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2009/05/11

「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0065〕

===========================================2009.05.11 VOL.0065==
みなさんお元気ですか?

「エレベータのすべてがわかる!」の第65号をお送りします。

前号では、平常時・昼食時など2方向の交通がある場合の

平均一周時間(RTT)について解説しましたが、

今回は、

前回、具体的なイメージがつかめなかったという人のために、

特集「2方向交通のRTTの実際」で、

RTTの具体的な例についてお話します。

このメールマガジンは、『まぐまぐ』で配送されています。

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==I==N==D==E==X==================================================

○連載 今週のニュース

○特集「2方向交通のRTTの実際」

○連載 エレベータクイズ

○編集後記

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==○今週のニュース ============================================

東京都港区の公共住宅で06年6月、

高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(当時16)がシンドラー社製

エレベータの床と天井に挟まれて死亡した事故で、

同社(本社・スイス)のアルフレッド・シンドラー会長(60)が8日午前、

都内で会見した。

同会長は「事故の刑事責任は一切ないと信じている」と過失責任は否定。

遺族らには「会社を代表して哀悼の意を表したい」と述べた。

同会長の来日は事故後、初めて。警視庁の捜査終結を受けて開いた。

同庁は今年3月、同社日本法人の2人と、保守管理会社の社長ら4人を

業務上過失致死容疑で書類送検。

シンドラー社日本法人はその後、「過失責任はなかった」と表明している。

同会長は、父和民さん(55)と母正子さん(57)に対して

「我々としても悲しい思いであり、

遺族の方の苦しみを遺憾に思っている」と述べた。

一方で「設計、技術、製造上の欠陥はないとの結論に至った」とした。

会見を受け、母正子さんは、「以前から(同社機の)不具合が各地で出ていて、

その延長線上に今回の事故があった。

そのことに対するきちんとした説明が欲しかった」と話した。

同庁捜査1課は、事故機に構造的欠陥はなかったが、

04年11月に

事故機がブレーキの異常で急停止したトラブルがあったことを指摘。

その際、同社は部品を調整したが、

保守管理会社には事故が起きる危険性や同機の構造を伝えなかったことが

事故につながったとした。




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==○特集「2方向交通のRTTの実際」============================

例えば、10階建ての建物で、

基準階を除くサービス階数が9階床(N=9)の場合、

基準階で乗降する乗客の割合をαとすると、

通過する(乗降客が一人もいない)確率は、

exp((α−2)r/N)になります、

平常時・混雑時はα=0.5程度ですが、

出勤時・退勤時・昼食時などは、基準階の乗降の割合が多く、

α=0.9程度です。

従来のセレコレの群管理システムの場合、

適切に設置計画されると、

平常時の一方向の乗客の平均到着率は、1人/40秒 程度で、
混雑時の一方向の乗客の平均到着率は、1人/20秒 程度です。

そして、昼食時の一方向の乗客の平均到着率は、
出勤時と同等とすると、1人/10秒 程度になります。

L+A方式の場合は、基準階で乗降する乗客はAシステムを利用し、

基準階で乗降しない乗客はLシステムを利用します。

従って、Aシステム利用者の平均到着率は0.9人/10秒で、

Lシステム利用者の平均到着率は0.1人/10秒です。

昼食時の従来のセレコレの群管理システムのRTTは200秒程度ですから、

一方向運転当りの延べの平均乗客数(注)は20人程度です。

そうすると、サービス階を通過する確率は、exp(-2.44)= 0.087161

と非常に小さくなり、ほぼ全階に停止することになります。

そして、RTT当りの停止回数は、ほぼ2N(=18)回になります。

そのため、低層ゾーンでもRTTは200秒程度になります。


一方、TWINSのL+A方式の場合は、AシステムはN=3にセクタリングされるので、

昼食時のAシステムのRTTは、高層ゾーンの場合でも100秒程度ですから、

一方向運転当りの平均乗客数は9人程度です。

そうすると、サービス階を通過する確率は、exp(-8)=0.000335

と無視できるほど小さく、全階で停止することになります。

そして、停止階では、両方向の乗客が乗降できますから、

AシステムのRTT当りの停止回数はN+1(=4)回になります。

そのため、基準階との走行時間の長い高層ゾーンの場合でも、

RTTは100秒程度になります。

低層ゾーンの場合は、80秒以下にできます。

また、昼食時のLシステムのRTTは60秒程度ですから、

一方向運転当りの延べの平均乗客数は

0.6人(1人が60%、0人が40%)程度です。

一方向の運転時間は、乗客の出発階までの15秒と行き先階までの15秒の

合計30秒程度で、両方向共呼びがある時のRTTは60秒程度になります。

一方向だけ呼びがある時のRTTは50秒程度になります。

そして、両方向共呼びがある確率は0.36で、

一方向だけ呼びがある確率は0.48ですから、

厳密には、RTT=0.36*60+0.48*50=45.6となりますが、

余裕を見て、RTTは60秒程度になるとします。



(注)セレコレの従来の群管理システムでは、

呼び割り当て方式で呼びを各かごに分配する方式であっても、2方向の交通の下では、

各かごは、先行するかごを平均運転間隔(RTT/台数)遅れて追いかけ、

全てのサービス階に発生する両方向の呼びの全てに応答しながら一周することになります。

例えば、10階建ての建物で、設置台数が4台(#1、#2、#3、#4)で、

説明し易くするために、次のようにサービス階を4セクターに分けます。

S1=(1),S2=(2,3,4),S3=(5,6,7),S4=(8,9,10)

最初、#1がS1にいて、#2、#3、#4がそれぞれS2,S3,S4にいたとします。

ある時点に1階と5階に上方向、4階と9階に下方向の呼びがあったとします。

そして、#1が1階上方向、#2が4階下方向、

#3が5階上方向、#4が9階下方向の呼びに応答したとします。

2方向の交通は継続しますから、交通量が多い場合は、

各かごが乗客を乗車させて出発すると再び(発生間隔は交通量によりますが)、

1階と5階に上方向、4階と9階に下方向の呼びが発生します。

先程応答した階・方向の呼びは、それに応答したかごにとっては背後呼びになりますから、

待ち時間が短くなるように制御すると、それぞれ先程のかごの後続するかごが応答することになります。

上の例では、#1は#3の後続のかごになります。また、#4は#2の後続のかごになり、

#3は#4の後続のかごで、#4は#2の後続のかごで、#2は#1の後続のかごです。

このように、後続の関係は一巡します。

そして、背後呼びに応答しながら、

各かごは先行かごを追いかけるようにして

分担するセクタをシフトしながら(平均運転間隔送れて)一周します。


同じ階・方向であっても発生時刻の異なる乗客は、

先程とは異なる(=その時点で最短の位置にある)かごの乗客となります。

どのかごも同じRTTで一周していますし、

乗客の到着時刻はランダムですから、

各かごに平等に乗車することになります。

そうして、

各かごは背後呼びに応答しながら先行するかごを追いかける形で

S1上昇→S2上昇→S3上昇→S4上昇→S4下降→S3下降

→S2下降→S1と一周することになり、

どのかごの延べの平均乗車人数も、

結果的には同数(一方向の平均到着率×RTT)になります。

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==○連載 エレベータクイズ  ===================================


次の非常用エレベーターについて記した三つの文の中、

誤っているのはどれでしょうか?

1.非常用エレベータには予備電源を有する照明設備を設けること。

2.安全装置の機能を停止させ、
  かごの戸を開いたままかごを昇降させることができる装置を設けること。
  
3.非常用エレベーターのかごの定格速度は90メートル以上としなければならない。





















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【答え】

3.の90メートル以上が誤りです。

【解説】

3.は正しくは、「定格速度60メートル以上」です。

2.は消防士による消火活動のために必要な機能です。

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==○編集後記=================================================

最後までお読みいただき、有難うございます。

第65号は如何でしたでしょうか?

シティハイツ竹芝の事故機は非常用を兼ねていましたから、

戸開走行を防止する安全装置の機能を停止させる装置が

付いているはずです。従って、原因究明のためには、

消防運転のキースイッチの入力回路についても調査する必要があります。

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【発行元】株式会社エレベータ研究所
〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8−19
TEL 072-665-6801
URL http://www.ele-life.com
EMAIL info@ele-life.com
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