夕張市立総合病院を引継いだ「夕張希望の杜」の毎日  RSSを登録する

医療関係者(特に公立病院)及び地方自治体関係者、必読のマガジン。あの夕張市立総合病院を引継いだ「夕張希望の杜(もり)」の悪戦苦闘の毎日を、村上智彦医師他の執筆でお届けします。夕張で起こっていることは、10年後の日本の未来です!

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2012/05/21

【夕張希望の杜の毎日】シェアリング

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**    **  夕張市立総合病院を引き継いだ「夕張希望の杜」の毎日
**    **      発行者: 木下としゆき
**          **   http://www.kinoshita-toshiyuki.net
━ *☆*☆* ━━━━━━━ vol.229 ━━ 2012.05.21 ━━━━━━
◎◎   配信第 229回  シェアリング
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
◎  目次
1.はじめに  木下としゆき
2.村上智彦が書く、今日の夕張希望の杜。
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1.はじめに  木下としゆき  
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メルマガ発行責任者の木下としゆきです。
皆さんお元気ですか。

私は先週、アジアの国際空港の視察に出かけました。
福岡・九州の発展のためには、24時間空港が必要なのではないかという
思いで視察に出かけたのですが、東南アジアでの日本に対する好意と
期待の大きさを実感しました。

日本にいるとこのことがピンときませんが、日本人の先輩が築き上げた
信用の大きさを再認識しました。

マレーシアでも日本食や日本のファッションが大人気だそうで、
開発責任者の方は、特に九州や博多の食べ物を誘致したいと言っていました。
マレーシアの味付けは甘く、九州の味をそのままでいけるのだそうです。

しかし、九州の企業に話を持っていくと、大部分のところがしり込みを
されるそうです。企業体力からすると無理のないこととも思いますが、
このあたりを解決できる政策がないものかと思いました。

やはり現地にでかけることは大切ですね。
大学の授業だけでなく、現地調査に頑張ろうと思います。

今の学生さんは、留学を希望する人は激減していると聞きます。
学生さんがもっと海外に出て行きたいと思うようにしていきたいと思います。

では、今週号も最後までお読みいただけると幸いです。

 木下 としゆき

■□■ ご寄付のお願い ■□■
夕張希望の杜では、東北の被災地の支援のための活動費資金を募っています。

・NPO支える医療研究所 0123-52-5777
北海信金 本町出張所    普)0212364 村上智彦
募金くださった方は
sasaeruiryou@gmail.com  までメールしていただければ幸いです。

■ 支援の様子や被災地の状況は、以下のブログ等をご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/yubariishiblog/
http://twitter.com/#!/sasaeruiryou

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2.村上智彦が書く、今日の夕張希望の杜。
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シェアの意味は「分かち合い」、「分かち合う事」といったもので、
最近ではシェアビジネスといった言葉もあります。私達の職場においては、
権限の委譲、マルチスキル化、多職種連携と同じ様な意味で使っています。

例えば、事務職の人が事務だけをやるのではなく、介護の講習を受けて
資格を取り、空いた時間に介護もやったり、歯科や検査の助手をやったり
しています。

医師は外来、病棟、在宅、保健活動、検査等をやり、看護職も訪問看護や
施設のケア、病棟や外来といった様に活動して、特定の場所に張り付いた
プロを作るよりも、その人が居なくても利用者にサービスが提供出来る事を
優先したやり方です。

以前であれば、その職員が病気や事故で休めば、こちらの都合で
「今日は出来ません」で終わりでした。しかし、今ではやっと誰かが
休んでも機能する様になってきています。

このやり方の方が、組織としての機能は高いですし、人件費が少なくて
済みますし、利用者にとっても、実は本人にとっても助かります。
また、お互いの職場の事を理解して仕事をしていく事が可能になります。

どうしても公務員しか経験していない人達は、悪気が無くても自分が
居なければ困る職場の中の小さな組織を作り、そこに利権を生ませて
お山の大将になろうとしてしまいます。

そして「組織を守る事は、住民を守る事だ」とかいう最もらしい言い訳を
考えがちですが、実は自分の事しか考えていません。

役所や医療機関、学校といった職場の多くは、トップがいて三角形の
組織が出来て、トップダウンで機能していたと思います。この様な組織は
ある意味堅実で、経済的に安定して、目標が共通していた状況では上手く
機能していたと思いますし、実際に機能してきました。

しかし、夕張の様に人・物・金が無くなり、新しい方法論を模索したり、
パラダイムシフトが必要な場面では、この様な従来のピラミッド型の組織は
組織を守る事が目的化してしまい機能不全を起こしてしまいます。

ピラミッド型の組織に対してシェアリングすると、関係がスクェアに近く
なります。ピラミッドではトップがいて、その人がトップダウンして
広がっていき、場合によっては一方通行となります。そこでボトムアップと
呼ばれる今度は下から意見を聞く機会を作ってバランスを取っていくのだと
思います。

これに対してシェアリングした組織では、リーダーが理念を持ち、それを
共有した人達が一緒になって実行していくイメージです。大きくなっても
其々のチームがゆるく結びつくことで機能させていくつもりです。

大病院の様な医師を頂点としたトップダウンが必要な組織では従来の
方法論の方が法律的にもいいのでしょうが、支える医療の様な多職種連携で
町創りや生活に直接関わっていく場合には上手く行きません。多分、病院や
学校、役所といった一般世間からは隔絶された独自の世界の常識を住民に
押し付ける事になるからです。

他の分野でもそうですが、長い間行われてきた文化の様になっているので、
現場も住民も混乱します。一番の違いは今までは組織の方針に従ってそれを
守っていれば波風が立たなかったものが、自らの責任で考えて判断して
行動するといった場面が増えるからです。

「責任を取りたくない」というのは、ある意味プロとして失格です。
責任があるという事は、やりがいもあるという事です。

以前にも書いた事がありますが、人がストレスを一番感じるのは、
嫌な事をやっている時ではありません。

「責任は重いのに、権限が無くて、周囲の協力が得られない」という
3要素がそろった時だと言われています。そう考えますと、責任は重くても
権限を持って、周囲が協力してくれたらそれ程ストレスは少ないという事
だと思います。

私は周囲から見たら大変そうですが、権限と周囲の協力があるから
今までやって来られたと思っています。
これからも、そんな仲間を作って行きたいと思います。

 医療法人財団 夕張希望の杜
  理事長 村上智彦  [ http://www.kibounomori.jp/ ]

■ 支援の様子や被災地の状況は、以下のブログ等をご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/yubariishiblog/
http://twitter.com/#!/sasaeruiryou

■「医師・村上智彦の闘い 夕張希望のまちづくりへ」1800円
[ http://www.amazon.co.jp/dp/4788710560/ ]

■「村上スキーム」-地域医療再生の方程式-(1500円)
[ http://www.amazon.co.jp/gp/product/4902969793 ] 
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◎ 編集後記(木下としゆき) 
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最近、授業をしていると、ビジネスマンにとって当たり前の言葉が
まったく学生さんに通じないことが多いので、授業の内容がだんだんと
優しいものに変化してきました。

例えば、「エルピーダメモリー社の倒産」を説明しようとしても、
よく勉強する4年生でも「?」という顔で知らないといいます。

しかし、新聞の紙面をにぎわしたことをわかりやすく説明することも
いざやってみるととても難しいことだということがわかりました。
学生さんがわからない言葉が連続するからです。

ということで、今は池上彰さんの「わかりやすく伝える技術」という本を
読み直しています。自分の話し言葉から四文字熟語や堅い言葉を減らそうと
努力中です。

それから、前回もお知らせしましたが、私が主催する講演会のお知らせです。
6月12日午後6時45分から橋下市長のブレーンである上山信一慶応大学
教授を福岡市にお迎えして講演会を行います。
詳しくは私のブログをご覧ください。
http://www.kinoshita-toshiyuki.net/blog/index.cgi

次回は2012年5月28日となります。
お楽しみに。

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