2008/04/30
レフティやすおの楽しい読書 08/04(No.4)星になった少年『星の王子さま』
おらが自慢! c(^0^)y ハーイ! 「レフティやすおの楽しい読書」
殿堂入りメルマガ『営業のカンセツワザ』、まぐまぐオフィシャル
マガジン『ウィークリーまぐまぐ/エンタテイメント版』で紹介!
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
レフティやすおの楽しい読書
― 読書で豊かな人生を! ―
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
本日も、
若い頃は本屋の店員だった本好きのレフティやすおといっしょに、
このメルマガ「レフティやすおの楽しい読書」を通して、
古今東西の古典、名作・名著から選りすぐった一冊にふれ、
豊かな人生の時をすごしましょう。
読書とは、他人(ひと)様の人生を追体験することです。
そこから何かを学ぶか、ひと時の愉快な時間をすごすか、
それは人それぞれ。
自分なりの楽しみ方でいいのです。
まずは楽しい読書を心がけましょう。
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
2008(平成20)年4月号(No.4)-080430-
星になった少年『星の王子さま』
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
星になった少年『星の王子さま』
サン=テグジュペリ/作『星の王子さま』(1943)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これが、ぼくにとっては、この世の中で一ばん美しくって、
一ばんかなしい景色です。... 王子さまが、この地球の上にす
がたを見せて、それからまた、すがたを消したのは、ここなの
です。(155p)
サン=テグジュペリ/作『星の王子さま』内藤濯/訳
岩波少年文庫(1953,1966改版)
立花 ... 砂漠の野宿というのは、一種の宇宙体験ですね。...
ほんとに星が降るようなという表現はこういうことかという
感じなんです。... どこにも電気も何も明りがない。周囲に
何もない。音も、風の音しか聞こえない。することが何もな
いから、地面にあお向けになって、寝付くまで降るような星
を黙ってみている。/そのとき世界の大宗教の三つ(ユダヤ、
キリスト、イスラム)までこの地で生まれたわけがわかるよ
うな気がしました。そうやっていると、神とか宇宙とか、深
遠なものに思いをこらさなくてはいられない気がしてくる。
... これはやっぱり荒涼たる自然の中に放り出された個人と
いう関係があって初めて感じられた体験だと思うんです。
(190p)
立花 要するに自然の中にたった一人で放り出されてあるとい
うことは、人間の精神に対して、こんなに大きな働きをする
のかということは、実感させられましたね。(186p)
「宇宙飛行士と空海」立花隆
『宗教と日本人 司馬遼太郎対話選集8』文春文庫(2006)
・・・
初めてこの物語と出会ったのは、小学校の教科書でした。
教室のある校舎が南北だった記憶があるので、
五年か六年のときです。
おもしろいことを考える人がいるのだなあ、
というのが最初の感想でした。
ウワバミにのまれた象の絵、のことです。
そして、大人はわかってくれない、
という結論を出す著者に共感しました。
そうだ、その通りだ。
大人は子供の気持ちなんかわかってくれない。
当時の私は、左利きの子供でした。
もちろん今は、左利きの大人です。
左利きであることに何かしら引け目を感じていた
一方、
「左利きの悩みを大人はわかってくれない」であろう
と感じていた子供でもありました。
・・・
最初に通して読んだのは、21歳のときでした。
その時は単に悲しい物語という印象でした。
悲しいけれど、それゆえに美しい物語。
ラストシーンの砂漠の上に星が一つ輝くイラスト。
あのシーンが心に残っています。
砂漠というところは、不思議な世界だそうです。
星が降る場所だそうです。
王子さまが降りてきてもおかしくない。
そういう場所のようです。
『人間の土地』という本を読みますと、
サン=テグジュペリは、
砂漠に不時着した実体験を持っているそうです。
それ以前にも、
飛行機で何度も砂漠の上を飛んでいたそうです。
アフリカの人里離れた
砂漠の端にある飛行場で勤務していたこともあるそうです。
そうして、
飛行機に乗っているとき、
地上の明りに人間の営みを見たそうです。
そういう砂漠での経験―機上での経験が
彼をして思索家に育てたのでしょうか。
・・・
「... <飼いならす>って、それ、なんのことだい?」/「よ
く忘れられてることだがね。<仲よくなる>っていうことさ」
「... あんたが、おれを飼いならすと、おれたちは、もう、お
たがいに、はなれちゃいられなくなるよ。あんたは、おれにと
って、この世でたったひとりのひとになるし、おれは、あんた
にとって、かけがえのないものになるんだよ……」(107p)
「... めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。
まもらなけりゃならないんだよ、バラの花との約束をね……」
と、キツネはいいました。(116p)
『星の王子さま』内藤濯/訳
今回改めて読んで感じたことは、
バラとは祖国フランスを表し、
祖国を愛する(関係を持つ=飼いならす)者には
祖国を守る責任がある
のだと、最期まで戦う操縦士として生きたいと願った男の物語だ、
ということでした。
そして、彼はその責任を果たさんとして、
思い半ばで星になってしまった、のでした。
この物語は、彼の人生の象徴であり、
祖国(と、そこで解放を待つ友)に捧げる物語
でもあったのでしょう。
・・・
この物語は、
そんなふうに色々な読み方ができる寓話のような、
不思議な童話です。
子供のために書かれたはずの、
でも子供の心を持った大人のために書かれた物語
でもあるのです。
... だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘
れずにいるおとなは、いくらもいない。)...
『星の王子さま』献辞(内藤濯/訳)
そういえば、第二号で紹介した『トム・ソーヤーの冒険』の序文で、
著者マーク・トウェインは
この本を書いたのは、
大人にも子供時代のことを楽しく思い出してもらおう
というつもりだったからだ、と書いていました。
いつまでも子供だったことを忘れない大人でいたい…
ような気がします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【付録】『星の王子さま』をもっと深く楽しむために
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●『星の王子さま』を読む:
『星の王子さま』内藤濯/訳 岩波少年文庫(1953,2000新版)
いわずとしれた『星の王子さま』の定番。さすがに今読むと言い
回しの古い部分が見られる。でも、すばらしい翻訳。生誕百年の
2000年新版ではアメリカ初版本に基づき挿絵を改めた。
★『星の王子さま』内藤濯/訳 岩波書店 愛蔵版(2000)
オールカラーのきれいな文字通り愛蔵版にふさわしい本。アメリ
カ版に基づく生誕百年記念の改訂版。巻末に草稿や素描を収録。
『星の王子さま』内藤濯/訳 岩波書店 オリジナル版(2000)
サン=テグジュペリの生前に、アメリカで発行されたものの日本
語版。新書サイズ。
《新訳版》
★『星の王子さま』倉橋由美子/訳 宝島社(2005)、文庫版(2006)
縦組み。大人向け。この翻訳ののち倉橋由美子も王子さまのあと
を追って星になった。「飼いならす」にまつわる巻末解説は納得。
★『小さな王子さま』山崎庸一郎/訳 みすず書房(2005)
横組み。大人向け。日本におけるサン=テグジュペリ研究の第一
人者による新訳。訳注が豊富で、読み解く上で参考資料となる。
★『星の王子さま』河野万里子/訳 新潮文庫(2006)
縦組み。中高生から読める翻訳。お手ごろ本。
『星の王子さま』池澤夏樹/訳 集英社文庫(2005)
お安いがオールカラー版ではない。ポケットサイズの愛蔵版あり。
『ちいさな王子』野崎歓/訳 光文社古典新訳文庫(2006)
縦組み。大人向け。
『星の王子さま』稲垣直樹/訳 平凡社ライブラリー562(2006)
縦組み。子供向けにも対応した翻訳。解説で原文にふれている。
『プチ・プランス 新訳星の王子さま』川上勉・廿楽美登利/訳
グラフ社(2005)
横組み。大人向け。カタカナのタイトル採用。後半に原文掲載。
『「新」訳星の王子さま』辛酸なめ子/訳・絵 コアマガジン(2005)
原書の挿絵と文を基に辛酸なめ子の絵と翻訳で綴る、「超」訳な
らぬ「跳」訳(跳んでる訳?)とでもいうべき「新」訳本。
他多数…
新訳本には、いくつかの相違点がある。それは、書名であったり
(内藤訳に敬意を表し、日本では馴染みの従来のものを使う場合
や、作者の思いを酌んで原題にこだわったものなど様々。)、読
者対象であったり、翻訳上の言葉の選択であったり、縦組み横組
みといった文章の印刷の組み方だったりする。それぞれ趣向を凝
らしたものが各社から多数出ている。選ぶ権利は読者にある。
「大人向け」としたものは、子供が読めないということではなく、
大人が読む本を意識した翻訳や解説が施されているということ。
他に絵本版なども各種出ている。
● 『星の王子さま』とサン=テグジュペリに関する本:
★『星の王子とわたし』内藤濯/著 文春文庫(1976) 丸善(2006)
『星の王子さま』日本初紹介者による伝記を含む「星の王子・サ
ン=テックス」にまつわるエッセー。
『星の王子さまの世界』塚崎幹夫/著 中公新書(1982),中公文庫
(2006)
『星の王子さま』読み解き本。
★『バラの回想 夫サン=テグジュペリとの14年』コンスエロ・ド・
サン=テグジュペリ/著 香川由利子/訳 文芸春秋(2000)
コンスエロの没後20年、サン=テグジュペリの生誕百年を機に
初めて公開された『星の王子さま』のバラのモデルとも言われる
妻コンスエロの手になる夫サン=テグジュペリとの愛の回想記。
★『サン=テグジュペリ 伝説の愛』アラン・ヴィルコンドレ/著
鳥取絹子/訳 岩波書店(2006)
著者は『バラの回想』の序文を書いた伝記作家。同書からのコン
スエロの言葉を引用し、コンスエロの遺したサン=テックスにまつ
わる手紙や写真、遺品をちりばめて綴る二人の愛の伝記。
★『「星の王子さま」の誕生 サン=テグジュペリとその生涯』
ナタリー・デ・ヴァリエール/著 山崎庸一郎/監修 南条郁子/訳
創元社「知の再発見」双書89―絵で読む世界文化史(2000)
サン=テックスと仲がよかったといわれる妹の孫娘にあたる美術史
家の手になるミニ伝記。写真、イラスト等図版が豊富で見て楽しい。
★『星の王子さまを探して』ポール・ウェブスター/著 長島良三/
訳 角川文庫(1996)
人間サン=テックスを知ることができる伝記。
『サン=テグジュペリの生涯』ステイシー・シフ/著 桧垣嗣子/訳
新潮社(1997)
二段組約500ページの大作。女性関係にも踏み込んだ克明な伝記。
『『星の王子さま』のひと』 山崎庸一郎/著 新潮文庫(2000)
日本におけるサン=テックス研究の第一人者による<人と作品>。
新潮選書版(1971)にその後の伝記などを参照、一部加筆。
『サン=テグジュペリの世界 星と砂漠のはざまに』リュック・エス
タン/著 岩波書店(1990) 原著1956,1989改訂版
カトリックの詩人・小説家・批評家による宗教思想的な読み解き
に基づく著作引用で語らせる文学論。「人名注」が役立つ。
★『サン=テグジュペリ』稲垣直樹/著 清水書院 Century books
人と思想109 (1992)
社会学的な視点から作品を通してその人と思想に迫る。「遅れて
きた貴族の子」「円環の時間」といった捉え方が興味深い。
『星の王子さま最後の飛行』ジャン=ピエール・ド・ヴィレル/著
河野万里子/訳 竹書房(2003)
1944年偵察飛行中行方不明となったサン=テックスと当時交信し
ていたというドイツ空軍パイロットの回想。
『サン=テグジュペリ 大切なことを忘れない「少年力」』
斎藤孝/著 大和書房 <斎藤孝の天才伝 2>(2006)
サン=テグジュペリの人と文学の早分かり入門書。
『「星の王子さま」賛歌』岩波書店編集部/編 岩波ブックレット
NO.179(1990)
各界著名人による賛歌、サン=テグジュペリの言葉など。
● サン=テグジュペリのその他の著作:
★『夜間飛行』堀口大學/訳 新潮文庫(1994改版)
人妻に恋し駆け落ちしたベルニス、しかし彼を待っていたのは…。
フランス=アフリカ定期路線を飛ぶ郵便飛行士のロマンスを描く
処女作というべき『南方郵便機』(1929)、常に冷静な判断を求め
る支配人リヴィエールが印象的な『夜間飛行』(1931)を収める。
★『人間の土地』堀口大學/訳 新潮文庫(1998改版)
飛行士としての体験から紡ぎだされたサン=テクジュペリの思索
の成果。後の「星の王子さま」につながる要素も秘めている。
『戦う操縦士』堀口大学/訳 新潮文庫(1977)絶版
★ サン=テグジュペリ・コレクション(全7巻)みすず書房
『1 南方郵便機』2000.6
郵便飛行士のロマンス。
『2 夜間飛行』2000.7
ヨーロッパからアフリカ経由南米航空郵便路線開拓の物語。
『3 人間の大地』2000.8
フランスでの初版刊行時には収録されていなかった(アメリカ版
で追加された)「飛行士と自然の力」の一章を収録。
『4 戦う操縦士』2000.9
第二次大戦下、偵察飛行に出撃した際の思索の書。
『5 平和か戦争か 戦時の記録 1』2001.1
原書名:Ecrits de guerreの抄訳。“戦時の記録”全3冊は、
ミュンヘン協定(1938)の直後にはじまり、第二次大戦勃発後のサ
ン=テグジュペリの最後の日々をたどる資料、証言を収める。
『6 ある人質への手紙 戦時の記録 2』2001.3
『戦時の記録』第二巻、1942年から1943年まで。
『7 心は二十歳さ 戦時の記録 3』2001.5
『戦時の記録』最終巻、1943年11月から1944年7月まで。
(★マークは、筆者のおすすめ本です。本選びの参考にどうぞ。)
*『星の王子さま』他、サン=テグジュペリの作品は、
またいずれ機会を見て紹介します。お楽しみに!
*『レフティやすおの本屋』支店「海外名作文学館」
「サン=テグジュペリ」の棚
http://myshop.7andy.jp/md_fair/foreignbooks/lefty-yasuonohonya?shelf_id=02
「サン=テグジュペリ 2」の棚
http://myshop.7andy.jp/md_fair/foreignbooks/lefty-yasuonohonya?shelf_id=05
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次号(5月)の予定 : 空海版青年の主張『三教指帰』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「別冊 編集後記」〜『レフティやすおの作文工房』〜
古典としての『星の王子さま』
―第4号「楽しい読書」別冊編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-10092238277.html
●『まぐネット!』
「レフティやすおの楽しい読書」コミュニティ
http://magnet.mag2.com/pc/page_c_home/486
古典の名著名作について、読書について、
このメルマガについて語り合いませんか。
読者の皆様の参加お待ちしています。
xoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxox
◆ 弊誌「楽しい読書」が 以下の各誌で紹介されました!
xoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxoxox
ビジネス本
『営業ビジネスマナー超入門』日本実業出版社
『ドキドキ初回営業の極意』中経出版
『知らずに差をつける!絶対成功する営業術』日本文芸社
の著者で左利き仲間、
無口営業の達人・渡瀬謙氏の殿堂入りメルマガ
●『営業のカンセツワザ』2008/03/13 208号「我流 文章術(2)」、
http://archive.mag2.com/0000115536/20080313130000000.html
まぐまぐのオフィシャルマガジン、
●『ウィークリーまぐまぐ[エンタテイメント版]』2008/3/14号
「今週のおすすめメルマガ@エンタテイメント」コーナー
http://www.mag2.com/official/wmagentr/2008/03/14.html
●『まぐまぐ!』サイト
「今週のおすすめメルマガ」2008年03月12日〜03月18日
http://www.mag2.com/wmag/osusume/osusume080312.html
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
▼レフティやすおの<左利きを考える>メルマガ:
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
(レフティやすおの左組通信メールマガジン)
http://www.mag2.com/m/0000171874.html
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/mm-hikkii.html
▼本のことなら:
『レフティやすおの本屋』―左利き関連本、古典入門書ほか
http://myshop.7andy.jp/myshop/lefty-yasuonohonya
▼レフティやすおのホームページ:
『左利きを考える レフティやすおの左組通信』
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/
▼レフティやすおのブログ:
『レフティやすおのお茶でっせ』
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/
『「レフティやすおの本屋」店長日記』
http://yaplog.jp/lefty-yasuo/
『レフティやすおの作文工房』
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/
『レフティやすおの新しい生活を始めよう!』
http://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><
レフティやすおの楽しい読書/発行人:レフティやすお
発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
読者登録の解除(配信中止)はこちら ↓
http://www.mag2.com/m/0000257388.html
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/tanosiidokusho.html
ご意見・ご感想はこのメルマガに返信、または ↓
http://homepage3.nifty.com/lefty-yasuo/an.mail.html
Copyright(c) 2008 by L.YASUO
><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><><


