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2008/05/19

■ろう者の言語・文化・教育を考える No.095

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◆ろう者の言語・文化・教育を考える◆ No.095 2008年5月19日
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■<文化>「どうしてさわれないの?」


 聴者は人に触れない。たしかにそうだ。

 私が手話を指導するようになって早20年になろうとしている。いつも通訳
者を同席させず一人で、手話で手話を教えてきた。受講生は長年聞こえる世界
で生きてきた人たちで、そのやり方のまま手話を学ぼうとしている。するとい
くつかの違和感が生まれる。一つは、講師を見ないことだ。ろう者は教室に講
師が入ってくるとそちらを注視する。しかし、聴者の受講生はなかなか講師を
見てくれない。なんとも不思議であるが、やはりろう者は「目の人」、聴者は
「耳の人」だと思わせられる。
 
 講座を始めたいのになかなか全員が注目してくれないときには、先にこちら
を見ている受講生に隣の席の人に注意を促すよう指示する。ところが指示され
た受講生は、隣の人に触れない。戸惑いながら肩をトントンとすると、今度は
トントンされた方が過剰に反応する。本当に聴者は人に触るのが苦手らしい。
このような場面はどの教室でも見られる。

 しかし、一方で解せないこともある。東京の通勤ラッシュは半端でない。電
車の中で赤の他人と密着しながら移動しなければならない。冬は厚手の上着を
着ているからまだしも、夏は素肌が直接触れ合うことになる。それでも我慢で
きるのはなぜだろう。知らない人だからだろうか。面識のある人とくっついて
いるのはとても耐えられないのだという。このような現象は、欧米の人たちに
はとても理解できないらしい。

 ろう者は、日頃から人を呼ぶのに肩や腕を叩く。老若男女関係なく共通のや
り方だ。それでも、決して乱暴に叩くことはなく、さらに、年上の人を呼ぶと
きや、同輩同士を呼ぶときなど、やり方はそれぞれ細かく分類されている。

 はじめは人に触れなかった聴者も、度重なる指導のおかげでようやく肩をト
ントンとできるようになっていく。一方、私の職場の教官室での出来事。学生
がやってくる。用があるなら、"肩トントン"とすればいいのに、手招きしてみ
たり、視界に入ろうと移動してみたり、的外れなことを続ける。かと思えば、
机をトントンと叩く者もいる。手を伸ばせば届くところに立っているのに、な
ぜ肩ではなく机を叩くのだろうか。手を伸ばす労力を惜しむとか、こいつには
触れたくないとか、相手を見下した態度だと解釈され怒りを買う。離れたとこ
ろの人を呼ぶために机を叩くことはあるが、近くにいるにもかかわらず机を叩
くことは失礼だ。それでも相手が学生だからと怒りを抑えて、肩を叩いて呼ぶ
ように指導すると「え〜、だってぇ〜、できないも〜ん」とくる。

 手話を学ぶということは、ろう者の文化、ろう者のやり方を学ぶということ
だ。2年かけて繰り返し指導するのに、さっぱり身についていない。学院を卒
業していって久しぶりに会ったときに、やはり視界に入ろうとうろうろする卒
業生もいる。相変わらず"肩トントン"はできないという。本当に聴者は人に触
れない。どうすればいいのだろうか。どなたか妙案をお持ちなら教えてほしい。


(日本語訳:chu)



■発行人より

1日3食が主流(?)ですが、昔は1日2食だったそう。

ところで、1日5食(早起きすれば1日6食)ダイエットというのが巷にはあ
るらしい。1食あたりの量は少なめにして(つまり1日分の食事を小分けし
て)、腹持ちをよくすることで自然に1日の総カロリー数が少なくなって、減
量する、というもの。

私には無理なダイエット方法ですが、1日4食という学生がいて、とってもス
リムな子でした。3時間おきに少しずつ食べる子でした。一度にたくさんに食
べることができないから、とのことでした。

「あ〜食べた!」という感じが好きな私にはとても無理な話しです。



■メルマガNo.095の手話版は、5月9日のDeafTV-Japanにて配信されました。


(お詫び)
先週のメルマガNo.094の手話版は、5月16日のDeafTV-Japanにて配信されまし
た。5月9日ではありませんでした。ここにお詫びします。


□「ろう者の言語・文化・教育を考える」メルマガの手話版は、DeafTV-JAPAN
でごらんいただけます。(有料)
http://www.deaftv.jp/


□「ろう者の言語・文化・教育を考える」メルマガの手話版のDVDは株式会
社ワールドパイオニアで購入できます。
http://www.wp1.co.jp/

メルマガNo.001〜020収録『日本手話とろう文化』 1,800円
メルマガNo.021〜040収録『日本手話とろう文化2』1,800円


□<注意>
引用、転載:出典を明記してくだされば自由にして下さって結構です。
(メールによる丸ごと転送はご遠慮ください)
※著作権は木村晴美が有します。


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発行人:木村晴美
発行日:2008年5月19日(月)
読者数:452人(2008年5月15日現在)
http://deaf.cocolog-nifty.com

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