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2008/06/15

居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導

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絶対合格!ケアマネ(介護支援専門員)試験(2008年)
        第20号:2008/6/15  週刊(毎週日曜日発刊)

          ケアマネ(介護支援専門員)試験まで 18週(126日)
             (今年の試験日=10月19日)
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ケアマネ(介護支援専門員)試験、一発合格を目指して勉強中の方、
私が作った「勉強ノート」を役立ててください。
四訂テキストを章ごとに順次、送信していきます。

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□本日の内容
第2巻 介護保険サービス

第1編 居宅サービスおよび介護予防サービス
 第6章 居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導
   第1節 医学的管理サービスの意義・目的
   第2節 医学的管理サービス利用者の特性
   第3節 医学的管理サービスと介護支援サービス
   第4節 介護予防支援サービスと医学的管理サービス
   第5節 口腔管理 - 歯科衛生指導の意義・目的
   第6節 口腔管理 - 歯科衛生指導利用者の特性
   第7節 口腔管理と介護支援サービス - 歯科衛生指導
   第8節 介護予防支援サービスと口腔管理 - 歯科衛生指導
   第9節 薬剤管理指導の意義・目的
   第10節 薬剤管理指導利用者の特性
   第11節 薬剤管理指導と介護支援サービス
   第12節 介護予防サービスと薬剤管理指導
   ◎(介護予防)居宅療養管理指導の制度
…………………………………………………………………………………………………………
第6章 居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導
第1節 医学的管理サービスの意義・目的
 (1)医学的管理サービスの意義
   ・介護保険でまかなわれるケアサービスは、主に生活行動面を支援するものであるが、
       医学的問題への対応も同時に進められることにより生活面の改善を図ることもできる。
   ・居宅高齢者における医学的管理サービスは、
       疾病の急性期、慢性期を問わず、疾病の予防から、診断・治療、さらに再発の予防、
       寝たきりによる合併症の早期発見、最終的には看取りまで含めて重要な役割をもつ。
 (2)医学的管理サービスの目的
   ・居宅高齢者が疾病の予防から治療まで、医学的な面での指導や助言を受け、快適な生活を
       送ることがその目的である。
第2節 医学的管理サービス利用者の特性
  ・通院が困難で療養上の管理および指導を受けることによって、療養生活の質の向上を
      図ることのできる人が、居宅療養管理指導の対象者である。
 (1)病状が不安定で悪化、再発、合併症を起こしやすい人
   <例:脳卒中になった人の場合>
      ・血圧が不安定で、脳出血が再発したり、脱水によって脳梗塞が再発することもある。
      ・嚥下障害があれば、誤嚥性の肺炎を起こしやすい。
      ・これらの患者は、血圧の管理や水分の調整、口腔ケアなどが必要であり、きめ細やかな
          管理指導によって再発を防止することができる。
 (2)治療を必要とする疾病をもっている人
    ・高血圧、糖尿病、心不全、がん、褥瘡などの治療を必要とする患者。
    ・薬物療法や食事療法を必要とする。
 (3)リハビリテーションを必要とする人
    ・脳卒中、骨折、リウマチ、関節疾患などでは、リハビリテーションを行うことにより、
        機能を維持したり、残存機能を十分に活用することが必要である。
    ・住宅改造なども医師のアドバイスが必要な場合もある。
 (4)生命維持に必要な器具を装着している人
    ・気管カニューレや気道の喀痰の吸引、胃ろうによる栄養管理などで生命維持に必要な器具を
        装着している場合には、医師の管理が必要である。
    ・在宅療養患者では、慢性呼吸不全の基礎疾患として結核、肺気腫、喘息、肺腺維症などを
        起こしており、わずかな体動で呼吸困難を起こしやすい。
        また、肺炎などにもかかりやすい状態で、医師の定期的な管理指導を必要とする。
 (5)疾病にかかりやすい人
    ・抵抗力、免疫力の落ちた人は、急性上気道炎や尿路感染症、便秘、下痢、熱傷など、
        一時的な病気にかかりやすいので、できるだけ定期的に医師の管理を受ける必要がある。
 (6)入院入所の判断を要する人
    ・肺炎などを起こした場合など、在宅でそのまま治療するのか、入院が必要かなどの判断をする。
    ・また、ショートステイ利用など、介護者の事情によっても入所すべきかどうかの状況判断を
        迫られる。
    ・これらの場合、入院であれば病院への紹介、入所であれば診断書の作成等を医師が担当する。
 (7)歯や口腔内の問題をもつ人
    ・寝たきり等で歯科に通院できない人で、歯科治療や口腔内の清掃または有床義歯の
        清掃により、食物摂取がしやすくなる、咀嚼ができるようになる、心身の働きが活発になる。
    ・主に、歯科医師が担当するが、医師も相談にのってくれる。
 (8)心理的に不安定な人
    ・しばしばせん妄を起こす、認知症を疑われる等の問題がある場合、精神的な病気のみでなく、
        身体の病気が原因となっていることもあるので医師に相談する必要がある。
第3節 医学的管理サービスと介護支援サービス
 (1)医学的管理サービスと介護支援サービスの連携需要の増大
    ・医療制度改革により、療養病床を2012(H24)年までに38万床から15万床に減らす計画が
        示され、かなりの数の要介護高齢者が自宅などに戻ることが予想される。
    ・家族などによる介護の負担軽減のためにも、介護支援専門員は、主治医と連携し
        医学的管理を受けながら、サービスを組み立てて行くことが求められる。
    ・2006(H18)年4月より、在宅療養支援診療所が創設され、24時間在宅での看取りに
        対応する体制が整ってきた。
        介護支援専門員との連携も報酬が算定されるので、協力が密になることが期待される。
 (2)主治医との連携の実際
  A:主治医意見書記載医師への連絡
     ・主治医意見書により、病気の状態や薬剤の服用状況をよく知ったうえで、サービス計画が
         立てられなければならない。
     ・介護支援専門員が参照することの認められた意見書で、疑問点があれば相談にのってもらう。
         電話やFAXでの相談ではなく、最初の何回かは顔を合わせて信頼関係を築く。
  B:サービス担当者会議の活用
     ・サービス担当者会議には、主治医に参加してもらうことが大切である。
         (定期的開催ができると医師も参加しやすくなる)
     ・居宅療養管理指導や定期的な訪問診療で医師が利用者宅に赴く機会に、訪問先で会議を
         開くこともできる。
  C:外来診療時同行
     ・通院が可能な利用者の場合は、外来受診に同行し、医師に相談することもできる。
  D:訪問診療時同行
     ・訪問診療時、利用者宅で医学面の相談を行う。(サービス担当者会議と結びつけることも可)
  E:急変時についての打ち合わせ
     ・急変時の対応方法などを、前もって医師から本人や家族に説明してもらうようにする。
  F:看取りの打ち合わせ
     ・在宅療養支援診療所が創設された目的の一つは、在宅での看取りである。
     ・死亡診断書を書くことができるのは、医師、歯科医師のみのため、
         看取りを在宅のままでよいのか、入院という形をとりたいのか、誰に連絡をとるかなど、
         話し合っておく必要がある。
第4節 介護予防支援サービスと医学的管理サービス
   ・介護予防訪問看護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防訪問リハビリテーションなどの
       医療系サービスが組み込まれた場合は、医師の指示が必要であり、指示を出すためには
       居宅療養管理指導が適切になされる必要がある。
   ・介護予防においては、リハビリテーションの役割が重要となる。
   ・主治医意見書の記載をどのような医師に依頼するかは、申請者側の自由であるが、
       できる限り居宅での生活も把握しいる「かかりつけ医」に書いてもらうことが望ましい。
   ・介護予防の対象者は軽症ではあるが、重要な病気に移行する予兆があれば、早めに連絡する。
第5節 口腔管理 - 歯科衛生指導の意義・目的
 (1)高齢者の歯科対策
    ・厚生労働省は、2000(H12)年度から2010(H22)年度までの11年計画の
        「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を掲げた。
    ・「健康日本21」では、
        科学的根拠に基づいて、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の原因となる
        食生活や運動、休養などの改善に向けた目標(9項目)などを掲げることにより、
        健康寿命を延長し、生活の質を高めるための取組みを総合的に推進することを目的とした。
    ・8020運動は、現在歯科界において、最も重要な課題となっており、「健康日本21」の中でも、
        「歯の健康」が取り上げられた。
 (2)高齢者の歯の現状
    ・1989(H元)年・・・80歳でわずかに4本しか保有していなかったため、⇒「8020運動」を提唱した。
    <8020運動>
       80歳で20本の歯を保つことだけが目的ではなく、丈夫な歯でかめて全身の健康づくりをする
       運動であり、生涯を通じて自分の歯で食べ、生き生きとした心豊かな生活が送れるように
       することを目標とし、QOLを高める生活改善運動である。
    ・2005(H17)年・・・80歳でわずか8.9本で年々向上傾向にはある。
     <80歳で20本以上ある者の割合の推移>
       1987年:7%、1993(H5)年:11.7%、1999(H11)年:13.0%、2005(H17)年:21.1%
 (3)歯科衛生指導の意義
    ・高齢者が歯を失う原因の多くは歯周病であることから、中高年からの口腔ケアが最も重要。
    ・口腔の健康に限らず、前進の健康向上に貢献できるオーラルヘルスケアから
        トータルヘルスケアへの考え方が重要であり、歯科衛生指導への期待はさらに高まる。
    ・口腔内の清潔を保つことにより、肺炎や気管支炎を高い確率で予防できる可能性がある。
        ますます歯科衛生指導が注目されるようになる。
 (4)口腔衛生指導の目的
    ・口腔衛生指導の目的は、消化器の入り口として最も大切な食物を摂取する器官である
        口腔の正常の機能を保つことであり、それは全身の恒常性維持も関与する。
    ・口腔には4つの大きな機能(咀嚼、嚥下、発音、呼吸)がある。
    ・歯科医療は、食物摂取系の一部である「歯」のみが医療の主目的ではなく、
        障害された食物摂取機能の回復(オーラル・リハビリテーション)という大きな目的がある。
    ・口腔内の細菌が気管や肺に入り込み、気管支炎や肺炎を起こす。
    ・誤嚥性肺炎になることも珍しくない。
    ・要介護高齢者の口腔ケアは、介護の基本といってもよい。
第6節 口腔管理 - 歯科衛生指導利用者の特性
 (1)要介護状態になる主な原因
   ・高齢者が要介護になる第一の原因は、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管疾患がある。
       次いで、転倒、骨折などの整形外科疾患、
       さらに、認知症、リウマチ等の関節疾患、心臓病などである。
   ・総合病院の入院患者の平均年齢(男性:69.25歳、女性:70.8歳)
   ・リハビリ病院の入院患者の平均年齢(男性:72.0歳、女性:76.4歳)
   ・総合病院とリハビリ病院の入院患者の内訳から考察すると、
       70〜74歳で病気を発症し、救命救急が施され、安定期を迎えて
       75〜79歳でリハビリ病院に入院することが多く、この頃が自立し社会復帰できるか、
       あるいは要介護状態になるかの人生の転機となる。
   ・寝たきりになる原因疾患では、脳血管障害の後遺症が最も多いことから、
       この時期のリハビリへの取組みが重要である。
 (2)歯科衛生指導利用者によく見られる合併症
 A:血圧障害
  イ.高血圧症
     ・一般に加齢とともに血圧は上昇する。
     ・WHOの基準では、収縮期血圧が140/mmHg以上、または
                  拡張期血圧が 90/mmHg以上を すべて高血圧症とし
         加齢とともに、収縮期血圧の上昇が著明となる。
     ・高血圧は、脳出血や脳血栓、または狭心症や心筋梗塞などを起こしやすくなり、
         すでにそれらが発症している場合には、それらの疾患を増悪させる要因となるので
         衛生指導利用者の対応に際しては注意を要する。
     ・介助者は治療時の血圧の測定を行い、血圧の変動を主治医に知らせなくてはならない。
         (精神的ストレス、痛みのストレス、麻酔薬に含まれる血管収縮薬の影響で血圧上昇する)
  ロ.起立性低血圧
     ・高齢になると、血圧の調整機能が低下し、寝ている人を急激に起こすなどの
         体位の変換によって、血圧が低下し、めまい、視力障害、失神を起こすことがある。
     ・そのような時は、呼吸状態や顔色などの様子を見ながら徐々に起こす。
 B:脳血管障害
     ・脳出血と脳梗塞がある。
     ・多発性脳梗塞は、脳血管性認知症や寝たきりの原因となる。
     ・片麻痺があり、口腔の知覚が麻痺していると、うまく口腔内の清掃ができない。
         また、食後に知覚がない側に食べ物が停滞していることが多いので常に注意が必要。
     ・そのまま放置してしまうと、口腔内が不潔となり誤嚥性肺炎の引き金にもなりかねないので
         衛生指導は必要となる。
 C:虚血性心疾患
     ・狭心症と心筋梗塞がある。
     ・虚血性心疾患では、発作を起こしてから間もない場合には、積極的な歯科治療は行わない。
         (精神的ストレスや痛みによって再発を起こすことがあるので注意を要する)
     ・口腔ケアでブラッシング程度のものであれば問題は少ない。
     ・心筋梗塞では、脳梗塞と同様、血液の凝固を阻止する薬を投与されていることが多いので、
         歯石除去などで出血すると血が止まりにくいことがあるので注意が必要である。
 D:転倒・骨折
     ・転倒による脳挫傷、大腿骨頸部骨折、交通事故による脊椎損傷を受けたことが原因で
         要介護となることがしばしばある。
     ・骨折の一つの原因は、骨粗鬆症がある。
     ・転倒予防のために、バリアフリーの設計が必要である。
 E:認知症
     ・認知症の症状が認められる場合の介助時の注意点
      1.受容し理解すること
      2.高齢者に安心できる場を提供する
      3.簡単な言葉でゆっくり話し、スキンシップを大切にする
第7節 口腔管理と介護支援サービス - 歯科衛生指導
 (1)要介護高齢者の口腔衛生指導
   ・在宅要介護高齢者の数は増加の一途をたどっている。
       現在:120万人 ⇒ 2025(H37)年:230万人に達する。
   ・入院入所者、在宅で介護されている高齢者は、口腔内の衛生状態が劣悪である。
   ・口腔内に不衛生が原因となっている歯科疾患の多発はもちろんのこと、口腔内細菌の
       誤嚥により、気管支炎や肺炎の原因とされる誤嚥性肺炎の予防には、
       口腔ケアは欠かすことはできない。
   ・特に、介護度が高く、多くの介助を要する高齢者における口腔ケアの意義は大きいものがある。
 (2)口腔内環境悪化の原因と対策
 A:口腔清掃の不良
     ・食後の口腔清掃は不可欠なもの。
        食後に必ず口腔内を観察し、介護者が歯の周り、舌上についた食物残渣を取り除く
        必要がある。
     ・寝たきりの場合には、できる限り上半身を起こして清掃する必要がある。
        起こすことのできない時は、給吸歯ブラシ等を使用するとよい。
     ・入れ歯を使っている場合には、毎食後外し、流水下で歯ブラシを用いて洗浄する。
 B:口腔機能の低下
     ・脳血管障害などで麻痺を伴っている場合には、咀嚼機能が衰えているため、
        ときどき食事中に頬を外側から押さえて食物を歯の上に導いてあげるとよい。
     ・麻痺側に食物残渣が停滞しているので、必ずチェックして取り除くようにする。
 C:唾液分泌機能の低下
     ・口腔内環境悪化の原因の一つに、唾液の流量が減少するために自浄作用が悪くなったり、
        食物残渣が歯や歯肉、粘膜や舌にこびりつくことがよく見られる。
     ・十分な水分の補給を行い、食後はすぐにうがいや歯ブラシにより、歯に付着した
        食物残渣の除去を欠かすことはできない。
     ・誤嚥性肺炎
       1.口腔内の細菌が気管支から肺に入り感染を引き起こす場合
       2.いったん胃に入った食物が逆流して肺に入り感染を引き起こす場合、 の2通りがある。
第8節 介護予防支援サービスと口腔管理 - 歯科衛生指導
 (1)介護予防と口腔管理
   ・介護予防では、「栄養改善」「運動器の機能向上」「口腔機能向上」を中心にサービス提供を行う。
   ・「口腔機能の向上」サービスは、
       口腔機能を向上し、十分な食事量を確保することで「低栄養」のリスクを回避し、
       高齢者の生活機能の低下をはじめ、感染症の誘発、QOLの低下の防止を目的とする。
       「誤嚥」や「窒息」を予防し、口腔機能のじるつや清潔度の改善を図ることで
       誤嚥性肺炎や不慮の事故を未然に防ぐことを目的とする。
 (2)介護予防と口腔ケア
   ・要介護高齢者の口腔清掃の自立度にかかわる構成要素として、
       歯磨き、義歯の着脱、うがい、の3つがあり、これが低下したとき口腔内の環境は
       一気に悪化の一途をたどる。
   ・唾液の自浄作用は、さまざまな疾患の発症や治療過程に伴う経口摂取の禁止や
       口腔内に及ぶ麻痺などによって著しく低下する。その結果、口腔内の汚れを悪化させ、
       細菌数の増加を引き起こす。
   ・高齢者にとって肺炎の死因の上位を占め、ひとたび肺炎に罹患すると、認知機能や生活機能の
       低下を招くことになるため、口腔ケアの継続によって肺炎やインフルエンザの発症を
       抑制することで、高齢者の介護予防が実践される。
   ・高齢者の摂食・嚥下機能の向上は、栄養状態の改善につながり、免疫機能の向上に寄与する。
       つまり、感染症の予防に有効である。
   ・しっかりとした歯と上下の歯でのかみ合わせは、身体のバランスを保つのに大変重要な役割をもつ。
       (入れ歯をはずすとかみ締められなくなり、そのために力が入らなかったり、歩行しづらくなる)
 (3)介護予防と口腔機能の向上
 A:気道感染予防と口腔衛生、口腔機能
   イ.誤嚥性肺炎と口腔衛生
     ・日本人の死因の3大疾患(悪性新生物、心疾患、脳血管障害)に続くのが、肺炎である。
         65歳以上高齢者の12%、80歳以上高齢者の14%が肺炎で亡くなっている。
     ・命を落とす肺炎の多くは、誤嚥性肺炎であるといわれている。
     ・誤嚥性肺炎の予防に有効なのは、継続的な口腔ケアである。
        口腔ケアによって肺炎の発症を40%減少させること。
        肺炎による死亡率を50%減少させることが、研究で明らかにされている。
     ・「介護予防」における口腔ケアの重要性を強調している。
   ロ.誤嚥性肺炎と嚥下反射、咳反射
     ・高齢者の場合、嚥下反射が低下していることによって、
        夜間などに知らず知らずのうちに不顕性誤嚥といわれる誤嚥が起こり、
        唾液が気管、気管支に進入し、そこで細菌が繁殖し、不顕性肺炎を発症する。
     ・口腔ケアは、嚥下反射や咳反射の改善にも有効である。

第6章 居宅療養管理指導および介護予防居宅療養管理指導
第9節 薬剤管理指導の意義・目的
   ・薬剤管理指導は、最小の薬剤で最大の効果を得ることを目的に行う。
       (最小の薬剤とは、量の問題だけでなく、医療費的にコストパフォーマンスの高いものを指す)
   ・薬剤管理指導を行うことは、不必要な薬の使用を避け、利用者に一番適した薬が選択され、
       薬が正しく保管され、確実に服用され、副作用の防止や早期発見がなされるよう確認する。
   ・薬についての説明は、薬剤師、医師、歯科医師、看護師、保健師などによって行われる。
    <薬剤師による居宅療養管理指導>
      ・薬の有効性とともに、安全性と経済性に基づいた利用者管理が必要。
      ・3種類以上の薬剤使用者 (一般医療:57.5%、老人医療:66.2%)
          また、7種類以上の薬剤併用者が、約4人に1人となっている。
      ・使用薬剤数が多い場合、相互作用や副作用の発現に対する注意が必要となる。
第10節 薬剤管理指導利用者の特性
 (1)薬剤管理指導利用者の特性
    ・複数の疾病を有することが多いことから、多剤併用によって引き起こされる相互作用が問題。
    ・たとえ単剤で常用量の範囲内の薬剤使用であっても、生理・生体機能の低下から
        薬効や副作用が増大し、思わぬ結果を引き起こす可能性がある。
    ・薬の使用によって引き起こされる副作用が日常生活に及ぼす影響については、
        慎重な管理が必要であり、薬剤使用のモニタリングが重要な意味をもってくる。
 (2)生理的変化と薬の作用
  A:薬の吸収
    ・口から飲んだ薬は、
       1.食道を通って胃に入り、消化液や一緒に飲んだ水に溶ける。
       2.胃で溶けた薬は、主に十二指腸や小腸から栄養素と同じように吸収される。
       3.肝臓や腸で代謝を受けたあと、
       4.血管に入り、全身に送られたあと、再び肝臓に運ばれる。
    ・吸収の過程において、高齢者では吸収が少なくなる薬や胃内PHの上昇の結果、
       胃で溶けてしまい、腸溶性が失われる可能性もある。
    ・高齢になると消化管の運動が抑えられることで、薬が吸収される部位に長くとどまえり、
       吸収が増加することもある。
    ・同時に飲んだ薬が一緒に移動しながら作用し合い、吸収に影響を与える相互作用が問題。
  B:薬の代謝
    ・肝臓に入った薬は、酵素の働きで、作用のない体の外に出しやすい形に変えられる。
       (薬物代謝)
    ・高齢者では、肝臓への血流量の減少など肝機能の低下により、代謝速度が遅くなり、
       結果として肝臓で代謝される薬の作用の増強を引き起こすことがある。
    ・薬の中には、代謝に関係する酵素の働きに影響を与えるものがあり、一緒に使用した
       薬の作用を強めたり、弱めたりといった相互作用が問題となることがある。
  C:薬の分布
    ・肝臓から出た薬は、心臓に運ばれ、心臓から全身に運ばれる。
    ・血液中にある蛋白質と結合していないものだけが、薬として作用する。
    ・血液中の蛋白質の量が低下いていると、蛋白質と結合できない薬が増え、
       作用が強く出すぎることがある。
    ・また、同じ蛋白質の同じ部位に結合する薬同士を一緒に使用すると、どちらか一方の薬が
       蛋白質と結合できなくなり、その薬の作用が強く出すぎて問題となることがある。
  D:薬の排泄
    ・最後に、薬が肝臓から尿の中に排泄されたり、便、汗、涙、唾液などからも排泄される。
    ・高齢者では、肝機能が衰えており、薬の排泄が遅くなり、薬の作用増強が考えられる。
  E:その他
    ・薬剤服薬中に生体に新たな変化が認められたときは、副作用の可能性について常に注意する。
    ・高齢者では、副作用等の症状が顕在化しにくく、気づいた時には重篤化したということもあり、
       注意が必要である。
 (3)薬剤常用の問題点
    ・発熱や下痢などからくる脱水症状が合併した場合、いつも服用している薬の作用に影響を
       与える可能性が十分に考えられるので、どんな症状を合併したときに、薬の服用を
       変更すべきかといった情報提供も必要である。
    ・痛み止め(解熱鎮痛剤)を服用している場合、
       風邪、インフルエンザ、肺炎などによる発熱があったとしても、発熱という症状が隠蔽され、
       対応が遅れる可能性がある。
    ・複数の疾病が合併することにより、併用薬剤が多くなり、相互作用が問題となる。
       医師からの処方によるものだけでなく、一般用医薬品、漢方薬、栄養剤、健康食品なども
       影響し合う可能性がある。
       特に、特定保健用食品は、作用機序が医療用医薬品と同じものが多いため、
       これらの併用の確認も忘れずに行うべきである。
 (4)薬に対する理解力
    ・視覚や聴覚の低下、あるいは認知症などにより、薬の服用がきちんとなされず、
       誤った服用方法がとられたり、薬に対する説明が十分に理解されないまま薬の服用が
       利用者に拒否されることもある。
    ・薬の保管方法や服用方法を工夫する。(例:週間投薬カレンダー)
 (5)薬の服用
    ・薬の服用は、できるだけ上半身を起こし、多めの水で服用することが、
       薬剤による食道潰瘍などを防ぐうえで大切である。
       (解熱鎮痛剤やカリウム製剤、ある種の抗生物質などは特に注意が必要である)
    ・嚥下障害がある場合、お粥と一緒に飲んだり、ゼリーに埋め込んだりする服用介助が必要。
    ・製剤学的な工夫がされている錠剤については、なるべくつぶしを避ける。
    ・食事がきちんと取れなかったときの対応については、十分な情報提供が必要とされる。
 (6)医療を受ける場所
    ・医療を受ける場所が医療設備が整っていない居宅であることを十分に考慮し、
       薬によって発現するかもしれない副作用についても、発現したときの対応について、
       あらかじめ検討しておくことも必要である。
    ・薬の保管場所の確認も大切である。
第11節 薬剤管理指導と介護支援サービス
 (1)薬剤管理指導と介護支援サービス
    ・介護支援専門員は、疾病の状況、服薬している薬、服用の状況などを把握し、
       介護者がいるかどうかなど、高齢者の置かれている状況等を考慮する。
    ・薬を使用している場合には、いつも薬という角度から利用者を観察することが必要となることを
       忘れず、薬剤管理指導等を適切な居宅サービス計画に取り入れる必要がある。 
 (2)薬剤管理指導の内容
    ・薬剤管理指導は、薬剤の効果の適切な把握や副作用の未然防止あるいは早期発見等を
       心がけ、利用者のコンプライアンスの向上、薬剤の適正使用の推進の一助となることを
       目的とする。
  A:薬剤管理表
     ・薬剤投与時に必要とされる要介護者のプロフィールを知る必要がある。
        (アレルギー歴、副作用経験歴、合併症、併用薬など)
     ・薬剤管理表を作成し、利用者のプロフィールや使用薬剤を一覧できるようにする。
     ・利用者に関係するすべての人が見られるようにし、備考欄等に気づいたことを随時
         記入してもらう。
  B:薬の副作用の確認
     ・利用者の訴えや症状が、服用中あるいは今まで服用していた薬によって引き起こされた
         ものかどうか、確認する。
     ・添付文書に記載されている一つの副作用が発現した場合、
         利用者からどのように表現されるかは、実に難しい問題である。
     ・利用者のさまざまな訴えから、副作用が疑わしい場合は、報告書で医師に報告する
         必要がある。
  C:薬の使用目的の確認
     ・処方医の各薬剤の処方意図、あるいは利用者や介護者の判断で使用されている薬や
        健康食品などについても、その使用目的を確認すべきである。
     ・使用目的と選択薬剤がもっと経済的に低価格なもので可能かどうかの検討も、
        今後は利用者と一緒になり検討されるべきである。
  D:QOLの確認
     ・薬の副作用によるQOLへの影響などの確認は、もちろん必要だが、薬によって
        その人のQOLを向上させるよう努めることも忘れてはならない。
     ・介護の中で重要なのは、たとえ寝たきりの状態であっても生活の質がきちんと
        維持されていること。
  E:薬剤費の削減のために
     ・後発(ジェネリック)医薬品の使用は、わが国においても伸展してきており、その使用数は
        高齢者のほうが若干多い傾向にある。
     ・先発品で症状が安定している場合、後発医薬品への変更は慎重な対応が必要となる。
        (不整脈の薬、強心薬、喘息治療薬、糖尿病治療薬など)
     ・よりよい後発品の活用など、薬剤費の抑制に関しても、薬剤師として積極的に情報提供する。
第12節 介護予防サービスと薬剤管理指導
   ・高齢者の薬物有害作用を減らすことを目的に、
       「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」が作成されており、高齢者に対して
       特に、慎重な投与を要する薬のリストが紹介されている。
       (45種類の薬剤(群)の使用をできるだけ使用を避けることが望ましい)
   ・薬の副作用によって発生した症状のために、新たな介護は発生しないように
       副作用の早期発見が何より大切である。
◎(介護予防)居宅療養管理指導の制度
 (1) (介護予防)居宅療養管理指導の定義等
  ・通院困難な居宅の利用者に対して、その居宅を訪問し、その心身の状況、置かれている
      環境等を把握し、それを踏まえて病院、診療所または薬局の医師、歯科医師、薬剤師等に
      より行われる療養上の管理及び指導をいう。
  ・(介護予防)居宅療養管理指導は病院、診療所、薬局が実施を申請できる。法人格は不要。
  ・保険医療機関・保険薬局の指定を受ければ、同時に(介護予防)居宅療養管理指導事業者の
      指定を受けたものとみなされる。
  ・具体的には
    1.医師による医学的管理指導
    2.歯科医師による歯科医学的管理指導
    3.薬剤師による薬学的管理と指示
    4.歯科衛生士等(保健師、看護師、准看護師を含む)による口腔内の清掃または
        有床義歯の清掃に関する指導
    5.管理栄養士による栄養指導
  ・医師または歯科医師の判断に基づいて行われるため、介護保険のほかのサービスとは異なり、
     支給限度額管理の対象とはならない。
  ・居宅療養管理指導は上記の職種が「助言や指導」を行うサービスである。
     したがって、医療行為を行った場合、その分は診療報酬の対象になる。
 (2)(介護予防)居宅療養管理指導の介護報酬
  ・職種ごとに定められている。
  ・地域差も要介護度による差も設定されていない。
     1.医師・歯科医師(月2階を限度)
         a.在宅時医学総合管理料を算定しないとき  500単位
              (情報提供が行われない場合:100単位減算)
         b.在宅時医学総合管理料を算定するとき  290単位
     2.薬剤師  病院(月2回を限度)  550単位
             薬局(月4回を限度)  1回目500単位、2回目以降300単位
              (薬剤師による疼痛緩和の薬剤の薬学的管理指導:100単位加算)
     3.管理栄養士  (月2回を限度)  530単位
     4.歯科衛生士  (月4回を限度)  350単位
※薬剤師→ がん末期患者については、週に2回かつ月8回まで算定できる。


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