2009/05/15
飛鳥遊訪マガジン Vol. 051
◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇◆ ◆◇◆ 飛鳥遊訪マガジン Vol. 051 (2009.5.15) ◇◆ ◆ 飛鳥好きの貴方に贈るメールマガジンです。 両槻会のイベントもご紹介します。 両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ ━━━━━◇━━━━━━━━━━◇━━━━━━━━━━◇━━━━━━━ まさに「春過ぎて夏来るらし」と言う季節になりました。両槻会では5月 9日「野守は見ずや 名柄の遊猟(みかり)」 と称して田村薬草園に行って きました。550種類もの薬草を見た帰りは目に写る野草が、どれも薬草に 見えたものでした。 さて今回のメルマガでは、飛鳥資料館学芸室長に新しく着任された加藤先 生が特別にご寄稿下さいました。おなじみになった“あい坊”さんからは 「藤原京の運河」その1のお話です。事務局からは、風人が次回定例会の 「咲読」を、笑いネコからは「ネコと歩こう飛鳥の畦道」を、ももが「もも と飛鳥と三十一文字」をそれぞれお送り致します。 皐月の「皐」は「早苗」の「さ」が変化してこんな字を充てるようになっ たのだなあ等と田植えの風景を思い起こしながら、今回のメルマガを楽しん で頂ければと思っています。 (TOM) ┏◆━index ━━◆◇◆ 〈1〉寄稿 ・・・飛鳥・藤原の考古学 / あい坊 -------------------------------------------------------------------- 〈2〉特別寄稿 ・・・新任のごあいさつ / 加藤真二先生 -------------------------------------------------------------------- 〈3〉飛鳥話 NO.1 ・・・ネコと歩こう飛鳥の畦道 / 笑いネコ -------------------------------------------------------------------- 〈4〉飛鳥話 NO.2 ・・・ももと飛鳥と三十一文字と / もも -------------------------------------------------------------------- 〈5〉飛鳥咲読 / 真神原風人 -------------------------------------------------------------------- 〈6〉飛鳥情報 -------------------------------------------------------------------- 〈7〉両槻会からのお知らせ -------------------------------------------------------------------- 〈8〉編集後記 -------------------------------------------------------------------- ┗━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━ ┏◆━━━━━━━━━━ 〈1〉新 益 京(藤原京)の 運 河 1 −藤原宮外濠の機能を考える− / あい坊 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ 藤原宮の大極殿院から北面中門にかけて見つかっている造営運河ですが、 この運河は藤原宮遷都時の持統8(694)年には埋められていたと考えら れます。この運河が埋められる頃には藤原宮の大垣外周には、幅5mの外濠 が掘削されていました。中の川からの東西運河や北面大垣から米川までの南 北運河は、この外濠に繋がっていたことになります。同じように宮南西隅は 飛鳥川に最も近く、北西隅からは外濠の水がさらに北西に排水されています。 つまり、飛鳥川の水の一部は西辺外濠を通っていたことになります。 藤原宮運河イラスト地図 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/aibou/hujiwara-unga.png 藤原宮の外郭施設は掘立柱大垣と幅2.1mの内濠、幅5.3mの外濠、さ らに外側に幅30mの空間地からなります。外濠の機能は宮と京を区分する 施設であり防御施設、そして宮内や京内の排水処理をする機能も持っていま した。さらにもうひとつの機能としては、大垣などの造営資材を運んだり、 宮完成後にも物資の輸送に使用されたことが推定されます。 宮の造営には膨大な資材が必要となります。この中でも瓦葺礎石建築であ るのは大極殿院・朝堂院の中枢施設、宮城門と大垣である外郭施設です。中 枢施設は先の運河によって資材の運搬が可能ですが、外郭施設はむしろ外濠 を利用した方が位置的にも利便性が高いと考えられます。すでに幹線道路や 条坊道路網はできており、陸路で運搬したものも多いが、水運も多く活用さ れていたのでしょう。その意味でも、外濠の造営運河としての機能は無視出 来ません。このように考えると、外濠の内外にある空間地は大垣の建築スペ ースとして有効に利用できます。また、造営が一段落した後にも、一般の物 資を運搬するのに、河川からつながる外濠の重要性は変わりません。藤原宮 外濠の新たな機能の一端です。 ┏◇◆━━━━━━━━━━ 〈2〉新任のごあいさつ / 奈良文化財研究所 飛鳥資料館 学芸室長 加藤真二先生 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ 両槻会がお世話になっています飛鳥資料館学芸室長が代わられまし たので、ご紹介いたします。 飛鳥資料館は、飛鳥にとりましても、両槻会にとりましても、無く てはならない存在です。今も、春期特別展「キトラ古墳壁画四神−青 龍白虎−」が行われており、全国の注目を集めています。 新任の加藤真二学芸室長は、前任者杉山洋先生から大変なお仕事を 引き継がれました。そのお忙しい最中にもかかわらず、飛鳥遊訪マガ ジンに就任のご挨拶をしてくださいました。どうぞ、お読みください まして、飛鳥資料館の存在を、より身近に感じていただければ幸いで す。 (風人) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ このたび、飛鳥資料館学芸室長に就きました加藤真二です。1993年に 奈良国立文化財研究所(当時)に入所し、途中、4年8カ月の文化庁記念物 課勤務を経て、飛鳥資料館には2004年から勤務しておりますので、お目 にかかった方もあるかもしれませんね。毎朝、橿原神宮前駅から、畝傍中学 前、奥山の集落を通り、ぶらぶら歩いている胴周りが多少不自由な色白の男 がわたしです。飛鳥資料館の学芸室長には、佐原、田中(義)、猪熊、工楽、 岩本の各先生、そして前任の杉山さんと、そうそうたるメンバーが就いてい ますので、4月以来、何やらプレッシャーのようなものを感じ、大変、緊張 して過ごしてきています。 わたしは、キトラ古墳の壁画の特別公開にたずさわってきた関係から、現 在は、主に、古墳壁画の研究をしています。でも、本当の専門は、東アジア の旧石器考古学でして、わたしが壁画研究をしていると知った業界関係者か らは、うさんくさげに、「お前がかー??!!、大丈夫かー???」とよく 言われます。まあ、ウン十万年前の北京原人の石器やら、シベリアのバイカ ル湖周辺の骨角器などを研究している人間が、1300年前の繊細な極彩色 壁画を取り扱っているわけですから、自分自身でも、うさんくささを感じる ことが多々ありますので、しょうがありません。このほうが、変な思い込み や感情移入もなく、客観的にみることができると、ひらきなおっている今日 この頃です。 それはさておき、資料館にしばしば足を運ばれる皆様は、もう、お気づき かもしれませんが、ここ数年、少しずつ、展示が新しくなってきています。 また、明日香村教育委員会と毎冬に共催してきている企画展「飛鳥の考古学」 のように、新しい展示企画も試みてきています。さらに、先日、文化庁から 発表がありましたが、来年の2010年には、資料館でキトラ古墳の全四神 図の公開を行いますが、その後には、第一展示室の全面的なリニューアルを 計画しております。 振り返ってみれば、高校入学直前の春、家族旅行できた明日香で遭遇した 石舞台や岡の酒船石、亀石などにたまげたことは、いまでもはっきりと覚え ています。なんとか、新たな取り組みを通じて、これまでのものにも負けな い、常に新鮮な魅力に富んだ展示と情報発信を行い、東京の場末に生まれ育 った少年をも驚愕させた飛鳥の持つパワーのようなものを多くの皆様と共有 したいと考えております。 今後とも、ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。また、明日香の奥 山で皆様のご来館を心よりお待ちしております。 ━━━◇『飛鳥資料館公式サイト』 http://www.nabunken.go.jp/asuka/index.html ┏◆◇◆━━━━━━━━━━ 〈3〉ネコと歩こう飛鳥の畦道 / 笑いネコ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ 第14回定例会「野守は見ずや 名柄の遊猟(みかり)−田村薬草園に藤 原京出土木簡記載の生薬を訪ねるー」も、5月9日の真夏のような晴天の日 に無事終了しました。 今回は、説明係・資料作成係でしたので、事前準備に追われて飛鳥を訪ね る時間もなかなか取れないでいましたが、大型連休最終日の5月6日、前日 の荒天が少し治まり、時々パラパラ雨が落ちてくる程度になったので、これ を逃してはと出かけることにしました。飛鳥駅から観光客で賑わう高松塚古 墳の脇を素通りし(笑)、朝風峠を超えて稲淵へ歩きました。 稲淵と言えば...というような定番の花はありませんでしたが、野草大 好きネコにとっては春爛漫の花盛り♪でした。 で、そんな中から今回は「野道・畦道で見られる薬草」のお話を..っ て、また生薬かい?!(笑) ま、そうおっしゃらずに...(^_^;) 最初は、「マムシグサ」です。朝風峠では初めて見ました。 マムシグサ http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/mamusigusaF.jpg サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、ご存知の方はこの写真であれっ? と思われるかもしれませんね。よく見られるのは、下の写真のように紫褐色 で筋の入ったもの、または緑に筋の入ったものです。変異の多い植物なので、 筋の入らないものもありますし、この朝風峠で見たものは苞が開いてからか なり時間が経ったもので色が白っぽくなっているのだろうと思います。「苞」 と書きましたが、「仏炎苞」と呼ばれている部分で、花はこの内側に棒状に 集まっています。テンナンショウ属は、雄花と雌花が栄養状態によって変わ る植物で、葉が余り伸びていない状態では雄花が、葉が伸びて栄養状態が良 くなったものでは雌花が付きます。これを利用すれば、葉っぱより上に咲い ていたら雄花、葉っぱの下に咲いていたら雌花と見分けることが出来ます。 栄養状態が良い方が、葉っぱの成長は良いと言えるので。 マムシグサ(東京理科大学自然保護林内) http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/mamusigusa-b.jpg マムシグサ(緑、東京理科大学自然保護林内) http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/mamusigusa-g.jpg 生薬名は「天南星(テンナンショウ)」で、球茎を用います。薬効は去痰、 鎮痙、鎮痛です。 「天南星」という生薬に使われる植物は、サトイモ科テンナンショウ属全 般で、「ムサシアブミ」とか、「ウラシマソウ」「ヒロハテンナンショウ」 などがあります。(写真は摂南大学薬用植物園のものです) ムサシアブミ http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/musasiabumi.jpg ウラシマソウ http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/urasimasou.jpg ヒロハテンナンショウ http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/hirohatennansyo.jpg 定例会の田村薬草園では、「カラスビシャク」というサトイモ科ハンゲ属 の薬草が見られました。現在では日本各地で畑の雑草と化していますが、古 代に中国から帰化した史前帰化植物ではないかと言われているものです。生 薬名を「半夏(ハンゲ)」といい、球茎を乾燥させて用います。薬効は鎮咳、 去痰。麦門冬湯に調合されていて、乾いた咳に良いそうですが、妊婦の使用 は堕胎の危険を伴うという注意があります。 カラスビシャク http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/karasubiyaku.jpg 田村薬草園で、参加者の皆さんにはテンナンショウ属との違いを説明しま したが、摂南大学薬学部の薬用植物園で栽培しているものの写真を撮らせて もらっていますので、お見せ出来なかった花をご紹介しましょう。 カラスビシャクの花 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/karasubiyaku-hana.jpg テンナンショウ属は、雄花と雌花が別々の仏炎苞の中に出来ますが、この 「カラスビシャク」は一つの仏炎苞の中に雄花と雌花があります。写真の白 い部分が雄花、その下の部分が雌花です。 お次は、「アメリカフウロ」です。フウロソウ科フウロソウ属の1年草で、 何処の道端でも見られる北アメリが原産のインベーダー(笑)なのですが、 何とこれが今では「ゲンノショウコ」の代用品として使われているのです。 「ゲンノショウコ」の花はもう少し初夏に近づかないと見られませんが、 「アメリカフウロ」はほとんど1年中咲いているようです。薬効は、下痢止 め、整腸で、全草を用います。 アメリカフウロ http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/amerikafuro.jpg 「オオバコ」は定例会の咲読でも紹介しました。今頃が花盛りです...地 味ですが。(^_^;) オオバコ http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/zukan/6-fusa/others6-2.htm 「クズ」「アカネ」は、花はまだ咲いてはいませんが、盛んに成長してい るのが見られます。 「クズ」はやはり咲読で紹介しました。 クズ http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/zukan/8-mame/ao-murasaki8-1.htm で、「アカネ」についても、秋にメルマガ33号の飛鳥話2でご紹介して います。 アカネ http://asuka.huuryuu.com/bunko/phot/neko/akane.jpg 「カンサイタンポポ」もあちこちで見られました。「セイヨウタンポポ」 の方が、1年中花を付けて自家受粉するため、多くなっている地域もあるよ うですが、幸い飛鳥では沢山の「カンサイタンポポ」が見られます。「カン サイタンポポ」も「蒲公英(ホコウエイ)」といって、根を健胃、催乳薬と して使います。また、「タンポポ珈琲」といって、カフェインレスの珈琲と しても飲まれています。 カンサイタンポポ http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/zukan/5-kiku/ki-orange5-2.htm さて、野道・畦道の薬草、いかがでしたか? お断りしておきますが、ご紹介したのは読者の皆さんに「遊猟(みかり) :薬草刈り」をしていただくためではありません。畦道といえども、他人の土 地である場合がほとんどですから、そこに生えているものを勝手に採るのは、 やはりルール違反だと思います。その地域に住んでいたり、知人がいて誘っ てもらったりした場合に野草を摘むのはかまわないのですが、外部の人間が 断りもなく植物を採るのは、慎むべきとネコは考えています。 どうか飛鳥の畦道の薬草たちは、「あ、これこれ!」と、見つけて楽しむ だけにしておいて下さいませ。 ━━━◇『笑いネコの部屋』 http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/ ┏◇◆◇◆━━━━━━━━━━ 〈4〉ももと飛鳥と三十一文字と / もも ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ 野山や里、街を新緑と色とりどりの花が彩る季節になりました。さて、そ んな色彩豊かな季節にこんなお話。相変わらずヒネクレモノのももは、色気 のない”草”絡みのお話を少しさせて頂こうと思います。 先日の定例会でも、ただの草が、実は如何に有効であるかの話を聞いたば かりなので言わば旬の話題かと。(かなり、違うようにも思うけど。^^;) 『茅(チガヤ)』と言う”草”をご存知でしょうか。と言っても、σ(^^)が この”草”の存在を知ったのも、つい数年前なんですがね。(^^ゞ (話せば長くなるので、ここでは割愛(笑)) 茅は、5月頃に銀色の穂を出し、パッと見は、小さめのススキか少し大き めのネコジャラシのようにも見えます。今では雑草と呼ばれる部類に入る草 のようですが(「雑草と言う名の植物はない!」との声が聞こえてくるよう な・・・。(^_^;))σ(^^)は、銀色に靡く茅の群生、一度見てみたいと思っ ています♪ 茅 http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/51/tigaya.jpg この「茅」は、万葉集に30首ほど登場しますが、その殆どが「浅茅(ア サヂ)」「浅茅(が)原」など、人気のない所や荒れた野などを表す決まり 文句のように使われています。 つまり、わざわざ個別に取り上げるほどの”草”でも無い?^^; そん な中で、「ちょっと面白いかも?」と思える贈答歌を見つけました。 戯奴(わけ)がため我が手もすまに 春の野に抜ける茅花ぞ食(め)して肥えませ (8−1460) ・・・お前の為に春の野で忙しさをぬって手ずから摘んだこの茅花を食べて 肥えなさい。 我が君に戯奴は恋ふらし賜りたる茅花を食(は)めどいや痩せに痩す (8−1462) ・・・ご主人様をこの私めは恋しくお慕いしているようです。賜った茅花を 頂きましたけれど、ますます痩せていくばかりです。 葉よりも先に出る茅の花芽を「茅花(ツバナ)」と言い、昔は滋養のある 食べ物だとされていたそうです。少し調べてみるとこの茅花、噛めば甘みが 出てくるとか・・。「甘み」が貴重だった昔は、そういう意味でも滋養があ るとされたんでしょうか。 1首目は、紀郎女の「合歓の花と茅花とを折り攀ぢて贈る」の左注をもつ うちの1首で、2首目が大伴家持からの返歌になります。 紀郎女の歌の冒頭にある「戯奴(ワケ)」は、使用人などに対して用いら れた言葉だそうで、確かに家持は彼女よりも年下ですが、主従関係にあるわ けではありません。(笑)この遣り取りとは別に、家持の方から自らを「ワ ケ」と呼んだ歌が紀郎女に贈られています。(4−780)この歌は、それ をまた戯れに使用し詠み返したとも考えられるそうです。 「合歓や茅花の季節になりましたね。」と、ありきたりではなく、こんな 風に洒落た掛け合いの歌を遣り取りできる関係が羨ましくも思います。(こ れらの歌は、分類では戯笑歌になるようです。) またこの他に紀郎女と家持が遣り取りした歌には、「女性の方が年長」と いう背景が時折り見え隠れします。彼女の「神さぶと(年をとっていますか ら・・)(4‐762)」の歌が最も分かり易いかもしれません。家持より も年長である事実が時折り彼女の寂しさを増幅させたのかもしれません。こ の歌に対して家持は「百年に老舌出でて(たとえ、歯が抜け腰が曲がろうと も・・)(4‐764)」という歌を返しています。が、それを手放しで喜 ぶ彼女ではなかったとも思いますが、打てば予想以上に響いてくる若い家持 は、年上のおばさんにとっては、楽しくもあり、時々寂しくもあり・・の人 生の良いスパイスになっていたんじゃないでしょうか。(^^) あら・・・今回は、茅の話のはずが、毎度のことで遥か彼方へ逸れて行っ てしまいました・・。^^; で、話せば長くなる違う方面からの茅のお話は、またの機会にでも。(笑) ━━━◇『ひとしひとひら』 http://gpeach.nobody.jp/index.html ┏◆◇◆◇◆━━━━━ 〈5〉 飛鳥咲読 / 真神原風人 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ 第14回定例会も無事に終了しましたので、今号より咲読の担当も替わり ます。第15回定例会までは、風人が書かせていただきますので、よろしく お付き合いください。m(__)m 第15回定例会は、7月11日(土)に実施いたします。今回の定例会は、 飛鳥資料館講堂をお借りしての主催講演会を企画しました。皆さんと共に、 ちょっぴり知的好奇心を満たせればと考えています。 講師は、奈良文化財研究所都城発掘調査部の豊島直博先生です。先生は、 発掘現地説明会などを通して、皆さんも、お顔をよくご存知かもしれません し、遺物の復元などでニュースに登場されることが多々ありますので、親し みを感じられる方もいらっしゃるのではないかと思います。最近では、キト ラ古墳の盗掘口部分の復元でも、マスコミに登場されていました。また、昨 年は、キトラ古墳出土の黒漆塗銀装大刀の復元品製作を手掛けられ、壁画と 共に飛鳥資料館にて展示されたのを覚えていらっしゃる方も多いと思います。 先生のご専門は、弥生の鉄器だとお聞きしているのですが、携わってこら れた遺跡をご紹介すると、先生が、いかに飛鳥最前線でご活躍の考古学者で いらっしゃるかが、お分かりいただけると思います。 筆頭にあげなくてはならないのは、甘樫丘東麓遺跡です。前回の調査では 発掘を担当され、遺構の年代を特定される成果を上げられました。現地説明 会に参加された方も多いのではないかと思います。その直後、飛鳥遊訪マガ ジンに特別寄稿していただきました。是非、ご覧下さい。 甘樫丘東麓遺跡の調査(飛鳥遊訪文庫) http://asuka.huuryuu.com/bunko/kikou.html#1 そして、昨年度は、石神遺跡・檜隈遺跡・飛鳥寺東南の調査など、飛鳥の 名立たる遺跡で、先生にお会いすることができました。 そのような先生にお願いする講演会のテーマは、「飛鳥時代の戦いと武器」 です。どうです!もう、そそられますよね。(笑)男心をくすぐられる講演 テーマ。もう参加申し込みをせずには居られないでしょ?(^^) 入鹿は!中大兄皇子は!天武天皇は!壬申の乱の将軍・兵士たちは、どの ような武器を使っていたのでしょう。そうです!講演のサブタイトルは、 「大化の改新の時、蘇我氏はどのような武器で戦ったのか?」です。入鹿フ ァンの貴方!参加ですよね!(笑) 飛鳥時代と一口に言っても、120年ばかりの期間があります。武器も時 の流れに応じて変わっていったのでしょうか。古代においては、鉄剣などの 武器の強度が、戦いの趨勢を決定付けたという話をよく耳にします。どのよ うな製造方法で、どの程度の量を作っていたのでしょう。優秀な鉄器・武器 の開発は、国の管理の下に行われていたのでしょうか。 実用的な武器、装飾的な武器、様々なタイプの武器があったのでしょう。 剣・槍・弓、我国には、鉾のような武器は発展しなかったのでしょうか。 飛鳥時代の前半には、蘇我物部戦争がありました。中頃には国際的な緊張 が高まり、白村江の戦いなど戦争の質も変わってくるように思います。また、 壬申の乱を経た天武天皇は、「政の要は軍事なり」との詔を発し、畿内の官 人らに武器や乗馬の訓練をするように命じています。 戦いや武器を通して見る飛鳥時代は、単にスペクタクル映画のようではな いはずです。豊島先生のお話から、「戦いと武器」をキーワードとして、よ り深くこの時代を見ることが出来るかも知れませんね。大いに期待して、先 生のお話を待ちたいと思います。 ━━━◇『飛鳥三昧』 http://sanzan.gozaru.jp/ ┏◇◆◇◆◇◆━━━━━ 〈6〉飛鳥情報 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ ◇━ 春期特別展「キトラ古墳壁画四神−青龍白虎−」 飛鳥資料館で開催中の春期特別展では、現在キトラ古墳出土の「青龍」と 「白虎」が特別公開されています。 [青龍・白虎特別公開] 期 間: 5月24日(日)まで 期間中無休 場 所: 飛鳥資料館 講堂 時 間: 9:00〜〜18:00(入館は17:30まで) 期間中土曜は、21:00まで開館 ・・・・・・・・・・・・・ 先日、特別公開中の「青龍・白虎」の向きに関する報道がされました。 「白虎も右向きのワケ」読売新聞ニュース http://osaka.yomiuri.co.jp/inishie/news/is90508a.htm?from=ichioshi 記事内では、本号に特別寄稿を寄せて下さった加藤先生のコメントが紹介 されています。 このお話は、今回の特別展「キトラ古墳壁画四神 青龍 白虎」の図録で、 中国の墳墓の壁画や銅鏡などとの比較検討で触れられています。 「キトラの青龍・白虎がともに右を向いているのは、陰陽五行の気の働き が順調に循環していることを示しているのではないか」「背景として遣唐使 廃止などの情勢があったのではないか」と、高松塚古墳とキトラ古墳での二 神の向きについて詳しく論じていらっしゃいます。 特別展観覧後に、図録を入手され一読されるのをお薦めします。 ・・・・・・・・・・・・・ また、特別公開中の混雑状況や待ち時間が携帯やパソコンから確認できる ようになっていますので、お出掛け前に確認されると良いかもしれません。 ウェブカメラ http://www.nabunken.go.jp/asuka/webcamera_index.html 特別公開待ち時間表示 http://nt-s.ne.jp/mm2/kitora [特別イヴェント] 毎土曜日 ・飛鳥の味体験・もちつき大会 10:30〜15:00(各食実費) ・壁画を描こう体験 10:00〜16:00(先着20名 参加費要) ・「飛鳥 光の回廊」の再現 18:00〜21:00 毎日曜日 ・飛鳥衣装試着体験 10:00〜16:00(キーホルダー代金500円) ・壁画を描こう体験 10:00〜16:00(先着20名 参加費要) 各イヴェントなどに関する詳細は、飛鳥資料館公式サイトなどでご確認下 さい。 飛鳥資料館公式ホームページ http://www.nabunken.go.jp/asuka/index.html ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ◇━ 橿原考古学研究所付属博物館 春季特別展 橿考研付属博物館にて開催されている春季特別展「吉野川紀行 ‐吉野宇 智をめぐる交流と信仰‐」関連の今後の講座・講演会の予定をご紹介します。 ・研究講座 第2回 5月17日(日) 「宮瀧遺跡と吉野宮」 奈良芸術短期大学教授 前園実知雄氏 「吉野・宇智における古代の信仰」 橿原考古学研究所付属博物館 大西貴夫氏 第3回 6月7日(日) 「金峯山経塚について」 奈良文化財研究所飛鳥資料館 杉山洋氏 「吉野川の地形と民俗」 吉野町教育委員会 池田淳氏 場所: 橿原考古学研究所1階講堂 時間: 13:00〜(聴講無料) ・ミニシンポジウムと宮滝遺跡散策 日 時: 5月30日(土) ・10:00〜12:40 宮滝遺跡と吉野歴史資料館見学 *事前の申し込みが必要です(5月22日締切)昼食持参。 ・13:30〜15:30 講演会とミニシンポジウム (吉野町中央公民館にて) テーマ 「吉野川の歴史と暮らし」(仮) パネラー 和田 萃氏(京都教育大学名誉教授) 浦西 勉氏(奈良県教育委員会) 松田 真一氏 (橿考研博物館館長) (講演会とミニシンポジウムは聴講無料。申し込み不要。) 詳細は、必ず下記アドレスでご確認下さい。 春季特別展「吉野川紀行 ‐吉野宇智をめぐる交流と信仰‐」 http://www.kashikoken.jp/museum/tenrankai/yokoku/yokoku-top.html 橿原考古学研究所付属博物館公式サイト http://www.kashikoken.jp/museum/top.html ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ◇━ 大和の古道紀行「忍坂街道ハイキング」 桜井市観光協会主催による古道散策が行われます。市の観光ボランティア ガイドさんによる解説もあるそうです。 コース(約11km) 桜井駅 → 忍坂坐山口神社 → 舒明天皇陵 → 石位寺 → 倉橋ため池ふれあい公園 → 崇峻天皇陵 → 聖林寺→桜井駅 日 時 : 5月17日(日)(小雨決行) 当日受付 集 合 : JR桜井駅改札口 10:45集合 申 込 : 当日受付・参加無料 問 合 : 桜井市観光協会事務局 大和の古道紀行「忍坂街道ハイキング」 http://www.city.sakurai.nara.jp/event/event02.html#02 桜井市公式サイト http://www.city.sakurai.nara.jp/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ◇━ 奈良文化財研究所 第104回公開講演会 奈良文化財研究所による公開講演会が、平城京跡資料館で行われます。電 話での事前申し込みが必要ですので、ご注意下さい。 講演内容: 「古代火葬墓の世界」 都城発掘調査部研究員 小田裕樹氏 「高床式建物を探る−出土建築部材と雲南の実際−」 都城発掘調査部研究員 黒坂貴裕氏 奈良文化財研究所長 田辺征夫氏のミニ講演もあります。 日 時 : 5月23日(土)13:30〜 場 所 : 奈良市佐紀町 平城宮跡資料館 講堂 定 員 : 先 着 250名(申込み順) 申込み先: 文化財情報課(0742−30−6753) 平日 9:00〜17:00まで電話にて必ず事前申込み要 奈良文化財研究所 公式サイト http://www.nabunken.go.jp/ ┏◆◇◆◇◆◇◆━━━━ 〈7〉両槻会からのお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ ◇━ 第14回定例会のご報告 第14回定例会は、葛城の田村薬品工業さんのご理解とご協力を得て、飛 鳥を離れた初の野外イヴェント「野守は見ずや 名柄の遊猟」を無事終了する ことが出来ました。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。 定例会当日のレポートと資料を、両槻会サイトにUPしました。ご参加く ださった皆さんは勿論のこと、ご参加頂けなかった皆さんにも充分雰囲気を 味わっていただけると思います。なお、資料は、当日配布させて頂いたもの に少し手を加えております。是非、事務局スタッフの力作の資料をご覧下さ い。(^^) また、当日ご回答いただいたアンケートも集計しています。ご協力下さっ た皆さん、有難うございました。 第14回定例会レポート編 http://asuka.huuryuu.com/kiroku/teireikai-14/teireikai14-1.html 第14回定例会資料編 http://asuka.huuryuu.com/kiroku/teireikai-14/teireikai14-2.html 第14回定例会アンケート集計ページ http://asuka.huuryuu.com/kiroku/teireikai-14/teireikai14a.html ::::::::::::::::::::::::::::::::::: ◇━ 第15回定例会のご案内 第15回定例会は、奈良文化財研究所の豊島直博先生に講師をお願いして、 「飛鳥時代の戦いと武器 ―大化改新の時、蘇我氏はどのような武器で戦っ たのか?―」と題し、講演会を行います。 飛鳥好きには、魅力的な演題になっています♪定員がありますので、ご興 味を持たれた方は、お早めにお申し込みください。 第15回定例会 「飛鳥時代の戦いと武器」 ―大化改新の時、蘇我氏はどのような武器で戦ったのか?― 講 師:奈良文化財研究所都城発掘調査部 豊島 直博 先生 開催日: 7月11日(土曜日) 会 場: 飛鳥資料館講堂 開 演: 午後1時予定 定 員: 40名 参加費用 :1,000円 (飛鳥資料館入館料別) 事前散策 :講演会関連の遺跡を、講演会当日午前中に訪ねる予定です。 (詳細は、後日サイトにて発表予定) 申込受付期間 :7月5日まで (定員を満たし次第) 第15回定例会予定のページ http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-15/yotei-15.html ┏◇◆◇◆◇◆◇◆━━━━ 〈8〉編集後記 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━ まだ5月ですよね??っていう陽気が暫く続いた関西方面ですが、皆さん の方は、如何でしょう?桜から始まった春の花も、瞬く間にボタンや石楠花 や藤や・・・もう、ついていけません。((((o_ _)o できれば、一ヶ月に1個ずつ咲いてくれれば・・・と思うのは、σ(^^)だ けでしょうか・・・。 (もも) ┏━━◆◇◆━━━ ━━━ ━━━ ━━━ ━━━ ━━━┓ 発行 :両槻会 http://asuka.huuryuu.com/ 飛鳥遊訪マガジンへのご意見ご感想は、 http://form.mag2.com/viuounelio または asukakaze2@gmail.com 両槻会事務局まで 登録/解除は http://www.mag2.com/m/0000259444.html 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ┗━━━ ━━━ ━━━ ━━━ ━━━ ━━━◇◆◇━━┛ …─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…─…



