2008/03/28
某楽器店店長のメルマガ~塗装について
どーも。 某楽器店で働く、しがない店長です。 つたない文章ですが最後まで読んで頂けたらうれしいです。 ちなみに、このメルマガは自店(私の働く楽器店・・・名前は伏せるけど)とは無関係です。 誘店が目的ではないのでご安心ください。 また、かなり主観を混ぜさせて頂いております。 異論、反論は直接メールして頂いて結構ですが、 クレームなどは受け付けておりません。 最終、自己責任ということで。 前回の配信はカゼひいてお休みでした、、スンマセン。。。 花粉症にしてはキツイなぁと思ってたら熱出てました。 完全回復したので、約2週間振りに配信します! 今回は、塗装についてです。 以前、「鳴るとは」ということを語ったときに出てきましたよね? もうご存知でしょうが、この塗装ってのが、とても重要なファクターです。 ↓バックナンバーはこちら↓ http://archive.mag2.com/0000255175/20080205214500000.html まず、木材の鳴りという観点から言えば、無塗装の状態が最も鳴ります。 ただ、それだとサウンドに輪郭が感じられなくなります。 サウンド以外でも、湿気吸い放題、当然ボディにキズつき放題です。 キズってゆうかボディやネックが減りそうですね。 長いこと使ったら一回り小さくなるかも(笑)。 となると、塗装はやっぱりいりますよね。 ただ、薄いに越したことはないでしょう。 ↑まずはコレを覚えてください。 では、よく論議されるのが、「ラッカー塗装」ってやつ。 「ラッカー」って日本語訳すると「塗装」って意味なんで、 これ直訳すると「塗装塗装」になっちゃいますね。 正確には、「ニトロセルロース・ラッカー」というのですが、 それが世では「ラッカー塗装」と呼ばれています。 ま、細かいことは気にせずに。 それで、フェンダーもギブソンもマーチンも、 オールドだのヴィンテージだの呼ばれてるのって、 みんなこのラッカー塗装です。 そうなると、 「ラッカー塗装でないギターはダメなギター」とか、 「ラッカー塗装のギターはイイギター」とか、 なぜかそういう風に伝わってしまうんですね。 はい、これがこの業界にはびこる間違った知識です。 何が間違いなのかって? それは、ラッカーがいいんじゃないんです。 塗装は薄いのがいいんです(さっき言いましたよね)。 ラッカー(ニトロセルロース・ラッカー)は揮発性の高い塗料です。 これを噴くと、塗料の半分位が揮発(蒸発って言えばいいの?)します。 つまり、ある量の塗料を噴きかけても、勝手に半分の薄さになります。 ということは薄く仕上げやすいというメリットがあります。 ラッカーの対義語としてよく使われるのがポリ塗装ってやつ。 本当はポリエステルとかポリウレタンとかある(この2つは全くの別物)のですが、 それらをまとめて「ポリ系」なんつって呼ばれたりします。 これらは、ラッカーほどの揮発性がない上に、 きっちり量を噴かないと木材にくっつかないのです。 ですから、一般的に塗膜が厚くなりがちです。 ここまでだと、「やっぱラッカーのがいいんじゃん」って感じですね。 ただ、ラッカーにもデメリットがあり、ポリにもメリットがあるんです。 今日はそれを覚えて帰ってください(!?)。 ラッカーのデメリットとは、その塗膜が軟らかくて弱いということ。 ちょっとぶつけただけですぐ凹みます。 また、湿度・温度の変化で木材が微妙に伸び縮みするんですが、 塗装がそれについてこれなくて亀裂(ヒビ)が入ることがあります。 いわゆるクラックってやつね。 なぜか新品なのに、あえてこのクラックを入れて売ってる商品もあります。 さらに、パーツ類をあえて錆びさせてたり、キズだらけにしてるのもあります。 そういう仕様に賛否両論ありますが、それだけヴィンテージに対する憧れが強いのでしょう。 まぁ、ヴィンテージ論議は置いといて、木材のことを考えればヒビが入んない方がいいです。 しかも日本のように四季があって、温度・湿度がこれほど変わる環境で使うなら、 塗装の強度ってのは、これはこれで重要になってきます。 ついでに、塗装が軟らかいということは、出音も柔らかくなります。 柔らかい音がいいのか悪いのかは、当然人それぞれですが、 世のラッカー信者全員が柔らかい音が好きなのかというと、疑問が残ります。 これに対してポリ系は硬い塗装ですから、音も「カチッ」とした固い音になります。 「シャキッ」として「パコッ」ってなアタックはこっちの方が出しやすいかもです。 当然、ポリの方が強度もあります。 とまぁ、物事には必ずメリット・デメリットの両面があります。 それを見ないで片側だけ信じてるとイタイことになりますヨ。 これ、何事にも言えることなんじゃないでしょうか。 最近では、極薄ポリ塗装なんてのもあったりします。 逆に、ラッカーでも薄いのから厚いのまであります。 ラッカーなら全て同じ厚さかっていったら、当然そんなことないです。 また、ラッカーの下塗りにポリを使ってるのもあります。 つまりポリの上からラッカーを塗ってるってこと。 これ何か意味あんのかね? 「ラッカー」って書けば売れるからですかね? 更に、ラッカーでもポリでもない、自社開発の塗装とかもあります。 テイラーのも確かそうだったと思います。 みんなやりたいのは「強度があって薄い(鳴る)塗装」でしょう。 いかがですか? 伝わりましたか? 決して「ラッカーだから全ていい」わけではないんです。 では、最後に、 なぜヴィンテージと呼ばれるギター達はみんなラッカー塗装なのか? それは、ポリ塗装をしようとすると、その装置が大規模になるのです。 ラッカーなら小規模な工房でも扱えます。 もしかしたら、ラッカーにせざるを得なかっただけなのかも知れません。 最後まで読んで下さってありがとうございます。 ■編集後記 7年振り位に熱を出して寝込みました。 37℃台後半だったのですが、もうフラフラでした。 歯茎から歯が浮いたみたいな感覚ってわかりますかね? ついでに呼吸困難になりそうなくらいの花粉症。 くしゃみをするたびに間接とかリンパら辺とかが痛むのです。 本当に生きた心地がしませんでした。 そして健康になって思うこと、 本っ当に健康ってありがたいな。 って病気とか怪我の度に思うけど、 次にこれを思う時って、次に病気した時なんだろうなぁ。 直接のご質問・ご感想など、 また「こんな記事を載せて」などのご要望ありましたら、 お気軽にメール下さい。 listen@tiara.ocn.ne.jp ---------------------------------------------------------------------- 某楽器店店長のメルマガ 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000255175.html ----------------------------------------------------------------------


