2008/02/10
銀幕をさまよう名言集! No.8「スクール・オブ・ロック」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 銀幕をさまよう名言集! No.8 2008. 2. 13発行 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 2003年/アメリカ 「スクール・オブ・ロック」より ジャック・ブラック扮するニセ教師が、 名門私立小学校の生徒たちと ロックを通じて交流を深めていく物語。 ミュージシャンでもあるジャック・ブラックの ぶっ飛んだ怪演が見どころのスクール・コメディだ。 金を稼ぐためにもぐりこんだ小学校で、 決められた授業のカリキュラムをこなす気0%のニセ教師が、 子供たちにロックスピリットを注入していくサマが痛快だ。 「オレのありがたい教えを聞きたいか? と言うや、生徒たちに持論をまくしたてる。 「夢はあきらめろ! なぜならこの世界では絶対に勝てないから。 努力したって、結局はその分、痛い目を見るだけだ。 なぜなら世界は大物が仕切ってるからだ。 大物はどこにでもいるぞ、ホワイトハウスにもいるし、 校長先生もそうだ。 大物は、オゾン層を破壊し、熱帯雨林を燃やして、 シャチを誘拐して塩素のプールにつけるヤツらだ!」 だが、とニセ教師は言う。 「昔は反抗する手段があった。 それがロックだ!」 そして―― 「だけど今は、残念ながら…… それも大物が破壊した―― ☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ MTVっていう野郎が! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆★☆ MTVといえば、80〜90年代にかけて、 ロックをはじめとしたポピュラー音楽の マーケットを牛耳っていたビッグプロモーターであり、 アメリカの大衆文化に多大な影響力を誇っていた存在だ。 つまり、乱暴な言い方をすれば、 大物に対する反抗の象徴であるロックが、 大物であるMTVに飼いならされていたのである。 MTVっていう野郎に! という言葉は、すなわち、 ロックの存在価値を打ち砕いた現実に対する皮肉と批判である。 正直、ロックの正当性など計れるものではない。 でも、決められた授業のカリキュラムが絶対の正義だと考えて、 そこに何の疑問ももたない(思考停止状態にある)大人たちよりも、 このニセ教師のほうが何十倍も魅力的だ。 事実、それまで親や先生の言うことには絶対服従で、 常に点数や成績のことばかりを気にしていた子供たちが、 そんなニセ教師に、少しずつ気持ちを許していく。 クライマックスでは、 そんな子供たち自身から湧き出たロック(反抗)な叫びが、 ニセ教師と生徒で結成したロックバンドで表現される。 これを“生きた教育”と言わずになんといおう。 ところで、 MTVっていう野郎が! という名言を残したニセ教師役のジャック・ブラックは、 本作で、MTV主催の映画賞「MTVムービー・アウォーズ」(2004年)の 最優秀コメディ・パフォーマンス賞を受賞する。 一般視聴者の投票によるアワードなので他意はないと思うが、 一見すると、MTVからのピリリと辛口な皮肉返しである。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「スクール・オブ・ロック」という作品は、 ハートフルかつお馬鹿なコメディですが、 一方で、骨太なロック精神を感じさせる作品でもあります。 とくに教育現場や学校制度、 あるいは神経症的な親の教育に対する風刺は強烈です。 イギリス映画「小さな恋のメロディ」(1971年)などもそうですが、 権力的でステレオタイプな大人たちの描写には、 子供たちの純粋さを際立てる映画的な装置という枠を越えて、 多分に考えさせられるものがあります。 ************************************ ■銀幕をさまよう名言集! No. 8「スクール・オブ・ロック」 マガジンID:0000255028 発行者 :山口拓朗 ●公式サイト「フリーライター・山口拓朗の音吐朗々NOTE」 http://yamaguchi-takuro.com/ ●メール(ご意見・ご感想をお待ちしています) yamatak47@yahoo.co.jp ************************************ ◎ 銀幕をさまよう名言集! 【購読解除】 http://archive.mag2.com/0000255028/index.html 【発行システム:まぐまぐ!】 http://www.mag2.com/ ************************************



