2009/07/24
文型と文脈
▼▽▼▽▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━No.31━07/25/2009━━ ▼▽▽▼ ≪翻訳の実況中継!≫ネイティブ・チェックから学ぶ 403部 ▼▽▼ ~翻訳者と英語学習者を応援するメルマガ~ ▼▼ Presented by 21c-Terakoya ▼━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.21c-terakoya.com/ ━ ご無沙汰しています。 毎日、鬱陶しい日々が続いていますが、皆さんお元気でしょうか? 先日、「富田の英文読解100の原則」という受験参考書を読んでいたら、次の ような件があった。 (1)I don't know whether he will come with us or not. (2)I have to go whether he comes with me or not. この2つの例文を引き合いに出して、(1)の文のwhether節は名詞節であり、 一方(2)の文のwhether節は副詞節であると筆者は説明している。 その根拠として、(1)の文の動詞knowは「S+V+O」型を採り、(2)の文 の動詞goは「S+V」型を採るからであると。 この筆者の頭の中には、英文の読解においては文脈を考慮するよりも文型を判 断することが重要であるという考えが根を張っているため、このような解説に 行き着くのだろうが、小生には「文脈を完全に無視して、文型だけで正しい英 文の解釈ができるのだろうか」という疑問が残る。 (1)の文はまあ良いとして、そもそも(2)の文の動詞goが「S+V」型で あると決め付けていることに問題がある。 ご存知のように動詞goが採る文型は「S+V」に限らない。たとえば Something has gone wrong with this computerやThis fish will go bad soonなどの文のgoは「S+V+C」である。 (2)の文の意味は「彼がわたしと一緒に来るかどうかに関らず、わたしは行 かなければならない」という意味にしか解釈できない。つまり(2)の文の whether節は譲歩を表しているとしか解釈できない。 このことから、筆者の主張するように動詞goが「S+V」型を採るからwhether 節が副詞節である、といよりも、文脈的にwhether節が譲歩を表しているとし か解釈できないから(2)の文の動詞goの文型は「S+V」であると判断でき る、という流れのほうが自然なのである。 また英語の多くの動詞は複数の文型を採りうるので、文脈を考慮せずしてある 特定の文における動詞の文型を正しく判断できないのではないか。 たとえば、He drinks coffee blackという文は、「彼はコーヒーをブラッ クで飲む」と解釈できるから「S+V+O+C」であると判断できるのである。 多くの辞書はdrinkが「S+V+O+C」型を採ると記載していないので、文 の意味を考えずに辞書だけを頼りにしたら、このdrinkは「S+V+O」型で あると誤った判断をしかねない。 長年の経験から言えることは、正しい英文の解釈には、文型と文脈の双方から の考察が不可欠であり、「まず文型の判断ありき」のような一方通行の戦略では うまく行かない、ということである。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ *≪翻訳の実況中継!≫ ネイティブ・チェックから学ぶ *発行人:21c寺子屋 角田秀美 → http://www.21c-terakoya.com/ *E-MAIL:QGB00217@nifty.com *発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ ■配信の開始と停止はこちらから → http://www.mag2.com/m/0000255141.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ★発行人のプロフィールはこちらです↓ http://www.21c-terakoya.com/profile.htm ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Copyright(c) 2007-2009 21c-Terakoya. All rights reserved.
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