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2009/09/20

年休取得の不利益取扱い【沼津交通事件】

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 あなたの悩みはここで解決!雇用トラブルは判例に相談!

 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/
           
           2009年9月20日発行 第66号
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 みなさん、こんにちは。いのしし社労士@中村です。

 あっという間に秋が来て、朝晩は相当冷え込んでますが、み
 なさんも体調管理には気をつけてくださいね。
 
 今年立てた目標のうち、過大な目標もありましたが、足元を
 見据えた現実的な目標に、
 
 「セミナー講師20回」というのがありました。

 どこでもいくらでもいいから、年間20回はどこかで話をし
 たいなー、ということでノルマを課しました。

 特に営業をするでもなく、ブログ、メルマガ、事務所ニュー
 スなどで告知していたくらいでしたが、気がつくと今の段階
 で12回、どこかで講演会の講師をしておりました。

 多いのが農業分野での労務管理・安全衛生の講演会でしたが、
 ファイナンシャルプランナーとしての話や開業話などもさせ
 ていただいています。

 何とか目標の20回はクリアしたいなぁと思っています。
 あと3ヶ月で7本かー、ちょっと頑張らないとなー。

 それでは、判例解説まいります。

 年休取得の不利益取扱い~沼津交通事件~です。
 最高裁平成5年6月25日第二小法廷判決。

【いのしし事務所のお知らせ】****************************

 いのしし社労士の話が聴きたい人!

 「なぜ公務員を辞めてまで社労士になったの?」
 「開業までにどんなことをしてきたの?」
 「試験勉強や営業活動を維持するモチベーションは?」

 などを、みなさんと共有できればと思います。
 ご依頼くだされば、どこへでも行きます!

 まずは、info@inoshishisyaroshi.com まで!

************************************************【感謝】

【どんな話】

 沼津交通はタクシー会社で、そこで働くAさんは会社の労働
 組合に所属しています。

 沼津交通では、より多くのタクシーを出しておく観点から、
 乗務員の出勤率を高めるために、労使で話し合って皆勤手当
 の制度を作りました。

 欠勤1日で手当の半額が減額、欠勤2日で不支給となります。
 欠勤には有給休暇を含むことになっていて、Aさんは有休取
 得により2年間で皆勤手当を約1万5千円減額されました。

 89年11月ごろ、会社側は労働基準監督署の指導により、
 皆勤手当の欠勤に有休を含めないことについて、組合側と確
 認し、今までの分についてさかのぼって請求しないことに合
 意したのですが、Aさんはそれに納得できず、

 「過去にさかのぼって不支給分を返せ!」

 と提訴しました。

【争点】

 労働基準法第136条では、
 
 「有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不
 利益な取扱いをしないようにしなければならない。」

 と定めてありますので、沼津交通が組合と合意していた皆勤
 手当の減額がこれに該当するかどうか、またそもそもこの規
 程が強制力を持った規定か、それとも努力規定に過ぎないの
 か、それが争点です。

 第一審ではAさんの主張を認めて、会社側敗訴、第二審では
 Aさんが逆転敗訴になりました。

 Aさんは最高裁に上告しました。

【判決は】

 最高裁はAさんの上告を棄却。会社側の勝訴が確定しました。

 判決では、当番が決まった後に有休を取られると、代わりの
 人を見つけることが難しく、結局はその日の運送台数が減っ
 て運賃収入が下がってしまうことになります。

 皆勤手当は、そうしたことを避ける配慮をした乗務員のため
 にあるのであって、有休取得を抑えることが目的ではない、
 と判じました。

 また皆勤手当の金額も月給の1%強にすぎず、有休取得の抑
 止効果もそこまで大きくなかったと思われます。

 したがって年休取得による皆勤手当の削減は、法律上は望ま
 しくはないですが、有休取得ができなくなるほどのものでは
 なく無効とまでは言えない、としました。

【解説】

 判決では、不利益取扱いを禁じた労基法の規定はあくまで努
 力規定だとし、実際に不利益取扱いした場合に、その行為そ
 のものが無効になるとまでは言えない、としました。

 皆勤手当の削減措置は好ましくはないが、その措置が有給休
 暇の取得権利を実質的に失くし、無効とすべきものかどうか
 は、

 どういう趣旨で設けられた規定か、
 規定の目的は何か、
 労働者が失う経済的利益の程度はどのくらいか、
 取得を抑止する力は強いか弱いかなど、

 諸般の事情を総合して判断すべきだとしています。

 実務上では、判例でも「法律的には好ましくない」としてい
 ますし、通達(昭63.1.1 基発第1号)でも同様の趣旨が述べ
 られていますので、もしそういう規定があるならば、改正す
 る方向で検討したほうがいいと思われます。

【関係条文・判例】

 労働基準法第39条(年次有給休暇)、同第136条(有給
 休暇取得の不利益取扱い)、民法第90条(公序良俗)。

 判例では、西村産業事件、日本シェーリング事件、ニュード
 ライバー事件、モデルハイヤー事件、大瀬工業事件、エス・
 ウント・エー事件、エヌ・ビー・シー事件などがある。

【学説】

 労働基準法第136条の解釈について、

 (1)強行法規と解して、不利益取扱いを違法とするもの、
 (2)同条が法39条に強行法規たる地位を与えたとするも
    の、
 (3)本条に違反する不利益取扱いは、公序良俗に反すると
    するもの、
 (4)法39条に年休取得を理由とする不利益取扱いを禁ず
    る私法規範が含まれており、136条はそれを確認し
    たもの、とするもの、

 がある。

【出典】

 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」

【次回は?】

 ヘッドハンティング~東京エグゼクティブ・サーチ事件~です。

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【相互リンク】

 さむらいコピーライティング道
 http://www.mag2.com/m/0000250767.html

 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。
 http://www.mag2.com/m/0000253225.html

 ☆chu_sanの魔法の人事労務☆
 http://www.mag2.com/m/0000144368.html

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