2009/10/26
「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0089〕
===========================================2009.10.26 VOL.0089== みなさんお元気ですか? 「エレベータのすべてがわかる!」の第89号をお送りします。 セレコレは進行方向前方の呼び(先行するかごの背後呼び)に応答します。 そして、背後呼びには後続のかごが応答します。 そのため、「平均待ち時間は平均運転間隔の半分になる。」と考えられ、 群を2分割すると、RTTが半分にならないが、台数が半分になるため、 平均運転間隔が長くなって、 平均待ち時間が長くなると考えられて来ましたが、 ポストセレコレを用いたTWINSの場合は、 セレコレの場合とは異なり、背後呼びにも応答できますから、 2つに分割された呼びに2台が独立して別々に運転することも可能になり、 「運転間隔」が存在しなくなります。 それでも、各かごのRTTは存在しますし、 平均待ち時間はRTTと関係があります。 セレコレの場合は、平均運転間隔(AI=RTT/台数)を介して、 平均待ち時間とRTTを関係付けていましたが、 ポストセレコレの場合は、別の関係付けが必要になります。 今回は、特集「平均待ち時間とRTTの関係」で、 平均待ち時間とRTTの一般的な関係付けについてご紹介します。 ============================================================== ==I==N==D==E==X=============================================== ○今週のニュース ○特集「平均待ち時間とRTTの関係」 ○連載「エレベータの交通計算法(TWINSシミュレータ)」 ○エレベータクイズ ○編集後記 ============================================================== ==○今週のニュース ========================================== 前原誠司国土交通相は21日、鉄道や航空機、船舶の事故原因を調べる 運輸安全委員会の調査対象を拡大し、エレベータなどで起きる事故も 加える方向で検討していることを明らかにした。 原因を調べて再発防止を図る組織を充実させ、 身近な事故まで対象にすることを想定しているとみられる。 前原国交相はこの日午前、06年に東京都港区の公共住宅でエレベータに 挟まれて亡くなった市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)の両親らと面会した。 両親らは独立した調査機関の設置を求めており、 国土交通省は今年2月、建築基準法で安全規定を定め、 死亡事故が起きているエレベータやエスカレータ、 回転ドアやジェットコースタを対象にした昇降機等事故対策委員会を設置。 港区の事故も原因に関する報告書をまとめている。 しかし、同対策委には法律に裏付けられた調査権限はなく、 前原国交相は、立ち入り調査や事故当事者に勧告する権限のある運輸安全委で エレベータ事故なども一元的に調査するべきだとの考えをまとめたとみられる。 同省によると、すでに前原国交相から、 エレベータ事故などを運輸安全委の対象に加える方向で検討するよう 指示が出ているという。 ============================================================= ==○特集「平均待ち時間とRTTの関係」======================= 乗客の待ち時間は乗車できるかごが無い時間の平均です。 乗車できるかごが無くなった後、 次に乗車できるかごが到着するまでの時間(再生時間)は、 セレコレの場合は運転間隔です。 従って、セレコレの場合は、ダンゴ係数をbxとして、 平均待ち時間=平均再生時間(1+bx)/2 =平均運転間隔(1+bx)/2 =RTT(1+bx)/群の台数/2 となります。 ここで、RTTは群の台数が4台の時のセレコレの平均一周時間です。 また、bxは、群の台数が4台の時、0.33~0.66です。 TWINS(M1+M2)のポストセレコレの場合は、 基準階以外での再生時間は、 運転フェーズのサービス時間(RTT/4)となります(注)。 そして、基準階での再生時間は、 M1が運転フェーズのサービス時間(RTT/4) M2が平均一周時間(RTT/2)となります。 従って、基準階で乗車する乗客の割合をαとすると、 平均待ち時間=3αRTT/16+(1-α)RTT/8 =RTT(1+α/2)/8となります。 セレコレの4台1群をポストセレコレの2台2群に分割すると、 平均待ち時間はRTT(1+α/2)/8になり、 セレコレの4台群管理システムの平均待ち時間RTT(1+bx)/8 よりもα>2×bxとなる場合を除いて短くなります。 このように「群を分割すると平均待ち時間が長くなる」という法則は、 個々のエレベータがセレコレであることを前提にしたもので、 一般的に成立するものではありません。 (注)着目している階を出発後に反転するまでの時間の平均は、 運転フェーズのサービス時間/2であり、 反転してから着目している階に到着するまでの時間の平均も、 運転フェーズのサービス時間/2であり、 両方合わせて、運転フェーズのサービス時間となります。 ============================================================== ==○連載「エレベータの交通計算法(TWINSシミュレータ)」== エラフサイトのメニューから、 「エレベータ交通計算設置計画シミュレーション」を選択し、 「TWINSシミュレーションはこちら」釦をクリックしていただくと、 試用していただくことができます。 10月末には試用していただけるように工事中です。 =============================================================== ==○ エレベータクイズ ================================= 単独運転しているセレコレの平均待ち時間は次のどれでしょうか? 平均一周時間はRTTとします。 1.RTT 2.RTT/2 3.RTT/4 ============================================================= 【答え】 2.RTT/2です。 【解説】 時刻表がありませんから、 エレベータの運転とは独立に乗客が到着します。 乗客が到着した時に既にエレベータが到着していて乗車できる時に、 待ち時間は最小(0)になります。 乗客が到着した直前にエレベータが出発してしまった時に、 待ち時間は最大(RTT)になります。 乗客は、この間にランダムに到着しますから、 乗客の平均待ち時間はRTT/2になります。 ============================================================= ==○編集後記================================================= 最後までお読みいただき、有難うございます。 第89号は如何でしたでしょうか? 従来、設置計画において、平均運転間隔は最も重要な評価指標でしたが、 呼び割当て方式が主流になったために、呼びに応答するかごが特定され、 1台目に到着したかごが応答するとは限らなくなたために、 平均待ち時間が平均運転間隔だけからは決まらなくなりました。 また、行き先階登録方式の導入によって、 実質的に呼びに応答するかごが特定されてしまいます。 それならいっそ、2カー単位で行き先階を予め固定した方が、 昇降行程の固定化による多くのメリットを享受できると考えたのが、 TWINS開発のきっかけですが、 今回はそこまでご紹介することはできませんでした。 ============================================================== ============================================================== 【発行元】株式会社エレベータ研究所 〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8-19 TEL 072-665-6801 URL http://www.ele-life.com EMAIL info@ele-life.com ==============================================================


