2009/02/28
レフティやすおの楽しい読書0902(No.14)『学問のすゝめ』
■―発行部数 300部超! レフティやすおのもう一つのメルマガ、 日本唯一の、左利きによる、右利きと左利きのための、左利きの "現役"メルマガ:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』― ■ご登録は → http://archive.mag2.com/0000171874/index.html ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< レフティやすおの楽しい読書 ― 読書で豊かな人生を! ― ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< 本日も、 若い頃は本屋の店員だった本好きのレフティやすおといっしょに、 このメルマガ「レフティやすおの楽しい読書」を通して、 古今東西の古典、名作・名著から選りすぐった一冊にふれ、 豊かな人生の時をすごしましょう。 読書とは、他人(ひと)様の人生を追体験することです。 そこから何かを学ぶか、ひと時の愉快な時間をすごすか、 それは人それぞれ。 自分なりの楽しみ方でいいのです。 まずは楽しい読書を心がけましょう。 ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< 2009(平成21)年2月号(No.14)-090228- 『学問のすゝめ』新時代の国民教科書 ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『学問のすゝめ』 1872[明治5]-1876[明治9], 合本1980[明治13] 福沢諭吉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『学問のすゝめ』は、前年(1871[明治4]年)に出版された スマイルズ著"Self-Help"の中村正直訳『西国立志編』と並んで、 明治初期の一大ベストセラーであり、 新時代の国民教科書として、広く読まれました。 一時は、役割を終えた過去の歴史的遺産のように 扱われたようですが、昨今では再び、 現代にも通用する生きた思想の書として評価されています。 人が人を差別するということを、私は諸悪の根源であると思 っている。「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくら ず」という福沢諭吉の思想には、諸手をあげて賛成したい。/ ... 我慢のならないことがいっぱいあった。人は成長し、大人 になるにつれて、そういう世の中だと割り切ったり、諦めたり していくが、私にはそれができずに今日に至っている。人種や 家柄や学歴などで人間を判断することを、私は今日まで、徹底 してやらなかった。 本田宗一郎『やりたいことをやれ』PHP研究所(2005) 「第二章 得手に帆あげて/諸悪の根源」60p 福沢諭吉は「初段は掃除破戒の主義にして、第二段は建置経 営の主義なり」と記したことがあるが、「学問のすゝめ」はこ の初段に属する第一書といえる。これより以前の福沢といえば、 西洋事情の紹介、新知識の普及を主眼とするものにとどまり、 イデオロギー的な思想闘争ともいうべきものは、まだ企てられ てはいなかった。/... 新政府の果断なる実行をみて、福沢は 新しい希望と抱負をもち、新しい日本の思想的指導者の任務を 自らに課する気持ちに進んできた。「全国の人心を根底から転 覆して」という誓願が形となって現れたのが「学問のすゝめ」 だ。 『産経新聞』朝刊・平成20年(2008年)9月24日水曜日<国際>面 李登輝元総統の沖縄・宜野湾での講演 「学問のすゝめと日本文化の特徴」要旨より 『学問のすゝめ』の冒頭の一文はよく知られています。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといえり」 天賦平等の思想です。 人に差がつくのは、ひとえに勉強するかどうか、 学問の差だといいます。 学問といっても、単なる教養的な学問ではなく、 実用性のある、あるいは実証的な学問―「実学」です。 (初編) 文字を読むことだけが学問ではない、 世帯も、帳合(簿記)も、時勢を察するのも学問だ、と。 (第二編) そして、国民一人一人が「その分を尽くし、銘々の家業を営み、 身も独立し、家も独立し、天下国家も独立すべきなり。」 といいます。(初編) これこそが、福沢諭吉の生涯を貫く思想であった、と思います。 国民一人一人が学問の力により経済的に自立し、国を支え、 欧米列強の支配下に陥ることなく、日本の独立を果たす。 晩年は、「独立自尊」という言葉に表された精神です。 また、第八編には、 「わが心をもって他人の身を制すべからず」といい、 心身の自由を説いています。 ここでは、男尊女卑の悪習について、妾について、 家父長制度の悪弊についてもふれています。 というように、 士農工商に代表されるような封建的身分制度の時代から、 万民平等の新時代の到来をうたい、 国民意識を植え付け、日本国家の独立と存続を願う、 諭吉の啓蒙思想家としての思想を平易に表した名著です。 学制の発布にともない、新時代を生きるための教科書として、 広く国民の間に親しまれ、支持されたのです。 現代においても、複雑に錯綜する諸外国の様々な思惑の中で、 国家としてのあり方を問われるとき、 国民として、一人の人間としてどうあるべきかを考える 良き参考書でもあると思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【付録】『学問のすゝめ』と福沢諭吉を知るために ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 原典を読む: ★『学問のすゝめ』伊藤正雄/校注 講談社学術文庫1759(2006) 明治の初め、諭吉が小学生にも読めるようにと書いた本書も、時 代とともに、青少年には読みにくいものとなっているとして、ル ビや注、および福沢の全貌を捉えられるように解説を付したもの。 1979年旺文社文庫版が初出。 http://www.amazon.co.jp/dp/4061597590/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『学問のすすめ』 岩波文庫(改版1996) http://www.amazon.co.jp/dp/4003310233/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福沢諭吉「学問のすすめ」』佐藤きむ/訳 坂井達朗/解説 角 川ソフィア文庫330・ビギナーズ日本の思想(2006) 現代語訳。参考資料として『福澤諭吉全集緒言』「学問のすすめ」 を付す。読書案内等もあり、初心者向けに編集。 http://www.amazon.co.jp/dp/4043073038/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『学問のすすめ 現代語訳』斎藤孝/訳 ちくま新書766(2009) 諭吉に学ぶ『座右の諭吉』の著者で教育学者による現代語訳。 http://www.amazon.co.jp/dp/4480064702/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『学問のすすめ―自分の道を自分で切り開くために』岬竜一郎/訳 ・解説 PHP文庫(2008) 『武士道』や『論語』の現代語訳もある著者による現代語訳。 http://www.amazon.co.jp/dp/4569665934/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『学問のすすめ』バラエティ・アートワークス/企画・漫画 イー スト・プレス(2008) マンガ版「福沢諭吉物語」「学問のすすめ」。 http://www.amazon.co.jp/dp/4872579097/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ● 他の福澤諭吉の著作を読む: 『福澤諭吉全集』全21巻 小泉信三/監修 富田正文・土橋俊一/編 岩波書店(1958-64) 福沢諭吉が生前に出版した全集と、その後の著作を追加した石河 幹明編纂の大正、昭和期の全集を基とし、さらに新資料を追加、 再編集したもの。 『福澤諭吉選集』全14巻 富田正文・土橋俊一/編 岩波書店(1980- 81) 現代仮名遣いに改め、テーマ別に編集し、詳細解説を付す。 『福澤諭吉著作集』全12巻 慶應義塾大学出版会 『福沢諭吉書簡集』全9巻 慶応義塾/編 岩波書店 ―以上、筆者未読。 ★『福翁自伝』富田正文/校注 慶應義塾大学出版会(2001) 現代仮名遣いの岩波文庫版に更なる詳細な注を付した決定版。 http://www.amazon.co.jp/dp/4766408381/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『新訂 福翁自伝』富田正文/校訂 岩波文庫(1978) http://www.amazon.co.jp/dp/4003310225/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福翁自伝 新版』昆野和七/校訂 角川ソフィア文庫382(2008) 新たに発見された諭吉の直筆原稿による。 http://www.amazon.co.jp/dp/4043073046/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『文明論之概略』松沢弘陽/校注 岩波文庫(1995) 漢学の素養のある専門家に向けた、『学問のすゝめ』と並ぶ諭吉 の代表的名著。 http://www.amazon.co.jp/dp/4003310217/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福沢諭吉教育論集』山住正己/編 岩波文庫(1991) 『学問のすゝめ』の原型ともいうべき「中津留別の書」、時代に あった教育を勧める「小学教育の事」、当時としては斬新な現代 にも通用する男女同権を謳った「新女大学」、創立の趣旨を説明 する「慶応義塾の記」など、その初期から『時事新報』社説まで 諭吉の教育に関する論文集。巻末付録:世界の様子を描いた地理 および歴史紹介の書「世界国尽」の一部を収録。 http://www.amazon.co.jp/dp/4003310241/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『福沢諭吉の手紙』慶応義塾/編 岩波文庫(2004) 筆者未読。政治家・実業家や友人家族にあてた福沢諭吉の手紙 118通を収録。 『明治十年丁丑公論・瘠我慢の説』講談社学術文庫(1985) 筆者未読。(丁丑..)新政府と衝突した西郷隆盛擁護論(瘠我慢 ..)幕臣ながら新政府で活躍した勝海舟・榎本武揚批判の書。 ほかに、上級士族と下級士族の実情にふれた「旧藩情」を収録。 『女大学評論・新女大学』林望監修 講談社学術文庫1472(2001) 筆者未読。明治初年から一貫して男女同権を説いてきた。 『福翁百話』岩松研吉郎/現代語訳 三笠書房(2002) 筆者未読。『時事新報』連載、晩年の人生訓の現代語訳。 ● 福澤諭吉を知るために: ★『福沢諭吉』小泉信三/著 岩波新書 青版590(1966) 幼年期に晩年の諭吉と接した著者が、客観的叙述に徹した評伝。 ヨーロッパ外遊の際に接したアジア諸国民の姿に危機感を抱いた 国家独立のための国権論者であったとする。 http://www.amazon.co.jp/dp/4004131162/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『私の福澤諭吉』小泉信三/著 講談社学術文庫(1991) 岩波新書の客観的叙述に対して子弟間のpietyに基づく私的評伝。 http://www.amazon.co.jp/dp/4061589598/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福沢諭吉 国民国家論の創始者』飯田鼎/著 中公新書722 (1984) 様々な顔を持つといわれる福澤諭吉を国民国家論者と見る評伝。 http://www.amazon.co.jp/dp/4121007220/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『福沢諭吉 人と思想21』鹿野政直/著 清水書院Century Books (1967) 明治14年の政変頃から民主主義から資本主義の富国強兵へと転向 したという批判的な立場から諭吉の思想と行動を説く評伝。 http://www.amazon.co.jp/dp/4389410210/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』北康利/著 講談社(2007) 明治を代表する思想家・教育者、そしてベンチャー起業家として の諭吉など、マルチに捉えなおした読みやすい力作伝記。 http://www.amazon.co.jp/dp/4062138840/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『福沢諭吉伝説』佐高信/著 角川学芸出版(2008) 明治を代表する思想家・教育者である諭吉が育てた、福沢山脈に つながる人々を追いながら、諭吉の実像と業績に迫る人物紀行。 『夕刊フジ』2008年3月-9月連載をまとめたもの。 http://www.amazon.co.jp/dp/4046213876/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『福沢諭吉のレガシー(贈りもの)』柴田利雄/著 丸善(2005) 慶應高校の教師による、わかりやすく読みやすい初歩的諭吉伝。 http://www.amazon.co.jp/dp/4621075977/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『福沢諭吉と中江兆民』松永昌三/著 中公新書1569(2001) 同じ1901年に没した明治を代表する二人の思想家・教育家を対比 しながら論じる。 ★『福沢諭吉の真実』平山洋/著 文春新書394(2004) 石川幹明による『福沢諭吉伝』及び編纂した大正版『福沢全集』 ・昭和版『続福沢全集』に収録した『時事新報』論説は、石川の 筆になる石河の思想であり、諭吉の関与したものではないという。 後期の侵略主義者、全体主義的思想家とされた諭吉の姿を覆す。 http://www.amazon.co.jp/dp/4166603949/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『座右の諭吉 才能より決断』斎藤孝/著 光文社新書176(2004) 『福翁自伝』からカラリとした前向きの生き方・考え方を学ぶ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4334032761/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ※ 福沢諭吉に関する著作は数多く、そのなかから筆者が目にした もののみを挙げています。 *『学問のすゝめ』以外の福沢諭吉の作品は、 またいずれ機会を見て紹介します。お楽しみに! *『レフティやすおの本屋』 「新しい生活のために/日本古典編」の棚 http://myshop.7andy.jp/myshop/lefty-yasuonohonya/-/shelf_id/08 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次号(3月)の予定 :『地底旅行』ジュール・ヴェルヌ驚異の旅 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※「別冊 編集後記」〜『レフティやすおの作文工房』〜 『学問のすゝめ』新時代の国民教科書 ―第14号「楽しい読書」別冊編集後記 http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10213875957.html ●『まぐネット!』 「レフティやすおの楽しい読書」コミュニティ http://magnet.mag2.com/pc/page_c_home/486 古典の名著名作について、読書について、 このメルマガについて語り合いませんか。 ----------------------------------------------------------- ◆ 弊誌「楽しい読書」が 以下の各誌で紹介されました! ----------------------------------------------------------- ビジネス本 『営業ビジネスマナー超入門』日本実業出版社 『ドキドキ初回営業の極意』中経出版 『知らずに差をつける!絶対成功する営業術』日本文芸社 左利きの不便さを綴った、「渡瀬けん」名義の今売れ行き好調の 『左利きの人々』中経の文庫 の著者で左利き仲間、 無口営業の達人・渡瀬謙氏の殿堂入りメルマガ ●『営業のカンセツワザ』2008/03/13 208号「我流 文章術(2)」 http://archive.mag2.com/0000115536/20080313130000000.html まぐまぐのオフィシャルマガジン、 ●『ウィークリーまぐまぐ[エンタテイメント版]』2008/3/14号 「今週のおすすめメルマガ@エンタテイメント」コーナー http://www.mag2.com/official/wmagentr/2008/03/14.html ●『まぐまぐ!』サイト 「今週のおすすめメルマガ」2008年03月12日〜03月18日 http://www.mag2.com/wmag/osusume/osusume080312.html ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< ▼レフティやすおの<左利きを考える>メルマガ: 『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』 (レフティやすおの左組通信メールマガジン) http://www.mag2.com/m/0000171874.html http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/mm-hikkii.html ▼本のことなら: 『レフティやすおの本屋』―左利き関連本、古典入門書ほか http://myshop.7andy.jp/myshop/lefty-yasuonohonya ▼レフティやすおのホームページ: 『左利きを考える レフティやすおの左組通信』 http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/ ▼レフティやすおのブログ: 『レフティやすおのお茶でっせ』 http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/ 『「レフティやすおの本屋」店長日記』 http://yaplog.jp/lefty-yasuo/ 『レフティやすおの作文工房』 http://ameblo.jp/lefty-yasuo/ 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