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2009/09/14

「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0083〕

===========================================2009.09.14 VOL.0083==


みなさんお元気ですか?

「エレベータのすべてがわかる!」の第83号をお送りします。

過去に、オーチス社が、バッテリーを電源とした「MRVF」

というエレベータを商品化しました。消費電力を減らすため、

かごをハネカム構造で軽量化しました。

ロープの張力が減少するため、

ロープスリップが発生し易くなります。その対策として、

ロープの綱車への巻きつけ角を270度にしました。

先進的で画期的なもので、当時、注目を集めましたが、

バッテリーから発生する水素による火災の危険性や

バッテリーの設置場所などのバッテリーに関連した問題や、

ロープの寿命短縮の問題があって、

商品としては失敗に終わりました。

現時点では、電気自動車への適用もあって、

バッテリーの問題は解決されます。

そして、グリーンビル実現のニーズが高まっています。

事務所ビルのエレベータの巻上機は、

出勤時には電動機として動作しますが、

退勤時には発電機として動作します。

また、日中の平常時には、

上昇時と下降時の乗客数がほぼ同じですから、

上昇/下降時に電動機として動作した場合には、

下降/上昇時には発電機として動作する特徴がありますから、

発電した電力をバッテリーに蓄積できれば、

トータルの消費電力量をゼロに近づけることができる可能性があります。

また、災害時等に停電が発生した場合の「閉じ込め防止」にも貢献できます。

そこで、そろそろ新「MRVF」を開発すべき時に来ていると思い、

特集「バッテリー駆動エレベータ」を掲載しました。


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==I==N==D==E==X===============================================

○今週のニュース

○特集「バッテリー駆動エレベータ」

○連載「エレベータの交通計算法」

○エレベータクイズ

○編集後記

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==○今週のニュース ==========================================

「事故機は品質としての信頼性に問題があった」

「製造者と保守管理業者の間で技術情報の伝達が十分に行われていない」

東京都港区の賃貸住宅「シティハイツ竹芝」で2006年6月に起きた

エレベータ死亡事故。社会資本整備審議会(国土交通大臣の諮問機関)

に設置した昇降機等事故対策委員会(委員長:向殿政男・明治大学教授)は、

ブレーキの故障が事故原因だとする調査報告書をまとめ、

9月8日国土交通省に報告した。

報告を受け、国交省は、事故機と同種の構造を持つシンドラーエレベータ製の

エレベータの安全性を再確認する方針だ。

また、09年度中に、建築物の所有者や管理者向けに、

保守管理者の選定や保守管理契約の締結に当たっての留意事項などを盛り込んだ

指針を作成する考えを表明した。

既設エレベータに対応できる戸開き走行保護装置の技術開発を進め、

普及させることも取り組む。報告書では事故原因について、

ブレーキの状態に問題があったと結論付けた。

ブレーキを作動させる電磁コイルに不具合が生じ、

ブレーキが半分かかった状態で運転を続けたため、

ブレーキドラムを押さえるブレーキライニングが擦れて磨耗。

事故時はブレーキが利かない状態になり、

つり合い錘とのアンバランスでかごが急上昇したと推定している。

電磁コイルの不具合については、

ブレーキの動きでコイルが口出し線と接触し、

被覆がはがれてショートした可能性を指摘。

コイルがブレーキの開閉動作で動くという

国内のエレベータとしては「特殊な構造」が原因になったと推定した。

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==○特集「 バッテリー駆動エレベータ」=======================

停電時にバッテリーで電動機を駆動して、低速で乗客を救出する

オプション装置(停電時救出装置)は従来からありましたが、

「MRVF」は常時バッテリーで駆動するところに特徴がありました。

通常の高速運転もバッテリーで長時間駆動しますから、

大容量のバッテリーが必要です。

「MRVF」では、自動車用の蓄電池が用いられましたが、

その後の停電時救出装置では、水素ガスが放出されない

密閉式の鉛蓄電池などが用いられています。

電気自動車などに採用されているリチウムイオン電池は

エネルギー密度が高いのが特長で、

設置スペースが小型化できます。

事務所ビルでは、出勤時にエレベータは、

電気エネルギーを消費して居住者を輸送しますが、

そのエネルギーは、

居住者の位置エネルギーとして蓄積されます。

退勤時には、エレベータはその位置エネルギーで発電し、

バッテリーに充電されます。

勤務時間帯は、平常時と呼ばれる交通パターンが発生し、

上下方向の交通量が等しく、

RTTの間に、上下方向同量の待ち客が発生します。

セレコレは、RTTの間に到着した待ち客のうち、

運転方向と同一方向の待ち客だけを乗車させますから、

上昇方向と下降方向の乗客数はほぼ等しくなります。

つり合い錘の重量は一定ですから、

上昇方向が上げ荷の場合は下降方向は下げ荷になり、

巻上機は、一方では電動機となってバッテリーから放電され、、

他方では発電機となってバッテリーに充電します。

出勤時に蓄積される位置エネルギーと

退勤時に放出される位置エネルギーはほぼ同量ですし、

平常時の発電量と消費量はほぼ同量ですから、

トータルの消費電力量はエネルギー変換時のロス分だけになります。

その分だけ商用電源から充電すれば良いことになります。

マンションなどの住宅ビルの場合は、

夕方の帰宅時が事務所ビルの出勤時に相当し、

朝の出勤時が事務所ビルの退勤時に相当し、

朝晩の交通の向きが逆になるだけで、

位置エネルギーとしてエネルギーが蓄積される点は同じです。

住宅ビルの場合はその他の時間帯での交通はほとんどありません。

このようにして、常時バッテリーで駆動するようにしておけば、

災害発生時に停電が原因で閉じ込められることがなくなり、

安全性が高まります。


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==○連載「エレベータの交通計算法」============================

「平均待ち時間が計算できる交通計算法」について、

 http://lab.ele-life.com/pdf/calc.pdf 

で説明していますので、ご参照下さい。

この交通計算法は、

「エラフサイト」の「エレベータ交通計算設置計画シミュレーション」

メニューから、

「新規交通計算はこちら」釦または、

「設置計画シミュレーションはこちら」釦

をクリックした先で実行される交通計算で使用されています。

計算結果の平均運転間隔(AI)から、

平均待ち時間(AWT)は、

AWT=AI(1+bx)/2で計算できます。

bxは群管理制御方式に依存しますが、

運転間隔が等間隔で、

必ず1台目のエレベータに乗車できる場合はbx=0ですが、

台数が多くなると1台目に乗車できる確率は低下しますから、

bxの値は、

4台で0.33~0.66、

6台で0.64~0.89

8台で1.00~1.23

程度になります。

即時予報方式の方が1台目が通過する確率が高いために

値が大きくなります。

また、平均n台目が応答するとすると、

AWT=AI/2+(nー1)AI

です。

行き先階登録方式で各かごに割り当てる行き先階を分割する方式の場合は、

平均すると(台数/2)台目が応答しますから、

AWT=(台数/2)AIーAI/2=RTT/2-AI/2

となります。





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==○   エレベータクイズ  ================================

11月10日はエレベータの日です。

これは、1890年(明治23年)日本最初の電動エレベータが設置

されたこの建物がオープンした日を記念して制定されました。

この建物は次のどれでしょうか?

1.飛雲閣

2.通天閣

3.凌雲閣






































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【答え】

3.凌雲閣です。

【解説】

この建物は関東大震災で倒壊して今は有りません。現存する

最古の電動エレベータが稼動している建物は東華菜館(京都)です。


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==○編集後記=================================================

最後までお読みいただき、有難うございます。

第83号は如何でしたでしょうか?

電気自動車用のバッテリーが実用化すれば、

直ぐに、バッテリー駆動エレベータが一般化すると思われます。

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【発行元】株式会社エレベータ研究所
〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8-19
TEL 072-665-6801
URL http://www.ele-life.com
EMAIL info@ele-life.com
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