2009/10/16
飛鳥遊訪マガジン Vol. 064
飛鳥好きの貴方に贈る■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ◇ ◇ 飛鳥遊訪マガジン ◇ Vol.064 ◇ ◇ 2009.10.16.◇ 両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓飛鳥時遊録 真神原風人 ┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/ 皆さん、こんにちは♪飛鳥遊訪マガジン64号をお届けします。 良い時候になってきましたね♪特に散策には絶好の季節です。皆さんも 飛鳥を歩かれてはいかがでしょう。青い空と黄金色の稲穂がきっと皆さん を歓迎することでしょう。 さて、10月8日から12日まで開催しておりました両槻会文化祭「飛 鳥を翔けた1000日の軌跡展」も、無事に終了することが出来ました。 ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。また、貴重な作品 を展示品として提供してくださいました皆さんに、この場をお借りしまし て心よりの御礼を申し上げます。 展示作品につきましては、両槻会サイトに写真でご紹介しています。ど うぞご覧下さい♪ 文化祭展示作品紹介ページ http://asuka.huuryuu.com/kiroku/bunkasai/bunkasai-1.html 来場くださった皆さんとのお話でも、また、お書きいただきましたコメ ントでも、展示作品に高い評価をいただきました。努力が報われ、疲れが 癒される心地がしております。両槻会サイトに、皆様のコメントを収録さ せていただきました。どうぞご覧下さい。 文化祭にお寄せ頂いたご感想 http://asuka.huuryuu.com/kiroku/bunkasai/bunkasai-comments.html 両槻会は、飛鳥が好きな者達が集っている会です。そのことを形でお見 せ出来ればと企画した文化祭ですが、その目的は達成することが出来たの ではないかと思っております。 両槻会は、設立準備から数えますと約1000日を経過いたしました。 大したことは何も出来ていませんが、講演会やウォーキングを始めとしま して、思いを込めた企画を続けてきたと自負しております。全く後ろ盾と なる組織も無いままに、ただ努力という武器だけを頼りに、ここまでやっ てこれたのは奇跡のようにも思います。展示しました資料集や飛鳥検定や 飛鳥地図帳を見るたびに、定例会毎の記憶が呼び覚まされ、文化祭は私達 スタッフにとりましても、一つの区切りになったのではないかと思ってお ります。 文化祭を起点として、両槻会は、新たな第一歩を踏み出せるように思い ます。一歩一歩を大切に歩んで行きたいと思っておりますので、これから も、ご支援・ご協力をいただきますように、お願い申し上げます。 秋もシーズンを深めてきます。発掘情報や講演会情報など、心躍るニュ ースが飛び込んでくるシーズンでもあります。メルマガや両槻会ブログで、 出来る限り情報提供をしていきたいと思っています。ご期待ください♪ 寒暖の差が大きくなってきますので、どうぞ風邪や新型インフルエンザ にお気をつけて、楽しい飛鳥散策をお楽しみください♪飛鳥でお待ちして おります♪ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓INDEX ┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 1:ただ今、飛鳥・藤原修行中! ゆきさん -----------------------------------------------------------+ 2:両槻会からのお知らせ -----------------------------------------------------------+ 3:飛鳥咲読 山田隆文先生 -----------------------------------------------------------+ 4:ももと飛鳥と三十一文字と もも -----------------------------------------------------------+ 5:飛鳥情報 -----------------------------------------------------------+ 6:編集後記 -----------------------------------------------------------+ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓ただ今、飛鳥・藤原修行中! ゆきさん ┃1┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 「7世紀前半の檜隈寺の様相 -第156次調査から-」 先日、檜隈寺周辺の発掘調査において竪穴建物遺構とそれに伴うL字形 カマドが出土したという記者発表をしました。記者発表を行ったときには もう遺構は埋めてしまっていたので、皆さんに遺構を見てもらうことがで きず残念に思っています。現在、その速報展示を奈文研の藤原資料室で行 っています。竪穴建物遺構から出土した遺物をはじめ、写真も多く展示し ていますので、お時間のある方は是非ご覧いただければと思います。今回 はその竪穴建物遺構と、この調査によって少しずつ様相がつかめてきた檜 隈寺の前身寺院についてお話ししたいと思います。 奈文研発掘現場(第156次調査地は丘陵の上の檜隈寺講堂跡の北) http://asuka.huuryuu.com/bunko/kikou/yuki/hinokuma-nabunken2.jpg 実は、今回検出したL字形カマドは、去年行われた155次調査で石組 遺構として一部を検出していました。今回の調査は、その石組遺構の全体 像を把握すべく調査を行い、結果出土したのが石組みのL字形カマドです。 今回検出したカマドは、竪穴建物の中心近くに焚き口を北向きに設け、煙 道を南にのばし、竪穴建物の南壁で西方向に曲がり壁に沿って伸びた後、 北に向けて煙を出す構造になっています。したがって、L字というよりは 逆L字状になります。 通常のカマドが壁際からすぐに屋外に煙を出すのに対して、L字形カマ ドは屋内に煙道をL字形に長く設けて、煙がすぐ外に出ないように工夫し てあります。従って、L字形カマドは調理施設であると同時に、カマドの 熱を利用したストーブの役割も果たすと思われます。L字形カマドはかつ てオンドル状遺構と呼ばれていましたが、L字形カマドはオンドルのよう に床下暖房ではないので、現在は区別して考えられています。ですが、L 字形カマドは、朝鮮半島に類例がみられ、その年代が日本より遡ることや 韓式系土器等、渡来系の遺物が伴うことがあることから、渡来系の技術と して考えられています。 今回の調査でも、竪穴建物から渡来系要素の強い軒丸瓦が出土しました。 素弁八弁蓮華文軒丸瓦で、瓦当裏面に格子叩きが施されています。瓦当裏 面の格子叩きは朝鮮半島で多くみられる技法ですが、飛鳥の軒丸瓦ではあ まりみかけません。瓦当裏面格子叩きは、日本では滋賀県の穴太廃寺など で出土しています。ちなみに穴太廃寺のある穴太遺跡でもオンドル遺構が 検出されています。 この素弁の軒丸瓦の年代は瓦当文様から7世紀前半と考えられます。竪 穴建物遺構から出土したもう1点の軒丸瓦も、星組の瓦をベースに蓮弁に 火炎文をあしらったもので、やはり7世紀前半の軒丸瓦です。また、竪穴 建物遺構から出土した土器から、7世紀中頃には遺構が埋没したと思われ ます。 この7世紀中頃という年代が遺構から指し示めされたということには重 要な意味があります。 現在、檜隈寺跡には、金堂、講堂、西門の基壇が残っていますが、これ らの造営時期は、使用された瓦の年代からいずれも7世紀後半から藤原宮 にかけてと考えられています。この年代観は、檜隈寺に関するもっとも古 い史料である、『日本書紀』の朱鳥元年(686)年八月二十一日条にも 合致し、この時までには檜隈寺の伽藍がおおよそ整っていたと考えられま す。檜隈寺から出土する瓦は、I型式(7世紀前半~中頃)、II型式(7 世紀後半)、III型式(藤原宮期)、IV型式(奈良時代以降)の4段階に 分類されています。発掘調査で検出した檜隈寺の伽藍には、いずれもII型 式(金堂)とIII型式(講堂・塔)の瓦が使われていたことがわかってい ます。つまり、I型式の瓦については、どこに使用されたのかわかってい ません。そのI型式の軒瓦の年代が7世紀前半~中頃、つまり今回出土し た竪穴建物遺構の年代と重なってきます。 (つづく) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓両槻会からのお知らせ ┃2┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 両槻会サイト http://asuka.huuryuu.com/ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 両槻会文化祭―1000日を翔けた軌跡展― +----------------------------------------------------------------+ 8日から行いました「両槻会文化祭―1000日を翔けた軌跡展―」も 12日に無事最終日を迎えました。 開催中、会場のスタッフに沢山の方から励ましのお言葉やご感想を頂き ました。 この場を借りまして、貴重な作品を出展して下さった皆さんやスタッフ 作製の飛鳥グッズをご購入下さった皆さん、ご来場下さった皆さんに心よ りお礼を申し上げます。有難うございました。m(__)m 今後とも両槻会をよろしくお願い致します。 文化祭の模様は、両槻会サイトにUPしています。ご来場いただけなか った皆さんにも、会場の様子を含め、お楽しみいただけたら思います。 文化祭展示作品紹介ページ http://asuka.huuryuu.com/kiroku/bunkasai/bunkasai-1.html ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 第17回定例会 +----------------------------------------------------------------+ http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-17/yotei-17.html 橿原考古学研究所付属博物館主任学芸員 山田隆文先生のご案内による ウォーキングを下記要項で開催します。 第17回定例会 「飛鳥の諸宮をめぐる」 開催日 : 11月14日(土) ご案内 : 山田隆文先生 (橿原考古学研究所付属博物館 主任学芸員) 集合場所: 桜井駅南口バス停付近 集合時間: 10時05分 定 員 : 30名 参加費用: 1,000円予定 (資料制作費など) 申込期間: 9月13日~11月7日(定員になり次第終了) 参加申込は、定員になり次第締め切らせて頂きます。参加を検討されて いる皆さんは、お早めにお申込み下さるようお願い致します。 詳細は、両槻会サイトの定例会予定からご覧ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 特別回 芋峠越え宮滝行 +----------------------------------------------------------------+ 特別回「旧暦10月19日に行う―芋峠越え宮滝行―」を12月5日に 開催いたします。 大海人皇子が飛鳥島庄から芋峠を越えて宮滝に入ったのが、旧暦10月 19日、今年は12月5日(土曜日)がその日に当たります。このチャン スを逃がす両槻会ではありません♪ 全行程を歩くと、16キロ程度(ただし、芋峠越え)になりますので、 只今幾つかのパターンで参加して頂けるようコースを検討中です。詳細は、 決まり次第サイトやブログでご案内します。今しばらくお待ちください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ 飛鳥咲読 ┏━┓ 橿原考古学研究所付属博物館 主任学芸員 山田隆文先生 ┃3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 橿考研付属博物館 http://www.kashikoken.jp/museum/top.html 「飛鳥の諸宮をめぐる(第3回 後飛鳥岡本宮と飛鳥浄御原宮)」 III期遺構は前回も述べましたように、II期遺構の地割を継承して正方 位で造営されています。同一の層から確認されますが、AとBの前後半に 分期し、III-A期が斉明天皇の後飛鳥岡本宮、III-B期が天武天皇の飛 鳥浄御原宮と考えられています。 III-A期は、内郭と外郭の二重構造であることが確認されています。内 郭は屋根を持つ一本柱塀によって区画され、南北約197m、東西は南辺 が約152m、北辺が約158mの平面が逆台形をしています。 内郭は東西方向の掘立柱塀によって南北ふたつの区画にわけられていま した。南区画の中軸線上には内郭の正門である内郭南門と内郭前殿があり ます。内郭前殿の東側には2列の掘立柱塀をはさんで、その東に南北に長 い掘立柱建物が2棟並んでいました。これらの南北棟は中軸線を対称に西 側にもあったと想定されており、朝堂であるとみる説もあります。 北区画の中軸線上には桁行8間、梁間4間という大型の「南の正殿」と 「北の正殿」が同一規格で並び立っていました。これらの正殿の東西には 廊下でつながった桁行3間、梁間4間の脇殿がそれぞれにありました。 北区画の2棟の正殿のさらに北側や東西は掘立柱塀によってさらに区画 され、大小さまざまな建物が配置されていました。なかでも興味深いのは 長廊状建物と称しているもので、桁行24間、梁間2間という東西に非常 に長い建物です。橿考研の菅谷文則所長は舎人の宿営ではなかったかと推 定されています。内郭の北東隅付近には、1960年度におこなわれた飛 鳥京跡の第1次調査で確認された周囲に石敷をめぐらせた井戸があります。 これは飛鳥京跡では唯一の井戸で、宮での飲食や催事に用いられたであろ う重要なものであったと考えられます。今は、この周辺が数少ない整備さ れたところですので、皆さんもよくご存じの場所だと思います。 外郭を区画する施設は現在のところ東辺の一本柱塀しか確認されておら ず、外郭の南、北、そして西の端はまだ、判明していません。外郭の内部 は内郭ほど調査がすすんでいませんが、現在までに外郭の内部に張りめぐ らされた石組溝や区画塀、総柱建物などの掘立柱建物が検出されています。 また、内郭の北西、宮より一段低い部分には南北ふたつの池や中島・渡 堤などで構成される広大な苑池が築造されていました。 飛鳥宮遺構関連図 http://asuka.huuryuu.com/bunko/sakiyomi/17/asuka-miya.gif III-B期は基本的には、内郭と外郭はIII-A期の施設をほぼそのまま 踏襲しています。A期との最も大きな変化は内郭の東南側に新たな区画が 造営されたことです。これが、橿考研で「エビノコ郭」と称しているもの で、『日本書紀』天武紀にみえる岡本宮の南に造営した宮室にあたると考 えられています。エビノコ郭は、周囲を内郭と同様の屋根付きの一本柱塀 で区画した東西約94m、南北約55mで、区画の西側にのみ門を開いて おり、区画の中央にはこの郭の正殿である「エビノコ大殿」がありました。 エビノコ大殿は桁行9間、梁間5間と飛鳥京跡のなかでも最も規模の大き いもので、『日本書紀』天武天皇10年(681)の記事にみえる「大極 殿」の可能性が高いと考えられます。 さて、飛鳥の宮跡の特徴のひとつに石を敷き詰めた空間が多いことが挙 げられます。この石敷にも実は2種類あって、人頭大の「石敷」、こぶし 大の「礫敷」に分けられます。石敷は、内郭北区画の多くの部分と、南区 画の内郭前殿の建物の部分、エビノコ大殿の部分、外郭の一部に見られま す。礫敷は内郭南区画の内郭前殿以外の空間、エビノコ郭の大殿以外の空 間、外郭の一部に見られます。 私見ですが、注目すべきは内郭前殿の背後に内郭北区画へと通路状に延 びる石敷があることで、その分布範囲や位置から、石敷は天皇のいる空間 にのみあり、礫敷は天皇が立たずに臣下だけがいる空間に設けられたと考 えています。そして内郭前殿へは石敷の通路を天皇が自らの足で出御し、 エビノコ大殿やその他の石敷の空間へは輿に乗って出御したのではないか と想像しています。 飛鳥京跡III-B期の遺構が天武朝の飛鳥浄御原宮であることがほぼ確 実になった今、飛鳥京跡から検出された建物がそれぞれ文献史料にみえる どの殿舎に該当するのかが興味が持たれるところです。 『日本書紀』には飛鳥浄御原宮に関するものとして、上述した「大極殿」 をはじめ、「大安殿」や、「外安殿」、「内安殿」、「向小殿」、「前殿」、 「大殿」、「朝堂」、「西門」、「南門」などの殿舎の名称が多数みられ ます。具体的には諸説ありますが、当研究所の見解としては、「大極殿」 は繰り返しになりますが、エビノコ大殿が、「大安殿」は内郭前殿である と考えられ、「内安殿」は内郭北区画のふたつの正殿のどちらかに該当す ると考えられます。また、「西門」はエビノコ郭西門で、「南門」は内郭 南門と考えられます。これらの門の外側で弓を射る行事が行われたことが 『日本書紀』に記されていますが、橿考研博物館の第3展示室の「飛鳥の 宮」復元模型では、その場面も作っていますので、ぜひご覧になってくだ さい。 個人的には、将来に内郭北の正殿と南の正殿の復元模型を作る時には、 外からは見えませんけど、殿中で双六に興じる天武天皇たちの場面も作 ってみたいなと考えています。 では、次回は舒明天皇の諸宮についてみてみたいと思います。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓ももと飛鳥と三十一文字と もも ┃4┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ ひとしひとひら http://gpeach.nobody.jp/index.html あちらこちらで秋の気配が感じられるようになりました。飛鳥散策で見 かける柿の実も青からオレンジへと移ろい始めています。暖かい色をした 柿の実を眺めていると、日が短くなったことに対するお天道様からの少し ばかりのお裾分けなのかなとも思えます。 さて・・・この時期らしい話題ってなんだろうかとつらつらと考えてい ると、万葉集なんかで枕詞として使われる「ぬばたま」のことをふと思い 出しました。 ヌバタマ http://asuka.huuryuu.com/bunko/staff/momo/nubatama.jpg というのもですね・・先日、久しぶりにお訪ねした橘寺の宝物殿脇で、 見事にムラサキシキブが実をつけて枝をしならせているのを見かけまして。 で、同じ丸い実をつけるものに、「ぬばたまなんていうのがあったなぁ~」 と思い出したというわけでして。(^_^;)本当に、唐突で脈絡のない展開で 申し訳ないと思いつつ、ま、秋の話題だから良いかってことで、今回はこ の「ぬばたま」をお題に決めました。(笑) 「ぬばたま」は、ヒオウギという草花の実のことで、黒くてまん丸の実に なります。ヒオウギは、扁平な葉がその名の通り扇のように根元から葉先 に向かって広がり、花のない春の時期にはその姿が目印にもなります。夏 には緋色の花びらに一段濃い緋色の斑模様のある花が咲きます。 ヒオウギ http://asuka.huuryuu.com/bunko/staff/momo/hiougi.jpg 草花が花から実へと色を受け継いでいく科学的な根拠などは全くしりま せんが、ヒオウギのこの変化見ていると、花の緋色が実の黒に凝縮された ようにも思えてきます。「ぬばたま」が黒いのは、夏の熱気を閉じ込めた せい?なんてね(^^ゞ 子らが家道やや間遠きをぬばたまの夜渡る月に競ひあへむかも (302) 「ぬばたま」は、その色ゆえにでしょうか、万葉集などでは「黒」や黒か ら連想される「夜」や「髪」などの枕詞になり、秋という季節自体を呼び 起こすものではないようです。枕詞というのは、訳す必要のない音の響き や字数合わせのものだと言われることもあるようですし、中には今ではあ まり意味のわからない言葉もあります。ま、言葉って時代と共に移り変わ るものですしね。 芸術、読書、食欲と様々な言われ方をする秋ですが、今も昔も変わらな いとすれば、それは日の短さ。人工の灯りが今ほどない昔は、今以上に日 の短さが身に迫るものであったと思います。寄せる風が涼しく、早く訪れ る闇は心細く人恋しく・・・この「人恋し」の「人」は「人肌」のことで、 「人恋しい」は「人肌の熱が恋しい」ということなのかなと思えます。 「ぬばたま」に託して愛しい人の髪を詠む、逢えない長い夜を詠む。そ れは人肌の恋しい秋の夜長、温かさを閉じ込めたぬばたまだからこそのよ うに思えるももの秋の夜長です。 ぬばたまの妹が黒髪今夜もか我がなき床に靡けて寝らむ (2564) ぬばたまの夜渡る月のさやけくはよく見てましを君が姿を (3007) 「ぬばたま」は、ただの黒ではなく艶のある黒で、あえていうなら漆黒に なり、枕詞の「ぬばたまの」があらわしたいのは、この漆黒のイメージな んじゃないでしょうか。「ぬばたま」って、そのまま和の色名としても使 えませんかね?ぬばたま色・・・これはちょっと不気味かな?(笑) 秋の夜長の「ぬばたまの夜」貴方はどう過ごされますか。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓飛鳥情報 ┃5┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 橿原考古学研究所付属博物館 +----------------------------------------------------------------+ http://www.kashikoken.jp/museum/top.html 橿原考古学研究所付属博物館で開催されています秋季特別展「銅鐸―弥 生時代の青銅器生産―」に関連する研究講座や遺跡見学会が予定されてい ます。 「銅鐸 -弥生時代の青銅器生産-」 会 期 : 開催中~11月23日(月・祝) 場 所 : 博物館特別展示室 時 間 : 9:00~17:00(入館は16:30まで) 研究講座: 橿原考古学研究所1階講堂にて 13:00~ 第2回 10月25日(日) 「唐古・鍵遺跡の青銅器鋳造遺物について」 藤田三郎氏(田原本町教育委員会) 「銅鐸の鋳造技術」 難波洋三氏(奈良文化財研究所) 第3回 11月15日(日) 「近畿地方における青銅器生産の諸問題」 三好孝一氏(大阪府文化財センター) 「社会変動期における青銅器」 森岡秀人氏(芦屋市教育委員会) 研究講座日の10:30からは、特別展示室で「みどころ解説」も行わ れています。 遺跡見学会「奈良県の青銅器生産遺跡を歩く」 日 時 : 10月17日(土)10:00 近鉄橿原線石見駅集合 (16:30近鉄大阪線大和朝倉駅解散予定) 内 容 : 唐古・鍵遺跡、唐古・鍵考古学ミュージアム、大福遺跡、 脇本遺跡など(全行程約15km) 参加費 : 無料(入館料別途要)、少雨決行、昼食持参 各詳細は、橿考研付属博物館サイトでご確認ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 飛鳥資料館 +----------------------------------------------------------------+ http://www.nabunken.go.jp/asuka/index.html 飛鳥資料館平成21年度秋期特別展『北方騎馬民族のかがやき 三燕文 化の考古新発見』が、いよいよ本日から始まりました。 この特別展の図録作製には、両槻会第15回定例会「飛鳥時代の戦いと 武器 ―大化改新の時、蘇我氏はどのような武器で戦ったのか?」でご講 演頂いた奈良文化財研究所の豊島直博先生も関わっておられます。 会 期: 開催中~11月29日(日)(期間中無休) 場 所: 飛鳥資料館 特別展示室 時 間: 9:00~16:30(入館は16:00まで) 展示品: 遼寧省出土三燕文化考古資料84点 また、関連で「日中考古学記念講演会」が開催されます。 「日中考古学記念講演会」 「北方騎馬民族のかがやき 三燕文化の考古新発見」 日 時 : 10月17日(土)13:00~15:30 場 所 : 飛鳥資料館講堂 講 演 :「三燕文化が朝鮮半島、日本に与えた影響」 町田章氏(奈良文化財研究所 前所長) 「三燕文化研究の現状と課題」 田立坤氏(遼寧省文物考古研究所長) 各詳細は、飛鳥資料館公式サイトでご確認ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 帝塚山大学・飛鳥保存財団 連携シンポジウム +----------------------------------------------------------------+ 飛鳥保存財団 http://www.asukabito.or.jp/ 国営飛鳥歴史公園開園35周年の記念イベントとして、帝塚山大学と飛 鳥保存財団によるシンポジウムが開催されます。 「時空を超えた飛鳥文化-日本伝統文化から飛鳥を考える-」 日 時 : 10月18日(日) 10:00~(雨天決行) 会 場 : 国営飛鳥歴史公園石舞台地区(周辺芝生広場) 参加費 : 無料 概 要 : 講演 「あすかの伝説 -鎌足と入鹿-」 水上勲氏(帝塚山大学名誉教授) 「奈良の不可思議」 中谷克己氏(帝塚山大学教授) 「古代日本語の謎」 中島一裕氏(帝塚山大学教授) シンポジウム コーデイネーター:中谷克己氏 パネリスト :水上勲氏・中島一裕氏 問合せ : 帝塚山大学考古学研究所 (0742-48-9700) 飛鳥保存財団 (0744-54-3338) 当日問合せ: 飛鳥びとの館(0744-54-3624) 開催に関する詳細は、飛鳥保存財団などのサイトでご確認ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 奈良芸術短期大学 歴史公開講座 +----------------------------------------------------------------+ 奈良芸術短期大学 http://www.naragei.ac.jp/index.html 橿原市久米町の奈良芸術短期大学で「唐文化との出会い」と題した歴史 公開講座が開催されます。 日 時 : 10月24日(土)13:00~16:30 会 場 : 奈良芸術短期大学 1号館(1-1-1教室) 定 員 : 100名(聴講無料・申込要・先着順) 申 込 : 往復はがきに郵便番号、住所、氏名、電話番号、 「歴史公開講座希望」と明記 申込先 : 〒634-0063 奈良県橿原市久米町222 奈良芸術短期大学 教務課 内 容 : 「慈覚大師円仁の足跡 ―赤山法花院と五台山―」 前園実知雄氏(奈良芸術短期大学教授) 「法隆寺壁画の文化的背景」 東野治之氏(奈良大学文学部教授) 申込などの詳細は、必ず奈良芸術短期大学のサイトをご覧ください。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ■ 桜井茶臼山古墳現地見学会 +----------------------------------------------------------------+ 橿原考古学研究所 http://www.kashikoken.jp/ 今年6月に初の「玉垣跡」が見つかったとして話題になった桜井茶臼山 古墳の現地見学会が開催されます。 日 時: 10月29日(木)、30日(金)、31日(土) 各日10:00~15:00 場 所: 桜井市外山(とび) 桜井茶臼山古墳 近鉄・JR桜井駅 南口(JR線側)から徒歩25分 内 容: 竪穴式石室の再調査 現地見学会の詳細は、下記ページをご覧下さい。 桜井茶臼山古墳現地見学会のご案内 http://www.kashikoken.jp/from-site/2009/sakurai/sakurai.pdf ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ┏━┓編集後記 もも ┃6┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┗━┛ 10月って、こんなに朝晩涼しかったです?何だか、涼しいを通り越し て、寒い・・・って感じなんですが。何を着ればいいんだろう・・と、毎 日タンスの引き出しとニラメッコしてます。^^; 皆さんも風邪など引かれないようにお気をつけ下さいね。 さて、17回の申込がお陰様で順調です。定員まで残り僅か。まだ参加 を悩まれてる方は、早めにご決断下さい。(^^) ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ ご意見ご感想は、http://form.mag2.com/viuounelio または、両槻会事務局まで (asukakaze2@gmail.com) 登録/解除は http://www.mag2.com/m/0000259444.html 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 発行:両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



