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元「本屋の兄ちゃん」といっしょに読書嫌い・古典苦手を克服し、「読書は楽しい!」を実感する「プチ教養人」に変身しよう!(若い頃、本好き読書好きで、司馬遼太郎先生のエッセイ「駅前の書店」(『司馬遼太郎が考えたこと 15』新潮文庫)に登場する東大阪市の栗林書房、その今はなき八戸ノ里支店で5年8カ月働く。)月の半ばは初心者のための読書法を、月末は古今東西の古典の名著・名作を隔月交互に一点ずつ紹介します。読書とは他人(ひと)様の人生や思惟を追体験すること。「楽しい読書」で素敵なひと時、豊かな人生を!

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2010/07/15

レフティやすおの楽しい読書 100715(No.38)「私の読書論-13-なぜ古典が読める...」

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         レフティやすおの楽しい読書

         ― 読書で豊かな人生を! ―

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本日は、若い頃は本屋の店員だった本好きのレフティやすおが、
本と読書について好き勝手に語る、《私の読書論》です。

まずは、気軽にお読みください。
読書とは、他人(ひと)様の人生を追体験することです。
そこから何かを学ぶか、ひと時の愉快な時間をすごすか、
それは人それぞれ。自分なりの楽しみ方でいいのです。
まずは楽しい読書を心がけましょう。
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 2010(平成22)年7月15号(No.38)-100715-
             私の読書論-13-なぜ古典が読めるようになったのか

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   私の読書論-13-なぜ古典が読めるようになったのか
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 前号では、「私の本の読み方(1)」を予定していましたが、
 今回は、「なぜ古典が読めるようになったのか」
 私が50歳になって古典を読めるようになった理由をお話します。

 ・・・

答えは簡単!

字が読めるようになったからです。

「字が読める!!!」

まあ、こう書いてしまうと、ちょっとおかしいですね。
字が読めるようになったから古典が読めるようになった、なんて。


もちろん、私も6歳で小学校に上がり、
ごく普通に勉強してきたわけです。

特にこれといった遅れもなく、障碍もなくこれたのは幸いでした。
とはいえ、それはどなたでも経験されていることでしょう。


 ◆新字・現代仮名遣いに書き換えられた◆

では、何を言いたいのかと言いますと、
古典に使われている文字が読めるようになった、
というのならきっと分かりやすいでしょうね。

でも、そうじゃないのです。
やっぱり古典に使われているような文字は読みにくいのです。


要するに、昔の文字の表記ですね。

歴史的仮名遣いとか旧仮名遣いとかいわれるもの、
あるいは旧字とか正字とか言われるもののことです。

こういう字や仮名遣いを使っていた古典作品を
新字・現代仮名遣いに書き換えたものが増えたからなのです。


 ◆歴史的断絶◆

私の子供の頃や若い頃は、
まだ昔の字や仮名遣いがそのまま使われた本が多かったのです。

日本では戦後(第二次大戦後、1945年以後)の1946年に
国語改革が行われ、
当用漢字(将来漢字をなくすまで、当座の間使用する漢字の意)
が採用され、旧仮名遣いを現代仮名遣いに変更したのです。

戦後教育は、一貫してこの1946年に公布された
新字・新仮名で行われているのです。

そのため、戦後生まれ戦後教育育ちの私たちは、
それ以前の旧字・旧仮名は知らないため、
どうしても歴史的断絶を経験することになったのです。

今日、古典を読みにくくさせているのは、
ひとえにこの改革にあるのです。


 ◆表記の現代化◆

話が別な方に流れています。
元に戻しましょう。

要するに、私が50歳にして古典の勉強をするぞ、と誓った時、
好都合にも、多くの古典作品に現代語訳や新訳の本が出ていた、
明治以降、近代のものでも、
旧字旧仮名を新字新仮名に改めた新版や改版の本が出ていた、
という状況がありました。

廉価版で広く古典を紹介してきたものに文庫本があります。

一般書店でも多く置かれている新潮文庫や角川文庫、
教養文庫ともいうべき岩波文庫などでは、
正確にいつ頃からとは言い難いのですが、
昭和の終わりごろからでしょうか、
頻繁に新版や改版、
さらに外国語作品では新訳が行われようになりました。


そして私は、これらの改版・新版、新訳・現代語訳本のおかげで、
古典作品も、気軽に読めるようになったのです。

たとえば、近代日本文学を例にとれば、
今読書中の、
幸田露伴/著『努力論』の岩波文庫改版の巻末に掲げられた、
岩波文庫編集部による「編集付記」にはこうあります。


 一、左記の要項にしたがって表記を改めた。
  岩波文庫(緑帯)の表記について
 近代日本文学の鑑賞が若い読者にとって少しでも容易となるよ
 う、旧字・旧仮名で書かれた作品の表記の現代化をはかった。
 そのさい、原文の趣をできるだけ損なうことがないように配慮
 しながら、次の方針にのっとって表記がえをおこなった。
 (一)旧仮名づかいを現代仮名づかいに改める。ただし、原文
  が文語文であるときは旧仮名づかいのままとする。
 (二)「常用漢字表」に掲げられている漢字は新字体に改める。
 (三)漢字語のうち代名詞・副詞・接続詞など、使用頻度の高
  いものを一定の枠内で平仮名に改める。


以下、(四)は省略します。

(五)の(イ)には、「読みにくい語、読み誤りやすい語には
現代仮名遣いで振り仮名を付す」とあります。

このような表記がえのおかげで、
私は近代日本文学(要するに、明治以後の作品)
を読めるようになったのです。


 ◆現代語訳、新訳の登場◆

近代以前の日本語作品に関しましては、
現代語訳(現代仮名遣いと新字体による表記だけでなく、
現代的な言葉や言い回しに書き直された文章によるもの)
の本が色々と出てくるようになりました。

これも社会風俗の変遷に伴い、
現代の若者にも理解できるものにしようという配慮からでした。


また、外国語による古典作品に関しましては、
戦後、現代語による新訳が出てきました。

その時点での最高権威による新訳が登場しています。
あるいは新進気鋭の訳者の手になる新訳が。

一方で、
かつて定番とされていた偉大な翻訳者による作品でも、
改版にあたり、訳者自身の手で訳文に手を入れたり、
もしくはその子息によって一部訳文が修正されたりした
改版や、新版が発行されています。


このような出版状況の変化が、
私のように漢字が苦手な人間でも、
古文や漢文をほとんど習ったことのない人間でも、
古典を読もうという気持ちさえあれば、
十分読めるようになったのです。


 ◆まず原典に当たる、とにかく読む◆

もちろん、だからと言って誰でもすぐに古典が読めるか、
と言いますと、やはり、なかなか難しい面があります。

基本的にその背景を知らなければ、
正確に読み取れるかどうか、難しいものがあります。

そういう予備知識を身につける作業というものも、
実は重要です。


しかし、なんといっても、まずは原典に当たる、
これが一番です。

分からなければ分からないなりに読む、
ということも大事です。

読めば読むほど分かるようになるのが、読書なのです。

だから、とにかくまず読むこと。
これが一番です。

そして、途切れ途切れでもいいから、
とりあえず最後までの読み切ること。

これは肝心です。


   《... 音楽も同じことで、まずはじめにいくつかの困難を
    克服した者にとってしか、楽しくない。読書も同じこと
    だ。... 学問は遠くから見たのでは楽しくない。そのな
        かに入りこまなければならない。最初は強制が必要であ
    り、またたえず困難が必要である。...》
    アラン『幸福論』「87 勝利」(p.271)より
     白井健三郎/訳 集英社文庫 1993

   《... 必要なのは取りかかることだ。...》
     同書「36 私生活について」(p.119)


 ***   ***   ***   ***   ***

【前号のお詫びと訂正】

前号、
 2010(平成22)年6月30号(No.37)-100630-
  アラン『幸福論』―幸せとは何か
http://archive.mag2.com/0000257388/20100630120000000.html

の本文中の引用

   《... 自由であることを意志し、そのための行動に出るこ
   とによって積極的な自由が保証されるだろう。こうしたあ
   り方をアランは《幸福》と名づけるのだ。... 自由な個人
   の確立 ... それを彼は「幸福」と名づけたと考えてもいい
   だろう。》

     『幸福論』白井健三郎/訳 集英社文庫 1993
      白井健三郎「鑑賞」p.309-310より

は、
白井健三郎氏による「鑑賞」ではなく、
清水徹氏の「鑑賞―人生は幸福の味がする」からの引用でした。

関係者の皆様、およびの読者の皆様に、
謹んでお詫び申し上げます。


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【付録】読書法・読書技術に関する本を楽しむ
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▼ 本文で取り上げた本:

★『幸福論』白井健三郎/訳 集英社文庫 1993.2.25
 旺文社文庫版を復刊。解説・鑑賞・年譜など資料を掲載。
http://www.amazon.co.jp/dp/4087520374/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
★『努力論』幸田露伴/著 岩波文庫 改版2001.7.16
 1940年岩波文庫初版の「岩波文庫努力論跋」を巻末に収録。「解
 説」中野孝次。有名な惜福・分福・植福の説など、露伴の幸福論。
http://www.amazon.co.jp/dp/4003101235/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

 ★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。

* 上記以外の読書法・読書技術、読書論の著作は、
 またいずれ機会を見て紹介します。お楽しみに!

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  次号予告:7月31日号(No.39)-100731- 未定
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※「別冊 編集後記」~『レフティやすおの作文工房』~
7.15 私の読書論-13-なぜ古典が読めるようになったのか
 ―第38号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10587692089.html

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◆ 弊誌「楽しい読書」が 以下の各誌で紹介されました!
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 ついにテレビ出演(『たけしのニッポンのミカタ!』)
http://www.tv-tokyo.co.jp/mikata/backnumber/100507.html
 ◆6月発売最新刊◆
・内向型三部作:『“内向型”のための雑談術―自分にムリせずラ
 クに話せる51のルール』大和出版
http://www.amazon.co.jp/dp/4804717544/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
・「しゃべらない営業」シリーズ:『営業は口ベタ・あがり症だか
 らうまくいく』日本能率協会マネジメントセンター
http://www.amazon.co.jp/dp/4820717804/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22
左利きの人の生き方においても大いに共通点が見い出せる
『内向型人間の人づきあいにはコツがある』大和出版
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左利きの不便さを綴った、「渡瀬けん」名義の売れ行き好調
 『左利きの人々』中経の文庫 それぞれの著者で左利き仲間、
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