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?千年も生きた人生の達人「金天爺さん」のちょっとためになる思い出話。抱腹絶倒の体験談の中に生きるヒントあり!

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  • 最新号 2008/05/12
  • 発行部数 17
  • マガジンID 0000253603
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2008/01/25

【第8話 嘘つきは泥棒の始まり】

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 金天爺さんの昔話
【第8話 嘘つきは泥棒の始まり】
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わしが幼稚園児の頃の親友にサブローという奴がおった。

サブローはとっても頭のいい奴で、
植民地侵略正当化ごっこ、
魔女裁判の不合理性への逆裁判ごっこ、
細菌兵器開発による副次的社会貢献度アップごっこなど、
普通の幼稚園児では思いつかんような
高度な遊びを次から次と考え出しとった。

サブローは正義感も強くって、
遊びの中でも絶対にズルいことはやらんかったんで、
園児だけやなく先生からも厚い信頼を受けとった。

わしはサブローと違ってよく悪さをした。
先生のスカートの中に忍び込み
パンティを盗んで下着フェチに売ったり、
幼稚園バスを全塗装してロシアに密売したり、
園児の着替え中写真をロリコンマニアに売りつけたり、
そんな幼児ならではの微笑ましいいたずらを繰り返しとった。

サブローはそんな他愛もないいたずらにも猛烈に怒って、
パンティやバスや写真を取り返しに走り回っとった。

それでも、わしとサブローはとっても仲良しやった。


そんなある日の帰り道、
いつものようにわしが万引きしたお菓子を
サブローが取り上げて返しに行こうとした時やった。

そのお菓子にサブローが前から欲しがってた
レアもんのオマケがついとったんや。
サブローの家は厳しくて
自由にお菓子を買うことは許されてなかった。
わしは、正義感と欲望に挟まれて困ってる
サブローの手を引いて全力で走った。

駄菓子屋から遠く離れた所まで来てわしらは立ち止まった。
サブローは幼児らしくない複雑な表情で
手の中のオマケを見つめとった。

「お前、これ欲しいんやろ? 貰っとけや!」
「でも・・・」
「いつもええことばっかりしてるんやから、
そんなくらいええって」
「・・・・・・・」
「おまえが盗ったんちゃうし!」
「うん、だけど・・・」

わしは決心のつかないサブローの手から
お菓子を取り上げて包装を開けた。
あっ!ってサブローが声を出した時には、
サブローの手にはオマケが乗り、
わしの口にはお菓子が入っとった。
「こんなくらいええか?」
サブローはオマケを見つめながら弱々しくつぶやいた。

それからサブローは変わっていった。
「こんなくらいええか!」が口癖のようになり、
こっそり悪さをする頻度が増していった。

それから数十年してサブローは
持ち前の頭の良さと正義感から政治家になり、
TVでもよく見かける実力者にのし上がった。

ところが、その立場を利用して巨額の汚職事件を起こし、
逮捕されてしまいよった。
愚かな奴に成り下がったもんや。
「こんなくらいええか」のレベルが上がり続けてしもたんやろうな。


嘘つきは泥棒の始まり!とゆうけど、あれはホンマや。
嘘くらいのちょっとした悪いことでも
一回してしまうと悪いことへの免疫ができ、
もっと悪いことに対しても
乗り越えたらあかん壁が低くなってしまうんやな。

落書きのある辺りで犯罪が増えるんと一緒や。
落書き程度でも禁止が破られてると、
他の禁止も破っていいような気になってしまうらしい。

つまり、きまりはきっちり完璧に守っていかなあかんのや。
ちょっとくらいやったら、それ自体は大した事ないかも知れんが、
きまりを破ることに抵抗がなくなってしまうんが恐いんやな。
悪魔の囁きに負けたらあかんで。

ん? サブローに囁きかけた悪魔はわしやって?
ちゃうちゃう! もう一回読み直してみぃ!
サブローに語りかけてるんは、あのレアもんのオマケや。
わしやない!わしやないで!

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