飛鳥遊訪マガジン  RSSを登録する

飛鳥地域の歴史・文化・景観が好きな皆さん♪「両槻会」は、そんな皆さんと一緒により飛鳥を楽しもうと活動しています。飛鳥遊訪マガジンでは、歴史だけではない飛鳥の魅力もお届け出来ればと思います。皆さん!ご一緒に、もっと飛鳥を楽しみませんか♪

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/09/04

飛鳥遊訪マガジン Vol. 061

 飛鳥好きの貴方に贈る■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
 ◇                                      ◇
   飛鳥遊訪マガジン 
 ◇         Vol.061               ◇

 ◇                       2009.9.4.◇
                 両槻会 http://asuka.huuryuu.com/
 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓飛鳥時遊録   真神原風人
┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛              飛鳥三昧 http://sanzan.gozaru.jp/

「藤原宮と古代蓮」

  今年の夏は、もう終わってしまうのでしょうか。猛暑は嫌ですが、物足
 りなさも感じる今年の夏です。石舞台公園では、すでに彼岸花も咲きだし
 ているようですし、早稲種の稲も随分垂れかけていました。ススキの根方
 を覗き込むと、万葉の花「思ひ草=南蛮ギセル」が咲いています。秋なん
 ですねぇ~。
 
 思ひ草(南蛮ギセル)
 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/61/nanbangiseru.jpg

  秋の気配と夏の名残を探しに、8月末に藤原宮跡から石舞台へと歩いて
 きました。近鉄耳成駅から南へ向かいます。1キロばかり行ったところか
 ら西に折れ、藤原宮跡に到着しました。
  大極殿跡の南東方向に、発掘現場が見えます。調査が行われているのは
 知っていたのですが、場所を確認したくて足を伸ばしました。現場は、前
 回(153次調査)調査区の東または北東方向になると思われます。前々
 回の調査(第148次)では、大極殿院南門跡が検出されていますが、そ
 れの東に続く回廊などが見つかる可能性があるのではと期待が持てます。
 飛鳥遊訪マガジンで、あい坊さんが連載してくださっている藤原宮造営に
 関わる運河の支線(前回の支線の続き)が、おそらくこの調査からも検出
 されるのではないかと思いました。休日の散策ですから、直接遺構を見た
 わけではありません。シート越の想像でしかありませんので、その点ご容
 赦ください。(^^ゞ

 大極殿跡と発掘現場
 (赤い柱の模型は、大極殿院南門の復元柱列・遠景は耳成山)
 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/61/daigokuden-hakkutu.jpg

  さて、シート越しの発掘現場を楽しんだ後(笑)、直ぐ近くにある蓮畑
 に行ってみました。唐招提寺や法華寺などから贈られた11種の蓮(大賀
 蓮や古代蓮もありました。)が、想像以上の規模で咲いていました。地元
 民の風人もビックリです。9月の中頃までは見頃とのことですので、この
 メルマガをご覧になってからも、まだ間に合うかも知れませんね。
  8月の半ばには、その中の碧台蓮という名前の蓮に、「一茎二花」の花
 が付いたそうです。残念ながら風人は見られなかったのですが、古代にお
 いては、瑞祥として「日本書紀」舒明天皇7年(635)「瑞(あやしき)
 蓮(はちす)、剣池に生ひたり。一茎に二つの花あり。」、また、皇極天皇
 3年(644)「剣池の蓮の中に、一つの茎に二つの萼(はなぶさ)ある者
 有り。」とあります。何か良いことが起るのでしょうか。このご時勢、こ
 んなことにも期待を掛けてしまいます。
  来年も是非「一茎二花」の花を付けて欲しいものです。皆さんにも、写
 真でお届け出来ればと願っています。
 
 大極殿跡と蓮畑
 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/61/hasubatake.jpg

 法華寺蓮
 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/61/hokkeji-hasu.jpg

  この後、風人は、香具山の裾を通り、大官大寺→石神遺跡→飛鳥京跡→
 石舞台公園と進み、秋の気配を感じながら、甘樫丘裾から橿原神宮前駅ま
 で歩きました。寄道込みでおおよそ13キロでした。

 
 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓INDEX
┃□┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛
    1:飛鳥・藤原の考古学        あい坊 
    -----------------------------------------------------------+
    2:両槻会からのお知らせ  
    -----------------------------------------------------------+
    3:飛鳥咲読             もも
    -----------------------------------------------------------+
    4:ももと飛鳥と三十一文字と     もも
    -----------------------------------------------------------+
    5:飛鳥情報
    -----------------------------------------------------------+
    6:編集後記
    -----------------------------------------------------------+

 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓飛鳥・藤原の考古学     あい坊
┃1┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛
「飛鳥の運河1 -『日本書紀』の記録から考える-」

  飛鳥時代の飛鳥にも運河が存在していました。それは『日本書紀』斉明
 2(656)年是歳条の記録から知ることができます。

 「田身嶺に、冠らしむるに周れる垣を以てす。田身は山の名なり。此をば
 大務と云ふ。復、嶺の上の両つの槻の樹の邊に、観を起つ。號けて両槻宮
 とす。亦は天宮と曰ふ。時に興事を好む。廼ち水工をして渠穿らしむ。香
 山の西より、石上山に至る。舟二百隻を以て、石上山の石を載みて、流の
 順に控引き、宮の東の山に石を累ねて垣とす。時の人の謗りて曰はく、
 『狂心の渠。功夫を損し費すこと、三萬余。垣造る功夫を費し損すこと、
 七萬余。宮材爛れ、山椒埋れたり』といふ。又、謗りて曰はく、『石の山
 丘を作る。作る随に自づからに破れなむ』といふ。若しは未だ成らざる時
 に據りて、此の謗を作せるか」

  これによると

 (1)多武峰に垣を巡らした両槻宮を建設したこと、
 (2)香具山の西から石上山まで狂心渠(たぶれごころのみぞ)を掘削したこと、
 (3)この運河を使って宮東山に石垣を建設したこと、
 (4)これら一連の土木工事に対する中傷、

 が記されています。
  これらの記事については、「狂心渠」と考えられる大溝が飛鳥東垣内遺
 跡で確認され、「宮東山の石垣」が酒船石遺跡であることが発掘調査でわ
 かりました。「両槻宮」は多武峰山系で未だ未発見の遺跡と考えられます。
 この中で、「狂心渠」は香具山の西から石上山まで運河を掘って船200
 艘で石上山石を積んで、運河を引っ張って、宮東山に石垣を積んだとされ
 ています。そして、この運河を掘削するのに3万人もの人夫が動員された
 と記されています。

  つまり、石垣を運ぶために香具山の西から石上山まで長大な運河を建設
 したのです。問題は「石上山」をどことするのかですが、二つの考え方が
 できます。「石上山の石」を採石できる山という理解と、石上山の石を積
 み上げた石垣の山(酒船石遺跡)という理解です。ただし、記録からはこ
 の結論はまだ解明できていません。


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓両槻会からのお知らせ
┃2┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛           両槻会サイト http://asuka.huuryuu.com/
 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 第16回定例会
 +----------------------------------------------------------------+

  橿原考古学研究所の清水昭博先生・岡田雅彦先生をお招きして、第16
 回定例会を下記日程で開催します。

  開催日  : 9月12日(土)  
  演 題 : 飛鳥瓦の源流
         ‐百済、新羅、高句麗、そして中国南朝‐

  講演会講師 : 清水昭博先生(橿原考古学研究所 主任研究員)
  事前散策解説: 岡田雅彦先生(橿原考古学研究所)

  会 場 : 飛鳥資料館講堂 
  開 演 : 午後1時30分予定 
  定 員  : 40名 
  参加費用: 1,000円 (飛鳥資料館入館料別) 

  定例会当日の午前中に、恒例となりました関連遺跡を事前散策として巡
 る予定をしています。今回の事前散策には、講師の清水先生と、同じく橿
 原考古学研究所の岡田雅彦先生が同行して下さいます。

  定員までに若干の余裕があります。明日深夜まで参加申込受付中です。
 皆さんのご参加をお待ちしております。
  
 第16回定例会案内ページ
  http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-16/yotei-16.html 


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 両槻会文化祭 ー 飛鳥を翔けた1000日の軌跡展 ー 
 +----------------------------------------------------------------+

  この度「飛鳥を翔けた1000日の軌跡展」と銘打った文化祭を開催す
 ることにいたしました。
  両槻会設立より1,000日が経過しました。これまで定例会毎に作っ
 てきました資料の展示や飛鳥検定の模擬受検などを通して、両槻会の活動
 をご紹介したいと思っております。
  また、四季折々の飛鳥の素顔を記録した写真や手作りの品々など、スタ
 ッフや参加者の作品も合わせて展示(一部販売)致します。
  スタッフも交替で詰めています。飛鳥散策の折りに、是非お立ち寄りい
 ただければと思います。

  開催期間: 10月8日から10月12日まで。
  開催場所: Shop & Gallery「 輪-Rin 」
         明日香村岡385?4 (岡天理教会前)
          http://web1.kcn.jp/rin
  展示時間: 10;00~16:00まで
  観覧  : 無料
  お問合せ: 両槻会事務局 asukakaze2@gmail.com

 文化祭予定ページ
  http://asuka.huuryuu.com/yotei/tokubetukai/tokubetukai-3.html


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■「飛鳥」の写真大募集♪
 +----------------------------------------------------------------+

  両槻会文化祭「飛鳥を翔けた1000日の軌跡展」では、皆さんのお写
 真を募集しています。
  テーマは、「飛鳥」。飛鳥にちなんだお気に入りのお写真をお寄せ下さ
 い。(飛鳥地域で撮られた写真を対象にさせていただきます。撮影時期は
 問いません。)

 【募集要項】

  応募資格 : このメルマガをご覧の皆様全員(^^)
  応募方法 : 両槻会宛メールに添付 asukakaze2@gmail.com
  応募枚数 : おひとり様5枚まで
  サイズ  : 3Mまで
  締 切  : 9月30日
  展示方法 : デジタルフォトフレームを使ったスライドショー
         (自動的にリサイズされます。ご了承ください。m(__)m)

  お写真は、メールに添付して両槻会事務局まで送って頂くだけ♪
  両槻会文化祭に、貴方も是非参加してみませんか。(^^)

 文化祭予定ページ
  http://asuka.huuryuu.com/yotei/tokubetukai/tokubetukai-3.html


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 第17回定例会
 +----------------------------------------------------------------+
     http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-17/yotei-17.html
  
  橿原考古学研究所の山田隆文先生のご案内によるウォーキングを下記要
 項で開催予定です。

 第17回定例会
 「飛鳥の諸宮をめぐる」

  開催日 : 11月14日(土)
  ご案内 : 山田隆文先生 (橿原考古学研究所主任学芸員) 
  集合場所: 桜井駅南口バス停付近 
  集合時間: 10時05分 
  定 員 : 30名 
  参加費用: 1,000円予定 (資料制作費など) 
  申込期間: 9月13日~11月7日 (定員まで) 


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓飛鳥咲読     もも
┃3┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛      ひとしひとひら http://gpeach.nobody.jp/index.html

  さて、脱線しつつ本当に大雑把に古代瓦のお話をさせて頂きました。少
 しは瓦に馴染んで頂けましたでしょうか?^^;

  直接「瓦」の話ではありませんが、少し前に百済と古代日本の寺院との
 関連がニュースになったのをご記憶にある方もいらっしゃると思います。
  そのうちのひとつは、王興寺。こちらは、名前の類似と伽藍配置などが
 取り上げられて、飛鳥寺のモデルは百済の王興寺ではないかというもので
 した。もうひとつは、百済の弥勒寺。こちらも舎利容器の銘文から創建が
 639年と推定されたことで、舒明天皇発願の百済大寺が取り上げられて
 いました。こういう報道を見ると、ヒネクレ者のσ(^^)は、「またすぐ百
 済かい!」と思ってしまうのです。

  仏教は、大陸→高句麗(372年)→百済(384年)→新羅(450年)、
 と言う順で公伝したとされています。きっと、寺院建立に関する知識・技
 術も同じような経路で伝播していったのでしょう。けれど、こんな風に
 「同じ」だと言われるものだけがやたら強調される報道のされ方はどうな
 んだろうとずっと疑問に思っていました。「同じもの」と「異なるもの」
 の二つを比べてはじめて分かることがあるんじゃないかと。

  で、あれこれと調べるのにも、興味を持続させるのにも限界を感じ始め
 ていた頃、今回の定例会の予習にと出かけた「あすか塾」での清水先生の
 講演会で、この王興寺と飛鳥寺のお話を伺うことができました。(^^)

  当日の演題は、「飛鳥の古代寺院のなかの東アジアの世界」。
  清水先生は、報道された飛鳥寺と王興寺との関係をワイドショー風に言
 うと、「橿考研の明日香さんと扶余の王さんの交際発覚?!」となると表
 現されました。しかし、2時間に及ぶお話で、この見出しは、現在のとこ
 ろ「橿考研の明日香さんは百済に恋人が?」くらいにとどまり、今後の調
 査・研究で「百済のどこに恋人がいるのか」が、わかる日もくるかもしれ
 ないとお話くださいました。

  古代日本の造瓦や造寺に影響を与えたのは、よく言われるように百済一
 色なんでしょうか?そんなはずはない、とももは思うのです。

  はい、ここで第16回定例会のタイトルを思い出して頂けますか?(^^)
 今回、清水先生にお話頂くテーマは、「飛鳥瓦の源流」。そして、なんと!!
 サブタイトルが「百済、新羅、高句麗、そして中国南朝」となっています。
 韓半島の三国とそれ以前の中国南朝にまでお話が遡るようです。何でもか
 んでも、百済じゃないんですよ♪というお話になることを一番楽しみにし
 ているσ(^^)です。(^^)(只今ももは、「中国南朝って??」と、慌てて
 付け焼刃の予習中です。間に合うんだろうか・・。)

  第16回定例会は、まだ若干名の余裕があります。お申込は、明日深夜
 まで受付ております。お申込お待ちしております。(^^)


  長い長いももの「瓦咲読」もようやく終わりました。最後までお付き合
 いありがとうございます。 m(__)m


  瓦は、仏教施設であった寺の部材の一つにすぎないですが、この“ただ
 の土くれ”から、本当に色んなことが分かります。今後、各展示室や現地
 説明会などで瓦を見かけたとき、ほんの少しだけ瓦を眺める時間を増やし
 てやってくださると嬉しいです。 


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓ももと飛鳥と三十一文字と   もも
┃4┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛      ひとしひとひら http://gpeach.nobody.jp/index.html

  前回(57号)に続き、七夕から始まるももの古代の橋探しにお付き合
 いのほど、よろしくお願いします。(^^ゞ

  古代の橋ということで万葉歌ではありませんが、日本書記の壬申の乱の
 ところに面白い記事があります。
  まず、近江側が宇治橋の橋守に命じて、大海人皇子側の舎人が運ぶ荷を
 妨害しようとする話。そして、乱も終盤の頃に東から侵攻してくる大海人
 軍を阻止しようと、近江軍が瀬田橋に細工をする話。

  宇治橋は、大化2年(646)に、僧・道登と道昭によって始めて架設
 されたとする説が有力です。また瀬田橋は、現在よりわずかに北で古代橋
 脚の遺構(唐橋遺跡)が検出されています。この遺構は、7世紀後半のも
 のとされ、壬申の乱時の瀬田橋ではないかと言われています。この瀬田橋
 ・宇治橋は、山崎橋(山城国山崎?橋本間に架かっていたとされる橋で、
 現在はありません)と合わせて日本三古橋とよばれるそうです。

  では、万葉集に出てくる大きめの橋はというと、

  しな照る 片足羽川の さ丹塗りの 大橋の上ゆ・・・(9-1742)
  石上布留の高橋高々に妹が待つらむ夜そ更けにける  (12-2997)

 などが挙げられるようです。

  1首目は、「さ丹塗りの大橋」が赤く塗られた立派な橋のことだと考え
 られ、片足羽川の候補としては、題詞に「河内の大橋を・・・」とあるこ
 とから、河内を流れる大和川、もしくは石川とされています。また、2首
 目の「布留の高橋」は、同名の橋が今も石上神宮付近にあります。が、古
 代のものと同じ場所かどうかはわかりません。

  で、これらが事実だとすると、壬申の乱時の「瀬田橋」や「宇治橋」は、
 7世紀代、歌にある「河内の大橋」や「布留の高橋」も、万葉の時代には
 存在していたことになります。
 
  ではその頃、肝心の飛鳥地域に、橋は掛かっていなかったのでしょうか。

  橋や橋脚で遺構を調べてみると、飛鳥・藤原地区でも結構あるんですが、
 大抵は藤原京の条坊路の側溝などに架かる小規模なもので、それでも飛鳥
 古京内では今のところ見当たりませんでした。

  ここでまた、壬申の乱の記事になりますが、飛鳥古京の戦いで古京を死
 守する為に大海人側の荒田尾直赤麻呂らは、道路の橋の板を剥がして道に
 立てかけ、盾に見せかけて近江側を騙すくだりがあります。

  「赤麻呂等詣古京、而解取道路橋板。作楯、堅於京辺衢以守之。」

  原文にも、確かに「橋板」と言う文字が出てきています。でも、この時
 剥ぎ取られたのは「道路の橋板」。あれ?橋が架かるのは川ですよね?道
 路に橋って何か妙な表現だと思いませんか?

  飛鳥・藤原地区で検出されている側溝などに掛かる小規模の橋のことで
 しょうか。遺構としては、まだ発見されてなくても、飛鳥浄御原以前の飛
 鳥にも溝ぐらいあったでしょうしね。それを渡るための小さな橋(いわゆ
 るどぶ板ですね。(^_^;))があってもおかしくはないだろうし、そういう
 溝に架かったものを道路の橋といったとしたら・・と。
  でも、これだとあちこち走り回らないと沢山の「橋板」は集められませ
 んよね。相手は、八口の高台から飛鳥古京を見て、立てかけられた橋板製
 の盾を沢山の伏兵の存在だと勘違いして退却までしているんですから、そ
 れなりの数が要ったはずです。

  橋と呼べるかどうかは謎ですが、ヌカルミに板を敷いて足元の安全確保
 などを図ったと思われる遺構があるんだそうです。ほぉ♪それならまさし
 く「路上の橋」ってことになりません?
  ヌカルミに敷かれた道の上の板。まさしく「道路の橋」ですよね。「橋」
 って、川を渡るためのものだとばかり思い込んでいましたが、「あっちか
 らこっち」「こっちからあっち」と場所移動の為に使用される設備を「橋」
 って言うのか?と。そういえば、「水道橋」なんていうものもありますよ
 ね。あれも、水の為の橋ですよね。あ!陸橋なんていうのもありましたね。
 どうしてもっと早く気付かないかなぁ・・。(溜息)

  飛鳥が石の都と言われる由縁は、もともと水捌けのよくない土地だった
 と言う話を聞いたことがあります。確か石神遺跡の北側辺りもそうだった
 はずですし、飛鳥川も度々氾濫して氾濫源なんて遺構もあったりします。
 ヌカルミの上の板切れ。これって可能性として一番高いと思いません?(^^)

  残念ながら、飛鳥地域では今のところ大きな橋の痕跡はないんだそうで
 す。歌にはいくつか詠まれていますが、それは前回七夕のときにお話した
 ように、簡易な橋が殆どで実際に使用する近隣の人々によって架けられた
 生活密着型の橋であったと考えられます。

  明日香川明日も渡らむ石橋の遠き心に思ほえぬかも (11-2701)

  万葉集に出てくる橋は、現実に目に見え渡れる橋をいうよりも、空間的
 ・時間的距離を「越えるもの・越えようとする意思」の表れとして用いら
 れたようにも思えます。

  古代、隔絶された土地と土地を恒常的に結ぶことは、防衛の意味であま
 り好まれなかったのかもしれません。宇治橋や瀬田橋などの大きな橋には
 「橋守」と言う番人が置かれたことがその証でしょう。

  飛鳥地域で橋が架かっていたとしたら・・・どこ?どんな橋?
 なんてことを考えながら、飛鳥を歩くのも面白いかもしれません。(^^)


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓飛鳥情報
┃5┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛
 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 葛城市歴史博物館
 +----------------------------------------------------------------+
     http://www.city.katsuragi.nara.jp/museo_history/index.html

  葛城市歴史博物館の公開講座「葛城学へのいざない」に飛鳥遊訪マガジ
 ンでもお馴染みの近江俊秀先生が講演されます。

「葛城学へのいざない」

  演 題 : 掃守寺と石光寺-大津皇子の供養堂はどちらか?-
  講 師 : 近江俊秀氏 (文化庁)
  開催日 : 9月19日(土)
  開始時間: 14:00~
  会 場 : 葛城市歴史博物館2階 あかねホール

   *聴講には、事前申込が必要です。該当サイトの案内をご覧ください。

 葛城学へのいざない
 http://www.city.katsuragi.nara.jp/museo_history/lectureKatsuragi.html


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 飛鳥資料館
 +----------------------------------------------------------------+
             http://www.nabunken.go.jp/asuka/index.html

  飛鳥資料館への新しい交通手段ができるようです。

  近鉄八木駅と橿原昆虫館を結んでいた「橿原市コミュニティバス」が、
 9月5日から、山田寺・飛鳥資料館から明日香奥山まで延伸運行されます。
  土日・祝日のみの運行になりますが、かしはら万葉ホールや藤原宮跡周
 辺を経由して、八木駅からおよそ40分で飛鳥資料館前に到着します。

  運行に関する詳細は、下記アドレスでお確かめください。

 飛鳥資料館トピックス
 http://www.nabunken.go.jp/asuka/topics04.html#topic65
 奈良交通(時刻運賃案内)
 http://jikoku.narakotsu.co.jp/form/asp/


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 橿原考古学研究所付属博物館 
 +----------------------------------------------------------------+
              http://www.kashikoken.jp/museum/top.html

  2010年の平城遷都1300年祭の開催にあわせて、平城京などから
 出土した奈良時代の遺物展示、それに関連するトークショー全7回の第2
 回目が行われます。

「菅谷所長と語る!平城京とその時代」

  第2回ミニ展示「井戸と暮らし」 
  会 期 : 9月5日~23日 
  会 場 : 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館 講座室 

 第2回所長トーク 
  開催日 : 9月19日(土)
       「平城京と井戸」
         菅谷橿原考古学研究所所長VS大西貴夫氏
  会 場 : 橿原考古学研究所1階講堂にて
  時 間 : 13:00~14:30(聴講無料) 

  第2回ミニ展示「井戸と暮らし」
  http://www.kashikoken.jp/museum/top-koushin/tenrankai/images/idotokurasi.pdf
 「菅谷所長と語る!平城京とその時代」
  http://www.kashikoken.jp/museum/top-koushin/tenrankai/images/1300omote.pdf


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 飛鳥光の回廊 2009 
 +----------------------------------------------------------------+
         http://www.asukanko.or.jp/new/hikarinokairou.html

  飛鳥の秋の風物詩『飛鳥光の回廊』が今年も行われます。 

  日 時 :9月19日(土)~20日(日)
      18:00点灯・21:00消灯

  場 所 :岡・飛鳥・島庄・橘・川原の各大字、飛鳥寺、岡寺、橘寺、 
       川原寺、飛鳥資料館、万葉文化館、
       国営飛鳥歴史公園高松塚周辺地区及び石舞台地区、石舞台、
       亀形石造物、伝板蓋宮、水落遺跡、近鉄飛鳥駅周辺 他

  ライトアップ:
       飛鳥寺・岡寺・橘寺・川原寺・石舞台古墳・亀形石造物 他 

  それぞれの史跡や施設へ向かう、岡・飛鳥・島庄・橘・川原などの大字の
 里道もライトアップされる予定です。
  また、前日の18日のプレイベントを皮切りに、各種イベントも予定され
 ています。


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 ■ 彼岸花祭り 2009
 +----------------------------------------------------------------+
            http://www.asukanko.or.jp/new/higanbana.html

  稲淵の棚田や明日香村の畦道を、赤いラインが彩る季節になりました。
 今年の彼岸花祭りは、9月19日(土)~23日(水・祝)の5日間に渡
 って行われるようです。

  会場となる石舞台公園地区や稲淵では、様々なイヴェントが企画されて
 います。


 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┏━┓編集後記  もも
┃6┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┗━┛
  関西では、朝晩の風がめっきり涼しさを増してきています。これから、
 夏の疲れが出やすい時期になるんだそうです。お気をつけ下さいね。

  さて、各博物館・資料館の特別展も夏から秋へと衣替えの時期です。
 あちらこちらで秋の催し物の案内も出始めていますので、順次ご紹介させ
 て頂きます。さあ!夏バテを引きずっている場合ではないですよ。(^^)

 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

      ご意見ご感想は、http://form.mag2.com/viuounelio
      または、両槻会事務局まで (asukakaze2@gmail.com)
          
      登録/解除は http://www.mag2.com/m/0000259444.html
      発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/

        発行:両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ 
 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る