2009/03/30
「エレベータのすべてがわかる!」〔VOL0059〕
===========================================2009.03.30 VOL.0059== みなさんお元気ですか? 「エレベータのすべてがわかる!」の第59号をお送りします。 百貨店や事務所ビルなどで火災が起きたときに、 在館者はエレベータやエスカレータではなく 階段で避難するように普段指導されています。 実際、日本に限らず海外でも、エレベータ内やエレベータホールには、 火災のときはエレベータを使わずに階段を使うようにとの 注意書きを目にすることが多くあります。 先進各国に共通ですが、 とりわけ日本では高齢者の全人口に占める割合が急速に増加しつつあり、 これに伴って、バリアフリー化が進んできています。このことから、 火災などの緊急避難時に階段利用が困難となる人々の数が、 年々増加することが予想されます。 避難にエレベータを利用する要求は、 このようにして、近年、顕在化しつつありますが、とりわけ、 2001年9月11日に発生した世界貿易センタービルの 飛行機衝突による崩壊以降、 米国ではたとえ超高層ビルであっても、 従来の火災階近辺の部分避難に止まらず、 スムーズな全階避難の要求が高まってきており、この機運と相まって 米国では、エレベータの緊急時利用の議論も高まっているようです。 それは、単に車椅子利用者等の階段利用困難者の避難のためだけではなく、 健常者をも含めた在館者の迅速な全館避難の達成を目指すための手段として 意識されているものです。 今回は、特集「火災時の避難に利用できるエレベータシステム」で、 TWINSのL+A(ローカル+アクセス)方式をご紹介します。 このメールマガジンは、『まぐまぐ』で配送されています。 ================================================================= ==I==N==D==E==X================================================== ○連載 今週のニュース ○特集「シティハイツ竹芝のエレベータ事故原因の考察」 ○連載 エレベータクイズ ○編集後記 ================================================================ ==○今週のニュース ============================================ 3月26日午前10時50分頃、福岡市中央区1丁目の複合商業ビル 「イムズ」(地上14階、地下4階建て)で、 エレベータが14階から地下2階まで突然降下した。 滋賀県の会社員男性(31)1人が乗っていたが、 自力で脱出しけがは無かった。 福岡中央署によると、同11時20分前に男性本人から携帯電話で 「エレベータが落ちた」と110番通報があった。男性は1階から乗って、 14階まで昇ったがドアが開かず、 地下2階まで約65mを通常の速さで降下。 自動的にドアが開いたという。 男性は「緊急停止ボタンを押したが止まらなかった」と話しているという。 同署は降下原因を調べている。 イムズによると、 降下したのは館内中央の吹き抜け部分に3台ある ガラス張りエレベータのうち14−8階と1階、地下2階に停止する 高層階用エレベータ(定員24人)。 三菱電機製でビルが完成した1989年に設置された。 定期点検を毎月1回しており、今月17日の点検では異常はなかったという。 イムズ総務部は記者会見を開き「開館以来、今回のような事例はなかった」と話した。 また、同ビルは28日、エレベータと各階床との高低差を補正する 着床制御装置の不具合が原因だったと発表した。 同装置の電気回路の一部で接触不良が発生した可能性が高いという。 部品を交換し、同日午前10時に運転を再開した。 同ビルによると、13階から14階へ上昇中に同装置に不具合が発生。 どの階にいるかを認識できない状態になったため安全装置が働き、 最下階の地下2階に降下したという。 点検した三菱電機ビルテクノサービスは「まれなケース」としている。 ================================================================ ==○特集「火災時に避難に使用できるエレベータシステム」========== 現状のエレベータシステムは、全てのサービス階に乗り場があり、 火災発生階の扉の隙間から昇降路に煙が入り込み 昇降路に煙が充満する恐れがありました。 また、火災発生階で乗り場呼びが火炎によって誤って登録されることがあり、 火災発生階で停止して戸開してしまい、 炎がかご内に吹き込んで被害が拡大する危険性がありました。 その上、通常は、輸送能力が不十分で、 避難訓練が困難な不特定多数が利用するようなビルでは乗り合い時の混乱が発生して危険なので、 火災時の避難に用いることはできませんでした。 TWINSのL+A方式は、 一般階(基準階を除くサービス階)と基準階間の交通を分担するサブシステム(アクセスシステム)と 一般階から一般階への交通を分担するサブシステム(ローカルシステム) という2つのサブシステムでエレベータシステムを構成しています。 アクセスシステムのサービス階は2〜4階床のセクタに分割されており、 各セクタと基準階間を2台のエレベータがサービスしています。 そのため、アクセスシステムの各エレベータは分担するセクタと基準階(避難階)だけに乗り場があり、 扉が設置されますが、その他の階は通過階で、乗り場が無く、扉も設置されていません。 火災時にはアクセスシステムが避難に利用され、ローカルシステムは休止して使用できなくなります。 アクセスシステムは、分担するセクタと基準階(避難階)だけに遮炎・遮煙対策を施します。 避難階に向かう途中に火災発生階があった場合でも、 乗り場が無く、確実に通過するので安全です。 また、輸送能力上の必要に応じてアクセスシステムの群数を増加することができます。 その場合、ローカルシステムに影響はありませんから、 一般階間の移動が不便になることはありません。 従来のゾーニングや分割急行の場合は、 ゾーン間の移動に乗り換えが必要になる不便さがありました。 乗り合いが最小限に抑えられており、乗り合い時の混乱も少なくなります。 TWINS(L+A方式)の詳細については、 http://lab.ele-life.com/pdf/twins9.pdf をご参照下さい。 ================================================================= ==○連載 エレベータクイズ =================================== エレベータの耐用年数は次のどれでしょう? 1.10年 2.17年 3.30年 ============================================================= 【答え】 2.17年です。 【解説】 法定耐用年数(税法上、資産価値が0になる年数)は17年です。 計画耐用年数(建築物維持保全協会による物理的に使用可能な年数) は25年です。 これらから、20〜25年がリニューアルの目安になります。 ============================================================= ==○編集後記================================================= 最後までお読みいただき、有難うございます。 第59号は如何でしたでしょうか? 「火災時に避難に利用できるエレベータシステム」は、 世界貿易センタービルで最初に採用されたスカイロビー方式の問題点である (1)スカイロビーで乗り換える不便さ (2)シャトルエレベータとローカルエレベータの輸送能力の差の乗客が スカイロビーに溢れる という不都合を解決するばかりでなく、 従来のゾーニング方式よりも平均待ち時間が短縮され、省エネ50%を実現し、 スカイロビー方式よりもレンタブル比が向上する 画期的なエレベータシステムでもあります。 特許出願中(特願2009−12429)です。 ================================================================ ================================================================ 【発行元】株式会社エレベータ研究所 〒567-0806 大阪府 茨木市 庄1丁目8−19 TEL 072-665-6801 URL http://www.ele-life.com EMAIL info@ele-life.com ================================================================


