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2008/03/19

『就活生必見☆社会人インタビュー』~あなたは今「なりたい自分」がありますか?~

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『就活生必見☆社会人インタビュー』
〜あなたは今「なりたい自分」がありますか?〜

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■■  『意外なところにあった自分のはまり所』
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◆ 1.社会人プロフィール
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□大手化学メーカー  Hさん 56才 (男性)
 
大学院を経てエンジニアとしてキャリアをスタートさせたHさん。
現在は製造部長としてマネジメントをする立場にいる。
「今後は子会社を立てて経営に携わるのもいいかもね」と語る。
そんな彼の「苦労もあったけど充実していた」キャリアとは…
 
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◆ 2.インタビュー記事
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■■ 『どこなら指揮者になれるか?』
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Hさんが就職を意識したのは機械工学部4年の時だった。

「もともと小さい時から大雑把で。細かいディテールには興味がわかなかった。
全体を把握すれば充分っていうタイプ。
歴史だって大体の流れをつかむことが重要でしょ。
細かいことは苦手だったけど、全体をアバウトに把握するのは誰よりも得意だった。」

己の性格をよくわかっていたHさん。

「歯車になるのが嫌でね。
 同じことをずーとやって極めるっていうのは向いてないから。
 全体を統括する、全体を効率よく組み立てる、オーケストラの指揮者のような仕事がしたかった。」

そんなHさんの仕事を選ぶ軸は
「どこなら自分が指揮者になれるか?」
であった。

当時は機械専攻だと機械メーカーに行くのが主流だったという。
しかし、Hさんは自分の軸を貫き、化学メーカーという選択をとった。

「機械メーカーでは指揮者になれない。
科学コンビナートっていうのは、何千もの機械からなっている。
また、その建設には機械、電気…様々な知識がいる。
自分は、それらを統括する指揮者として、
中東の砂漠の中に化学プラントを立ててみたいと思った。」

そんなHさんが就職先として選んだのは、某大手化学メーカーであった。
その会社の奨学金に応募したところ見事合格。
大学院終了後入社するという条件で、返済不要の奨学金を受け、学費を賄った。

大学院生活も終わりにさしかかり、入社直前となったある日。
Hさんのもとに会社から電話がかかってきた・・・


■
■■ 『【真の指揮者の資質】とは』
■

電話の向こうからHさんに驚愕の事実が伝えられた。

同社が総力をかけて、かねてよりイランに建設中だった化学プラントが、
イラン革命の騒乱の中、崩壊。巨額の損害を被ることになってしまったのだ。

「中東にプラントを作るという、自分がまさに関わりたかったプロジェクトが
 頓挫してしまい、一時は入社をためらった。」というHさん。

しかし、同社から奨学金をもらうことを決めて以来、
なにも就職活動をしていなかったHさんには、
同社に入社する以外の道は残されていなかった。

イランでのプロジェクトがおじゃんになってしまった影響もあり、
入社後のHさんの仕事は学生時代の想像とはかけ離れていた。

「エンジニアとして入ったのに、オペレーターとしてマニュアル通りの泥臭い仕事。
 言われたことをただやるだけで、フラストレーションがたまっていた。」

このような下積み時代が10年も続いた。
腐りそうになったことも、後悔しそうになったこともあったという。

しかし、
「今振り返れば自分にとっては大きい経験だった」
とHさんは話す。

「下積み生活にも、大きな学びがあった。
 もともとは指揮者になりたくて、細かいことは嫌いだったけど、
 細かいことを避けては通れない!と悟った。」

「全体を統括する指揮者でも、1つ1つの楽器を熟知していなくてはいけない。
 全体を動かすものほど、細部に注意できなくてはならない。」

これが、Hさんが下積み時代を通して得た【真の指揮者の資質】であった。


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■■ 『雄飛の転機』
■ 

下積みの仕事にも腐らずに、目の前の仕事を一生懸命取り組んでいたHさん。
そんな彼に転機が訪れる。

海外の化学メーカーに技術を輸出する仕事に配属されたのだ。

海外のビジネスマンと仕事をする上で、言語、文化の壁がHさんも前に立ちはだかった。

「いきなり外国に放り込まれたけど、今ではそれがよかったんじゃないかな。
 最初はどうしていいかわからず、意思疎通もままならなかったけど、
 そのうち、『相手が何を欲しているか』『相手は自分に何をしてほしいのか』
 ということを考えるようになった。」
 
「上司に欲しがられる人とは、一人で考えて、仕事できる人。」
自分で上司にいろんな提案ができるようになったHさんは、上司の信頼を増し、
海外メーカーとのプラント建設プロジェクトを任されるようになる。

これを皮切りに、国内で自社プラント建設プロジェクトのリーダーに抜擢される。
大阪に、自分の指揮でプラントをつくる。
まさに、若いころから目指してきたHさんの夢だった。

「これこそまさに学生時代からやりたかった仕事。
中東の砂漠ではなかったけど、若いころからの夢がかなった。
やりがいはあったし、もちろん充実していた。」

しかし、Hさんのキャリアの中で最も充実していた仕事は、
意外にも他にあったのである。


■
■■ 『はまり所』
■
 
時間はHさんが大阪にプラントを完成させた数年前にさかのぼる。

海外勤務から本社勤務に異動になり、
「営業、研究所、工場」の3つを統括する仕事についた。

朝早くから夜遅くまで、体力的にきつい仕事だったが、
エンジニアとしてではなく、経営者的な立場から全体を統括する仕事は、
Hさんにこれまでにないほどの充実感とモチベーションを与えた。

「ある意味『指揮者』に一番近い仕事だったのかもね。
 全体を見渡して、東奔西走する毎日。
 ビジネスに必要な知識も得られたし、幅広く活躍できたのはやりがいになった。」 

そんなHさんいわく、
「学生時代に理想的だと思っていた仕事は、
 必ずしも本当に自分がやりたいことでないかもしれない。
 ひょんなことから本当の理想の仕事に出会うこともある。」そうである。

「自分の理想の仕事に出合うためには、変化を起こすような仕事をしなくてはならない。」
と力強く言い放ったHさんの言葉には、説得力であふれていた。

様々なことに挑戦し、自分の「はまり所」を見つける。
そのためには、常に視野を狭くしてはならないということを、
Hさんは自分の人生をもって教えてくれたような気がする。


□
□□  『就活生へのメッセージ』
□

「自分の勘に素直に従うことは大切。
 若いころの決断というのは、後々効いてくる。
 自分の性格を熟知したうえで、恐れずに、自分のやりたいことに飛び込む。

 急ハンドルを切るべき時は切る。
 そして、ハンドルを切ったらとことんやる。
 これが大事だと思うね。」


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【編集後記】
 
自分のキャリアを
「苦労もあったけど、充実している。」と
人懐っこい笑顔で振り返られたHさん。

Hさんの姿を見て、改めて筆者も
「仕事は大変だけど、毎日楽しいよ。」と
胸を張って言える人間になりたいという思いを強くした。

「リタイアした後は、これまで仕事にかまけてできなかったことをいろいろやってみたい。
 語学もそうだし、スキーもやりたい。広く浅くいろんなことを学んで、
 それを生かしてボランティア活動もしてみたい。」
と語るHさん。
彼の価値観は筆者も共感できるところが多かった。

そんなHさんを、人生の自身のロールモデルの1つとしていきたい。
今回も、メルマガ取材を通して素晴らしい人とお会いし、
多くのことを学びとることができた。

今回取材に快く協力してくださったHさん、
この機会を与えてくださった岡崎塾の皆さん及び、
メルマガ読者の皆様に心から感謝の意を表したい。

<取材・編集:土田 歩>

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