2009/09/28
「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0085〕
===========================================2009.09.21 VOL.0085== みなさんお元気ですか? 「エレベータのすべてがわかる!」の第85号をお送りします。 前回は、 ティッセンクルップ社が開発しました、 互いに独立して移動する2つのかごが、 同じ一つの昇降路を上下する「TWINシステム」と、 我々が開発しましたTWINSと組み合わせますと、 相乗効果で、 輸送性能(平均待ち時間と輸送能力)が画期的に向上することを ご紹介しました。前回は、TWINSの中でも、サービス階を分割しない T0について主にご紹介しましたが、TWINSの特長は2分割するT1+T2、 3分割するT3+T4+T5、4分割するT6+T7+T8+T9で明確になりますので、 今回は、この中でもシンプルなT1とT3について、 特集「TWINシステムを用いたTWINS(その2)」で、 ご紹介します。 ============================================================== ==I==N==D==E==X=============================================== ○今週のニュース ○特集「TWINシステムを用いたTWINS(その2)」 ○連載「エレベータの交通計算法」 ○エレベータクイズ ○編集後記 ============================================================== ==○今週のニュース ========================================== 東芝エレベータ(本社東京)は、改正建築基準法施行令に規定された 「戸開走行保護装置」に関し国土交通大臣の認定を取得した リニューアル用「ELFRESH」の出荷を2009年9月13日から開始した。 同エレベータは、戸開走行による挟まれ事故や、 地震によるエレベータの閉じ込め事故を防ぐため、 ブレーキ装置の二重化、戸開走行判定装置の搭載などを求めた 新安全基準に適合したもの。 予備電源付きの地震時管制運転装置を標準装備する。 具体的には、2009年4月末に大臣認定を取得した、 新安全基準準拠の「NewSPACEL-EX」をリニューアル市場向けに投入する。 さらに、 既存の機械室を残した標準形エレベータのリニューアル工事についても 大臣認定を取得した。最新のインバータ制御を導入し、 スムーズな乗り心地と着床精度の向上を図る。消費電力も、 ロープ式の場合で60%、油圧式の場合で約70%の削減を図った。 省エネ対策として、省エネ性能に優れたLED照明を採用した。 LEDダウンライト照明は従来の蛍光灯照明に比べ、 1灯当たり80%(30W蛍光灯比)の省エネとなる。 LED照明の採用により、省エネ/長寿命/水銀フリーを実現。 リニューアルにより環境負荷の低減を図れる。 エレベータのリニューアル工事によって削減したCO2排出量に加え、 排出権を活用しCO2排出量をオフセットする 「カーボンオフセット付リニューアル工事」を実施。 ユーザーの環境対策をサポートする。 販売目標は約500台/年。 販売価格は、準撤去リニューアル工事で、乗用の定員9人、 速度60m/分、停止7箇所の場合で約1600万円。 ============================================================= ==○特集「TWINシステムを用いたTWINS(その2)」===== (1)T1について、 サービス階を2分割すると、呼びは、S1↑S1(S1内で上昇)、 S1↓S1(S1内で下降)、S2↑S2(S2内で上昇)、S2↓S2(S2内で下降) S1→S2(S1からS2に移動)、S2→S1(S2からS1へ移動)の6種類になります。 この中でS1↑S1、S1↓S1、S2↑S2,S2↓S2の4種類をT1が分担して輸送します。 T1は2シャフトのTWINで構成されますが、 いずれのシャフトも上かごがS2↑S2とS2↓S2に応答してS2U(S2上昇) とS2D(S2下降)を繰り返します。 そして、下かごがS1↑S1とS1↓S1に応答してS1U(S1上昇)と S1D(S1下降)を繰り返します。 S1U,S1D、S2U,S2Dのサービス時間の平均はRTT/4ですから、 どちらのシャフトの上下かごの平均一周時間はRTT/2になり、 両シャフトでは、平均運転間隔はRTT/4になります。 従って、平均待ち時間はRTT/8になります。 (2)T3について、 サービス階を3分割すると、 呼びは、S1↑S1,S1↓S1,S2↑S2、S2↓S2,S3↑S3,S3↓S3,S1→S2,S2→S1、 S1→S3、S3→S1、S2→S3,S3→S2の12種類になります。 この中でS1↑S1,S1↓S1,S1→S2,S2→S1の4種類をT3が分担して輸送します。 両方のシャフトの上かごと下かごは同時にS1Uを開始し、 S1Uで上かごがS2→S1の降車とS1↑S1の乗降とS1→S2の乗車を行い、 下かごがS1↑S1の乗降とS1↓S1の乗車を行います。 下かごはS1Uが終了するとS1Dを開始し、 S1DでS1↓S1の乗降とS1↑S1の乗車を行います。 下かごはS1Dが終了すると上かごがS1Uを開始した後でS1Uを開始します。 上かごはS1Uを終了するとS2Uを開始し、 S1→S2を降車させ、S2→S1を乗車させます。そして、S2Uを終了すると 基準階に復帰(実際には下かごのいる階の上の階に復帰)して、 次のS1Uに備えます。 T3のS1U、S2U、S1Dの平均サービス時間はRTT/6ですから、 T3の各かごのRTTは略RTT/2になります。 従って、各階での平均運転間隔はRTT/4になり、 平均待ち時間はRTT/8になります。 ============================================================== ==○連載「エレベータの交通計算法」============================ 「平均待ち時間が計算できる交通計算法」について、 http://lab.ele-life.com/pdf/calc.pdf で説明していますので、ご参照下さい。 この交通計算法は、 「エラフサイト」の「エレベータ交通計算設置計画シミュレーション」 メニューから、 「新規交通計算はこちら」釦または、 「設置計画シミュレーションはこちら」釦 をクリックした先で実行される交通計算で使用されています。 計算結果の平均運転間隔(AI)から、 平均待ち時間(AWT)は、 AWT=AI(1+bx)/2で計算できます。 bxは群管理制御方式に依存しますが、 運転間隔が等間隔で、 必ず1台目のエレベータに乗車できる場合はbx=0ですが、 台数が多くなると1台目に乗車できる確率は低下しますから、 bxの値は、 4台で0.33~0.66、 6台で0.64~0.89 8台で1.00~1.23 程度になります。 ============================================================== ==○ エレベータクイズ ================================ エレベータ事故が発生した時に、事故原因を調べる国交省の委員会は 次のどれでしょうか? 1.エレベータ事故調査委員会 2.昇降機等事故対策委員会 3.昇降機事故対策審議委員会 ============================================================= 【答え】 2.昇降機等事故対策委員会です。 【解説】 委員長は向殿政男教授(明治大学)です。 ============================================================= ==○編集後記================================================= 最後までお読みいただき、有難うございます。 第85号は如何でしたでしょうか? エレベータが1台単独設置される場合は 従来のエレベータが使用されるでしょうが、 複数台設置される場合は、高輸送性能で省エネ・省スペースとなる TWINシステムにいずれ置き換わっていくのではないかと思います。 ============================================================== ============================================================== 【発行元】株式会社エレベータ研究所 〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8-19 TEL 072-665-6801 URL http://www.ele-life.com EMAIL info@ele-life.com ==============================================================


