それでも貴方は偉大だ!
最初に、購読してくれる読者に感謝したい。
発行者はR10+(ロトプラス)です。
10+α歳未満禁止なんて無粋なPNではないので悪しからずw
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自分の持論に「歴史は人が作っていくものだ」がある。
サッカーはこれを如実に表したモノだと最近強く思うようになった。
サッカーの歴史はサッカー選手の歴史の蓄積そのものなのだ。
『それでも、貴方は偉大だ』
体の芯から震えそうになる言葉だ。
ロベルト・バッジォ、カルチョ最後のファンタジスタそう呼ばれる男への賛辞である。
これを言ったのは94年W杯の決勝で戦ったブラジル代表の守護神タファレルだ。
94年W杯の決勝戦の決着はPK戦で着いた。
ロマーリオ率いるブラジル代表の優勝だった。
それまで身を削りながらイタリア代表を決勝を導いたバッジォ。
PK戦、彼の番になって蹴ったボールは、ゴールポストの上を超えた。
バッジォを救世主扱いにし、優勝を熱望したイタリア代表が絶望に浸った瞬間だった。
まさに物語のような話だ。
優勝が決まり、喜びの雄叫びをあげて走り出すブラジル代表。
それを横目にして、バッジォがピッチに目を落とす。
自分はこの場面をDVDを通して目にした。
まさに「悲劇の英雄の誕生」そんな美談は彼には余計だったに違いない。
監督の確執、国民からのバッシングを乗り越えて掴んだ栄光が手から滑り落ちたのだ。
そんなバッジォに駆け寄って告げたのが、例の言葉である。
タファレルには分かったのだろう。
バッジォが偉大なのは語るまでもない。
不甲斐ないイタリア代表をほぼ一人の力で決勝に連れて行った彼の功績。
それを偉大でないと誰が言うだろうか?
しかし、物語はそんなに簡単には終わらない。
バッジォへの過剰なバッシング、それが表すイタリアの国民たちの期待。
彼らは、優勝して欲しかったのだ。
救世主バッジォに負けて欲しくなかったのだ。
バッジォがPKを外すなんて、見たくなかったのだ。
だから、同じくサッカーを愛する国の代表として、タファレルは駆け寄ったのだ。
『それでも、貴方は偉大だ』
バッジォは偉大だ。
満身創痍なんて言葉がまさにピッタリなほど怪我しやすくて。
監督はいつでも、コンディションが不安定な彼を毛嫌いした。
それでも、11人の中で一番輝くのはいつも彼だった。
サッカーの歴史はサッカー選手の歴史の蓄積そのものだ。
そこにはドラマがあり、千金の重みを持つ言葉が存在する。
これだから、サッカー好きは止められないのだ。


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