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2009/09/21

「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0084〕

===========================================2009.09.21 VOL.0084==


みなさんお元気ですか?

「エレベータのすべてがわかる!」の第84号をお送りします。

ティッセンクルップ社が、互いに独立して移動する2つのかごが、

同じ一つの昇降路を上下する「TWINシステム」を商品化し、

輸送能力を従来システムの約1.5倍にすることを特長として、

既に、ドイツ、スペイン、韓国などで実績を上げています。

このシステムを我々が開発しましたTWINSと組み合わせますと、

相乗効果で輸送性能(平均待ち時間と輸送能力)が画期的に向上します。

そこで、今回は


特集「TWINシステムを用いたTWINS」で、

TWINSとの組み合わせの相乗効果についてご紹介します。


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==I==N==D==E==X===============================================

○今週のニュース

○特集「TWINシステムを用いたTWINS」

○連載「エレベータの交通計算法」

○エレベータクイズ

○編集後記

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==○今週のニュース ==========================================

1.東急百貨店は15日、吉祥寺店(武蔵野市吉祥寺本町2)で

エレベータに客9人を乗せたまま、

17分間扉が開かなくなる事故事故が起こったと発表した。

事故は14日。

同店では8月3日に客9人が閉じ込められたまま、エレベータが

30分にわたって上昇・下降を繰り返す事故があったばかり。

同百貨店は、「このような事故をたびたび起こし、誠に申し訳なく、

心よりおわび申し上げます」とコメントしている。

同百貨店によると、14日午後4時35分ごろ、

8月に事故を起こしたエレベータに隣接するエレベータで、

乳児1人を含む9人を乗せたまま、

2階と3階の間で突然動かなくなった。

中央監視室で異常を感知し、係員が保守会社に連絡。

午後4時52分にエレベータを3階に引き上げて、救出した。

けが人や気分が悪くなった人はいなかったという。

保守会社の調査で、事故原因は制御盤内に金属部品のナットが

何らかの原因で混入し、ショートを起こしたためだったという。

2.三菱電機は、中国広東省深セン市に建設中の地上98階建て、

高さ439mの超高層ビル「京基金融中心」で、

エレベータを受注した。

台数は、隣接したビル6棟も含めて計129台に及ぶ。

受注価格は約26億円。

2012年竣工後には、中国華南地区で最も高いビルになる。

同社および、同社と中国との合弁会社である上海三菱電梯有限公司と

三菱電機上海機電電梯有限公司の技術とサービスが評価されて

今回受注に至った。

3.三菱電機、日立製作所などエレベータ大手が28日、

製品の一斉値上げに踏み切る。上げ幅は1割程度。

死亡事故の再発を防ぐため、同日の建築基準法施行令の改正・施行で

エレベータの安全基準が強化されることに対応する。

オフィスビルやマンションの建設は低水準で推移しており、

事業者のコスト増や一層の販売不振などにつながる可能性もある。

28日以降の設置から対象。

汎用型の主力機種(9人乗り、分速60メートル、1100万円前後)の場合で

三菱電機が5~10%、日立が約10%、フジテックは2~3%の値上げとなる。

扉が開いたまま昇降できないようにする「戸開走行保護装置」が備わるほか、

メーカーによっては耐震補強材や停電時に自動的に1階に止める装置なども追加、

安全性が高まる。東芝エレベータは4月に対応を実施済みで、

今回は価格は改定しない。

施行令は、2006年に東京都港区で起きた死亡事故や、

地震時の閉じ込め事故の頻発を受けて改正された。

09年度のエレベータの国内新設台数は2万1千台程度と、

景気後退で前年度比約2割減るとみられている。製品が安全になる反面、

値上げの影響が加われば需要はさらに縮小しそうだ。

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==○特集「TWINシステムを用いたTWINS」===============

結論から言いますと、

(1)TWINシステムがポストセレコレで制御されることによって、

通常は上かごがS2(上方セクタ)内で上下するようになり、

下かごがS1(下方セクタ)内で上下するようになりますから

衝突が回避されます。

(2)隣接するシャフト間で呼びを分担しあうTWINS方式によって、

S1→S2を輸送するかごとS2→S1を輸送するかごはお互いに

別シャフトを走行しますから、衝突が回避されます。

(3)上かごと下かごの運転間隔を等間隔(RTT/4)に

制御することによって、

2倍のシャフトの(同じかご数の)従来群管理システムより平均待ち時間を短縮できます。

(4)衝突回避のためのロスタイムが必要なくなりますから、

同じシャフト数の従来群管理システムの輸送能力の2倍にできます。

以上の効果を実現するための、具体的な制御方法について説明します。

サービス階を分割しない、

通常のシングルデッキの隣接した2昇降路からなるTWINSは、

基準階をサービス階に含む場合をM0、

含まない場合をL0と呼んでいます。

今後は、隣接した2昇降路のTWINシステムからなるTWINSは、

T0と呼びます。T0では、一方の昇降路はS1分担シャフトとなり、

他方の昇降路はS2分担シャフトとなります。

ここで、サービス階を2セクタに分け、

S1が下方のセクタ、S2が上方のセクタとします。また、

S1の最下階とその1階床上の階の2カ所の基準階があるものとします。

呼びの種類は、次の6種類があります。

(1)S1↑S1:S1内に出発階と行き先階がある上昇方向の呼び

(2)S1↓S1:S1内に出発階と行き先階がある下降方向の呼び

(3)S2↑S2:S2内に出発階と行き先階がある上昇方向の呼び

(4)S2↓S2:S2内に出発階と行き先階がある下降方向の呼び

(5)S1→S2:S1内に出発階があり、S2内に行き先階がある呼び

(6)S2→S1:S2内に出発階があり、S1内に行き先階がある呼び




S1分担シャフトの上下かごは、

いずれもS1内にいて、

S1を出発階にする呼び(S1↑S1,S1↓S1、S1→S2)に応答します。

上かごはS1↑S1とS1→S2を輸送し、

下かごはS1↑S1とS1↓S1を輸送します。



S2分担シャフトの上下かごは、

いずれもS2内にいて、

S2を出発階にする呼び(S2↑S2,S2↓S2、S2→S1)に応答します。

上かごはS2↓S2とS2↑S2を輸送し、

下かごはS2↓S2とS2→S1を輸送します。

上かごがS2内にいて、下かごがS1内にいるシャフトを遷移シャフトと呼びます。

S2分担シャフトでは、上かご・下かごが共にS2にいますが、

下かごがS2→S1を輸送してS1に移動し、遷移シャフトになります。

その後、上かごもS2→S1に応答して、上かご・下かごが共にS1にいるS1分担シャフトになります。

平均待ち時間を短くするために、

S1分担シャフトとS2分担シャフトがそれぞれ1シャフトずつになるようにする呼び割当て制御は、

(1)一方のシャフトがS1分担シャフトで他方のシャフトがS2分担シャフトの場合は、

S1を出発階にする呼びはS1分担シャフトに割当て、

S2を出発階にする呼びはS2分担シャフトに割り当てます。

(2)一方のシャフトがS1分担シャフトで他方のシャフトが遷移シャフトの場合は、

S2を行き先階にする呼びは遷移シャフトに割当て、

S1を出発階にする呼びはS1分担シャフトに割り当てます。

(3)一方のシャフトがS2分担シャフトで他方のシャフトが遷移シャフトの場合は、

S1を行き先階にする呼びは遷移シャフトに割当て、

S2を出発階にする呼びはS2分担シャフトに割当てます。

(4)両方のシャフトが遷移シャフトの場合は、


一方のシャフトにS2を行き先階にする呼びを割当て、

他方のシャフトにS1を行き先階にする呼びを割り当てます。




S2分担シャフトでは、

S2U(S2上昇時)には、上かごはS2↑S2の乗降とS2↓S2の乗車とS1→S2の降車のために停止します。

S2D(S2下降時)には、上かごはS2↓S2の乗降とS2↑S2の乗車のために停止します。

             下かごは、S2↓S2の乗降とS2→S1の乗車のために停止します。

S1D(S1下降時)には、下かごは、S2→S1の降車のために停止します。

下かごがS1Dを開始した時点で遷移シャフトに遷移します。

シャフトの状態は、

S1分担シャフト→遷移シャフト→S2分担シャフト→遷移シャフト→S1分担シャフトと遷移して一巡します。

平均待ち時間を短縮するために、

一方のシャフトがS1分担シャフト、他方のセクタがS2分担シャフトになるように制御されます。

そのために、遷移シャフトは早急に他方のシャフトと異なる分担シャフトになるように呼び割当て制御が行われます。

また、S1分担シャフトとS2分担シャフト相互へはRTT/2で遷移しますが、

平均待ち時間を短縮するために、上かごと下かごの平均運転間隔がRTT/4になるように制御されます。

そのために、S2分担かごでは、下かごがS1D開始後に上かごがS2Dを開始するように出発管制されます。

また、S1分担かごでは、上かごがS2U開始後に下かごがS1Uを開始するように出発管制されます。

割り当てられた呼びに対する応答は、

S1分担シャフトでは、

S1U(S1上昇時)には、上かごはS1↑S1の乗降とS1→S2の乗車のために停止します。
             
             下かごはS1↑S1の乗降とS1↓S1の乗車のために停止します。

S1D(S1下降時)には、下かごはS1↓S1の乗降とS2→S1の降車のために停止します。
S2U(S2上昇時)には、上かごはS2↑S2の乗降とS2↓S2の乗車とS1→S2の降車のために停止します。

S2D(S2下降時)には、上かごはS2↓S2の乗降とS2↑S2の乗車のために停止します。

             下かごは、S2↓S2の乗降とS2→S1の乗車のために停止します。

上かごがS2Uを開始した時点で遷移シャフトに遷移します。


遷移シャフトでは、S1分担シャフトまたはS2分担シャフトに遷移するために、
S1U(S1上昇時)には、下かごはS1→S2の乗車のために停止します(B)。

S1D(S1下降時)には、下かごはS1↓S1の乗降とS2→S1の降車と

                 S1↑S1の乗車のために停止します。

             上かごはS2→S1の降車のために停止します。

S2D(S2下降時)には、上かごはS2↓S2の乗降とS2→S1の乗車のために停止します(A)。

S2U(S2上昇時)には、下かごはS1→S2の降車のために停止します。

             上かごはS2↑S2の乗降とS2↓S2の乗車のために停止します。



(1)他方のシャフトがS1分担シャフトの場合は、
   下かごはS1U終了後S2Uを開始してS2分担シャフトになります。

(2)他方のシャフトがS2分担シャフトの場合は、
   上かごはS2D終了後S1Dを開始してS1分担シャフトになります。

(3)他方のシャフトが遷移シャフトの場合は、

   一方のシャフトをS1分担シャフト、他方のシャフトをS2分担シャフトにするために、

S1分担シャフトになる方は、上かごにS2→S1を輸送させ(A)、

S2分担シャフトになる方は、下かごにS1→S2を輸送させます(B)。


〔注)S1→S2はS1分担シャフトの上かごが輸送し、
   S2→S1はS2分担シャフトの下かごが輸送しますから
同一シャフトの下かごがS1→S2を輸送して、

上かごがS2→S1を輸送した場合に発生する上下かごの衝突が、

2つのシャフトを使用して輸送することで回避されていることに注意して下さい。

TWINシステム本来は行き先階登録方式で、

衝突を回避する呼び割当てをし、即時予報しているので、

呼びを通過するかごが多くなり平均待ち時間が長くなりますが、

TWINSの場合は先着するかごが応答しますから、

平均待ち時間が短くなります。

T0の場合は、平均運転間隔がRTT/4ですから、

平均待ち時間は理想的な4台群管理システムと同じRTT/8になります。

T1+T2、T3+T4+T5,T6+T7+T8+T9にすれば、

RTTが半減できるので、TWINSと組み合わせることによって、

本来のTWINシステムよりも輸送能力が向上します。

ここで、T1+T2は、サービス階をS1とS2に分割して、

T1のS1にはS1への行き先階登録釦が設置され、

S2にはS2への行き先階登録釦が設置されます。

T2のS1にはS2への行き先階登録釦が設置され、

S2にはS1への行き先階登録釦が設置されます。

T3+T4+T5は、サービス階をS1、S2,S3に分割して、

T3のS1にはS1∪S2の行き先階釦が設置され、

S2にはS1の行き先階釦が設置されます。

T4のS2には、S2∪S3が設置され、S3にはS2が設置されます。

T5のS3には、S3∪S1が設置され、S1にはS3が設置されます。

T6+T7+T8+T9は、サービス階をS1,S2,S3,S4に分割して、

T6のS1とS2にはS1∪S2を設置し、

T7のS3とS4にはS3∪S4を設置し、

T8のS1とS2にはS3を設置し、S3にはS1∪S2を設置し、

T9のS1とS2にはS4を設置し、S4にはS1∪S2を設置します。

T1~T9はT0同様2シャフトのTWINシステムで構成され、

T0同様、2シャフトを使用して衝突を回避します。


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==○連載「エレベータの交通計算法」============================

「平均待ち時間が計算できる交通計算法」について、

 http://lab.ele-life.com/pdf/calc.pdf 

で説明していますので、ご参照下さい。

この交通計算法は、

「エラフサイト」の「エレベータ交通計算設置計画シミュレーション」

メニューから、

「新規交通計算はこちら」釦または、

「設置計画シミュレーションはこちら」釦

をクリックした先で実行される交通計算で使用されています。

計算結果の平均運転間隔(AI)から、

平均待ち時間(AWT)は、

AWT=AI(1+bx)/2で計算できます。

bxは群管理制御方式に依存しますが、

運転間隔が等間隔で、

必ず1台目のエレベータに乗車できる場合はbx=0ですが、

台数が多くなると1台目に乗車できる確率は低下しますから、

bxの値は、

4台で0.33~0.66、

6台で0.64~0.89

8台で1.00~1.23

程度になります。


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==○   エレベータクイズ  ================================

エレベータは、

「エレベーター」と表記されたり

「エレベータ」と表記されたりしますが、

JISの表記はどちらでしょうか?

1.エレベータ

2.エレベーター





































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【答え】

1.エレベータです。

【解説】

一般には、外来語で、英語の末尾が「-er」「-or」「-ar」の場合、

長音符号で表記します。従って「エレベーター」となります。

しかし、JISでは、

学術用語や別の規格がある場合はそれに従いますが、それ以外の場合、

その言葉が3音以上であれば、長音符号を省くのが原則になっています。


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==○編集後記=================================================

最後までお読みいただき、有難うございます。

第84号は如何でしたでしょうか?

ダブルデッキは、RTTを短縮する効果があり、

輸送能力向上に効果的ですが、

2台のかごが隣接階を同一方向で同時にサービスする制約があり、

平均運転間隔短縮、従って、平均待ち時間短縮には、

直接は結びつきません。

TWINシステムは、2台のかごが独立に上下しますから、

上下かごの間隔を制御すれば、平均待ち時間短縮を実現できます。

これがダブルデッキとTWINシステムの最大の相違点です。

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【発行元】株式会社エレベータ研究所
〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8-19
TEL 072-665-6801
URL http://www.ele-life.com
EMAIL info@ele-life.com
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