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2009/05/29

■ろう者の言語・文化・教育を考える No.141

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◆ろう者の言語・文化・教育を考える◆ No.141  2009年5月11日 
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■<文化> ろう者とお葬式

 デフ・ジョークにクラシカルで有名な話がある。車いすを利用していた障害
者が亡くなったときは、その棺に車いすを納める。目の見えない人のときは盲
人用白杖を、難聴者には肌身離さずつけていた補聴器をそのままつけて送る。
そして、ろう者が亡くなったときには、共に歩んできた手話通訳者を一緒に納
棺するというものだ。

 また、棺に納められたままではろう者は読経を聞くことができないことを思
い出した遺族が、棺の中の遺体を起こし、読経の通訳を見せるというブラッ
ク・ジョークもある。話はそれで終わらず、読経の通訳を見るために起こされ
たろう故人が、参列者とあいさつを交わし始める。ジョークではあるが十分に
考えられる話だ。ろう者の葬儀では、参列者と故人は手話で話をしたくなるも
のではないだろうか。

 そのためか、ろう者の葬儀はどうしてもしめやかにはならないような気がす
る。これまで見てきた聴者の葬儀では、喪服姿の参列者が皆おごそかに故人の
死を悼んでいた。もしかしたら、ひそひそ話がないわけではなかったかもしれ
ないが、表面的には静かな感じだった。しかし、ろう者の葬儀ではそうはなら
ない。焼香を待つ間にも、参列者同士のあいさつや立ち話が始まる。決してひ
そひそ手話にはならない。さすがに棺の前では神妙に焼香するが、会場ではい
つも通りの手話が繰り広げられるのだ。自分が棺の中に納まったときには、や
はり参列者にはいつも通りの手話で話をしていてほしい。

 最近は葬儀のかたちも変わりつつある。宗派にこだわらず、生前葬や自由葬、
音楽葬なども行われているという。それならば、ろう者の葬儀はろう者流に行
われてもよいのではないだろうか。葬儀というとどうしてもマイナスイメージ
があり口にするのを憚られるが、自分の葬儀をどのようにしてほしいか生前に
はっきり示しておくほうが、残されたほうもありがたい。どのような葬儀を希
望するのか故人に確認することはできないから、結局はお仕着せの葬儀になっ
てしまうのだ。それならば、前もって希望をはっきりさせておくほうが、お互
い気持ちよく葬儀に臨めるというものだ。

 避けては通れないお葬式のことを考えてみた。


(日本語訳:chu)


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□<注意>
引用、転載:出典を明記してくだされば自由にして下さって結構です。
(メールによる丸ごと転送はご遠慮ください)
※著作権は木村晴美が有します。


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発行人:木村晴美
発行日:2009年5月29日(金)
読者数:656人(2009年5月29日現在)
http://deaf.cocolog-nifty.com
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