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情報処理試験プロジェクトマネージャの受験者必読!プロジェクトマネージャ試験に合格した筆者が、午後I試験の対応力を集中的に強化する方法を解説します!プロマネの基礎知識講座や、模擬試験などのコンテンツもあり情報満載です。

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2008/03/31

情処プロマネ対策 午後I強化塾 Vol.3

この記事を取り寄せる

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏━┓       情報処理試験プロマネ対策    発行日:2008/03/31
┃ ┣┓        午後I試験 強化塾
┗┳┛┃
 ┗━┛    〜事例問題への対応力を強化します〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.3
発行者:テレコムリサーチ 佐藤( http://pm.tlcm.jp/ )

(注)本稿は等幅フォントでの参照を前提として記載しています。罫線
  などがずれて表示される場合は、ブラウザ及びビューアのフォン
  トを等幅フォントに変更されることをお勧めします。

┌──────────────────────────────────
│●メールマガジンの趣旨
└──────────────────────────────────
 情報処理技術者試験プロジェクトマネージャの、午後I試験(事例
 問題)への対応力をつけるためのメルマガです。
 過去問題の解説や、問題を解くための学習方法について掲載します。
 また、プロマネの基礎知識や、筆者造作の模擬試験なども掲載しま
 す。午後I試験の強化を重点テーマとして考えていますが、試験全
 般に関する話題も取り上げていきます。

 単なる受験対策ではなく、受験対策そのものを楽しんで行えるよう
 にしたいと考えています。
 2008年度 秋のプロマネ試験にむけて情報発信していきます。


┌──────────────────────────────────
│●今回の目次
└──────────────────────────────────
 (1)プロマネ試験の特徴を把握する [最終回]
    第3回 プロマネ試験の出題範囲とスキル標準

 (2)プロマネ基礎知識講座
    第3回 プロジェクトマネジメントとは?(その3)

 (3)午後I試験強化講座
    第2回 過去問解説・平成19年度 問3

 (4)編集後記


┌──────────────────────────────────
│(1)プロマネ試験の特徴を把握する
└┬────┬────────────────────────────
 │第 3回│プロマネ試験の出題範囲とスキル標準
 └────┴────────────────────────────

 試験に合格するためには、試験制度や特徴を理解することが重要で
 す。特徴や前提条件を理解することで、心構えもつくし、勉強方法
 を工夫することもできるからです。

 第3回は、出題範囲とスキル標準について解説し、「プロマネ試験
 の特徴を把握する」講座は終了したいと思います。

 ●プロマネ試験の出題範囲を確かめる
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 プロマネを受験するにあたって、必ず確認してほしいのが、情報処
 理技術者試験センターのWebサイトに掲載されている「出題範囲」
 と「スキル標準」、「ガイドブック」です。

 「出題範囲」は、文字通り試験の出題範囲を記載した文書です。プ
 ロジェクトマネージャ試験の対象者像や、プロジェクトマネージャ
 の役割と業務、期待する技術水準が記載されています。ただし、あ
 まり詳細な記述はなく、やや漠然とした内容になっています。その
 ため、どんな知識が必要で、どういった体系づけがされているかな
 どを確認するためには、「スキル標準」を参照する必要があります。

 「スキル標準」は、プロジェクトマネージャとして持つべき、ある
 いは習得するべき知識・技能・能力を明確に規定するガイドライン
 の位置付けです。内容は、主要業務の定義、スキル基準の定義、知
 識体系の定義で構成されています。特に、スキル基準と知識体系は、
 プロジェクトマネージャ試験のすべての出題範囲を体系的に網羅し
 ており、知識の棚卸には最適な内容になっています。ただし留意す
 べきは、実際の試験では知識体系からまんべんなく出題されるので
 はなく、頻繁に出題される領域にかたよりがあるということです。

 「ガイドブック」は、情報処理技術者試験全般についての解説を詳
 細に行っています。記述も読者を想定して読みやすくなっており、
 プロジェクトマネージャに関係する箇所は一読しておくことをお勧
 めします。また、ガイドブックで特徴的なのは、「こぼれ話」と題
 してコラム風に、試験の採点者側の視点の記述があることです。こ
 の視点の記述はガイドラインにしか掲載されていません。また試験
 対策でも有効な内容が記載されています。少し例を挙げますと、プ
 ロマネ試験のテンプレート(*1)も採点対象になっていることや、テ
 ンプレートと論述内容が一致していないといけない点、論文の構成
 としてすべて成功プロジェクトばかりで疑問がある点など、論述の
 具体性や実際に経験していることを感じさせられる論文にすること
 を求めている点などです。
 
 (*1)テンプレートとは、プロマネ午後II試験で登場する用紙で、
   「論述の対象とするプロジェクトの概要」を記入します。


 これら3つは、以下から参照できます。必ず一度は目を通して、プ
 ロマネ試験の特徴を理解してほしいと思います。
 → http://www.jitec.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hani_sukil.html 

 今回で、本講座は終了です。
 試験の特徴を理解することが試験対策の第一歩です。折にふれ、本
 講座を読みなおしてみてください。


┌──────────────────────────────────
│(2)プロマネ基礎知識講座
└┬────┬────────────────────────────
 │第 3回│プロジェクトマネジメントとは?(その3)
 └────┴────────────────────────────

 試験対策といっても、単に問題だけを解けばいいというものではあ
 りません。プロマネ試験では、記述式、及び論述式で解答しなけれ
 ばなりませんので、プロマネとしての態度や責任を十分に理解して
 いることが必要です。
 また、実際の業務にも勉強内容を生かすには、やはり、プロマネと
 しての知識は必要になってきます。

 本講座では、プロマネ試験範囲を網羅する形で、プロマネに必要と
 される基本的知識を解説していきます。

 第1回から3回にわたって、「プロジェクトマネジメントとは?」
 というテーマを取り扱います。プロジェクトマネジメントの正しい
 姿を描けるようになるのが目的です。
 今回は、3回目です。1回目で記載したプロジェクトマネジメント
 の定義を掘り下げていきます。


 ●プロジェクトマネジメントの定義
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 以前にプロジェクトマネジメントを以下のように定義しました。

 ┌────────────────────────────┐
  │プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトのゴールを    │
  │ 達成するために、人と変化をマネジメントすることである。 │
  └────────────────────────────┘

 定義に登場する言葉を以下に分解してみます。今回は、分解した言
 葉の2つ目と3つ目を解説します。

 (1)プロジェクトのゴールを達成するため
 (2)人と変化を
 (3)マネジメントする


 (2)人と変化を
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 プロジェクトマネジメントでは、人をマネジメントします。当然で
 すが、人は感情や個性があり、個別の存在です。よってプロジェク
 ト・メンバに対する敬意とコミュニケーションを常に忘れないよう
 にしなければなりません。また、プロジェクト・メンバのモチベー
 ションを喚起し、チーム全体のパフォーマンスを向上させることが
 求められます。

 変化をマネジメントすることも重要です。プロジェクトの環境、状
 況、あるいはゴールさえもが変化します。変化は必定であり、変化
 をマネジメントする手段がなければ、どんな計画も絵に描いたモチ
 です。変化に操られたプロジェクトは、舵を失った船のように操縦
 不能になります。変化をマネジメントするためには、変化の可能性
 や予兆を想定し、事前に対応策を準備しておくことが求められます。


 (3)マネジメントする
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ここでは「マネジメント」の言葉の意味を理解する必要があります。
 以下にマネジメントの定義を示します。

 ┌────────────────────────────┐
  │マネジメントとは、優先順位や目標を規定し、規定に従って  │
  │物事を遂行し、規定から外れた場合は規定内に戻すよう行動  │
  │することである。                                        │
  └────────────────────────────┘
  ※筆者の定義による。

 定義に見られるように、マネジメントとは決められた優先順位やル
 ールから逸脱しないように物事をコントロールし続けることです。
 これは、言葉を換えると「遂行力」といえます。一度決めたことを
 着実に遂行する能力であり、プロジェクトマネジメントに必須のも
 のです。

 マネジメントは、規定から外れたものを戻すように行動することだ
 と言いました。ですが、いったん規定から外れたものを元に戻す労
 力よりも、規定から外れないように事前に制御する労力の方が少な
 くて済みます。前者の手法を事後対応、後者の手法を事前対応(予
 兆管理)と呼びます。このようなマネジメント手法の類型を、以下
 に示します。

 ┌──────────┬─────────────────┐
  │類型                │説明                              │
 ├──────────┼─────────────────┤
  │リスク管理        │規定外になるリスクがあれば、事前に│
  │                    │リスク対処する。                  │
  ├──────────┼─────────────────┤
  │予兆管理            │規定外になりそうな予兆があれば、事│
  │                    │前に対処する。                    │
  ├──────────┼─────────────────┤
  │事後対処            │規定から外れたものは規定内に収まる│
  │                    │ように対処する。                  │
  ├──────────┼─────────────────┤
  │規定の評価          │規定自体が間違っていた場合は、規定│
  │(ルールの評価)    │を再検討する。                    │
  └──────────┴─────────────────┘

 リスク管理は、計画を策定した時点で規定外となるリスクを識別し
 て、問題が顕在化する前にリスク対応策を実行することです。例え
 ば、専門的なスキルを保有するメンバが少なく、プロジェクトを納
 期通りに完了できないリスクがある場合、協力会社から必要スキル
 を有するメンバを投入し、他のメンバへ知識移転を行うことなどで
 す。

 予兆管理とは、プロジェクトや作業を実行した後、メンバの進捗状
 況を監視し、規定外となる予兆を検知した場合に、事前に対処する
 ことです。例えば、プロジェクト・メンバが全員、毎日5時間の残
 業をしているような過負荷な状況であれば、現時点で進捗遅延が発
 生していなくとも、いずれ進捗遅延する可能性が高いといえます。
 このような予兆を察知して、事前に対処することがポイントです。

 事後対処は、既に起ってしまった規定外事項について、規定内に戻
 るように対処することです。

 規定の評価は大切な視点です。規定の不備、陳腐化に即座に対応し、
 規定を改善・進化させるサイクルを回すことにつながります。この
 サイクルが実行されないと、プロジェクトのプロセスやゴールは形
 式だけのものとなってしまいます。その結果、実態とかけ離れたル
 ールによって、メンバの生産性が悪化することになります。

 以上までに、プロジェクトマネジメントの定義を詳細に行ってきま
 した。ちょっと遠回りに思えたかもしれませんが、定義を理解する
 ことで、プロジェクトマネージャのあるべき姿が自ずと見えてくる
 のです。以下にプロジェクトマネジメントの定義をもう一度掲載し
 ます。たった二行の定義ですが、なかなか奥深い定義でもあります。

 ┌────────────────────────────┐
  │プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトのゴールを    │
  │ 達成するために、人と変化をマネジメントすることである。 │
  └────────────────────────────┘


 今回は、ここまでです。
 今回でプロジェクトマネジメントの定義は終了です。次回からは、
 プロジェクトマネジメントの知識体系の解説に進みたいと思いま
 す。

 ※「プロマネ基礎知識講座」は、メルマガ筆者の著作「システム開
  発現場のプロジェクトマネジメント教科書(著:佐藤 創/テレ
  コムリサーチ)」から引用及び参照して作成しています。

  本書は、プロマネ試験範囲を網羅しながら、プロマネの知識を解
  説しています。また、試験勉強方法についても詳しい解説をして
  います。本講座の続きを早く見たい方はもちろん、受験を検討し
  ている方も、書籍の詳細情報について以下から参照してください。
  → http://pm.tlcm.jp/index.htm 


┌──────────────────────────────────
│(3)午後I試験強化講座
└┬────┬────────────────────────────
 │第 2回│過去問解説・平成19年度 問3
 └────┴────────────────────────────

 午後I試験は、実務経験を問う極めて実践的な問題が多数出題され
 ます。そのため、実務経験が少ない受験者はもちろん、経験者でも
 自身が携わっていない領域を問われると、解答を導くのが困難です。
 また、プロマネの午後I試験は、「問題文の中に答えが隠れている」
 といったような試験ではありません。問題文や設問文を与件として、
 自分の知識や経験から答えを導き出すことが求められる試験です。

 ただし、出題のパターンはある程度決まっており、過去に何度か同
 じ観点で出題されている問題などもあります。こうした傾向をつか
 むことで、午後I試験への対応が容易になってきます。

 午後I試験強化講座では、午後I試験への対応方法から、過去問題
 の傾向分析、過去問題の解説などを行い、受験者の午後I試験への
 対応力を強化することを目的としています。

 2回目となる今回は、早速、過去問題の解説を行います。平成19
 年度の問3を取りあげます。
 過去問題と解答例は、以下の情報処理技術者試験センターよりダウ
 ンロードできますので、事前に準備をお願いします。
 ( http://www.jitec.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hani_sukil.html )

 なお、設問の難易度を多面的に評価するために、設問ごとに評価項
 目を設けて評価を行います。評価項目と評価値は以下のように設定
 しました。


 ●評価項目と評価値
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ・ヒントの探しやすさ
  問題を解く上で必要となるヒントに気付きやすいかを評価。
 ・ヒントの解答への貢献度
  ヒントに気付けば容易に解答できるかを評価。ヒントがない問題
  では本評価項目は無効とする。
 ・設問解釈の容易さ
  設問で問われている内容を間違えずに理解できる度合いを評価。
 ・前提知識の深さ
  問題に解答するために知っておくべき知識の深さを評価。
 ・体感的な難易度
  問題を解いた時に感じる難易度を評価。

  ┌─────┬───┬──────────────────┐
 │評価項目  │評価値│意味                                │
 ├─────┼───┼──────────────────┤
  │ヒントの  │  1  │誰でも容易に気付くことができる      │
  │探しやすさ│  2  │明確には記載されていない            │
  │          │  3  │全く記載されていない                │
  ├─────┼───┼──────────────────┤
  │ヒントの  │  1  │ヒントの引用・抜粋で正解できる      │
  │解答への  │  2  │ヒントの組み合わせが必要            │
  │貢献度    │  3  │ヒントを基に推測することが必要      │
  ├─────┼───┼──────────────────┤
  │設問解釈の│  1  │容易に理解できる                    │
  │容易さ    │  2  │解釈が容易ではない                  │
  ├─────┼───┼──────────────────┤
  │前提知識の│  1  │基本的な知識で対応可能              │
  │深さ      │  2  │試験では通常程度の知識で対応可能    │
  │          │  3  │深い知識が必要                      │
  ├─────┼───┼──────────────────┤
  │体感的な  │  1  │容易だと感じる難易度                │
  │難易度    │  2  │通常程度と感じる難易度              │
  │          │  3  │難しいと感じる難易度                │
  └─────┴───┴──────────────────┘

 これら評価項目に従って設問を評価することで、受験者は問題の特
 徴や難易度、求められる知識の深さなどを客観的に判断することが
 できます。
 また、すべての問題に共通の評価基準を付けることで、統計的な分
 析が可能となります。この分析結果は、後に記載したいと思います。

 注)・評価項目の評価値付けは筆者が行いました。客観的な評価を
    心掛けましたが独自の見解であり、多少のバイアスがかかっ
    ている可能性は否定できません。ご了承願います。
 
 ※平成16〜19年度の午後I問題について、弊社Webサイトに
  これら評価結果を公開しています。興味のある方は以下からご参
  照ください。
  → http://pm.tlcm.jp/examRoom-text-relatedDL.html 
   (資料タイトル「プロマネ午後I試験 出題傾向分析データ」)

 ※評価結果に基づく統計情報分析結果については、書籍「システム
  開発現場のプロジェクトマネジメント教科書」に記載しています。
  書籍販売も弊社Webサイトで行っていますので合わせてご参照
  ください。
  → http://pm.tlcm.jp/index.htm 


 ●平成19年度 問3の解説
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 では、以下から解説を行います。
 平成19年度 問3の解説です。設問番号、解答例、設問の評価、
 解答例の解説の順に記載していきます。


【設問1(1)】------------------------------------------------------
 B課長が幾つかのプログラムをベンダに提示することにしたのは、
 プロジェクト管理面での、どのようなリスクを回避するためか。
 30字以内で述べよ。

【解答例】
 移植が正常にできず、作業追加により進捗が遅延するリスク

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  1  │
  │ヒントの解答への貢献度│  2  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  1  │
  │体感的な難易度        │  1  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、解答のためのヒントは、問題文から容易に見つけるこ
  とができますが、解答は、受験者の知識から導き出す必要があり
  ます。しかし、求められる知識水準は低いため、難易度としては
  容易な問題です。プロジェクトマネージャ試験の平均的な難易度
  から考えると、この問題は非常に容易な問題です。この手の問題
  は確実に正解する必要があります。

【解答例の解説】
 設問で問われている問題文の箇所は、開発工数の見積もり時に検討
 した内容として記載されています。

 問題文では、プログラムの再コンパイルだけが必要であり、プログ
 ラム修正は不要であると記載されています。しかし、社内の類似プ
 ロジェクトで発生した問題について、同様の問題が発生した場合の
 リスクを回避するために、プログラムをベンダに提供して動作確認
 をするように依頼しているとあります。

 この問題を解くには、知識というか、リスクの識別能力があればよ
 いと思います。移植したプログラムが正常に動作しない、という問
 題が発生すれば、その修正対応工数が必要になります。修正対応工
 数を考慮せずにスケジュールを策定していた場合、計画外の追加工
 数が必要になり、進捗遅延を招いてしまいます。

 こうした修正工数が本当に不要なのかを確認するために、ベンダへ
 動作確認依頼をしたと考えられます。よって、設問にある回避しよ
 うとしたリスクとは、「移植によって問題が発生した場合に、修正
 の追加工数が必要になり、進捗遅延するリスク」となります。

 解答作成時に留意する点としては、設問文にあるとおり「プロジェ
 クト管理面のリスク」を解答しなければいけない点です。よって、
 「プログラムの移植がうまくいかないリスク」などのように、技術
 面に焦点を当てた解答では不正解になります。

 また、これらの検討を「開発工数の見積もり時」に行っている点も
 理解しておきたいところです。プロジェクト実行中の作業として捉
 えてしまった場合、積極的にベンダへ動作確認をしたとしても、結
 果がNGだった場合に、予定外の作業が発生することには変わりが
 なく、進捗遅延のリスクを回避することができません。
 「開発工数の見積もり時」の検討という前提条件を見逃すと、この
 ように考えが堂々巡りになって混乱することになります。別の言い
 方をすれば、考えがまとまらない場合は、何か問題文や設問文に記
 載されている前提条件を見逃している可能性がある、ということで
 す。
 

【設問1(2)】------------------------------------------------------
 B課長が現行機能を保証するために行うことにした、現行システム
 のテスト計画とテストデータの内容確認とはどのようなものか。3
 0字以内で述べよ。

【解答例】
 テスト実施箇所をどの程度網羅しているかの確認

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  1  │
  │ヒントの解答への貢献度│  3  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  3  │
  │体感的な難易度        │  3  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、実務知識がないと解答が難しい問題です。プロジェク
  トマネジメントの知識よりは、システム開発の知識が重要な問題
  です。よって難易度は「困難」としました。ただし、テストに関
  する実務経験が豊富であれば、比較的容易に解ける問題です。

【解答例の解説】
 本問題を解くためのヒントは、以下の3つ程度です。

 1.再構築システムは新たな機能を盛り込まず、DBも変更しない
   (問題文1ページ 10〜11行目)
 2.結合テストでは、現行システムのテストデータを有効活用し工
   数を削減する
   (問題文2ページ 19行目)
 3.結合テストによって現行機能を保証する
   (問題文2ページ 20行目)

 ヒントの2番目と3番目を見て、瞬間的に解答の方向性がひらめく
 かどうかで、解けるかどうかが決まるように思います。ただし、以
 下のように、ヒントから論理的に答えを導くことも可能です。

 ヒントの1番目、2番目にあるように、今回の再構築システムは、
 なんら機能追加していないことから、現行システムのテストデータ
 を流用できれば、テスト設計やテストデータ作成工数を削減するこ
 とができます。

 ただしそれは、現行システムのテストデータが、テストすべきとこ
 ろを網羅しているという条件付きです。改修部分をすべてテストで
 きるように、テストデータが網羅されていなければ、テスト設計や
 テストデータの作成が必要になるため、それほど工数を削減できな
 いかもしれません。

 そのように考えれば、テストデータの網羅性を確認することを解答
 として導くことができます。


【設問1(3)】------------------------------------------------------
 (2)の確認で問題が生じた場合に必要となる作業の内容を、20
 字以内で具体的に述べよ。

【解答例】
 テストデータの追加作業

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  3  │
  │ヒントの解答への貢献度│  −  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  1  │
  │体感的な難易度        │  1  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、設問1(2)が解ければ、必然的に解ける問題です。
  よって難易度は「容易」としました。必要な知識としては、プロ
  ジェクトマネジメントよりも、システム開発の知識が重要です。

【解答例の解説】
 テストデータがテスト箇所を網羅していなければ、テストデータを
 追加する必要があります。この解答は、技術的な面に焦点を当てて
 いますが、管理面に焦点を当てても正解になります。たとえば、現
 行テストデータを流用するかどうかも含めて、テスト計画を見直す
 という内容でも、正解としています(情報処理技術者試験センター
 の解答例を参照)。


【設問2(1)】------------------------------------------------------
 DB作成サブシステムの再コンパイルの開始時期を12月でなく、
 来年の1月にすることで、開発をより効率よく行える理由を、30
 字以内で述べよ。

【解答例】
 総合テストによって品質が確保されたプログラムを利用できるから

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  2  │
  │ヒントの解答への貢献度│  2  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  2  │
  │体感的な難易度        │  2  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、ヒントを特定するのが他の問題よりは難しくなってい
  ます。問題を解くには、プロジェクトマネジメントの知識と、シ
  ステム開発の知識の両方が必要であり、実務経験も必要とされま
  す。ただし、過去にも同様の観点が問われた問題があったため、
  過去問題をしっかり学習している人は、即座に対応ができたと思
  われます。

【解答例の解説】
 問題文には、再コンパイル作業の開始時期を、現行システムの結合
 試験が完了する12月ではなく、来年の1月にすることで効率のよ
 い開発を行うと記載されています。

 ここでは、来年の1月に行うとなぜ効率のよい開発ができるのかを
 問題文から読み取らなければなりません。問題文には、図として、
 「再構築のスケジュール」が記載されています。この内容が唯一の
 ヒントになります。

 来年の1月とは、現行システムの総合テストが完了している時期で
 あり、改修リリースの時期でもあります。12月と1月の違いは、
 再コンパイルするプログラムが、結合テスト完了時であるか、総合
 テスト完了時であるかです。

 結合テストだけが完了したプログラムよりは、総合テストまで完了
 したプログラムの方が、高品質です。結合テストだけ完了したプロ
 グラムの場合は、バグがとりきれていない可能性もあります。総合
 テストまで完了した高品質なプログラムを使うことで、バグ修正の
 作業工数をより削減することができます。これが、解答になります。


【設問2(2)】------------------------------------------------------
 B課長が、来年の1〜5月に発生する、現行システムの修正の再構
 築するシステムへの取り込みを、結合テストの期間中では行わず、
 総合テストの期間中に行うことで作業効率が上がると考えた理由を、
 30字以内で具体的に述べよ。

【解答例】
 リグレッションテストを何度も行う手間が省けるから

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  3  │
  │ヒントの解答への貢献度│  −  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  2  │
  │体感的な難易度        │  2  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、問題文の状況から推測して解答を求める必要がありま
  す。実務経験がないと解答を作成するのが困難だと思います。た
  だし、比較的正解の範囲が広いので(試験センターの解答例参照)、
  部分点などを取得できるかもしれません。

【解答例の解説】
 本問題で問われているのは、現行システムの機能追加やバグ修正を、
 再構築システムの結合テスト期間ではなく、総合テスト期間に行う
 と、なぜ作業効率があがるのかということです。解答の方向性とし
 て2つ挙げる事ができます。
 
 1つは、現行システムの機能追加に伴うバグ修正の取り込み作業を
 削減できるという点です。現行システムの機能追加を、再構築シス
 テムに取り込んだ後、機能追加によるバグが発見された場合、その
 バグ修正も再構築システムに取り込まなければなりません。これは、
 作業の手戻りであり、非効率です。よって、現行システムの仕様凍
 結となる6月以降に着手する工程(つまり総合テスト工程)で、ま
 とめて取り込むことで、手戻り作業の非効率を回避できるというも
 のです。

 もう1つは、都度現行機能の機能追加やバグ修正を取り込むと、再
 構築システムでリグレッションテストを何度もしなければならず、
 非効率となるのを回避できる点です。現行システムの変更を都度取
 り込むと、再構築システムの機能へ影響を与えないかをリグレッシ
 ョンテストで確認する必要があります。現行システムの変更を取り
 込む度にリグレッションテストをするよりも、まとめて取り込んで、
 一度だけリグレッションテストを行ったほうが効率的です。

 いずれにしても、実務経験がないと自信を持って解答できないよう
 な内容だと思います。ただし、過去にも類似する観点から出題され
 たことがあります。今後も出題される可能性がありますので、しっ
 かり理解しておきたいところです。


【設問2(3)】------------------------------------------------------
 C部長の指示に適応できなくなるというのは、どのようなことか。
 20字以内で具体的に述べよ。

【解答例】
 バックログが大量に蓄積されること

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  1  │
  │ヒントの解答への貢献度│  1  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  1  │
  │体感的な難易度        │  1  │
  └───────────┴───┘

  本問題は、問題文中のヒントに反応できれば、問題文の抜粋がそ
  のまま正解になる問題であり、非常に対応が容易です。この手の
  問題は近年少なくなっています。出題された場合は確実に得点し
  ていきましょう。

【解答例の解説】
 設問文に「C部長の指示」とありますので、問題文からそれに相当
 する箇所を参照します。要約すると以下のような内容が、C部長の
 指示として記載されています。

 ・現行システムの仕様書などの成果物を有効活用すること
 ・現行機能を確実に保証すること
 ・現行システムの改修を加味したスケジュールとすること
 ・現行システムの機能追加が長期間できなくなり、バックログが大
  量に蓄積されないこと
 ・DB検索サブシステムの開発体制を検討すること

 問題文には、「現行システムでは仕様を凍結して機能追加を行わな
 い」とあり、仕様凍結と結びつくC部長の指示としては、機能追加
 が長期間できなくなることでのバックログの蓄積しかありません。

 この問題はヒントだけで解答することができます。バックログとい
 う言葉の意味を知っていることが前提条件ですが、午前試験対策を
 行っているのであれば、この程度の知識は常識レベルだと考えられ
 ます。


【設問2(4)】------------------------------------------------------
 現行システムとの整合性を確認し、品質をより高めるための作業内
 容を、20字以内で具体的に述べよ。

【解答例】
 両システムのテスト結果が一致するかの確認

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  3  │
  │ヒントの解答への貢献度│  −  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  2  │
  │体感的な難易度        │  2  │
  └───────────┴───┘

  本問題はヒントがなく、受験者の知識や経験、考えから解答を導
  く必要があります。テストに関する実務経験がないと、自信を持
  って回答することは困難だと思います。
  また、本問題は制限字数が解答に対して短いように思われます。
  「具体的に述べよ」とあるので、30字程度は欲しいところです。

【解答例の解説】
 現行システムとの整合性を確認し、品質をより高めるためには、現
 行システムと再構築システムの挙動が同じになることを確認する必
 要があります。このような確認をするには、両方のシステムの動作
 が一致していることを、処理結果を突き合わせてチェックします。
 
 このような内容の「整合性テスト」は、テスト技法として明確に定
 義されているものではありません。SQuBOK(ソフトウェア品質知識
 体系)ガイドを参照しても、「整合性確認テスト」と呼ばれるテス
 ト技法が記載されていますが、システムを構成するソフトウェア間
 の整合性を確認するテストとして紹介されています。明示的に、旧
 システムと新システムの動作結果が同一であることを確認するテス
 トとして定義されているわけではありません。よって、この知識を
 持っていれば正解できた、などと一概に説明ができない問題だと考
 えます。

 現行システムと同等の機能を開発した経験がある人は、すぐに思い
 浮かぶような解答だと思います。逆に、実務経験がなければ、なか
 なか思い浮かぶものではありません。たとえ思い浮かんだとしても、
 自信を持って解答することはできないと考えます。ですから、過去
 問題を繰り返し解いて、解答パターンを自分の知識として吸収して
 おくことが非常に大切です。一度どこかで見たことのある解答であ
 れば、安心して答えを書くことができます。午後I試験では、解答
 を見直す時間が十分にとれません。よって、答えに自信がなく、何
 度も解答を書き直していると、あっという間に時間が過ぎてしまい
 ます。そうなると、他の問題を解く時間もなくなり、満足いく解答
 を作成できません。試験の解答パターンを憶えることは、解答時間
 短縮効果もあるのです。


【設問3(1)】------------------------------------------------------
 本文中の a に入れる適切な字句を、10字以内で答えよ。

【解答例】
 メンバの動員力

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  3  │
  │ヒントの解答への貢献度│  −  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  2  │
  │体感的な難易度        │  2  │
  └───────────┴───┘

  本問題はヒントがなく、適切な字句を知っていなければなりませ
  ん。H17年度の過去問題で、「メンバの動員力」を評価する問
  題がありました。過去問題を解いている人は対応できた問題だと
  考えられます。

【解答例の解説】
 問題文に、「○○に問題のあるX社には、遅延発生時に開発メンバ
 を増強できないリスクがある」とあります。また「X社は社員数が
 少なく」という文言もあるので、要員や組織体制に関する言葉が入
 ることは理解できると思います。

 ただし、10字以内で表現するには工夫が必要です。過去問題では、
 プロジェクトへメンバを投入できる能力のことを「動員力」という
 言葉で表現しています。過去問題をしっかり学習している人は、即
 座に「動員力」という言葉が思い浮かび、時間を浪費すること無く
 解答できたと思います。そうでない人は、何を答えればよいかは分
 かっているのに適切な字句が思い浮かばず、はがゆい思いをすると
 思います。またそれによって更に時間を浪費します。過去問題に対
 応できているか否かで、難易度が変わる良い例でしょう。


【設問3(2)】------------------------------------------------------
 今回の再構築に関するY社の強みを、20字以内で答えよ。

【解答例】
 DB作成サブシステムを理解していること

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  1  │
  │ヒントの解答への貢献度│  2  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  1  │
  │体感的な難易度        │  1  │
  └───────────┴───┘

  本問題はヒントだけで解答が可能な問題です。容易な問題だと考
  えられます。

【解答例の解説】
 ヒントは、問題文に明確に「Y社には現行システムのDB作成サブ
 システムの保守を担当していることによる強みがある」と記載され
 ています。

 DB作成サブシステムの保守を担当しているのであれば、内容を理
 解しているはずです。よって、それが解答になります。

 本問題の解答作成の留意点として、問題文そのままを解答に用いる
 と、不正解になります。たとえば「DB作成サブシステムの保守を
 担当していること」と解答しても、得点できません。保守を担当し
 ていることによるY社の強みを解答する必要があります。

 筆者は、プロマネ試験では、問題文をそのまま引用して解答を作成
 するという考えを捨てたほうが良いと思います。問題文から答えを
 探す試験ではないからです。この点を誤って理解している受験者が
 多いように見受けられます。また市販のテキストでも、引用を重視
 するものがあります。設問内容を見て、問題文を引用する問題か、
 そうでないかを判断して解答を作成する、という手順を踏ませるも
 のもあります。確かに過去の問題には、問題文を引用させるものも
 比較的多くありましたが、近年の出題傾向ではそのような問題は非
 常に少なくなっています。筆者は、問題文を引用するという考えは
 捨て、代わりに、過去問題の解答パターンを何度も見て、知識とし
 て憶えることが合格に最も効果的な学習方法だと考えています。

 このあたりの学習方法の詳細は、書籍「システム開発現場のプロジ
 ェクトマネジメント教科書(著:佐藤 創/テレコムリサーチ)」に
 記載しています。本書はメルマガ作者の著作です。詳細は以下から
 参照ください。
 → http://pm.tlcm.jp/index.htm 


【設問3(3)】------------------------------------------------------
 B課長が、作業について調整が必要な場合は、必ずY社の責任者に
 依頼することにしたのは、請負契約に関するどのようなことを考慮
 したからか。20字以内で述べよ。

【解答例】
 Y者メンバに対する指揮命令権がないこと

【設問の評価】
  ┌───────────┬───┐
 │      評価項目        │評価値│
 ├───────────┼───┤
  │ヒントの探しやすさ    │  1  │
  │ヒントの解答への貢献度│  3  │
  │設問解釈の容易さ      │  1  │
  │前提知識の深さ        │  2  │
  │体感的な難易度        │  2  │
  └───────────┴───┘

 本問題は、請負契約であるという記述がヒントになりますが、ヒン
 トらしいヒントではなく、ほとんど知識で解答するような問題です。
 請負契約に関する知識があれば、理論的に解答を導くことも可能で
 すし、近年話題になっている偽装請負について理解している人であ
 れば、設問を読んだ時点で瞬間的に解答を思い浮かべることもでき
 るでしょう。

【解答例の解説】
 B課長はY社との請負契約を考慮して、作業調整はY者の責任者に
 依頼することにしたとあります。解答するには、請負契約の特徴を
 理解しておく必要があります。特徴を以下に挙げます。

 1.委託者は受託者に対して指揮命令権はない
 2.受託者は作業状況報告の責任を負わない
   (別途契約で進捗状況の報告を盛り込んだ場合は別)
 3.委託者は、定められた期日以前に成果物の引き渡しを要請でき
   ない
 4.著作権は、特段の定めがなければ受託者に帰属する
 5.受託者は、成果物完成責任と瑕疵担保責任がある

 もしもB課長がY社の作業メンバに直接作業の調整や指示を行った
 場合、1に反することになります。よって、この点を解答として用
 いれば正解になります。

 もし指揮命令権がないにも関わらず、日常的に協力会社メンバへ作
 業指示や調整を行っている場合、偽装請負と判断される場合があり
 ます。偽装請負とは、形式的には請負契約を締結しているにも関わ
 らず、実質的には労働者の派遣を行っているというもので、職業安
 定法や労働者派遣法に抵触する違法行為です。偽装請負はIT業界
 の下請け構造と相まって、程度の差はあれ、多くの企業でその疑い
 があると指摘されています。

 偽装請負は法令遵守の観点からも問題がありますが、私見では、組
 織を弱体化させる弊害もあると考えています。労働者のキャリア・
 パスが不明確になる、労働者の技術レベルが向上しない、組織力・
 企業力の弱体化など、様々な弊害があります。これらについては、
 後ほどコラム的にメルマガ内でも取り上げていきたいと思います。


 今回の午後I試験強化講座は、ここまでです。
 次回は、午後I試験を解答するプロセス(手順)について解説した
 いと思います。品質の高い解答手順を身に付けることで、制限時間
 内に解答し切る力をつけることができます。


┌──────────────────────────────────
│(4)編集後記
└──────────────────────────────────

 今回はかなりの長さになってしまいました。やはり、過去問題の解
 説は長いので、今後は複数のメルマガに分割することも検討します。
 
 次回のメルマガにはコラムなどを掲載しようかと思っております。
 コラムは、プロジェクトマネジメントを実務に適用する際の考え方
 を、事例風に記載したものです。

 今回も、最後までお読みくださいましてありがとうございました。

 (メルマガ筆者:佐藤)


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