2010/02/05
飛鳥遊訪マガジン Vol. 073
…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─… 飛鳥好きの貴方に贈る■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◇ ◇ 飛鳥遊訪マガジン ◇ Vol.073 ◇ ◇ 2010.2.5.◇ 両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓飛鳥時遊録 真神原風人 ┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/ 皆さん、こんにちは♪飛鳥遊訪マガジン73号をお届けします。 今回の時遊録は、只今、飛鳥資料館で開催中の冬期企画展「飛鳥の考古 学2009」の観覧記を書かせていただきました。 明日香村では、三つの研究機関(明日香村教委・橿考研・奈文研)によ って、毎年20件を越える発掘調査が行われています。飛鳥ならどこを掘 っても何か出る!そう思われている方も多いようですね。ですから、かえ ってマスコミに取り上げられない発掘成果は、注意を向けていてもつい見 逃してしまうことがあります。風人のように明日香村の近辺に住んでいて、 毎週末飛鳥を歩いている人間でさえ、知らない間に埋め戻され気付かない ままに過ぎて行く遺跡もたくさんあります。飛鳥のこの一年の発掘成果を 改めて確認するには、「飛鳥の考古学」は本当に良い機会だと思います。 シーズンオフの飛鳥で行われる地味な企画展ですが、古代飛鳥のイメージ をより鮮明に描くことが出来る機会として、また、もっともっと充実した 展示になるように願いを込めて、両槻会では、この企画を応援して行きた いと思っています。 今回の展示では、8遺跡が取り上げられています。出土遺物の展示や発 掘現場の貴重な写真パネル、コンパクトにまとめられた説明文などが並び ます。8遺跡の中には、両槻会定例会や飛鳥遊訪マガジンでお馴染みの先 生方が担当された遺跡もあり、そういう意味でも興味深いものがあります。 担当者のお顔を思い出せる遺跡は、より親近感が持てるような気がします。 第9回定例会で講演をしてくださった市大樹先生が担当された「飛鳥寺南 方(飛鳥藤原152-5次調査)」、前回定例会の青木敬先生の「石神遺 跡(第21次調査)」、また、たくさんの方が関わられた「高松塚古墳」。 これらは、両槻会にとっては、とても親しみの持てる遺跡になりました。 展示室で最も目を引くのは、高松塚古墳の墳丘築造過程を紹介する展示 で、120層にも及ぶとされる版築工法を示す「剥ぎ取りされた土層」で した。また、石神遺跡から出土した謎を呼ぶ瓦(奧山廃寺式瓦)の展示に も目が留まります。風人も現場を見に行けなくて、初めて詳細を知った 「阪田遺跡群」・「阿部山遺跡群」などの興味深い成果も展示されていま した。他にも、今回初めて紹介された檜隈寺跡の調査で検出された「檜隈 寺関連工房跡」も目を引く成果の報告になっています。檜隈寺で使った鉄 製品を作ったとみられる工房跡と考えられますが、製鉄で用いた炭や、鞴 (フイゴ)から風を送り込んだ羽口などが分かりやすく紹介されていまし た。 「飛鳥の考古学」展は、2月28日まで行われています。皆さんも、是 非ご覧下さい。 さて、今号には、投稿記事があります。スタッフ間では、明日香村人枠 と言っているのですが、明日香村にお住まいの方に、ご投稿をいただきま した。明日香村の日常の情景やその方のお人柄をご紹介できればと思って います。 今号でご紹介するのは、「珈琲 さんぽ」のtaamaさんです。 「珈琲 さんぽ」は、明日香村のど真中にあり、本格的な自家焙煎の珈琲 が飲めるお店です♪薫り高く、味わい深い珈琲がとても美味しく、また、 taamaさんが作るお昼のメニューもとっても美味しいのです♪ 飛鳥散策で 疲れた足を休めるには、ここが最適です。場所は、明日香村役場の前、古 民家を改装した素敵なお店です。(o^-^o) さて、この「珈琲 さんぽ」さん、飛鳥浄御原宮内郭南門の直ぐ近くに あるんですよ♪(参考図をご覧下さい)ほぼ正確な遺構図と重ねてみまし た。エビノコ郭と内郭南門の間にあった東西道路上にあたります。裏庭に も座席があるのですが、庭の外れは南門に掛かるのではないか思えるよう な位置になります。 参考イラスト地図 http://asuka.huuryuu.com/bunko/jiyu-roku/73/sanpo1.png さんぽさん店内から飛鳥浄御原宮内郭南門方向を見る。 http://asuka.huuryuu.com/bunko/jiyu-roku/73/sanpo2.jpg 飛鳥好きにはたまらない場所ですよね♪飛鳥散歩に疲れて、ゆっくりと 美味しい珈琲を飲みながら、古代飛鳥へと妄想を駆け巡らせるには最高の 場所です。天武天皇が宮殿から裏庭を通って入って来られるかも知れませ んよ!(笑)皆さんも是非どうぞ♪ 飛鳥遊訪マガジンを見ました!と仰ってくださいね。笑顔のサービスが あります♪ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓INDEX ┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 1:ただ今、飛鳥・藤原修行中! ゆきさん -----------------------------------------------------------+ 2:両槻会からのお知らせ -----------------------------------------------------------+ 3:飛鳥咲読 真神原風人 -----------------------------------------------------------+ 4:明日香のことはお母さん方にたずねるべし taamaさん -----------------------------------------------------------+ 5:飛鳥情報 -----------------------------------------------------------+ 6:編集後記 -----------------------------------------------------------+ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓ただ今、飛鳥・藤原修行中! ゆきさん ┃1┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 「甘樫丘東麓遺跡出土の瓦」 今回は、皆さんにとってもおなじみの甘樫丘東麓遺跡についてお話しし たいと思います。 甘樫丘東麓遺跡ではご存じのとおり、石垣や石敷遺構、総柱建物、掘立 柱建物をはじめとした7世期中頃から後半にかけての大規模な遺構群が確 認されています。特に石垣は、『日本書紀』に記載されている甘樫丘にあ ったという蘇我蝦夷・入鹿父子の邸宅と関わる可能性が高い遺構として重 要視されています。 甘樫丘東麓遺跡は、去年の調査で検出した石敷遺構の続きを検出すると ともに、東側の斜面の様子を確認することと、今は駐車場となっている 1994年の調査区で確認した7世紀中頃の焼土層につながる遺跡の状況 を確認する目的で、今年度も少し特異な形の調査区を設定して、1月から 調査をしています。 その甘樫丘東麓遺跡では、少量ですが何故か瓦が出土します。出土する 瓦は2種類あり、ひとつは川原寺所用の一群、もうひとつは7世紀前半に 位置づけられる一群に分けることができます。 川原寺所用の瓦は、川原寺創建期から平安時代までの瓦が含まれます。 これらの瓦はほとんどが包含層からの出土なので、川原寺の瓦がどういっ た経緯で甘樫丘から出土するのかよくわかりません。ただ、川原寺は、古 代から平安時代にかけて飛鳥の地に寺領として広大な荘園をもっていたよ うです。その寺領のひとつが大和国の東三十条三里・四里にあり、その場 所を『大和国条里復原図』に照らし合わせると、ちょうど川原寺の所在地 にあたります。 川原寺寺領と関連遺跡イラスト http://asuka.huuryuu.com/bunko/kikou/yuki/kawahara-30-3.gif 東三十条三里・四里の範囲は、東西はおおよそ亀石のあるあたりが西限 で、東限は川原寺の東門があったあたり、南北の範囲は川原寺の南大門を 南限にして、甘樫丘東麓遺跡周辺がちょうどその北限にあたります。した がって、おそらくは甘樫丘の南半分は奈良時代以降、川原寺が所有してい て、寺で不要になった瓦片などを廃棄したりしたのでしょう。 一方、7世紀前半の一群は、飛鳥寺同笵と思われる星組の軒丸瓦1点、 船橋廃寺式とよばれるやや肉厚の弁をもった素弁八弁蓮華文の軒丸瓦(豊 浦寺同笵)1点、および同じく船橋廃寺式の文様構成をとる古宮遺跡同笵 垂木先瓦5点、鴟尾1点などがあります。軒平瓦は確認されていません。 これらも遺構に伴っていないものがほとんどで、残念ながら使用用途など 詳細はわかりません。 これらの瓦は、甘樫丘北麓に位置する豊浦寺と縁の深い瓦でもあるので、 豊浦寺や平吉遺跡から流入したと考えるのが今のところ一番自然な解釈だ とは思います。 しかし、特に垂木先瓦に関しては、5点もの出土があり、軒瓦の出土量 の少なさに比べれば、少し特異ともいえる量です。また、瓦の出土量が少 ないのにも関わらず、鴟尾の出土があるところも気になるところです。 個人的には、ひょっとするとこれらの瓦は蘇我氏の邸宅に使用されたの ではと考えたりしています。もちろん、瓦の出土量からすれば、瓦葺きは ありえませんが、例えば邸宅の垂木先だけ瓦を使用するとか、瓦葺きとま ではいかなくとも鴟尾だけ屋根にのせるとか、そういったことも想定でき るのではと考えています。 だとすれば、瓦葺き=寺院だったこの時代に、蘇我氏の邸宅は異様な存 在感を放っていたことでしょう。絶大な権力を振るった蘇我氏にふさわし い邸宅であっただろうと一人妄想に耽っています。 おわり 参考資料:奈文研 学術情報リポジトリ 甘樫丘東麓遺跡(飛鳥・藤原第157次)現地説明会配布資料 http://repository.nabunken.go.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=1238 甘樫丘東麓遺跡(飛鳥・藤原第151次・157次) http://repository.nabunken.go.jp/modules/xoonips/detail.php?item_id=1322 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓両槻会からのお知らせ ┃2┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 両槻会サイト http://asuka.huuryuu.com/ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 第19回定例会 +----------------------------------------------------------------+ http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-19/yotei-19.html 本居宣長も通った竜在峠から、蘇我蝦夷が創建したと伝えられる大丹穂 山の桙削寺の所在候補地を訪ねる予定です。 ウォーキングの総距離は、約13kmになります。山道もあることから、 やや健脚向きになると思われます。早春の山道をご一緒に歩きませんか♪ まだ若干名の余裕があります。参加を検討されている方は、お急ぎ下さ い。 第19回定例会 「竜在峠から入谷へ -大丹穂山の桙削寺を訪ねる-」 開 催 日: 3月13日(土) 集合場所 : 桜井駅南口広場 定 員 : 30名 参 加 費: 1,000円(交通費各自負担) 申込締切 : 3月9日まで(ただし、定員になり次第締切) コース概要: 桜井駅南口(バス)→ 多武峰談山神社バス停(見学なし)→ 西門跡 → 冬野 → 鹿路・細峠分岐 → 竜在峠 → 入谷(大仁保神社) → 女淵 → 栢森 → 稲渕 → 石舞台公園 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 両槻会オリジナルカレンダー配布に関して +----------------------------------------------------------------+ 「新春プレゼント企画 2010年カレンダー」にご応募くださいまし た皆さん、ありがとうございました。 たくさんの方に応募をいただき、スタッフも嬉しく思っております。 ただ、カレンダーを添付送信させていただいた中に、どうしてもエラー になってしまい、送れない方がお2人居られました。何度も試したり、返 信としてお出ししても、送信不可能と表示されてしまいます。両槻会ブロ グでもお知らせしていたのですが、その後ご連絡をいただけませんでした ので気がかりになっております。 添付ファイルの容量が大きくなっていましたので、受信設定やフリーメ ールなどでは制限のために受け取っていただけなかったのか、また両槻会 のアドレスが受信拒否設定や迷惑メールと判断された可能性もあるのでは ないかと思っております。 カレンダー配布は、1月末日で終了させていただきましたが、この記事 をお読みの方の中で、カレンダーが送られて来なかったという方がありま したら、どうぞご連絡をお願いいたします。お申込をいただきました方に は、是非送らせていただきたいと思っております。 出来ましたら、前回お申込のアドレスではなく、別アドレスでお試しく ださると幸いです。よろしくお願いいたします。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓ 飛鳥咲読 真神原風人 ┃3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/ 第19回定例会、ウォーキング「竜在峠から入谷へ」に向けての第二回 咲読です。今回は、コース概要の後半をお話します。 峠の茶屋で一息入れた後、竜在峠へ向かいます。約300mほど進むと、 北から南方向に向かって道が二つに分岐しています。それぞれ吉野町滝畑 と明日香村入谷へと向かう道です。木のベンチが置かれ、しっかりした道 標も設置されています。ここが竜在峠です。残念ですが、現状では全く展 望はありません。 竜在峠 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-1.jpg 滝畑への道の端には、お墓があります。その道を挟んだ反対側には、神 社があったそうです。また昭和初期までは3軒の民家があり、滝谷への道 を少し下りた所には雲井茶屋と呼ばれる峠の茶屋があったそうです。明治 初年まで遡ると旅籠までもがあったのだそうで、民家も10戸を数え、峠 の集落を作っていたのだそうです。樹木と下草に覆われた山の佇まいを見 ていると、ありし日の峠の賑わいが、幻であったのかのように思われてき ます。風人がこの峠を吉野町滝畑に下った時、偶然に古い割れ茶碗が目に 止まったことがありました。往時の物でしょうか、見るにつけ山中に一人 居る寂しさを覚えたことがありました。 私達が向かう入谷への道は、直ぐに西へと曲がって行きます。木立の間 からは、通ってきた冬野の鉄塔が見えています。また、目を西に振ると、 明日香村大字畑の集落を越して信貴・生駒の山並みが垣間見える地点もあ ります。 信貴・生駒の山並み http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-2.jpg 峠から先は、竜在峠標高700mから石舞台まで、比高約550mの下 りが待っています。延々と下る長い道程です。その下り始めた辺りに、落 雷にあったのか半分朽ちた一本の古木があります。その根方にお地蔵様が お祀りされており、花立も置かれていました。どなたがお世話をされてい るのでしょう。竜在に人が住まわれていた頃のものなのでしょうか、入谷 の方が登って来られるのでしょうか。あるいは、林業に入られる方がお参 りされるのでしょうか。おどろおどろしくもあり、不思議な雰囲気が漂う 空間に惹かれます。 お地蔵様 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-3.jpg 以前、一人でこのルートを歩いていた時のことです。この付近で、2人 連れのハイカーと出会いました。見るからに道に迷っておられる様子だっ たので声を掛けると、山中で人に出会うとは思われなかったのでしょうね。 とても驚かれて、「この辺りにお住まいですか?」と聞かれたことがあり ます。まさか、狐狸の類ではあるまいに・・。(笑) この先から傾斜が急になってきます。反対方向から来るのは嫌だぞ!と 思わず思ってしまいます。(^^ゞ 暫らく進むと、芋峠への分岐に差し掛か ります。尾根を下って芋峠へも抜けられるのですが、労多くして・・・。 ほとんど展望も無い急な尾根道が、旧道芋峠道に続いています。風人は下 りで一度歩きましたが、多分二度と行かないだろうと思います。(笑) 更に長い下りの山道を歩いて行くと、山道の続きから唐突に入谷の集落 に入ります。見通しの悪い所から入るので、ちょっと驚いてしまいます。 集落の一番奥になるのですが、そこに大仁保神社があります。階段を上が って境内に入ると、集会所や展望所としてベンチも置かれています。存分 に大パノラマを楽しみましょう♪ 大仁保神社 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-4.jpg 西方向に大きく展望が開けます。南は、芋峠に続く山々が吉野と飛鳥を 隔てています。 また、風人は境内から見る集落の地蔵堂のある風景が好きで、訪ねると 必ず写真に撮って帰ります。 地蔵堂 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-5.jpg この入谷を丹生谷と解釈して、水銀に関連するのではないかと言う考え 方から、大海人皇子の吉野入りルートとして入谷・竜在峠越えを使ったと 考える説があるようです。大海人皇子を支援していたのが海人族とされる 尾張氏などであり、海人族は水銀採鉱の高度な技術を持っていたのだとす るようなのですが、風人には理解出来ない説のように思えます。面白いと は思うのですが・・・。 入谷は、集落の中も急な傾斜面になっています。少し下った所から、栢 森の集落が遥か下方に見えてきます。奥飛鳥の最深部だと思っている方も 多い栢森ですが、その奥にまだこのような里が在ることに驚きを覚える方 も多いでしょうね。近年まで、集落の一番下まで、金かめバスが通ってい ました。 栢森の集落 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-6.jpg 集落を下りきると、道路は広くなります。暫らく下ると、畑方向への道 路と交差するのですが、そこから栢森とは逆方向に少し行くと、女淵の入 口に到着します。飛鳥にもこんな滝があるのか!と初めて訪れた時には思 いました。渓流の先にある滝を見ていると、その伝承どおり龍が住まい、 竜宮に通じているのかと思いたくなる場所です。様々な雨乞いにまつわる 話があるようですが、皇極天皇の雨乞い(日本書紀皇極元年<642>8月 1日条)の場所の候補にも挙げられているようです。 女淵 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/19/2-7.jpg 栢森までは、歩きやすい遊歩道が付けられています。加夜奈留美命神社 や竜福寺にお参りして、トイレをお借りすることにしましょう。 ここからは、飛鳥川に沿った道を稲渕へと下って行きます。女綱を過ぎ、 男綱を潜ると最終地点の石舞台公園はもう直ぐです。 次回は、大丹穂山の桙削寺のお話をしたいと思います。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓明日香のことはお母さん方にたずねるべし taamaさん ┃4┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ はじめまして。明日香村役場前にて昨年10月に、珈琲屋を開店しまし たtaamaと申します。 夫と私は、東京と千葉から奈良県へ移り住んできてから4年が経ちます。 今回は、私が明日香村で暮らし始めたころにお世話になったお母さん方の お話を書きます。 夫のお祖父さん、お祖母さんが30年暮らした明日香村は、夫にとって 「田舎」にあたります。夫は小さいころから、いいところだなあ。でもお 店の少ないところだなあ~。と思っていたそうで、この村でふたりで喫茶 店をつくろうときめました。それで村内で物件探しをしていたのですがな かなか見つからない。どうすれば情報が得られるか。どうすればもっと村 のことを知ることができるか?それはやはり村に住んで村で働き、毎日村 の人といっぱいお話をすればいいのではと考えて、私は村で仕事をさがす ことにしました。 そして「ここで働きたいのですが。」と石舞台古墳のまん前にある農村 レストランの門をたたいたのが3年前。突然不躾に現れた関東弁の女にパ ートのお母さんたちは面食らったことと思います。そして運よく採用され、 すてきな10数人のお母さん方といっしょに楽しく働くことができました。 さすがは頼もしいお母さん方、村にお嫁にきてン十年。村の人のこと、 年中行事のこと、子育てのこと、畑のこと。なんでも知ってて教えてくれ ます。そして田舎料理・家庭料理の達人ぞろい。野菜の茹で方、出汁のひ きかた、おつけもんの漬け方などなど大事なことをたくさん教えてくださ いました。形ばかりの調理師免許しか持たない私にとって、この「生きた」 厨房経験はとても勉強になりました。 調理場では関東と関西の違いも面白いものです。私はよく炊きおかずの 味付けで苦戦しました。どうしてもこいくち醤油で甘辛くしてしまい、 「taamaちゃんはやっぱり濃い味付けや」とよく笑われました。 食生活が、畑と密接に関わっているのも素晴らしい点だと思いました。 例えば、おぜんざいを炊くときにも、当たり前のように自分たちでお餅を ついて、自分のところの畑で取れた小豆を持ち寄って炊くのです。塩昆布 まで手作り。なんでもスーパーで買ってくるというような感覚は持ち合わ せていないのですね。 ある冬の朝。お母さんたちと一緒に稲淵の畑へ大根ひきに連れて行って いただきました。50cmもある赤いあすか大根です。しかし私はへっぴ り腰でしりもちばかり。ほとんどお母さん方に助けてもらって。皆さんほ んとうに頼もしい・・。大根ひくところからお漬けもん漬けたのは初めて でした。 野菜は土から生まれてくるんだなあ。と初めて実感。なにしろ千葉の埋 立地育ち。土に触ったことすらありませんでした。明日香村に来てから、 30歳も半ばを過ぎてやっと人間らしい経験をさせていただいてます。 そんなこんなで楽しく(ときには辛く?)明日香村での月日は経ち、よ うやく珈琲屋をつくれる物件が見つかりました。準備と開店のため農村レ ストランのパートはやめてしまいましたが、いまでも頼もしいお母さん方 とはよいお付き合いをさせていただいています。大切な財産だと思います。 今、私たちは念願かなって珈琲「さんぽ」という自家焙煎の珈琲店を開 店することができました。明日香を「さんぽ」する方々がほっと一息つけ る場所になればいいなと思い日々珈琲を焙煎し、お菓子を焼いています。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓飛鳥情報 ┃5┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 飛鳥発掘情報 +----------------------------------------------------------------+ 現在、飛鳥周辺では数ヶ所で発掘調査が行われています。その内の幾つ かを、ご紹介したいと思います。春に向けて、現地説明会も開催されるか も知れませんね。楽しみです♪ これまでの調査の継続として、今号でもご紹介がありました甘樫丘東麓 遺跡が発掘されています。北側斜面や駐車場に近い地点を調査されている ようです。 甘樫丘東麓遺跡 http://asuka.huuryuu.com/magazine/jyouhou/amakasi.jpg また、檜隈寺周辺でも引き続き調査が進められています。確認は出来て いないのですが、キトラ古墳の南側地域でも調査が行われているようです。 檜隈寺を中心として、広く檜隈地域の古代の様子が分かってきつつありま す。 檜隈寺周辺の調査 http://asuka.huuryuu.com/magazine/jyouhou/hinokuma.jpg 飛鳥寺の南でも調査が進められています。昨年行われました橿原考古学 研究所第161次調査区の北東と北西(飛鳥寺南の東西道路南)の2ヶ所 に、調査区が設けられているようです。 飛鳥寺南の調査1 http://asuka.huuryuu.com/magazine/jyouhou/asuka-1.jpg 飛鳥寺南の調査2 http://asuka.huuryuu.com/magazine/jyouhou/asuka-2.jpg さらに、橿原市域に入りますが、菖蒲池古墳が調査されています。玄室 の中に精巧な作りの二基の家形石棺が安置され、二基ともに内側全面に布 を張って漆が塗られている点や、藤原京の朱雀大路の延長線上に存在する 点などでも注目されています。国の史跡に指定されていますが、現状は雨 水による浸水や墳形すらはっきりとしていないことなど、本格的な調査が 待たれていた古墳です。 どれも成果が楽しみな発掘調査ですね。情報が入り次第、飛鳥遊訪マガ ジンや両槻会ブログにてお知らせ出来ればと思っています。 なお、写真は、直近のものではありません。ご了承ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 「史跡植山古墳」 現地特別見学会 +----------------------------------------------------------------+ 橿原市 http://www.city.kashihara.nara.jp/ 平城遷都1300年祭記念事業として、2000年夏に調査が行われた 植山古墳が5月に2日間だけ公開されます。 『「史跡植山古墳」 現地特別見学会』 開催日 : 5月1日(土)・2日(日) 集合場所: 橿原神宮前駅中央改札口(現地へはバスで送迎) 定 員 : 800人(申込者多数の場合は抽選) 申込方法: 往復はがきによる事前受付 問合せ先: 橿原市教育委員会 文化財課 植山古墳 係 〒634-0075 橿原市小房町11-5 かしはら万葉ホール4階 電話0744-29-5902 申込締切:3月31日(水)必着 *往復はがきによる事前申込が必要です。必ず宛先や申込に関する詳細 を下記アドレスでご確認のうえお申込下さい。 「史跡植山古墳」 現地特別見学会案内ページ http://www.city.kashihara.nara.jp/1300/kengakuannai.pdf ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 特別陳列『平城京発掘-ここまでわかった奈良の都-』 +----------------------------------------------------------------+ 橿考研附属博物館 http://www.kashikoken.jp/museum/index.html 明日より、橿原考古学研究所附属博物館で、平城遷都1300年祭の行 事の一つとしての特別陳列が始まります。約90年に及ぶ発掘調査の成果 の一部が幾つかのテーマに絞って紹介されるようです。 『平城京発掘-ここまでわかった奈良の都-』 会 期 : 2月6日(土)~3月22日(月・休日) 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで) 休 館 日: 毎週月曜日 (ただし、3月22日は開館) また、関連の講演会と展示解説が2月28日(日)と3月14日(日) に、遺跡見学会が3月6日(土)にそれぞれ行われます。 詳細は、橿考研附属博物館サイトにてご確認下さい。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 「飛鳥の考古学 2009」と 展示室改修工事 +----------------------------------------------------------------+ 飛鳥資料館公式サイト http://www.nabunken.go.jp/asuka/index.html 飛鳥資料館では、2月28日まで「飛鳥の考古学 2009」が開催中 です。 「飛鳥の考古学 2009 -平成20年度の発掘調査の成果から-」 会 期 : 2月28日(日)まで *月曜休館 場 所 : 飛鳥資料館 特別展示室 時 間 : 9:00~16:30 紹介遺跡: 飛鳥京跡第161次調査、飛鳥寺南方(飛鳥藤原第152-5次調査) 石神遺跡第21次調査、檜前遺跡群、檜隈寺跡、高松塚古墳、 阪田遺跡群、阿部山遺跡群 また、「飛鳥の考古学 2009」の会期終了翌日の3月1日から、第1 展示室が改修工事で閉鎖になります。 なお、第1展示室が閉鎖される期間中も、第2展示室や特別展示室(4月 16日からのキトラ古墳壁画四神展)、屋外展示の観覧は可能で、入場料は 無料となります。 第1展示室閉鎖期間:3月1日(月)~5月13日(木) 工事期間中の館内案内図 http://www.nabunken.go.jp/asuka/annai.pdf ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 飛鳥の旧正月 +----------------------------------------------------------------+ 明日香村 http://www.asukamura.jp/ 平城遷都1300年祭記念企画として、国営飛鳥歴史公園石舞台地区で 様々な催しものが行われるようです。石舞台のライトアップや夢市の時間 延長など夜の催しもありますので、飛鳥散策の最終目的地にされるのも良 いかもしれませんね。 日 時: 2月14日(日)10:00~19:00 *催物により、開催時間が異なります。 ご確認のうえご参加下さい。 飛鳥の旧正月案内パンフレットページ http://www.asukamura.jp/topics/newyear/0214.pdf ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 宇宙考古学シンポジウムin奈良 +----------------------------------------------------------------+ 橿原考古学研究所 http://www.kashikoken.jp/ 平城遷都1300年祭にあわせて、地上700km上空の人工衛星から 奈良の歴史・文化を語ろうと言う試みのシンポジウムが開催されます。 「宇宙考古学シンポジウムin奈良 ~宇宙から見た宮都~」 日 時: 2月25日(木)13:00~16:40 場 所: 橿原考古学研究所 講堂 入場無料 主な講演: 「宇宙から見る歴史・文化への期待」 ALOS利用協議会 坂田俊文氏 「宇宙考古学と藤原・平城の都」 橿原考古学研究所 菅谷文則氏 「飛鳥・藤原、そして平城京」 橿原考古学研究所 林部均氏 「奈良地域における衛星データの活用」 奈良女子大学 村松加奈子氏 「JAXAの衛星データ利用促進の取組み」 (独)宇宙航空研究開発機構 滝口太氏 「歴史・文化財への衛星の画像利用」 (財)リモート・センシング技術センター 上村治睦氏 宇宙考古学シンポジウムin奈良 案内 http://www.kashikoken.jp/event/alos2010/alos.pdf ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓編集後記 もも ┃6┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 新たに読者登録をしてくださる方が少しずつ増えています。有難うござ います。m(__)m で、ここ最近、携帯アドレスでご登録くださる方もいら っしゃるようで・・。が、携帯電話では、文字数制限があり、内容を全て 受信できないと思いますので、あまりお勧めできません。(^^ゞ で、メルマガ繋がりと言うわけではないですが、先日ネットを徘徊して いてこんなものを見つけました。(^^) 二上山博物館 博物館/図書館メルマガ 「かん館メールマガジン」 http://www.city.kashiba.nara.jp/outside/cancan/index.html ご存知の方もいらっしゃると思いますが、著名な先生もこうやって定期 的に記事を配信されてるんだ♪・・と。月一の配信だそうです♪ 「年越しまでは、寒い」近頃母がよく口にする言葉です。「年越し?お 正月はもうとっくに過ぎたのに何言うてんねん!」と、思ってたんですが (口に出すと喧嘩になる。(笑))もしかして、この「年越し」っていうの は、節分のこと?と。「年越しが過ぎて、お水取りが終ってやっとあった かくなる」と、母はまるで呪文のように日々呟いております。(笑)節分 も過ぎ、残すはお水取り。もうしばらく頑張りましょか♪ あら・・今回は、編集後記まで長い・・・。(^^ゞ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ご意見ご感想は、http://form.mag2.com/viuounelio または、両槻会事務局まで (asukakaze2@gmail.com) 登録/解除は http://www.mag2.com/m/0000259444.html 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 発行:両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ …─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…



