となります。
今回はここまでです。
どうでしょう、知識の棚卸に役立ちましたでしょうか。
次回は個別の知識領域にテーマを絞って出題します。
┌──────────────────────────────────
│(2)試験解答パターンの学習
└┬────┬────────────────────────────
│第 6回│【問題掲載】No.12、No.13、No.14
└────┴────────────────────────────
過去問題を一問一答形式に編集し直して、短時間に解答を行うのが、
「試験解答パターンの学習」です。これは、過去問題を解くために
まとまった時間を確保しなくても良いように工夫した学習方法で、
繰り返し解くことで過去問題の出題傾向を体感的に理解できます。
問題と解答を繰り返し眺めるだけでも効果がありますので、これか
らプロマネの試験勉強を始めようとする初学者に適した学習方法で
もあります。
今週の問題です。
問題の下に考えるヒントを掲載しています。その後、解答例を記載
します。
/********************************************
* 今週の問題 *
********************************************/
【問題:No.12】
プロジェクトマネージャであるA氏は、サブシステム毎に担当する
チームを分割した体制を組んだ。
その際、各チーム・メンバから、"業務が忙しいので、自部門の執務
場所で作業を進めたい"という要望が強かったため、チーム・メンバ
は、各自の執務場所で作業を行っている。
その後、A氏が各チームリーダに進捗状況をヒアリングしたところ、
作業進捗がおもわしくなく、チーム内には、"納期までに完了できる
はずがない"というムードが漂っていた。
この際A氏は、プロジェクトの一体感を高めるための執務場所に関
する、どのような対策を取ることが望ましいか?
【問題:No.13】
プロジェクトマネージャであるA氏の担当するシステム開発プロジ
ェクトにおいて、客先から機能追加の要求が提示された。また客先
からは、本機能追加によってシステム稼働日の延期は認められない
と念を押された。
A氏は要求内容の実現について検討したが、システム基盤からの見
直しが必要であり、残りの作業期間を考慮するとリスクが高いと判
断した。
A氏は、システム稼動日を延期できないことを念頭に置き、客先に
回答しようと考えた。またこの追加機能について、あわせて客先に
確認しておくべきことがあると考えた。
A氏が追加開発要求に対して回答した内容は何か?またA氏が客先
に確認することとは何か?
【問題:No.14】
ITベンダのK社は、P社が構築するコールセンタの受付システム
の開発を受注した。K社ではA氏がプロジェクトマネージャに任命
された。
受付システムでは、商品毎に受付画面を作成する。要求定義書には、
作成する画面や帳票の種類が決められている。
A氏とP社担当者間で協議し、K社とP社間のレビューを画面・帳
票毎に行うこととし、その日程を決定した。
A氏は、メンバの進捗状況をP社のレビュー承認が得られた画面・
帳票数で管理することにした。この方法で進捗管理する場合のメリ
ットとデメリットは何か?
/********************************************
* 今週の問題のヒント *
********************************************/
【ヒント:No.12】
執務場所がばらばらだと、チーム・メンバと顔を合わせる機会も減
り、チーム・ビルディングの観点からは、負の影響を与えることに
なります。この観点から回答を作成しましょう。
【ヒント:No.13】
機能追加要求を実現してほしいが、納期は延期できないという、無
理難題をどうさばくかを問われている問題です。無理なことにNO
と言える勇気を問われているのと、NOと言うにしても、建設的な
NOをいえる柔軟さも問われています。
【ヒント:No.14】
実際の実務に即した問題です。作業管理の精度(粒度)を問う問題
だということに気づけるかどうかが肝要です。それによるメリット
・デメリットは、よく考えてみれば気づけるはずです。
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のの知識をほとんど解説していない。
自分は、プロジェクトマネジメントの知識も学びたかったのに、これ
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受験勉強をしながら、受験とは関係のないプロジェクトマネジメントの
書籍を読むというのは時間的に厳しく、また、
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* 今週の問題の解答例 *
********************************************/
以下に解答例から掲載します。
解答の方向性が一致しており、主要なキーワードが盛り込まれてい
れば正解となります。すべての語句が一致している必要はありませ
ん。複数の解答例が記載されているものは、いずれの解答でも正解
であることを示しています。
【解答例:No.12】
・執務場所を一か所に集めて、一体感を醸成する
・プロジェクト・ルームを用意して、一体感を醸成する
・作戦室を用意して、一体感を醸成する
【解答例:No.13】
<回答した内容>
・機能追加要求については、システム稼働後に対応とすること
<客先に確認する内容>
・システム稼動日遵守と、機能追加要求対応の優先度
(稼働日か追加要求かのトレードオフを提示し、優先度を確認する
こと)
・システム稼働開始日に、本追加機能が必須なのかの確認
(システム稼働後の段階的開発が許容されるかどうかを確認するこ
と)
【解答例:No.14】
<メリット>
・進捗が統一的な指標で客観的に管理でき、担当者毎の進捗率の認識
誤差を排除できる
<デメリット>
・レビュー承認を得られるまでの作業進捗を把握できない
いかがでしたか?ご自身の解答と方向性は合っていましたか?
┌──────────────────────────────────
│(3)頻出用語の学習
└┬────┬────────────────────────────
│第 3回│【用語掲載】No.9〜No.12
└────┴────────────────────────────
午後I試験の模範回答で繰り返し用いられる用語をまとめて、覚え
るのが「試験解答パターンの学習」です。頻出用語とその用法を覚
えることで、制限字数以内に解答を作成する時間が短縮されます。
毎回4個づつ用語を掲載していきます。「頻出用語」では、用語の
区分(用語、言い回し、抽象化)や、用語の意味、用語を使用する
ケースと使用例を示します。
用語の区分の説明:
・用語 :午後I試験の解答としてよく用いられる語句のこと
・言い回し:事象や状況を説明する表現方法のこと
・抽象化 :物事や事象の本質を端的に言い表す表現方法のこと
┌───┬─────┬────────┬─────────────┐
│用語の│用語 │意味 │使用ケースと使用例 │
│区分 │ │ │ │
├───┼─────┼────────┼─────────────┤
│用語 │改修 │ソフトウェアのバ│(例)改修部分に対応するデー│
│ │ │グを修正すること│タが整備されているかを確認│
│ │ │ │する │
├───┼─────┼────────┼─────────────┤
│用語 │開発標準 │システム開発プロ│(例)開発標準を熟知している│
│ │ │セスの標準を定め│ │
│ │ │た文書のこと │ │
├───┼─────┼────────┼─────────────┤
│抽象化│機能制限付│機能の実現に制限│バグの未改修などにより、制│
│ │き │がかかっているソ│限付きでシステムを稼働させ│
│ │ │フトウェアのこと│る場合に用いる │
│ │ │ │(例)品質不良により、一部機│
│ │ │ │能制限付きでリリースを行う│
├───┼─────┼────────┼─────────────┤
│抽象化│交渉 │当事者間で話し合│物事を決定する際に、利害関│
│言回し│ │うこと │係の絡む話し合いが必要な場│
│ │ │ │合に用いる。 │
│ │ │ │(例)費用負担責任について交│
│ │ │ │渉を行った │
└───┴─────┴────────┴─────────────┘
┌──────────────────────────────────
│(4)編集後記
└──────────────────────────────────
先日「ウェブ時代をゆく」(著:梅田望夫/ちくま新書)を読みま
した。かなり示唆に富む内容で、想像力をいろいろと書き立てられ、
読了後もワクワク感が残るような、非常にエキサイティングな時間
を過ごしました。
書籍の内容を起爆剤として、個々人の固有の知識と結びついて新し
い知恵やアイディアが生まれる・・・このような体験ができると読
書は非常に楽しいものになります。梅田望夫氏は、こうしたことを、
「群衆の叡智」と呼んでいます。私も少なからずこの体験をしたこ
とになります。
さて本書の中で、グーグルの事業戦略に関する記載がありました。
グーグルは、
「検索エンジンの構築から検索連動広告という高収益事業の創造、
そしてその成功をテコに買収を含むあらゆる経営手法を駆使し
ての広告業界の覇権奪取」(引用:ウェブ時代をゆく P41)
という一本の筋道が通っているといいます。
グーグルは検索エンジンを開発していくなかで、
「広告費の価格設定における根拠のなさ、というビジネス上の大鉱
脈に(中略)ぶち当たった」(引用:ウェブ時代をゆく P42)
というのです。
確かに新聞、雑誌やTVCMをはじめとして、広告宣伝の価格は、
根拠が不明確だと思います。個人的には高いと感じるのですが、そ
れがいつか業界標準になってしまっていたのでしょう。グーグルは
ここに、オープンな検索連動型広告をもって切り込み、大成功をお
さめています。そういった意味で、業界の「根拠のなさ・客観性の
なさ」は大鉱脈になりえます。
ひるがえってIT業界を見渡しますと、「根拠のなさ・客観性のな
さ」という大鉱脈はいたるところに埋まっているように思います。
見積もり1つとっても、明確な根拠が足りないと言えるでしょう。
無論、第三者からみた根拠であり、企業内部のコスト構造に基づい
た根拠は説得力がありません。グーグルのようなオープンさがない
からです。
ここにグーグルと同様の発想を持って切り込み、「大鉱脈」に変換
させることは可能だと思います。おりしもIT業界の構造について
意見が活発になっています。品質問題、偽装請負など、さまざまな
問題を解決するためのブレイクスルーとして、「大鉱脈」を探るこ
とを追求してみたいと思うようになりました。
今後も継続して研究し、何か面白いアイディアが浮かべば、またお
知らせしたいと思います。
今回も最後までお読みくださってありがとうございました。
メルマガについてご意見・ご感想お待ちしていますのでお気軽にお
願いします。
(メルマガ筆者:佐藤)
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