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2008/03/17

■ろう者の言語・文化・教育を考える No.087

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◆ろう者の言語・文化・教育を考える◆ No.087 2008年3月17日 
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■<教育>「本物を見ないとわからないこともある」

最近、ろう児が手話を使っているのを過剰に評価する風潮がある。トータルコ
ミュニケーションに始まり、昨今のろう学校ではとにかく手話らしきものをし
ていれば褒められるが、決して喜べるものではない。やはり「本物」を見てい
ただきたい。
 
デンマーク在住のアスゲー氏(元・世界ろう者連盟理事)の話を聞いて感銘した
ことがある。2001年、それまで世界ろうスポーツ大会と称していたものが、IO
C(国際オリンピック委員会)の正式許可を得て第1回デフリンピックとなり、
イタリア・ローマで開催された。そのオープニングイベントにバイリンガル教
育の先進国であるスウェーデンのマニラろう学校小学部の子どもたちが招かれ
た。

世界各国から集まったろう者が見守る中、まず入場してきたのは、地元イタリ
アのろう学校の子どもたち。各自の名前、年齢、通っているろう学校、将来の
夢などを手話で披露し、口話教育に苦しんできたろう観客の感動を呼んだ。

続いてスウェーデン・マニラろう学校の小学部6年生の子どもたちが登場して
きた。イタリアの子どもたちと同様に、手話で名前の紹介を始めたと思ったら、
なんと、続けて世界の政治や貧困など社会問題について述べ始めたのだ。将来
の夢などという子どもじみた話にとどまらず、大人顔負けの社会への意識を
堂々と述べた。

イタリアでは、まだバイリンガル教育が確立していない。一方、スウェーデン
では、すでにしっかりとバリンガル教育が根付いており、生活言語としての手
話はもちろん、学習言語として手話をも使いこなし、大人でも難しい話題につ
いて考え、自説を述べるほどの力がついているのだ。

イタリアの子どもたちのかわいらしい手話に喜んでいたろう観客は、本物のバ
イリンガル教育の成果を見せつけられ、言葉もなかったという。

たしかに、うちの両親でさえ、わが娘は小さい頃に手話をしなかったと嘆き、
最近のろう学校の中に手話が増えてきた様子を垣間見ては感動している。私が
教育を受けていた時代も口話絶対だったから、手話をしなかったのは当然だと
思う。しかし、最近のろう児たちでも、手話を使うようになったとはいえ、思
考や行動力を十分に育てられる手話とは言いがたい。このような手話を見ても
喜べるのは、「本物」を見たことがないからだ。

龍の子学園ができ、バイリンガル教育で育ってきた子どもたちは、今や大人も
顔負けの論客となり、さまざまな問題を考え意見を戦わせる。これこそが「本
物」だ。

残念ながら、現在の日本のろう教育関係者は、本物の手話を身につけた子ども
たちを見たことがない。現状で満足することなく、是非、本物のバイリンガル
とはいかなるものかを見ていただきたいものだ。


(日本語訳:chu)



■発行人より

「継続は力なり」。ダイエットも同じことがいえる。継続してこそダイエット
の効果が出てくる。

ダンベル体操も継続すれば、最低でも3ヶ月続ければ、数字が結果となってみ
えてくる…はずだったのに、挫折。

ダイエットに王道はなし。何事も継続が大事。なのに、私を含め、多くの人が
ダイエット決意しては挫折するという繰り返しをするのはなぜなのだろう。


■メルマガNo.087の手話版は、3月14日のDeafTV-Japanにて配信されました。


□「ろう者の言語・文化・教育を考える」メルマガの手話版は、DeafTV-JAPAN
でごらんいただけます。(有料)
http://www.deaftv.jp/


□「ろう者の言語・文化・教育を考える」メルマガの手話版のDVDは株式会
社ワールドパイオニアで購入できます。
http://www.wp1.co.jp/

メルマガNo.001〜020収録『日本手話とろう文化』 1,800円
メルマガNo.021〜040収録『日本手話とろう文化2』1,800円


□<注意>
引用、転載:出典を明記してくだされば自由にして下さって結構です。
(メールによる丸ごと転送はご遠慮ください)
※著作権は木村晴美が有します。


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発行人:木村晴美
発行日:2008年3月17日(月)
読者数:274人(2008年3月3日現在)
http://deaf.cocolog-nifty.com

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