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2009/09/27

ヘッドハンティング【東京エグゼクティブ・サーチ事件】

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 あなたの悩みはここで解決!雇用トラブルは判例に相談!

 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/
           
           2009年9月27日発行 第67号
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 みなさん、こんにちは。いのしし社労士事務所の中村です。
 毎度毎度、小難しい判例解説をお届けしております。 
 
 ブログでも書きましたが、ちょっと考えるところもありまし
 て、めずらしく主義主張しちゃいます。

 社労士業界も民主党の政権奪取で大きく環境が変わる分野の
 一つでもありますので、期待感や危機感を含めてですが。

 つい最近ですが、連合が社労士が労働争議に違法に加担して
 いる、と厚生労働省に申し入れした、という記事を読みまし
 た。ちなみに「連合」は日本の労働組合の親玉の一つです。

 社労士の仕事のほとんどは事業主を対象としていますし、事
 業主の利益を優先することは当然ですが、社労士業の目的に
 は、労働者の福祉向上も含まれていますので、一概に事業主
 の利益のために、労働者を違法に阻害することは出来ないこ
 とになっています。

 社労士が違法な交渉をしたり、判例法理に反して解雇や労働
 条件の不利益変更をするなどは論外ですが、社労士が行う仕
 事自体には、連合が求める部分も含まれている、と考える社
 労士は多いと思います。

 ですから、肝心な民主党が社労士を敵視することだけは避け
 て欲しいなぁ、と思います。

 それもこれも、社労士会の政治連盟が選挙で十年一日の対応
 するからだー、とめずらしく内部批判してみたところで、所
 詮は一社労士の独り言ですから、耳には入らないと思います
 が、ホントよろしく頼むよー社労士会、と思ってしまいます。

 これからはいやでも民主党政権と付き合わないといけないの
 でありますから、連合との意見交換など、やれることはやっ
 ていただいて、社労士の仕事と連合の目指すところを調整し
 ていただければ、と切に願うものでありました。

 私も出来ることはやりたいと思っていますが、まずは仕事し
 なきゃだわ(笑)

 それでは、判例解説まいります。

 ヘッドハンティング(人材スカウト)
  ~東京エグゼクティブ・サーチ事件~です。
 最高裁平成6年4月22日第二小法廷判決。

【どんな話】

 東京エグゼクティブ・サーチ社(以下「東京ES社」)は、
 いわゆるヘッドハンティングの会社。企業の求める人材を発
 掘して、転職を促す人材スカウト業を営んでいます。

 東京ES社は職業安定法に基づく「有料職業紹介事業」の許
 可を得ています。

 一方、Aさんは、内科婦人科の病院を経営しています。

 昭和62年7月、東京ES社は、Aさんの病院に内科婦人科
 の先生を探して紹介することとなりました。東京ES社はA
 さんに数人の先生を紹介した後、平成元年2月に適任のX先
 生が見つかり、Aさんに紹介。

 AさんはX先生を同年4月1日から院長として年俸1000
 万円で雇用契約を結びました。

 東京ES社は、Aさんに対して調査活動費の名目で50万円、
 報酬の名目で150万円の合計200万円を請求しました。

 ところがAさんは支払う直前になって、依頼した仕事が職業
 安定法の職業紹介にあたるから、同法で規定する最高額の5
 0万5千円以上は支払わない、と主張するに至りました。

 東京ES社はAさんを相手取って、裁判を起こすことになり
 ました。

【争点】

 職業安定法では、職業紹介のことを

 「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間にお
 ける雇用関係の成立をあつせんすること」

 と定めています。

 東京ES社はヘッドハンティングは、あくまで特定の技術・
 能力を持った有能な人材を発掘し、その人物を説き伏せて転
 職させるといった「人材コンサルティング業」であり、職業
 紹介にはあたらない、と主張しました。

 第一審、第二審とも裁判所は、会社側の主張を否定し、Aさ
 ん側勝訴となりました。

 東京ES社は最高裁に上告しました。

【判決は】

 最高裁は、東京ES社の上告を棄却。Aさん勝訴が確定しま
 した。

 東京ES社がAさんの求めに応じてX先生をスカウトし、A
 さんに紹介した一連の動きは、職業安定法に定める「あっせ
 ん」に含まれるとしました。

 その上で、法律が定めた手数料の法定上限額の設定について、
 求人者(Aさん)や求職者(Xさん)の利益を守ることにつ
 ながっており、適法だとしました。

【解説】

 当時の職業安定法では、有料職業紹介は原則禁止であり、ハ
 ローワークによる無料紹介ではあっせんが難しい専門職を対
 象に、大臣の許可を得て有料職業紹介が認められている、と
 いう仕組みになっていました。

 なぜ禁止していたかというと、あっせんを成立させて手数料
 を得るために、雇う側も雇われる側も本意ではない労働契約
 を結ばされていた、という事例が発生していたため、その防
 止を目的としていたからです。

 一方、昭和から平成に至るいわゆるバブル期は労働市場が売
 り手市場で、不足する有能な人材を引き抜いて同業他社に送
 り込む「ヘッドハンティング」が盛んになっていました。

 もともと職業安定法自体がヘッドハンティングを想定してお
 らず、有料職業紹介の抜け道として人材スカウト業者が高額
 の報酬を得ている状況があり、この判例は、職業安定法での
 有料職業紹介と人材スカウト業について判断する最初の裁判
 でした。

 この判決後、職業安定法が改正され、原則禁止だった有料職
 業紹介事業は許可制の元で認められることとなりました。

 スカウト行為も厚生労働大臣の指針により、職業紹介に該当
 すると明記されています。

 職業安定法の目的は第一条に定めたとおり

 「各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、
 及び産業に必要な労働力を充足し、もつて職業の安定を図る
 とともに、経済及び社会の発展に寄与すること」

 となっています。

 働きたい人が働きたい職業に就けるよう、また企業にとって
 必要な人材の確保が容易になるよう、職業紹介事業の今以上
 の発展が切に望まれます。

【関係条文・判例】

 職業安定法第1条(法律の目的)、同第4条第1項(職業紹
 介の定義)、同第30条第1項(有料職業紹介)、同第32
 条の3(紹介手数料)、同第48条(厚生労働大臣の指針)
 同施行規則第20条及び別表。

 判例は昭和25年6月21日大法廷判決(刑集9巻11号2
 150頁)、昭和30年10月4日第三小法廷判決(刑集4
 巻6号1049頁)がある。

【学説】

 人材スカウト行為は「委託募集」に該当する見解、委託募集
 と職業紹介の両方に該当する見解、などがある。

【出典】

 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」

【次回は?】

 時間外労働手当~高知県観光事件~です。

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【相互リンク】

 さむらいコピーライティング道
 http://www.mag2.com/m/0000250767.html

 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。
 http://www.mag2.com/m/0000253225.html

 ☆chu_sanの魔法の人事労務☆
 http://www.mag2.com/m/0000144368.html

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