2009/11/02
「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0090〕
===========================================2009.11.02 VOL.0090== みなさんお元気ですか? 「エレベータのすべてがわかる!」の第90号をお送りします。 前回は、背後呼びにも自号機が応答する「ポストセレコレ」の場合、 平均待ち時間が平均運転間隔に依存しないことをお話しましたが、 今回は、最近、採用されることが多くなっている「行き先階登録方式」も 「ポストセレコレ」の場合とは全く別の理由からではありますが、 平均待ち時間が平均運転間隔に依存しないことを 特集「平均待ち時間とRTTの関係(行き先階登録方式)」 でご紹介します。 ============================================================== ==I==N==D==E==X=============================================== ○今週のニュース ○特集「平均待ち時間とRTTの関係(行き先階登録方式)」 ○連載「エレベータの交通計算法(TWINSシミュレータ)」 ○エレベータクイズ ○編集後記 ============================================================== ==○今週のニュース ========================================== 三菱電機は、10階建てまでのマンション向けに、 低価格の標準型エレベータ「AXIEZ smart-R」の販売を 2009年10月21日から開始した。 マンション用のエレベータは、 低価格と共に、安全性/快適性への要求が強い。 同標準型エレベータは、「エコ&クリーン」をコンセプトに、 省エネルギー効果を高める発光ダイオード(LED)による天井照明、 抗菌加工を施したボタンやウイルス抑制機能付きの空気清浄機(オプション) などを採用した。 また、二方向の出入り口や群管理機能などの仕様を省いて、 従来同等機種の10%価格を抑えた。 巻き上げ機には、小型/軽量化と省エネを実現した世界最薄の永久磁石型の ギアレス巻き上げ機を採用。エレベータ運転時に発生する回生電力を蓄積する 省エネ型停電時自動運転装置「エレセーブ」(オプション)も用意した。 同エレベータの定員は6~13人。定格速度は45~105m/分。 価格は1300万円程度(9人乗り、停止階数5、定格速度60m/分の場合)。 販売目標は500台/年。 ============================================================= ==○特集「平均待ち時間とRTTの関係」======================= 説明を簡単にするために、 5階建ての建物にエレベータが2台設置されているものとします。 そして、 ピーク時(1階から2~5階への交通が多い)の輸送能力を向上するために、 1階に2階~5階の行き先階釦が設置して、 各かごに2階床分ずつの行き先階呼びを割り当てることによって、 一周当たりの停止回数を半減して、 RTTを短縮して輸送能力を上げることを考えます。 簡単のために、それぞれのエレベータを#1、#2と呼びます。 交通量が多くなると、 前のエレベータが出発した後次のエレベータが出発するまでの間に 2階~5階全ての階の乗客が到着します。 そうすると、最初に#1が出発する前に2~5階の呼びが登録されていますが、 #1は行き先階が2,3階の乗客だけを乗車させて出発します。 次に、#2は#1に乗れなかった行き先階が4,5階の乗客と #1出発後に到着した行き先階が2~5階の乗客の中の 行き先階が4,5階の乗客だけを乗車させて出発します(注)。 (注)2,3階の乗客も乗せると 停止数が減少しないためにRTTを減少できなくなります。 次に、1階に戻ってきた#1は、 #2に乗れなかった行き先階が2,3階の乗客と #2出発後に到着した行き先階が2~5階の乗客の中の 行き先階が2,3階の乗客だけを乗車させて出発します。 このように#1が応答する行き先階は2,3階だけになり、 #2が応答する行き先階は4,5階だけになります。 これは、一時的な現象ではなく、 運転間隔の間に2~5階全ての行き先階の乗客の到着が続く限り 永遠に繰り返されます。 このように、交通量が多い時は、 各かごの応答する呼びの行き先が固定され、 呼びに応答するかごは1台だけになってしまい、 そのかごが1階に到着する間隔であるRTTが再生時間になります。 簡単のため、エレベータの台数が2台の場合で説明しましたが、 台数が多くなっても、同じ現象が発生します。そのため、 平均待ち時間は平均運転間隔(RTT/2)の半分ではなく、 平均一周時間(RTT)の半分(RTT/2)になります。 これに対して、 TWINSは予め2台単位にまで分担する呼びを分割削減して、 逆呼びにも応答できるポストセレコレの特性を利用して、 分担する全ての呼びに応答した場合のRTTを半減化しておき、 交通量が多い時に、呼びを2台で分割せずに、 2台共分担する全ての呼びに応答することで、平均待ち時間を 平均運転間隔(RTT/4)の半分(RTT/8)にしています。 ============================================================== ==○連載「エレベータの交通計算法(TWINSシミュレータ)」== エラフサイトのメニューから、 「エレベータ交通計算設置計画シミュレーション」を選択し、 「TWINSシミュレーションはこちら」釦をクリックしていただくと、 試用していただくことができます。 現在デモサイトで試用できますので、 出勤時の交通パターンで試してみましたところ、 セレコレの4台10階床の平均運転間隔は37.45秒(注)、 群管理方式のbx=0.33とすると、 平均待ち時間は24.9秒ですが、 (注)予め、「設置計画シミュレーション」で求めました。 建物仕様とエレベータ主仕様を同一にして、 TWINS(M1+M2)にモダニゼーションすると、 M1の平均待ち時間は13.51秒、 M2の平均待ち時間は15.77秒 全体の平均待ち時間は14.49秒 となります。 エラフサイトには、 M1+M2とM6+M7+M8+M9の最新版を 11月4日にアップロードする予定です。 =============================================================== ==○ エレベータクイズ ================================= エレベータの登場でホテルに変化があらわれました。 次の文の中で、正しいのどれでしょう? 1.ルームキーをフロントで預けるようになった。 2.モーニングコールが始まった。 3.上方階の値段が高くなった。 ============================================================= 【答え】 3.上方階の値段が高くなりました。 【解説】 それまで、ホテルの上方階は荷物の上げ下ろしが大変なので、 不人気で料金も安かったのですが、実用的なエレベータの登場以降、 環境の良い上方階は宿泊客の人気を呼ぶようになり、 値段が高くなりました。 ============================================================= ==○編集後記================================================= 最後までお読みいただき、有難うございます。 第90号は如何でしたでしょうか? 「TWINSを用いると平均待ち時間を最小にできる」というのが、 私の究極の仮説でしたが、 TWINSのシミュレータが本格的に稼動し、 検証されようとしており、ワクワクしています。 ============================================================== ============================================================== 【発行元】株式会社エレベータ研究所 〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8-19 TEL 072-665-6801 URL http://www.ele-life.com EMAIL info@ele-life.com ==============================================================


