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2008/10/27

◆千石貞幸メールマガジン 第42号

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│◆千石貞幸メールマガジン 第42号 =============◆◇2008/10/27
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こんにちは。千石貞幸です。

 10月22日から2泊3日で山形県、宮城県に行って来ました。
県議会の建設委員会の視察のためですが、それに関連して以下のよ
うな文章を書きました。実は同じ文章を私のブログにも載せました
ので、もう目にされた方もいるかもしれませんが、私のメルマガは
読んでもブログやホームページは開かないという方もいらっしゃる
かもしれないと思い、配信させていただきます。


「砂の女」の舞台となった庄内砂丘を訪れて

 山形県に行ってきました。日本には行ったことのない県がいくつ
かありますが、山形県も今回訪れるまで、行ったことがありません
でした。行ったのは、県議会の建設委員会の視察のためです。そん
なことがなかったら、山形県は生涯行ったことのない県で終ったか
も知れません。

 最初に視察したのは庄内砂丘です。阿部公房の小説「砂の女」の
舞台になったのがこの庄内砂丘だということを、役所の担当者の方
から聞いて視察の興味が倍加しました。国内外で数々の文学賞をと
ったこの小説が出たのは1962年ですが、私は小説を読む前に1
964年に製作、公開された映画「砂の女」を見ました。勅使河原
宏監督、岡田英次、岸田今日子主演のこの映画のいくつかのシーン
は40年以上経った今でも鮮やかに思い出すことができます。

 砂の穴のなかに女がひとり住んでいる家があり、都会から昆虫採
集にやってきた男がふとしたことでそこに引きずりこまれてしまい、
抜け出せなくなります。穴から出るには上からつるされた縄梯子を
上るしかありませんが、その縄梯子が隣人の手で外されてしまいま
す。男は女との2人だけの生活を余儀なくされ、永遠に都会の自分
の家に帰ることができなくなります。そんな、この世にはありえな
いような寓話的なシチュエーションのなかで展開されるモノクロ映
画ですが、まるで意志をもった生きもののような砂の存在感が圧倒
的でした。

 その舞台になった庄内砂丘は、日本海から吹き寄せる強い風の作
用で形成されたもののようですが、海辺に住む住民は飛砂がもたら
す被害によってしばしば生活を脅かされました。砂の重さで屋根が
つぶれ落ちたり、家のなかに吹き込んだ砂がうず高く積もって住め
なくなったり、食事をするにも食卓の上に砂をふせぐための傘を立
てなければならなかったり、といった有り様でした。そこで長い年
月をかけて砂丘に植林を続け、砂防林を築き上げてきて、今日では
3千万本ともいわれる黒松林が、総延長33キロメートルという砂
丘に連なっています。

 しかしこの黒松林もマツノマダラカミキリという松喰い虫の繁殖
で喰い荒らされ、枯れてゆく木が後を絶ちません。また、ニセアカ
シアの侵入や笹竹の繁茂なども松の成育を妨げ、それを枯らす原因
になります。それらを防ぎ、砂丘林の機能を損なわないようにする
ために庄内砂丘のある酒田市や地元の人々はどんな対策を講じてい
るか聞き、見るのが私たち建設委員会の視察の目的でした。

 静岡県の海岸にもあちこちに砂防林がありますが、同じような問
題をかかえ、その解決が課題となっています。松くい虫の駆除はも
ちろんもっとも重要かつ緊急性の高い対策ですが、それでも枯れ木
被害を無くすことはできません。結局は枯れる木の数以上に多くの
植樹を続けることが砂防林を維持するための不可欠の対策です。そ
のためには多くの人手が要りますが、酒田市では住民のボランテイ
アグループが森づくりの大きな担い手になっています。

 「砂の女」の舞台になった庄内砂丘ですが、今では海岸線近くま
で黒松林が広がっていて、映画に出てきたような見渡すかぎりうず
高くつもった砂の光景ではなくなっています。でもあらためて「砂
の女」を読もう、DVDがあれば映画も見よう と思っています。


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