2011/03/16
【東北地方太平洋沖地震に際して】
=========================================================== ■■■■「こころの家庭教師」通信■■■■ ~ひきこもりの当事者、ご家族の方へ~ ※本メルマガでは、ひきこもりに関する研究情報や本サービスで の知見など、保護者の方や当事者の方にとって有意義なさまざま な情報提供を行っています。 ================================2011年3月16日発行 第52号 緊急でのコラムとなります。今回の東北地方太平洋沖地震により 被災された皆さまに、まずは、心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧をお祈り申し上げます。 今回は緊急のコラムとして、「被災被害のもたらす影響」として 情報提供させていただきたいと思います。今は、皆がそれぞれで きることを考え、行動していくしかないという気持ちです。 ----------------------------------------------------------- 私たちは、震災に限らず、犯罪や大きな事故に巻き込まれたとき に、身体面・精神面両面で非常に大きな影響を受けることがあり ます。通常の生活の中では経験することもないような出来事、直 接自分にふりかかってくるような出来事もあれば、大切な人や物 を一瞬にしてなくしてしまうこともあります。 物理的な人や物だけではありません。経済的な基盤や、社会的な 信用、また避難所などではプライバシーを失うことにもなりかね ません。 加えて、これらの出来事を何ら心の準備がない状態で、直面せざ るをえないのです。通常起こり得ないことについて、心の準備が 出来ている人などいないはずです。 「PTSD」という言葉はみなさんご存じだと思います。日本語で言 うと「心的外傷後ストレス障害」という病気です。怪我などの身 体的な傷ではなく、まさに「心に受ける傷」によって引き起こさ れる様々な問題です。代表的な症状としては、神経が過敏となり いつもびくびくと過ごしてしまい、小さな刺激でも大きくとらえ 夜も眠れなくなったり、また、自分と外の世界とのつながりを感 じられなくなったり、外の刺激からの反応が鈍くなったりするこ とがあります。ストレスを体験してからすぐに発症し、半年ほど 持続するものや、半年以上たってから症状が現れる場合もありま す。 通常、私たちはいろいろな記憶や経験を、自分の中に整理して取 り込んでいきます。しかし、否応なしに直面させられた耐えがた い記憶は、私たち自身の中に取り込んでいくのが難しいとされて います。「異物」として迎えられたこれらの記憶は長く、時には 激しく私たち自身を揺さぶるのだと思います。 さらにこの問題を複雑にしているのが、2次的に起こりうる影響で す。うつ病で知られうような、抑うつ感や億劫感、また、一次的 に記憶があいまいになったり、感情がマヒしてしまうような解離 現象、さらには薬物やアルコールの依存の問題などがそれです。 現実の場面では、これらの症状が問題をより複雑にしていること も考えられます。 また、実際に大切な家族を亡くした方は、大きな「喪失体験」を 負うことになります。一般的にこのような状況では、私たちはま ず、1.パニックとなり、無感覚・感情まひになる段階、次いで2. 怒りがこみ上げ、現実を否認し、奇跡を願う段階、次いで3.失っ たものや人を受け入れ、または断念する段階、最後に4.回復の段 階、が訪れるとされています。各段階の期間は短い人もあれば、 年単位で続く人もいます。また、短すぎる場合には、後になって 上述したような身体症状が顕在化する場合もあります。 つまり、私たちはだれでもこのような段階をたどるわけであり、 これらの感情が湧き上がってくることはなんら不思議でない、む しろ正常だということだと思います。 「人それぞれ、この段階をたどっていく」と理解したときに、周 囲でサポートする私たちの立ち位置はおのずと見えてくるのだと 思います。支援の対象が、大人であれば、言葉などの表現で語れ る範囲でその状況を聴き、共有することも意味があるでしょうし 対象が子どもの場合には、無理に恐怖体験を再現させることより も、こころとからだのアンバランスからくるような、衝動性や、 過覚醒を、遊びやスポーツの中でバランスできるように支援する ことも有効とされています。 昨日のテレビ報道で、「避難所の中で、小さな子どもの笑顔と笑 い声が勇気と希望を与えてくれる」と言った旨の被災者の方のコ メントをききました。また、「前を向かないと、現実見てたら涙 しか出ないよ」という主旨のコメントもありました。これほどの 状況の中でも、生きていこうという力や回復力が働くことの、尊 さをあらためて感じています。 私たちに1人1人が出来ることを考え、小さなことからでも実行し ていく、支えあっていくことしかないように思います。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ ※ご案内※ 船橋カウンセリングルームにて、「こころの家庭教師」メンタルパ ートナーによる、一般向けカウンセリング業務を開始しました。 詳しくは、こちらから。 http://www.human-touch.co.jp/services/000014.php ご意見、ご感想などあればinfo-kokoro@human-touch.co.jpまで。 「こころの家庭教師」 http://kokoro-free.jp/ ----------------------------------------------------------- メールマガジン「こころの家庭教師」通信 ※発行責任者:森川隆司 ※公式サイト:http://kokoro-free.jp/ ※問い合わせ:info-kokoro@human-touch.co.jp ※登録・解除:http://www.mag2.com/m/0000253978.html



