2009/09/13
業務命令【国鉄鹿児島自動車営業所事件】
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ あなたの悩みはここで解決!雇用トラブルは判例に相談! http://ameblo.jp/fukuoka-sr/ 2009年9月13日発行 第65号 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ みなさん、こんにちは。いのしし社労士事務所の中村です。 久しぶりの判例メルマガ発行となりました。 夏が過ぎて秋が来て、食欲、読書、スポーツと、問題山積の 今日この頃ですが(笑)、何とか後れを取らないようにして いきたいものですね。 あ、それと、9月20日に特定社労士受験生向けのセミナー を開催予定です。よかったら当事務所までお問い合わせくだ さい。場所は福岡県大野城市「まどかぴあ」。10時開始。 金額は6,000円です。 それでは、判例解説まいります。 業務命令~国鉄鹿児島自動車営業所事件~です。 最高裁平成5年6月11日第二小法廷判決。 【いのしし事務所のお知らせ】**************************** いのしし社労士の話が聴きたい人! 「なぜ公務員を辞めてまで社労士になったの?」 「開業までにどんなことをしてきたの?」 「試験勉強や営業活動を維持するモチベーションは?」 などを、みなさんと共有できればと思います。 ご依頼くだされば、どこへでも行きます! まずは、info@inoshishisyaroshi.com まで! ************************************************【感謝】 【どんな話】 旧国鉄(JR)は、長年の赤字体質に苦しんでいました。国 鉄労働組合(国労)の活動も活発で、職場規律の確立が経営 側の強い意志となっていました。 中でも鹿児島自動車営業所は労使の対立が激しく、職場規律 が最悪だとされているところでした。 そこで、経営側は国労側が行っていた、 「勤務時間中のワッペン・赤腕章着用」の取り組みに対し、 その取り外しを命令し、従わない者は担当業務から外すよう、 管理職に指示していました。 昭和60年7月23日のこと、国労組合員のAさんは、組合 員バッチを着けたまま、仕事に取り掛かろうとしていたとこ ろ、管理職Bさんらは、上からの指示に従いバッチの取り外 しを命じました。 Aさんがそれに従わなかったため、Bさんは、Aさんを担当 業務から外し、桜島の火山灰を取り除く作業を命じました。 炎天下の熱い中、特に休憩を取らせることもなく、見かねた 他の職員がAさんに飲み物を差し入れようとしましたが、B さんはこれを制止するなど過酷な状況が10日間続きました。 Aさんは 「この業務命令は、懲罰的なもので、他の職員への見せしめ 行為であって、違法だ!」 「精神的に苦痛を受けた!」 などとして、Bさんらに対して損害賠償請求を起こしました。 【争点】 この事件の背景には、旧国鉄の累積赤字の原因を悪化する労 使関係に求める経営側と、それに反発する労働組合側の対立 がありました。 そこで、Bさんらが命令した降灰除去作業なのですが、この 作業が果たして業務上の必要性があったのか。単に処罰目的 でさせただけではないのか。 また必要性があったとして、あまりにも過酷な作業だったた め、労働者が被った不利益の度合いが強すぎるのではないか、 そこが争点となりました。 第一審、第二審とも業務上の必要性はあり、業務命令の対象 にはなるが、懲罰・報復が目的で、合理性がないとしてAさ んが勝訴しました。 Bさんらは最高裁に上告しました。 【判決は】 最高裁は第二審の判決を破棄して、Bさんの勝訴としました。 最高裁は降灰除去作業はAさんが主張するほどの過酷な仕事 ではなく、Aさんの担当業務の範囲内だとしました。 さらにAさんが「バッチを外せ」という業務命令を破り、職 場内の規律を乱した事が原因なのだから、屋外作業に当たら せ、また清涼飲料水を渡すことを制止したことも、職場管理 上やむを得ない措置だった、と判断しています。 【解説】 結局のところ、この判決の意味するところは、 一 業務命令が本当に仕事上必要なものだったのか、 二 仮に必要だとしても、本人らの権利とか人格を否定する ような内容じゃなかったのか、 について、事実認定が下級審と最高裁で正反対だったという ところにあります。 業務命令が法律的に正しかったかどうかは、業務の内容、必 要性の程度、それによって労働者が蒙る不利益の程度などと ともに、その業務命令の目的や経緯なども見た上で判断され る(電電公社帯広局事件)とされています。 前述したように、この判決の背景には、旧国鉄の当時、異常 とも言える労使関係と、それに伴う政治的思惑も絡んでおり ますので、一概にこの判決でもって実務的に 「何やっても許されるんだ」 とは言えないところがあります。 実際には、業務命令に懲罰的・報復的な意味合いを含ませる ことは、労働契約上の違法性を問われる可能性が高いものと 思われますので、注意が必要です。 【関係条文・判例】 判例は、電電公社帯広局事件、国労青函地本事件、大成観光 事件がある。 【学説】 特になし。 【出典】 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」 【次回は?】 年休取得の不利益取扱い~沼津交通事件~です。 ============================ 【相互リンク】 さむらいコピーライティング道 http://www.mag2.com/m/0000250767.html 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。 http://www.mag2.com/m/0000253225.html ☆chu_sanの魔法の人事労務☆ http://www.mag2.com/m/0000144368.html ================================ 【発行・編集】いのしし社会保険労務士事務所 【問合せ】http://tinyurl.com/69q3qc 【発行システム】http://www.mag2.com/ 【配信中止】http://www.mag2.com/m/0000252731.html 【免責事項】内容は筆者独自の見解です。また、掲載情報に基づいて 被ったいかなる損害・被害についても、筆者は一切の責任を負いか ねます。ご了承ください。 ================================


