2009/01/31
レフティやすおの楽しい読書 090131(No.13)『失われた世界』
■―発行部数 300部超! レフティやすおのもう一つのメルマガ、 日本唯一の、左利きによる、右利きと左利きのための、左利きの "現役"メルマガ:『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』― ■ご登録は → http://archive.mag2.com/0000171874/index.html ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< レフティやすおの楽しい読書 ― 読書で豊かな人生を! ― ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< 本日も、 若い頃は本屋の店員だった本好きのレフティやすおといっしょに、 このメルマガ「レフティやすおの楽しい読書」を通して、 古今東西の古典、名作・名著から選りすぐった一冊にふれ、 豊かな人生の時をすごしましょう。 読書とは、他人(ひと)様の人生を追体験することです。 そこから何かを学ぶか、ひと時の愉快な時間をすごすか、 それは人それぞれ。 自分なりの楽しみ方でいいのです。 まずは楽しい読書を心がけましょう。 ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< 2009(平成21)年1月号(No.13)-090131- 『失われた世界』英雄的行為としての秘境探検 ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『失われた世界―ロスト・ワールド―』The Lost World (1912) アーサー・コナン・ドイル ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 半分おとなの子供か/ 半分こどもの大人が/ ひとときを楽しまれれば/ とへたな趣向をこさえた次第 『ロスト・ワールド』新庄哲夫/訳「扉の言葉」 ハヤカワ・SF・シリーズ(1963) 以前、『トム・ソーヤーの冒険』を取り上げました時に、 その序文で著者マーク・トェインが 少年少女に喜んでもらうために書いたものだけれど、 大人も子ども時代のことを思い出して楽しんで欲しい といったことを書いている、と紹介しました。 社会学者・加藤秀俊氏も、 「子どものときに読んでもおもしろく、 いま、おとなになって読んでもおもしろい」 と書いているとも、紹介しました。 また、『星の王子さま』の献辞で著者・サン=テグジュペリは、 「子どもの本でも、なんでも、わかる人」にこの本を捧げ、 有名な言葉で結んでいます。 「だれも、はじめは子どもだった。 (しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」 ―内藤濯/訳 岩波少年文庫― そしてこの作品も、著者が言うように、 子どもの心を持つ大人、大人の心を持つ子供 がひと時を楽しむための本といえます。 「私の野心は、シャーロック・ホームズが探偵小説のためにな したことを少年たちのための本でなすにあります。私はそのよ うな成功を二度かちとれるとは思いません。しかし、この作品 がそのようなはたらきをすることを私は望んでいます」 『コナン・ドイル』ジョン・ディクスン・カー/著 大久保康雄/訳 ハヤカワ・ミステリ460(1993,原著1949) 「第十七章 幻想曲―スポーツ、顎鬚、殺人」368p ... 実に生き生きと描き出され、いかに楽しみながらこの作品 を彼自身が書いているかがわかる。/こういう途方もないイマ ジネーションに基づいた冒険物語を素直に楽しく読むことがで きるのは、ドイルがいみじくも扉の言葉で記したように「半分 大人の子供か、半分子供の大人」の人だろう。... 『コナン・ドイル ホームズ・SF・心霊主義』河村幹夫 講談社現代新書1061(1991) 「6『失われた世界』のイマジネーション」140p ・・・ 「チャンスならあなたのまわりにたくさんあってよ。わたしの いってるのは、チャンスを自分の手でつくるような人よ。... 世間には、英雄的な行為ってたくさんあるし、それをやる人を みんな待ってるんですわ。それをやるのは男の方、そして女は そういう人のために愛の報酬をとっておくのよ。... 」 『ロスト・ワールド』新庄哲夫/訳 ハヤカワ・SF・ シリーズ(1963) 「1・世間には英雄的な行為ってたくさんあるわ」15p お話は、ガールフレンドの関心を惹くために、 彼女のいう英雄的行為を求めた若き新聞記者 エドワード・ダン・マローンが、 話題の動物学者の自宅を訪問するところから始まります。 ... 最初の、そしてとりわけすぐれた長編、『失われた世界』 は、南米アマゾン河流域のとある広大な台地に、先史時代の生 物がそっくり生き残っていると主張するチャレンジャー教授の、 その地域への旅を主題とする物語である。エディンバラ大学の 解剖学教授をモデルにしたといわれる癇癪持ちのチャレンジャ ーは、いずれ劣らぬ冒険精神の主から成る探検隊を率いて、こ の失われた世界を捜しに出かける。彼らの冒険をいろどってい るのは、コナン・ドイルの人間として、作家としてのもっとも 魅力的な特徴のひとつである思弁的な発明の才であり、彼が日 常生活にはない場面を描こうとするときに、もっともよく発揮 される創造的才能である。アマゾン河流域の森林の描写は、あ る程度、著者の実際の体験にもとづくことは明らかだが、それ でいて、ある種の幻想的な趣があり、たんなる事実の模写に陥 るのを防いでいる。 『コナン・ドイル』ジュリアン・シモンズ/著 深町眞理子 /訳 創元推理文庫(1991,原著1979)「5 作家」122p 『失われた世界』に、作者は、ものすごく心をうちこんでい た。未開の高原の雷竜や類猿人や植物が、夢にまであらわれる ほどだった。彼はこの物語を、条件のゆるすかぎり、できるだ け写実的に描いて、多くの人びとが真実と思い込むようなもの にしたいと考えていた。その先史時代の密林が、どれほど真に せまったものであったかは、彼がそのような動物をさがし出し てきた研究書の著者、動物学者のランケスター博士の手紙によ っても判断できるだろう。 『コナン・ドイル』ジョン・ディクスン・カー/著 大久保康雄/訳 ハヤカワ・ミステリ460(1993,原著1949) 「第十七章 幻想曲―スポーツ、顎鬚、殺人」366p とにかく面白いこと面白いこと! ホームズものの長編や歴史小説でも ストーリイ・テラーぶりを発揮しているドイルですが、 ホームズものの短編での名推理とは全く違った爽快さです。 また、登場人物たちが生き生きと描かれていて、 自然にページをめくってしまいます。 チャレンジャー教授。そして『失われた世界』。/この名前 を、なんら歓喜の情熱を感じることなく書くことのできる年代 記作家があるとすれば、その魂は、おそらくひからびた乾葡萄 みたいなものにちがいない。チャレンジャー! エドワード・ マローン! ジョン・ロックストン卿! サマリー教授! こ のへんで感嘆符はやめにしよう。これらの名前は、『三銃士』 のように、たがいにつなぎあわされるし、また三銃士のように、 そのすべてがわれわれの愛情をとらえている。それらのヒーロ ーたちは、われわれ少年時代に不滅の存在であったばかりでな く、中年時代にいたっても、すこしももうろうとした存在とは なっていない。 (同上)365-366p さて、この冒険から凱旋した四人を待っていたのは、 熱狂的なお出迎えでした。 しかし、この物語の語り手である、 肝心のマローンを待っていたのは、悲しい現実でした! 愛するガールフレンドは平凡な事務員と結婚していたのです。 (これだから女は信用できない…!?) ちなみに、この本が刊行された数年後、 実際にアメリカの探検隊がアマゾン奥地に派遣されたそうです…。 ・・・ 現在、ドイルのSFですぐにでも手に入るものといえば、 この一作ぐらいでしょう。 私にとっては、悲しいことですが、 まあ、実際に読んで面白いのは、この一作に尽きる といっても過言ではありません。 でも、逆にいいますと、この一作こそは、 「読むに値する一作」である、ともいえるでしょう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【付録】『失われた世界』を探検するために ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 原典を読む: ★『失われた世界』龍口直太郎/訳 創元SF文庫(1969) 現在一番簡単に入手できるもの。 http://www.amazon.co.jp/dp/4488608027/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『失われた世界』永井淳/訳 角川文庫(1967) 『地球最後の日』とともに昔懐かしい、筆者が最初に読んだ角川 文庫版。大人向けの本を読んだ一番最初の本でもある。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000JA71VC/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『ロスト・ワールド』新庄哲夫/訳 ハヤカワ・SF・シリーズ (1963) 筆者が最近古書店で手に入れた本。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000JAIPSA/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『失われた世界 -ロストワールド-』加島祥造/訳 ハヤカワ文庫 SF1156(1996) 早川書房版『世界SF全集』第3巻『コナン・ドイル編』(1970) 収録作品の文庫化。 http://www.amazon.co.jp/dp/4150111561/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『悪魔の棲む台地 ロスト・ワールド』高野孝子/訳 小学館 地球人ライブラリー011(1995) 筆者未見。最も新しい翻訳本か。 http://www.amazon.co.jp/dp/409251011X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ◆『人外魔境(ロストワールド)の秘密』横田順彌/著 新潮文庫 (1991) 日本SFの父、『海底軍艦』の著者・押川春浪率いる探検隊が、 チャレンジャー教授一行と入れ違いにメープル・ホワイト台地で 繰り広げる冒険談。 http://www.amazon.co.jp/dp/4101421048/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ● その他のコナン・ドイルの作品を読む: 【SF】 『世界SF全集』第3巻『コナン・ドイル編』早川書房版(1970) 加島祥造/訳『失われた世界 -ロストワールド』、斉藤伯好/訳 『マラコット海淵』、永井淳/訳「毒ガス帯」「物質分解機」 「地球の叫び」。『霧の国』をのぞくドイルの全SFを収録。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000J98C70/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『地球最後の日』永井淳/訳 角川文庫(1967) 地球が宇宙空間を漂う毒ガスの帯に突入する危機に立ち向かう長 編「地球最後の日」(原題The Poison Belt 毒ガス帯)と短編 「分解機」「地球の叫び」収録。<チャレンジャー教授>もの。 『失われた世界』とともに昔懐かしい角川文庫版。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000JA6REY/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 『毒ガス帯』龍口直太郎/訳 創元SF文庫(1971/原著1913) 表題作「毒ガス帯」他、「地球の悲鳴」「分解機」を収録。 『霧の国』創元SF文庫(1971/原著1925) 心霊現象を扱った<チャレンジャー教授>もの。 『マラコット深海』大西尹明/訳 創元SF文庫(1963/原著1927) 深海探検。生物学者<マラコット博士>もの。大西洋の海底に沈 んだ幻の大陸アトランティスの子孫とその奇怪な最期を描く。 【シャーロック・ホームズもの】 ・日暮雅通/訳 光文社文庫 <新訳シャーロック・ホームズ全集> 全9巻 シャーロック・ホームズの冒険 シャーロック・ホームズの回想 緋色の研究 シャーロック・ホームズの生還 四つの署名 シャー ロック・ホームズ最後の挨拶 バスカヴィル家の犬 シャーロック ・ホームズの事件簿 恐怖の谷 ・延原謙/訳 新潮文庫 全10巻 シャーロック・ホームズの冒険 シャーロック・ホームズの思い 出 シャーロック・ホームズの帰還 シャーロック・ホームズ最後 の挨拶 シャーロック・ホームズの事件簿 シャーロック・ホーム ズの叡智 緋色の研究 四つの署名 バスカヴィル家の犬 恐怖の谷 ・ベアリング‐グールド/解説と注 小池滋/監訳 <詳注版シャーロック・ホームズ全集> 全10巻・別巻 ちくま文庫(1997-98) 他、創元推理文庫版、ハヤカワ・ミステリ文庫版等があります。 【その他の小説】 <ドイル傑作集> 創元推理文庫 北原尚彦・西崎憲/編 1 まだらの紐(2004) 2 北極星号の船長(2004) 3 クルンバーの謎(2007) 4 陸の海賊(2008) <ドイル傑作集> 新潮文庫 延原謙/訳(2006-07改版) 1 ミステリー編 2 海洋奇談編 3 恐怖編 <歴史ロマン> 『勇将ジェラールの回想』上野景福/訳 創元推理文庫(1971/原著1896) 『勇将ジェラールの冒険』上野景福/訳 創元推理文庫(1963/原著1903) ドイルの歴史ものの中で、もっとも面白いとされる連作シリーズ。 『白衣の騎士団』上・下 笹野史隆/訳 原書房(1994,原著1891) 『ナイジェル卿の冒険』上・下 笹野史隆/訳 原書房(1994,原著1906) 『ナポレオンの影』笹野史隆 原書房(1994,原著1893) <その他> 『スターク・マンローからの手紙』田中喜芳/訳 河出書房新社 (2006,原著) 16通の手紙で綴られた、貧しい青年医師を主人公とした自伝的色 彩の強い、ドイル36歳のときの小説。カトリックを離れた人生観、 宗教観が色濃く出ていて興味深いドイルの異色の一作。 http://www.amazon.co.jp/dp/4309204546/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 【心霊関係】 『コナン・ドイルの心霊ミステリー』小泉純/訳 ハルキ文庫(1998) 『コナン・ドイルの心霊学 新装版』近藤千雄/訳 潮文社(2007) 【自伝】 『わが思い出と冒険 コナン・ドイル自伝』延原謙/訳 新潮文庫 自叙伝。 http://www.amazon.co.jp/dp/410213414X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ―【その他の小説】<歴史ロマン>の多くと【心霊関係】、 および「自伝」は、筆者未読。 ● コナン・ドイルを知るために: ★『コナン・ドイル』ジョン・ディクスン・カー/著 大久保康雄 /訳 ハヤカワ・ミステリ(1993) 本格推理小説界の巨匠が二年の歳月をかけた、小説のように楽し く読める、ポケットブック版二段組500ページの本格的伝記。 http://www.amazon.co.jp/dp/4150004609/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『コナン・ドイル』ジュリアン・シモンズ/著 深町眞理子/訳 創元推理文庫(1991,原著1979) ミステリ作家の伝記でも定評のある現代英国推理小説界の巨匠に よる図版を多用した見て楽しいコンパクトな伝記。 http://www.amazon.co.jp/dp/4488100066/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ★『コナン・ドイル ホームズ・SF・心霊主義』河村幹夫/著 講談社現代新書(1991) ロンドン・シャーロック・ホームズ協会員による伝記。 http://www.amazon.co.jp/dp/4061490613/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22 ―シャーロック・ホームズに関するものなどは、非常に多く、 すべて割愛します。 (★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。) *『失われた世界』以外のコナン・ドイルの作品は、 またいずれ機会を見て紹介します。お楽しみに! *『レフティやすおの本屋』支店・海外名作文学館「英米文学2」 http://myshop.7andy.jp/md_fair/foreignbooks/lefty-yasuonohonya/-/shelf_id/09 支店・名作ミステリ「名探偵シャーロック・ホームズ」 http://myshop.7andy.jp/md_fair/mistery_genryu/lefty-yasuonohonya/-/shelf_id/04 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 次号(2月)の予定 : 『学問のすゝめ』新時代の国民教科書 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ※「別冊 編集後記」〜『レフティやすおの作文工房』〜 2009.1.31『失われた世界』英雄的行為としての秘境探検 ―第13号「楽しい読書」別冊編集後記 http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10199935950.html ●『まぐネット!』 「レフティやすおの楽しい読書」コミュニティ http://magnet.mag2.com/pc/page_c_home/486 古典の名著名作について、読書について、 このメルマガについて語り合いませんか。 ----------------------------------------------------------- ◆ 弊誌「楽しい読書」が 以下の各誌で紹介されました! ----------------------------------------------------------- ビジネス本 『営業ビジネスマナー超入門』日本実業出版社 『ドキドキ初回営業の極意』中経出版 『知らずに差をつける!絶対成功する営業術』日本文芸社 左利きの不便さを綴った、「渡瀬けん」名義の今売れ行き好調の 『左利きの人々』中経の文庫 の著者で左利き仲間、 無口営業の達人・渡瀬謙氏の殿堂入りメルマガ ●『営業のカンセツワザ』2008/03/13 208号「我流 文章術(2)」 http://archive.mag2.com/0000115536/20080313130000000.html まぐまぐのオフィシャルマガジン、 ●『ウィークリーまぐまぐ[エンタテイメント版]』2008/3/14号 「今週のおすすめメルマガ@エンタテイメント」コーナー http://www.mag2.com/official/wmagentr/2008/03/14.html ●『まぐまぐ!』サイト 「今週のおすすめメルマガ」2008年03月12日〜03月18日 http://www.mag2.com/wmag/osusume/osusume080312.html ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><>< レフティやすおの楽しい読書/発行人:レフティやすお 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 読者登録の解除(配信中止)はこちら ↓ http://www.mag2.com/m/0000257388.html http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/tanosiidokusho.html ご意見・ご感想はこのメルマガに返信、または ↓ http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/an.mail.html Copyright(c) 2008 by L.YASUO ><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><


