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2008/04/03

『東京恋愛日誌』(第2章)

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                  『東京恋愛日誌』(第2章)

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(前回までのあらすじ)

 智美(サークルの先輩)に思いを寄せていたあきらは、ある日、新宿NSビル最上階 の展望レストランに彼女を誘った。
  彼は、店の真ん中の席に座り、1万9千円の特大ケーキを注文した。
  運んできた店の人に、彼女の目の前でこの特大ケーキを一口サイズに切きらせ、他のお客さん全員(50人)に、
「中央の席のお客様からのプレゼントです。」の一言と彼がポケットに忍ばせていた
”この日があなたにとって特別な日になりますよ〜に”
と書かれた小さなカードを付けて、一斉に配らせたのです。
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 ひととおりウエイターさんが配り終わるのを眺めていた智美は、あきらの目を見つめて、

「あなたって、キザな人ね〜。」
「いやぁ〜、今日はロマンチックなだけなんですよ〜。」
「あきらさん、沖縄に彼女はいないの?」
「彼女なら、この世でただひと〜り、智美さんだけさっ!」
「全くぅ〜、お口がお上手なんだから〜・・・」

 と、彼女はまともに取り合おうともせず、笑っていました。
   
 あきらと智美が食事をしていると、ほどなく周りのカップルが食事を済ませ、ポツポツ帰りはじめました。
  その店は、フロアーの中央付近を通って出入り口にあるキャッシュに行くようになっていたので、みな、あきらと智美のテーブルの側を通って行ったのです。
 なかには、「ケーキありがとうございました、お似合いのカップルですね。」
(これも、あきらが期待して狙っていた事なのですが)と、あきらと智美に声を掛けてくれる男性客もいました。
  初めてのデートで、まだステディな関係(?)にはなっていないにもかかわらず、あたかも長い間お付き合いしている恋人同士に見えていたらしいのです。

 時刻はあっという間に9時半になっていました。
 あきらは、割り勘にしようとの智美の申し出を即座に断り一人で店のキャッシュを済ませてから、智美をアパートまで送って行くため新宿駅に向かいました。
 電車の中では、空いてる席がいくらでもでもあったのに、二人で昇降口のドアの側のポールにつかまって立っていました。
外の夜景が後方へ飛んで行くのを見ながら、
(真面目な会話の部分は、割愛させていただきます。)

「あきらさんは、いつもこんな風なの?」
「はい、そうです。貧乏してるんで、大学に入ってからは、智美先輩で917人目です。」(その日は9月17日だった)
「またまた〜、冗談ばっかり言って、そんな訳ないでしょう。でも、どうもありがとう。」
「いえいえ、今度はクリスマスイブの晩に、帝国ホテルのレストランで、智美先輩の手料理をご馳走してもらうんで、気にせんといて下さい。」
「あはは、おかしい。そうね、帝国ホテルのレストランにカップラーメン持ち込んで一緒に食べましょうね。」

 と、他愛もない会話を交わしていたのです。
 
 そうこうしているうちに電車は目的地の駅に着き、そこから10分ほど歩いて智美のアパートの約5メートル手前まで来たところで、あきらは、

「それではまた明日・・・・」

と、あっさり言って、それまで二人で歩いて来た道を逆に駅に向け、一度も振り返らずに一人で歩き出したのです。
(智美はアパートの門の前で、あきらの後ろ姿が見えなくなるまで、じっと突っ立ったまま見送っていたことと思います。)

 あきらは、ところどころ街燈の灯かりに照らされた100メートルくらいの真っ直ぐな下り坂をゆっくり歩いて、
左へ曲がるやいなや今度は一転して、最寄駅まで猛然と一気にダッシュしました。
  駅に着く とすぐに券売機付近にあった公衆電話(彼女のアパートから駅までの道のりに公衆電話は設置されていなかった。)に飛びつきました。
  息を切らせた状態のまま、息が楽になるのを待たずに、左手を左膝の上におき上半身を支え、体がくの字になったまま、首元に受話器を挟んだ状態で、
智美の部屋へ電話を掛けました。
(今では誰でも携帯電話を持っている時代なので、彼女から彼の姿が見えなくなった時点ですぐにかけるのでしょうね。)
 そして、彼女もすぐに電話口に出ました。

「もしもし、はぁはぁ、智美・さ・ん」
「あっ! あきらさん、どうしたの?」
「ふ〜う、駅まで全力疾走して来たっ。」

 続けざまに、あきらはこの息苦しいままのタイミングだと思って、告白したのです。
 
「いきなりだけど、俺は君のことが好きだ。 俺の彼女になってほしい!」
  


         ・・・・・・ 続きは次号にてお送りします ・・・・・・・・・



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