2009/10/29
現役予備校職員が語る!09~こんな生徒が合格してきた 第71回
◆●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●◆● ◆● 「現役予備校職員が語る!09 ~こんな生徒が合格してきた~」 ● 【09年度第71回 受験校の選び方 その3 滑り止め校受験の意義1】 ┃ 2009/10/29 発行(通算165回) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ カリスマ講師や東大生(卒)直伝だけが全てじゃない! 日々受験生を指導する某予備校の現役教務職員が、合格する生徒の傾向 や勉強法、予備校の選び方・生かし方などを、自らの浪人体験や勤務先 での具体例と共に紹介するメルマガです。 <毎週月・木曜日発行> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ みなさん、こんにちは。 「現役予備校職員が語る!09 ~こんな生徒が合格してきた~」 のやすと申します。タイトルの通り、現在某予備校に勤めております。 普段はなかなか聞けない(私からすると、なかなか言えない)、現職だか らこそ言える本音の部分を、正直にできる限りお話しようと思っています。 これから予備校を選んだり、大学受験のための準備をしたりする上で、 参考になれば幸いです。本日もよろしくお願いいたします。 ●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆● 【目次】 ●(1)<本日のテーマ> 09年度第71回 受験校の選び方 その3 滑り止め校受験の意義1 ◆(2)<こんな生徒が合格してきた> 21.楽をしようと思わない 前編 ●(3)<編集後記> ◆(付)メルマガポリシー ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 受験校の選び方についてのお話の、3回目の今回は、受験校を選ぶ上で重 要な位置を占める、滑り止め校を受験する意義とメリットについてお話い たします。皆さんの中には、MARCH以上の大学には行きたいと思っている 方がいると思いますが、同時に、それ以下には行きたくないので、受験し ても意味がないから受験しない、と思っている方もいると思います。でも、 MARCH以上の大学には行きたいと思うからこそ、滑り止め校の受験は大切 になるのです。今回はそのあたりを中心にご説明をしたいと思います。 ●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆● <本日のテーマ> 09年度第71回 受験校の選び方 その3 滑り止め校受験の意義1 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私個人的には、生徒1人1人にとっての「滑り止め校」を決めてあげること は、予備校職員の最大の仕事の1つだと思っています。それは、私が特に 何もしなくても、本命校は決めると思いますが、滑り止め校はなかなか決 めない、あるいは決めたくないという生徒が毎年少なからずいるからです。 そして何より、生徒によっては、滑り止めだと思っている大学が、実際に はそうなっていないこともあるからです。滑り止めになっていないという のは、「滑り止め校=これより下の大学には行きたくないギリギリの大学」 との考えに基づいて決めている場合です。この場合、もしMARCH以下の大 学には行きたくない生徒であれば、滑り止めが法政ということになります が、こう言えば滑り止めにならないという意味がお分かりいただけると思 います。ましてや、模試で法政がC判定以下であれば、「ほぼ確実に合格 できる」とはとても言えません。「滑る」、つまり不合格になることを 「止める」、つまり防ぐ役割を果たすにしてはレベルが高すぎるのです。 私が考える「滑り止め」の定義を、あえて言葉にすれば、「ほぼ確実に合 格できるだろうと実感でき、かつ、その大学のみ合格した場合、浪人する よりはその大学に入学する方がいいと思えるギリギリの大学」といったと ころでしょうか。つまり、MARCH以上の大学に行きたい生徒であれば、滑 り止めが法政というのはあくまで理想であり、希望なのです。その点を勘 違いすると、進路に大きく影響しますので注意が必要です。ただ、そこま で言っても滑り止めを考えたくない、決めたくない、行きたくないという 生徒は年々増えているように思います。よく、「その大学には受かっても 行く気はないから、受験しても意味がない」という人がいます。でも、そ のセリフはぜひ「受かってから」言ってください。それに、もしその大学 しか合格していなかったとしても、同じセリフが出るでしょうか。本当に 迷わず浪人を決める人ばかりなのでしょうか。そういう状況になれば、考 えも変わるかもしれません。私は、滑り止めを受験する最大の目的は、第 1志望校に前向きに受験できるようにすることだと思っています。そこで、 もっと具体的にお話するために、まずは、滑り止めを受験した方がいい理 由について考えてみたいと思います。 ・少子化により、選り好みしなければどこかの大学には入れるようになっ たことで、より有名校を志望する生徒が増え、有名校はむしろ入りにく くなっている。 やはり、少子化の影響で、選り好みをしなければどの大学にでも入れる時 代ですから、それなら少しでも知名度やレベルが高い大学に行きたいと誰 もが思うだろうとは思います。ただ、それと滑り止め校を受けないことと は別問題です。しかも、そんな時代ですから、なおさら浪人まではしたく ない生徒や、させたくない保護者もまた多いのです。忘れてほしくないの は、日本中の受験生が、「せめてMARCH以上」に行きたいと思っており、 そうした全国の受験生と勝負する、いわば「全国大会」で勝たないと合格 できないのだということです。ということは、大学ならどこでもいいので あればともかく、有名校なり難関校に行きたいのであれば、かえって激戦 となり、滑り止めを受けておかないと、最悪の場合、全滅してもう1年受 験勉強を余儀なくされることにもなりかねません。 その点、もし今回1校でも合格していれば、合格実績があるわけですから、 たとえ「もう1年かかってでもMARCH以上がいい」という場合でも、「今回 でさえ○○大は合格したのだから、もう1年やる以上、さらに上の大学を 目指したい」という気持ちで受験勉強ができます。でも、実績が全くなけ れば、たとえ志望校は同じでも、合格実績のある生徒の場合と比べると、 ただ理想だけが高くなっているという印象しか持てませんし、何より根拠 がない以上、自分自身でも「もう1年やればMARCH以上は受かる」とまでの 実感はなかなか持てないのではないかと思います。 ・受験に「絶対」はない(何が起こるかわからない)。 受験では、本当に何が起こるかわかりません。当日のコンディション、問 題との相性、まさかの凡ミス・勘違いなどが影響し、思わぬ結果が出るこ とがあるのです。赤本を何度解いてもほぼ全問正解で、模試でもA判定し か出したことがないような大学でも、合格しない場合はあります。毎年必 ずと言っていいほど、何人かがそんな悲しい目に遭います。それも、「こ の生徒なら大丈夫だろう」と誰もが思うような、真面目で成績も常に上位 にいるような生徒に限ってです。もちろん逆に、E判定しか出たことがな い大学に合格することもまれにはありますが、いずれにしても、受験にい かに「絶対」がないかが、これでわかっていただけると思います。人間の 価値は、世の中常に「絶対」はないと理解し、常にあらゆる場合に備えて 行動し、たとえ思いがけないことが起きても、冷静に対応できるかどうか にあると言っても過言ではありません。ですから、普段は第一志望校に合 格することだけを考えて勉強に集中するにしても、受験校を選ぶ場合は、 「最悪」の場合のことも考えた上で決めてほしいのです。 ・知名度のある大学=自分に合った大学 難関大=全てにおいて優れた大学 とは限らない。 大学の偏差値というのは、あくまで「受かりにくさ」を数値化したもので、 大学として優れているかどうかを表したものではありません。たとえ頭で はわかっていても、どうしても高偏差値の大学ほど、全ての条件が揃って いると思いがちです。もちろん、ある程度の条件が揃っていることは事実 ですが、難関大でも、学生の学習意欲が低いところは低いですし、ただ原 稿を棒読みするだけの教授の講義だってあります。また、知名度があると いうことは、それだけ歴史があるということで、歴史があるということは、 その分システムや設備が古いままだという大学もあります。有名大だから、 難関大だからといって、必ずしも全てが充実しているとは限らないという のは、そういうことです。ましてや、有名・難関大だからといって、自分 に合った大学とは限りません。滑り止めだと思って受験し、そこしか合格 しなかったので仕方なく入学してみたら、むしろ自分に合っていて、充実 したキャンパスライフを送っている、という人だってたくさんいます。こ れらを参考に、上位志望校とは違った視点で滑り止めの大学を選んでみる と、もしかしたら思わぬ発見があるかもしれません。こうしたことは、偏 差値や知名度だけではわかりませんので、「滑り止めの大学を探さなかっ たら、こうした発見や出会いをしないまま大学生活を過ごしたかもしれな い」、なんてこともあるかもしれません。 次回は、理想の滑り止め校の選び方について、具体的にお話いたします。 ●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆● <こんな生徒が合格してきた> 21.楽をしようと思わない 前編 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これは、効率よく勉強することを否定しようというのではありません。む しろ同じ意味だと思ってください。つまり、楽をしようとせずに、やるべ きことはしっかりやるという前提で、それらを効率よくこなすのにはどう すればいいのかを追求するということです。例えば英語で、文法の問題集 を繰り返しやっても、なかなか正答率が上がらず、たとえ正解するように なっても、模試などの機会で似たような問題が出ても答えられないとしま す。そして、そのことを予備校の職員や講師などに相談した結果、どうも 中学レベルの内容の理解が不十分だ、ということがわかったとします。そ こで、思い切って今からでも、中学レベルの復習からやってみてはどうか? と言われたとしたら、皆さんならどうするでしょうか。ここで、その通り にやれるかどうかが、楽をしようと思うか思わないかの分かれ目です。 確かに、この時期は赤本をやっていてもおかしくない時期です。今まで使っ ていた問題集をもう1回繰り返すのならまだしも、今から中学レベルの問 題集をやるなんて「ありえない」と思う方もいるのではないでしょうか。 でも考えてみてください。予備校に携わる立場の人間が、「何を今更」と いう反応が返ってくることを承知で、赤本をやっているはずのこの時期に、 意味もないのに、わざわざ中学レベルの問題をやるように言うでしょうか。 たとえ時期が時期でも、「急がば回れ」で、そのレベルに戻ってでも復習 した方が本人のためだと思うからこそ、わざわざすすめているわけです。 それなら、やらずに楽をしようとせず、どうすれば今から中学レベルの復 習ができるかを考えてください。何も、分厚い問題集や参考書をやらなく てはいけないわけではありません。高校受験対策の薄めの問題集で十分で す。これなら1週間あればできるはずです。そして、もしそこでわからな いところがあったら、すすめてもらった講師に質問すればいいのです。 「やれ」と言った以上、そのレベルでの質問も想定済のはずです。恥ずか しがらずに必ず質問してください。 ・・・例が何だかやけにリアルだと思われたかもしれませんが、これは、 実際に当校で毎年よくあることなのです。でも、これで本当にわかるよう になり、成績も上がっていますので、まんざら回り道でもないのです。 中学レベルの例が長くなってしまいましたが、これ以外で特に楽をしよう とするケースで多いのは、「裏技、語呂合わせ、10日でマスター」といっ たタイトルの参考書や問題集に走ることです。基礎がガタガタなのに、そ れを何とかしようともせず、楽して早く成績を上げたいと思うあまり、こ うした甘い言葉の誘惑に負けた生徒の、何人が失敗したかわかりません。 私は、何もこうした参考書や問題集を否定しているのではありません。た だ、「裏技」は、基礎が固まっている状態で身に付けるからこそ本領を発 揮します。「語呂合わせ」は、覚えるべき重要事項を覚える努力をした上 で、それでも覚えられない一部の内容についてを、語呂で覚えるからこそ うまくいくのです。そして、「10日でマスター」は、書かれた内容につい てを、1日1章などのペースで、最後の章までの内容を10日で完璧に覚え、 かつ忘れなければ「マスター」できる構成になっている、という意味で、 本当に10日で、合格するためのノウハウを誰でも完璧にマスターできるた めの方法が書かれているとは限りません。つまり、「覚え方は人それぞれ」 というわけですから、それなら他の本と変わらないということになります。 合格してきた人は、「学問に王道なし」を自覚し、楽をしようと思わず、 合格するための近道は「急がば回れ」だということを理解しています。つ まり、そうする方が、結果的には楽だということがわかっているのです。 そして、そういう人ほど基礎固めを重視し、それを着実にこなして初めて、 応用問題などの難問にチャレンジします。基礎固めで楽をしようとすると、 結局問題集や赤本をやっても手ごたえを感じられず、あせりからついつい、 「裏技」などの、耳障りのいいフレーズがタイトルになった問題集や参考 書に手を出そうとします。それも、買えばあせりがなくなるかのごとく、 何冊も買いあさり、結局やらずに終わるのです。最初楽して後で苦労する か、最初苦労して後で楽をするか・・・。「後=直前期や入試本番」だと 考えれば、どちらがいいのいかは一目瞭然ですよね。 次回は、楽をしようと思わず、「急がば回れ」で合格した生徒の具体例を ご紹介いたします ●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆● <編集後記> ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ そういえば今日は、プロ野球のドラフト会議の日です。・・・ってそんな こと受験には関係ない・・・と思われる方も多いと思います。なぜこんな 話をしたかといいますと、今回のドラフトには、過去2度にわたって、入 団を熱望する巨人以外の球団から指名を受けたため、2度とも入団を拒否 して、今回3度目のドラフトを迎える、HONDAの長野(ちょうの)久義選手 のことを思い出したからです。 私が単に巨人ファンということもありますが、長野選手をはじめ、過去江 川さんや元木さんなど、巨人を熱望しながら他球団から指名を受け、拒否 して待ったかいあって希望を叶えた選手の話題になると、どうしても職業 柄、「早稲田以外は受験しない。もし落ちたら即浪人する」と言ってはば からない受験生が、毎年1人はいることを思い出すのです。もちろん早稲 田以外の大学もありますが、大半は早稲田です。ただ、長野選手などとの 決定的な違いは、これらの選手が、成績を残すために、巨人から指名を受 けるために、日々練習漬けの毎日を送って努力してきたのに対し、早稲田 にこだわる生徒は、なぜかブランド優先で勉強をほとんどせず、しかも偏 差値が10以上離れていて、かなり厳しいと言う人が大半だということです。 人それぞれの人生ですので、どう選ぼうと本人の自由ですが、「早稲田以 外には行かない」という生徒は、「そう思っているだけのことはある」と 思わせるくらい勉強してほしいですし、できれば今回のテーマの通り、も う少し滑り止めなど、柔軟性もあっていいのでは? と思ってしまいます。 ●◆●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆● 【こんな生徒が合格してきた】メルマガポリシー ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ これはカリスマ講師などがよく発行している「入試によく出る英語」、 「必ず覚える日本史用語」といった、科目指導的な内容のものでは ありません。私が生徒と日々接してきた中でわかった、合格する人の 受験生活、考え方、勉強法などを、少しでも多くの受験生のみなさん に紹介し、知っていただくことを目的としたメルマガです。 勤務先で接している生徒だけでなく、全国の受験生の皆さんに 受験勉強を通じて、生きていく上で必要な何かをつかんでほしい、 そんな願いをこめて、私はこのメルマガを発行しました。 予備校職員の立場からおすすめする予備校の選び方・生かし方や、 実際の生徒とのエピソード、受験生としての自らの体験など、 なるべく具体例をたくさん紹介いたしていきますので、 ぜひ、あなたのお役に立ててください。 <本メルマガはこんな方におすすめです> ・「受験勉強に王道なし」と信じてコツコツやろうという方。 ・受験勉強を通じて、生きていくうえで必要な何かを得たいと思う方。 ・今まで何をやっても長続きしなかったがので、受験勉強をきっかけ に何とかしたいと思っている方。 ・既に予備校に通っていたり、通信講座をやっていたりするが、 うまく活用しきれていないと感じる方。 <こんな方にはおすすめしません> ・どちらかというと、あまり人からいろいろ言われるのがいやな方。 ・受験勉強は、生きていく上では役に立たないと割り切っている方。 ・楽して大学に確実に合格できる裏技やノウハウを知りたい方。 ・浪人しても(一浪の人は二浪しても)いいと今から思っている方。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎「現役予備校職員が語る!09 ~こんな生徒が合格してきた~」は世界 最大級のメルマガポータルサイト「まぐまぐ」を利用して配信しています。 ◆発行責任者:やす(現役予備校職員) ◆お問い合わせ・ご意見・ご感想はこちらまで: gou-kaku@live.jp ◆登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000256965.html ★現役予備校職員が語る!~こんな生徒が合格してきた~ のバックナンバー・配信停止はこちらです。 ⇒ http://archive.mag2.com/0000256965/index.html ※尚、「現役予備校職員が語る!09 ~こんな生徒が合格してきた~」 へ頂いたお返事のうち、「他の受験生にも参考になる」と感じたものに つきましては、もちろんお名前は伏せますが、事前承諾なしでご紹介・ 引用させて頂くことがあります。どうかご了承ください。 (それは困る、という方はご遠慮なくその旨をご記載ください。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


