元祖!宅建よくある質問 RSSを登録する

宅建試験の合格者がかつて悩んだ、今現在の受験生が悩んでいる、いろいろな疑問・質問・悩みを紹介して、学習に役立ててもらうメルマガ。毎回、学習の単元ごとに紹介していきますので、日々の学習のペースメーカーとしても役立ててください。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/03/10

★元祖!宅建よくある質問★〜第2回意思表示

この記事を取り寄せる

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□ ★元祖!宅建よくある質問★       創刊2008/3/2

              第2回 意思表示(2008/3/10)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■

 こんにちは。

 ご機嫌いかがですか?


 今日は、法学部生時代のエピソードについて、お話しします。

 詳しくは、編集後記にて。



 さて、今回は「意思表示」の単元に関する質問いってみましょう。

 ちなみに、今回の内容は、かなり濃く(!)なっています。

 面倒な人は、飛ばし読みしてください(笑)。


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

 Q1.意思表示と契約の関係
 Q2.無権利者からの譲受け
 Q3.登記って何?
 Q4.取消後の第三者
 Q5.独学でも大丈夫?

━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

==*==*==*===================================================
 ♪ホッと一息〜お茶目な質問
  Q.詐欺や強迫をした人は警察につかまえてもらったほうがい
        いのではないでしょうか?
============================================================

★★☆☆お役立ち情報☆☆★★
・宅建テキストのAmazonレビュー Part2
・過去本試験の問題・解説が見れるサイト Part2





《Q1.私のテキストでは、タイトルに「意思表示」とあるのです
 が、本文を読むと「契約を取り消すことができる」のように書か
 れています。他の本を見てみると、「意思表示を取り消し」と書
 かれているものもあります。どっちが正しいのでしょうか?》

《A1》

  この回答をする前に、契約とはどのように成立するものかを確
 認しておきましょう。

 一番なじみがある「売買契約」を例にとって考えます。


  ここにAさんという人がいて、自分の建物を誰かに売りたいと
 思っていたとします。

 そこへ、その建物を買いたいというBさんが現れました。


  AさんとBさんが、「あなたに建物を売りましょう。」、「あ
 なたから建物を買いましょう。」という意思を表示すれば、売買
 契約が成立することになります。

 もちろんAさんが売主で、Bさんが買主です。

 売主と買主のことを、契約の当事者といいます。

 売買の対象となる建物を、(契約の)目的物といいます。


  そして、売主と買主が表示する意思のことを、「意思表示」と
 いいます。


  つまり、売主には売主の意思表示が、買主には買主の意思表示
 があるわけで、この2つが合致してはじめて売買契約が成立しま
 す。

 「合致」という言葉を難しく考える必要はありません。

 「意思表示の合致=合意」と考えてかまいません。


 ちなみに、この売買契約に、契約書は必要ありません。

 口頭(口約束だけ)でも売買契約は成立します。

  売買契約の成立に必要なものは、売主と買主の2本の意思表示
 が合致することだけです。

  でも、口約束だけだと、あとから言った言わないのトラブルが
 ありそうですね。

 だから、一般的には契約書を交わします。

  契約書は、「後日のトラブル防止」のための証拠にすぎないも
 ので、契約の成立要件ではないということに注意しておいてくだ
 さい。


 さて、売買契約が成立しました。

 何も問題なければ、この売買契約は有効です(そりゃそうです)。

 世の中の多くの売買契約は、何の問題もないことでしょう。



  しかし、ごくまれに、契約の成立要件である「意思表示」に何
 らかの問題がある場合があります。

 ・意思表示が、だまされた結果行ったものだった
 ・意思表示が、脅された結果行ったものだった
 ・意思表示が、勘違いの結果行ったものだった
 ・意思表示が、ウソによるものだった

  このような場合にどうなるかが、今回の単元である「意思表
 示」の学習内容です。


 つまり、

 「滅多にないこと」

 がたまたまあった場合にどうなるか、という話です。


  だから、単元のタイトルとしては本来、「意思表示に何らかの
 問題があったときの話」などとしてほしいですよね。


  まあ、それはいいとして、このような問題があったときにどう
 なるかは、ご自身のテキストを読んでもらえればと思います。

  場合によって、「無効」だったり「取り消し」できたりするん
 ですよね。


 何が無効なのか?

 何が取り消せるのか?


 それは、問題があった「意思表示」です。


 錯誤があった「意思表示」が無効なんです。

 詐欺によって行った「意思表示」を取り消せるんです。



 「意思表示」が無効なら、

 意思表示を成立要件とする「契約」も無効になります。


 「意思表示」を取り消したなら、

  当該意思表示はさかのぼって無効になり、意思表示を成立要件
 とする「契約」も無効になります。


 こんな流れです。


 だから、「契約を取り消す」というのは本来おかしい。

  意思表示を取り消し→意思表示がさかのぼって無効→契約もさ
 かのぼって無効→まるで契約が取り消されたかのよう

 が本来です。


 でも、そんな堅苦しいこと言うのはよしましょう。

  いずれにしろ、契約はさかのぼって無効になるんだから、「契
 約を取り消す」でもいいじゃないか。

 面倒くさいし(笑)。


 という考えが暗黙の了解として存在します。



  それに、宅建の本試験でも「契約を取り消す」という表現が使
 われてたりする。

 だから、いいじゃないの、と。



  でも、本試験でもちゃんと「意思表示を取り消す」と表現され
 てるときもある。

  どちらの表現で出てきてもあわてないためには、こんなことを
 知っておいてもいいんじゃないでしょうか、ということでした。


 え?

 そんなに深く考えてなかった?

 それでも問題を解くのに支障はなかった?


 失礼しました。

 余計なお世話でしたね(笑)。





《Q2.たとえば、「AがBにだまされて自分の建物をBに売却し
 たところ、Bはその建物をさらにCに売却した。Aは詐欺された
 ことを理由にAB間の契約を取り消したが、善意の第三者Cに対
 抗できない。」というような事例で、取り消したら初めにさかの
 ぼって無効になるんですよね?Bは最初から無権利者だったとい
 う扱いですよね?ね、ね?だったら、Cは無権利者から建物を買
 ったということになりませんか?いくら善意とはいえ、無権利者
 から権利を取得することができるんですか?》

《A》

 たまにいるんです。

 こんなに深〜く考える人が。


 それでも試験に受からなかったりする。

 いいのか悪いのか。


 それは、何をよしとするか、という基準により変わると思います。


  深く考える姿勢をよしとするのであれば、この質問のように深
 く考えることは素晴らしいことです。

  試験に合格することをよしとするのであれば、深く考えすぎて
 時間を取られ、他の学習に支障がでるのはよくないことです。


  ここのところが、資格試験を受験するための勉強上、大きなジ
 レンマとなる。

  深く考えて、なおかつ、他の学習もまんべんなくできればいい
 んですけどね。

 これがケッコウムズカシイ(クレヨンしんちゃん風に)



 深く考えることは素晴らしい。

  その姿勢が必ず人生において強みになることは確かなのですが、
 試験合格という目的からは遠ざかってしまうかもしれない。

 では、考えることなく丸覚えすればよいのか?



 できないんです。そういう人は。

 考えずにはいられない。

 もう、性格ですからしょうがありません。


 そんな自分とうまく付き合っていくしかないのです。

 逆に、うまく付き合っていくことができたなら。


 単に丸覚えするのがうまい人より、良い人生になるでしょう。

  このメルマガでは、そのへんのメリハリもお伝えしていければ
 と思っています。


 ・・ちょっと、語りすぎましたね(笑)。


 質問に戻りましょう。


  たしかに、前回やったように、「取り消すとさかのぼって無
 効」になりますから、Bは最初から無権利者だったという扱いに
 なります。

 「無権利者から権利を譲り受けることはできない」

 これは、当たり前のことです。


 しかし、それでは善意のCがかわいそう。

  そこで、「その取り消しは、善意の第三者Cに対抗できない」
 ということを、「法律が」定めたのです。

  いわば、善意のCのところで新たな権利がポッコリ生まれたか
 んじ。

 生ませてくれたのは、法律の規定です。


 だから、論理じゃありませんよ。

 論理的に見たら、無から有は生まれない。


 妥当な結論を導くために、法律が一肌脱いだのです。

 何?無権利者からの譲受ということで、善意のCが救われない?

 よっしゃ!わしにまかせろ!

 チチンプイプイ!

  魔法のように、善意のCを救ってあげました。「その取り消し
 は、善意の第三者Cに対抗できない」という規定を設けることで。


 Aさんは言いました。

  「論理も何もあったもんじゃないな!取り消したら、さかのぼ
 って無効だということだったじゃないか。」

 法律さんは言いました。

  「だって、善意のCさん、かわいそうでしょ。それに騙された
 あなたに落ち度がないと言える?そんなあなたと比べて、善意の
 Cさんのほうを保護してあげたいんだよ。」


 ここで、Aさんは気づきました。

 すべては結果が先にありきか・・

  そういえば、取り消すとさかのぼって無効になるということも、
 もともと法律が決めたことだった。論理といっても、あくまで法
 律の枠内での話。すべては、法律の手のひらの上でころがされて
 いるだけなのか・・



 なんて、取りとめのない話になってきましたが、

 「先に結果がある」

 という発想は大切です。論理が先にあるんじゃないんですよ。


  「詐欺されたAさんより、善意のCさんかわいそう」という思
 いが先にあって、それを法律が守ってやる。

  この場合のように法律があればよいですが、法律がない場合に
 は、裁判所が「判例」で守ってやる。


  あとは、みんなが納得できるように、論理のオブラートをかぶ
 せるだけ。

 かぶせられたあとの産物が試験に出る。

 それを覚えていれば、問題が解ける。


  オブラートの中身を追求するのかしないのか、追求したいかし
 たくないかのは、もうその人の性格なんですね。


(以下補足)

  ちなみに、Cさんが悪意(詐欺の事実を知っていた)の場合に
 は、保護されません。

  悪意のCと騙されたAを比べたら、騙されたAのほうがかわい
 そう、ということです。

 「かわいそう度」で比べてください。


 Aさんが強迫されて売買していた場合はどうでしょう。

  強迫されたAさんは、悪意のCさんはもちろん、善意のCさん
 より、「かわいそう」なんです。だから、Aの取消しは、善意の
 Cにも対抗できます。

 これも、「かわいそう度」で比べてください。


  ただ、この「かわいそう度」は、あなたが勝手に決めてはいけ
 ません。

  国民の代表である国会議員が決めた「法律」や、権利の救済機
 関である「裁判所」が出す「判例」が決めたものでなければなり
 ません。

  ほとんどは、ある程度納得がいくものです。たまに納得できな
 ければ、


 法律や判例の決めた「かわいそう度」に合わせてください!


  法律や判例の考え方は、ほとんどのテキストに記載されていま
 す(量の多い少ないはありますが)。

  載ってなければ、推測しましょう。保護されているほうが、か
 わいそうだと思われているということです。


 え?法律や判例の考えに納得できない?
 どうしても、合わせられない?

  そういう人は、国会議員になって法律を改正しましょう。
 選挙で戦って当選し、権謀術数を使って法案を通しましょう。

  そういう人は、裁判官になりましょう。
 司法試験に挑戦して合格し、最高裁の裁判官にまで登りつめまし
 ょう。他の裁判官をも納得させ、判例として確立させましょう。

  そういう人は、法律学者になりましょう。
 大御所になって、思う存分自分の著書で主張しましょう。

 以上のような生き方ができない、あるいは興味がない人は、


 「宅建試験の勉強を頑張りましょう!」


 1、2年合わせればいいだけですから(笑)。




《Q3.登記って何ですか?》
《A》

 たとえば、ある建物があったとします。

  その建物の所有者が誰であるか、建物の外観を見ただけでわか
 りますか?

 表札を見ればいいって?

 持ち主から借りて住んでいるだけかもしれませんよ。


  そこで、不動産の所有者が誰であるのか、担保はついているの
 か、所在地はどこか、土地の広さは、建物の構造は、など、その
 不動産に関する情報を記録しておき、誰でも見れるようにした制
 度が「登記制度」です。

  不動産に関して記録されている情報が「登記記録」、それが保
 管されている所が「登記所」です。

  あ、不動産とは、土地と建物のことですね。動かせないから、
 不動産。

 パソコンや鉛筆などは、動産とよばれます。動かせますから。


  所有者が誰かとか、その不動産を担保にとっている人がいるの
 か、とかは、不動産の「権利」に関する事項として記録され、そ
 の登記を「権利に関する登記」なんていいます。

  登記記録の中に「権利部」というところがあり、そこに記録さ
 れるんです。


  所在地や面積、構造などの物理的状況は、不動産の「表示」に
 関する事項として記録され、その登記を「表示に関する登記」と
 いいます。

 こちらは、登記記録の「表題部」というところに記録されます。




  まあ、このへんはどのテキストにも書かれていることなのでい
 いでしょう。

 大切なのは、ここからです。


  もし、売買などで不動産の所有者がAさんからBさんへ変わる
 と、登記記録にもこれを反映させる必要があります。

 所有者がAさんからBさんへ変わったよ、と。

  この場合、もとのAさんの名前を消してBさんの名前を書くの
 ではありません。

  所有権が「Aさん→Bさん」というように移転した、と書くの
 です。

 だから、このような登記のことを「所有権移転登記」といいます。


 ところで、この登記は誰がするのでしょう?

 AさんやBさんが勝手に書き換えるわけにはいきません。

  登記所にいる「登記官」という人に、「所有権がAからBへ移
 ったというように記録してください。」とお願いするのです。

  このようにお願いすることを、「(所有権の)移転登記を申請
 する」といいます。

  これは、当事者であるAさんとBさんが、共同で申請するのが
 原則です。



  さて、この申請は必ずしなければいけないのでしょうか?義務
 なんでしょうか?

 これは、人によって、また、相手によって異なります。


  まず、AさんもBさんも、登記所に対して移転登記を申請する
 義務はありません。売買して所有権が移っても、必ずしも登記を
 申請しなくてもかまわないわけです。

 え?登記という制度を設けておきながら、申請義務はないの?

 はい、ないんです。


  だったら登記しない人も出てくるんじゃない?
  なんで、義務化しておかないの?義務にしておけば、不動産の
 情報が最新のものに保たれていいんじゃないの?不動産の売買は
 登記をしなければ無効、ってすればいいんじゃない?


 なぜ登記を義務化していないか。

 それは、「登記所がしんどい」からです。

  登記申請を義務にすれば、当然違反したときのペナルティを課
 さなければなりません。契約が無効になるとか、罰則があるとか。
 では、違反したことを誰が調べるのか?

  数ある不動産の一つ一つについて、誰から誰へ権利が移って、
 誰が担保に取って、誰の担保がなくなったのか、なんてことを。


  こんなしんどいこと、登記所はやってられませんよ。他の機関
 がやるにしても、膨大な時間とお金がかかる。お金の出所は、も
 ちろん税金。国民みんなの負担になります。実際問題としても、
 まず無理。

 そこで法律(国)は考えました。

  義務にすれば、負担になるのは登記所、ひいては国や国民。そ
 れはやってられない。別の方法を考えよう。

  取引をした者自身が登記をしなければ、そのツケが自分に回っ
 てくることにすればいいんじゃないか。


  まずは、売主。こっちは大丈夫かな。不動産の所有者として記
 録されている限り税金がかかるんだから、移転登記の申請に協力
 するだろう。普通はね。

  買主はどうしようか。登記することのメリットが、自分が権利
 者だと公示されることだけだとすると、申請に協力しないんじゃ
 ないかな・・。早く登記するほどたくさん税金がかかってくるん
 だし。

 そうだ!こうしよう。

  仮に同じ不動産を、AがBとCに二重に売却した場合、契約の
 先後にかかわらず、先に登記をした者を勝たせよう。

  誰でも、後から契約した者に負けるのはいやだから、登記をす
 るはずだ!


 ここで、一つの疑問が生じるかもしれません。

 同じ不動産を二重に売却できるの?、と。



  先に、売買契約は売主と買主の意思表示だけで成立する、と言
 いました。

  これは、不動産の売買でも同じことです。なにせ、口約束だけ
 でもいいんですから。

 だから、AはBとCに同じ不動産を売却できるんです。

  この「売却」というのは、「売買契約」ということです。売買
 契約という「約束」だけなら、何百人にだってできるんです。


  でも、所有権を取得できるのは一人だけですよ。だって、その
 不動産はこの世に一つしかないんですから。

  不動産を買い受ける約束(売買契約)は、一人を除いて、すべ
 て反故(ほご)にされるわけです。

  反故にされた人は、約束を破られたんですから、契約を解除す
 ることはもちろん、損害賠償を請求することができます。


 ただ、不動産は手に入らない。所有者は一人だけ。

 この「一人」を、「登記の早い者勝ち」で決めようではないか。

  しかも、その「一人」は、他の人の約束を知っていたって(悪
 意)いいことにしよう。善意か悪意かなんてやってたら、これま
 たしんどい。画一的に決めるのだ。

  いや、まてまて。あまりにひどいヤツ(背信的悪意者)はダメ
 ということにもしておこう。適度に調整しておかないとな。その
 へんの匙(さじ)加減は裁判所にまかせよう。


  というわけで、取引する者にリスクを負わせることにより、登
 記制度がうまく運営されるようにしましたとさ。めでたし、めで
 たし。


 「不動産が二重に譲渡された場合、登記の早い者勝ちで決着をつ
 ける」ということが重要です。

 丸覚えできる人は、丸覚えしてください。

 出来ない人は、上記のように考えて納得してください。

  ここは通常、「自由競争の範囲内」などという苦しい説明がな
 されるところです(早い者勝ち、というところで)。

  でも本当は、「登記制度の運営」ということを考えなければ、
 本質は見えてきません。不動産取引におけるツケを国民全体に負
 わせるのではなく、取引をした当事者に負わせる、ということで
 すね。


  ちなみに、不動産の物理的状況を記録する「表示に関する登
 記」に関しては、義務化されています。不動産の現況ぐらいだっ
 たら、登記所でも管理できるということですね。


  ちょっと話が脱線しましたが、権利に関する登記に関しては、
 登記を申請する義務は(原則として)ないということでした。


  しかし、当事者どうしにはあります。登記の申請は共同でする
 のが原則ですから、取引の相手方が登記申請に協力してくれない
 と困ってします。

  したがって、相手方に対して、「登記の申請に協力せよ」と言
 える権利があり、逆に、「登記の申請に協力する義務」があるこ
 とになります。


  登記に関しては、上記のような「登記所に対する申請義務があ
 るかないか」と「取引の相手方に対して申請に協力する義務があ
 るかないか」とを、明確に区別して理解しておくようにしてくだ
 さい。



《Q4.詐欺の場合、取消し前の第三者は善意でなければ負けてし
 まうのに、取消し後の第三者は悪意でも勝つのはなぜ?》
《A》

  「AがBにだまされて自分の建物をBに売却したところ、Bは
 その建物をさらにCに売却した。その後、Aは詐欺されたことを
 理由にAB間の契約を取り消した。」が、取消し前の第三者。

 第三者が、Aの取消し前に現れた、ってことですね。

  「AがBにだまされて自分の建物をBに売却したところ、Aは
 詐欺されたことを理由にAB間の契約を取り消した。その後、B
 はその建物をさらにCに売却した。」が、取消し後の第三者。

 第三者が、Aの取消し後に現れた、ってことです。


 取消し前の第三者に関しては、Q2のところで書きました。

  AとCの「かわいそう度」を比べると、騙された(少し落ち度
 のある)Aより善意のCのほうが、かわいそう。

 だから、善意のCが勝ち、ということでした。

  善意のCを勝たせるために、法律が善意のCを保護する規定を
 用意してくれたのでした。


 取消し後の第三者はどうでしょう。

 どっちがかわいそうですか?

 取消し前の第三者の場合とは、ちょっと事情が違いますよ。


  Aは取り消したんだから、登記がBに移っていれば、自分のと
 ころに登記を戻すことができていたはずなんです。

  それなのに、していなかった。その結果、Cに登記が移ってし
 まった。


  せっかく国が登記制度を設けてあげたのに使っていないんじゃ、
 ペナルティを課すしかない。

 Aは、先に登記を得たCに負ける

  これは、法律には規定されていません。裁判所の「判例」が決
 めたことです。


 強迫の場合も同じ。

  取消し前の第三者の話では、あんなに「かわいそう度」の高か
 ったAであっても、取消し後の第三者Cの場合には、先に登記を
 得たCに負けてしまう。

  おー、こわ。「取り消したら、さっさと登記を戻しましょ
 う。」ということでした。



《Q5.宅建試験の学習を続けていくのに、独学でも大丈夫でしょ
 うか?》
《A》

  よく、「宅建試験は独学でも大丈夫。」と言われますが、私は
 なかなかそう断言することができません。

 人によって違うからです。

  「宅建試験は独学でも大丈夫。」という場合、そう言ってる人
 にとって大丈夫だった(だから他の人も大丈夫だと思う)、とい
 うだけで、みんなに当てはまるかというと疑問だからです。


  独力でテキストを読みこなし、理解する。過去問題にも精力的
 にチャレンジする。

 これが、みなできることなのか。


  大学の法学部で何年も法律を勉強しました。特に民法では苦労
 しましたね。予備校なんかに顔を出してみたこともありました。
 学部の試験でも苦労しましたが、何とかクリアしました。そんな
 人が、宅建試験を受けてみて言いました。

 「独学でも全然問題なかったよ!」

 そりゃそうです。


 まずは、あなた自身のことを知ってください。

  テキストを読んでも理解できない。そもそも、読むことすらで
 きない。過去問なんて夢のまた夢。

  そういう場合は、財布と時間と相談して、予備校に行くことを
 検討するのも十分「あり」です。


  ただ、予備校は実際問題としてお金がかかりすぎる。通う時間
 も取れそうにない。という人は、

  まずは、インターネットで、無料もしくは格安で提供されてい
 るサービスを利用することをお勧めします。

 侮れませんよ。

  予備校の講義が常に良いとは限りません。もちろん、素晴らし
 い先生にあたったときはラッキーでしょうが、なかには、ひどい
 ものもあるでしょう。でも、通い始めてから気づいたのでは遅す
 ぎます。

  インターネット上のサイトで提供されているものに、あまりひ
 どいものは見当たりません(ほとんどは、一定レベルの水準を満
 たしています)。

  イマイチかな、と思う部分もありますが、無料もしくは格安と
 いうことで納得がいきます。


  とりあえずは、こうしたサービスを利用してみて、それでもダ
 メ、教室に通ってしか勉強できない、というのであれば、またそ
 のときに検討してみてもよいのではないでしょうか。


  次回はこうしたサービスのうち、「耳から聴く講義スタイルの
 もの」(無料)を紹介し、次々回に「目で見る映像タイプのも
 の」(さすがに映像は有料、ただし格安)を、紹介します。




《♪Q.詐欺や強迫をした人は警察につかまえてもらったほうがい
  いのではないでしょうか?》
《♪A》

 なるほど。そのとおり。

  上でみた、不動産の二重譲渡だって、横領罪になることもあり
 ますし。

 つかまえてもらいましょう(笑)。


  民法は、主に私たち個人どうしの取引のルールを規定した法律
 です。

  民法が定めているのは、詐欺や強迫があった場合に取引はどう
 なるのか、ということで、犯罪として罰せられるかどうかという
 のは、また別問題なんです。

  犯罪に関しては、「刑法」と呼ばれる法律をはじめとする各種
 の法律が用意されており、そちらで扱うことになっています。

  詐欺に関しては、詐欺罪。強迫に関しては、脅迫罪(字がちが
 う)。なんてのがあります。


 ただし、イコールではありません。

  刑法において、詐欺罪はこういう場合に成立する、脅迫罪はこ
 ういう場合に成立する、というものが決まっており、それに該当
 するかどうかで犯罪にあたるかどうかが決まるんです。

  民法上の詐欺にあたっても、刑法上の詐欺罪にはあたらないか
 もしれないし、民法上の強迫にあたる場合、脅迫罪よりもっと重
 大な別の犯罪になってしまうかもしれません。

 餅は餅屋。それぞれの担当に任せましょう、ということです。

  だから、民法の学習をするときは、あくまで取引関係に絞って
 考えるようにしてください。


  ただ、宅建業法には「脅迫罪」なんかも登場しますので、今の
 うちに名前ぐらいは知っておいたほうがよいかもしれません。






★★☆☆お役立ち情報☆☆★★
------------------------------------------------------------
・宅建テキストのAmazonレビュー Part2

 「スラスラ覚える宅建合格ゼミ(平成20年度版)」(新星出版社)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_surasura2008
 (↓平成19年度版)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_surasura2007

 「わかって合格る宅建(平成20年度版)」(TAC出版)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_wakatte2008
 (↓平成19年度版)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_wakatte2007
  
 「iPod宅建講座(平成20年度版)」(ダイヤモンド社)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_iPod2008
 (↓平成19年度版)
  http://takken-plan.net/book/amazon_review_iPod2007

------------------------------------------------------------
・過去本試験の問題・解説が見れるサイト Part2
  http://takken-plan.net/website/meibutsu_kakomon

------------------------------------------------------------


 次回は、「代理」です。



 ○疑問・質問・悩み・感想などをお寄せください○

 お持ちのテキストの内容でここがわからない、などの疑問・質問
 や、学習相談・悩み・感想などがあれば、メールでお寄せくださ
 い。
 (テキストに関する質問は、書籍名と該当ページ、行数を明示す
 るようにしてください。書店に並んでいる書籍であれば、すべて
 揃っておりますので。)
 すべてに返信できるかわかりませんが、必ず目を通します。
 宛先はこちら:office@takken-plan.net



 □編集後記

 まだ学生だった当時、付き合っていた彼女が、

 「ねえ、どんなこと勉強してるの?見せて、その本。」

 「え、ああ。ほら。」(刑法の本でした)

 「なに、これ〜。殺人とか詐欺とか、悪い人ばっかり。気分が落
 ち込んじゃう。もっと明るいこと考えようよ。」

 いや、全部がそんな勉強じゃないんですけど・・。


 とはいえ、普通の人から見たら、たしかにちょっと違和感あるで
 しょうね。

 権利関係で出てくるさまざまな場面は、「悪い人」によってもた
 らされた状況がよく出てきます。中にはすごく悪い人もいるし、
 ちょっとだけ悪い人もいる。

 また、悪くなくても、おっちょこちょいな人やうっかりしていた
 人もいる。

 もちろん、全く悪くない人もいる。


 そんなさまざまな人間どうしが接触し、いろいろな状況が生まれ
 る。問題も生じるし、争いにもなる。

 そういう状況をどう調整していくか、人と人との対立関係にどう
 折り合いをつけていくかが、法律学習の面白いところでもあり、
 難しいところでもあります。

 そんな世界に、1、2年触れてみましょう。



 それでは、また。




◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 メルマガ名:元祖!宅建よくある質問

 発行・編集:タツノコ宅建倶楽部 篠竜也
 E-Mail    :office@takken-plan.net

 バックナンバー:http://archive.mag2.com/0000259599

  このメールマガジンは世界最大級のメルマガポータルサイト
『まぐまぐ!』のシステムを利用して発行・配信しています。

・発行、配信中止  http://www.mag2.com/m/0000259599.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る