2009/07/23
チェック・オフ【エッソ石油事件】
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ あなたの悩みはここで解決!雇用トラブルは判例に相談! http://ameblo.jp/fukuoka-sr/ 2009年7月23日発行 第64号 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ みなさん、こんにちは。いのしし社労士事務所の中村です。 社労士読者のみなさまにセミナーの告知です。 【緊急告知】 特定社労士を受験する方へ。福岡で、特定社労士受験対策講 座を開催することにいたしました! 9月20日(日)10時から「大野城まどかぴあ」にて。 講師は福岡県社労士会の村上宏史先生です。 先生は、特定社労士として個別労使紛争を専門にしておられ、 受験対策から実務までを語ることができる数少ないスペシャ リストの一人です。 会費も6,000円と、村上先生の御配慮でかなり低価格に抑える ことができました。 今年受験される九州、中国地方の方は是非ご参加ください! 申込み、お問合わせは、 hakatanouryokai@yahoo.co.jp まで それでは、判例解説まいります。 チェック・オフ~エッソ石油事件~です。 最高裁平成5年3月25日第一小法廷判決。 【いのしし事務所のお知らせ】**************************** いのしし社労士の話が聴きたい人! 「なぜ公務員を辞めてまで社労士になったの?」 「開業までにどんなことをしてきたの?」 「試験勉強や営業活動を維持するモチベーションは?」 などを、みなさんと共有できればと思います。 ご依頼くだされば、どこへでも行きます! まずは、info@inoshishisyaroshi.com まで! ************************************************【感謝】 【どんな話】 エッソ石油の労働組合に所属していたAさんらは、執行部と 活動方針で食い違いが生じたので、昭和57年9月、別の労 働組合を結成しました。 ところで、前の労働組合は、会社側と給料から組合費を天引 き(チェック・オフ)する約束(労使協定)を結んでいまし た。 Aさんらは自分らのチェック・オフ分を新たな組合に振り込 むように申し入れましたが、会社側はエッソ労組との協定が あるからとこれを拒否。 10月の給料からも前の組合費がチェック・オフされてしま いました。 Aさんらは同年11、12月の2度にわたってチェック・オ フを止める依頼をし、会社側に抗議も行いましたが、結局は、 翌年3月までチェック・オフが続きました。 Aさんらは、会社側に 「前労組の組合費をチェック・オフし続けるのは、労働基準 法の賃金全額払いの原則違反だ!」 「チェック・オフした組合費分を返せ!」 として訴えを起こしました。 【争点】 会社側としては、エッソ労組との労使協定を義務だと解釈し、 Aさんの給料からチェック・オフを続けました。 しかしAさんらからすれば新しい組合を作ったのに、前労組 の組合費をチェック・オフされることはありえないことでし て、そこがこの裁判の争点です。 第一審では、この労使協定によるチェック・オフは会社の義 務ではあるが、Aさんらの組合員資格が失われた日(昭和5 7年10月14日)以降のチェック・オフは違法と判断しま した。 第二審では、労使協定によるチェック・オフは会社の義務で はないと判断して、前労組のチェック・オフを止めるよう意 思表示した日(昭和57年11月5日)から天引きは違法に なるとしました。 会社側はこの判決を不服として最高裁に上告しました。 【判決は】 最高裁は会社側の上告を棄却、Aさんらが勝訴しました。 会社が組合費をチェックオフするには、協定はもちろんです が、個別の組合員からも委任を受ける必要があると判断しま した。 今回の事件では、Aさんらがチェック・オフを止めるよう求 めた時点で、この委任がなくなったとみなされ、その時には 会社側はすぐにチェックオフを中止しなければならない、と しています。 【解説】 本来、給料はその全額を本人に支払わないといけないことが 労働基準法に定めてあります。 ところがその例外として労働組合と会社が労使協定を結んで、 給料から組合費を天引きすることがあります。これを「チェ ック・オフ」といいます。 今回のケースでは労働協約(法律と同様の効果があり、就業 規則より強い効力があります)も結んでいますので、組合員 については強制力を持つかと思われがちですが、判例におい ては、協定は罰則を免れる効果を持つにすぎない、としてい ます。 さらに労働協約であったとしても、組合費個々の組合員の委 任を受けなければチェック・オフはできないとしていますの で、賃金の全額払いの原則については、判例ではかなり厳し く解釈されているということです。 【関係条文・判例】 労働基準法第24条(賃金の支払)、同第120条第1号 (30万円以下の罰金) 判例ではネッスル日本霞ヶ浦工場事件、東京計器事件などが ある。 【学説】 チェック・オフについては、労働組合の根幹をなす財政に影 響する観点から、協定が結ばれていれば、個々の労働組合員 は同意しているとみなすべきであるとする判例や、 協定の規範的効力を肯定し、組合員の多数がそれに賛成し、 それに基づいて組合と使用者とで協定が結ばれているならば、 その協定には拘束力がある、とする説もある。 【出典】 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」 【次回は?】 業務命令~国鉄鹿児島自動車営業所事件~です。 ============================ 【相互リンク】 さむらいコピーライティング道 http://www.mag2.com/m/0000250767.html 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。 http://www.mag2.com/m/0000253225.html ☆chu_sanの魔法の人事労務☆ http://www.mag2.com/m/0000144368.html ================================ 【発行・編集】いのしし社会保険労務士事務所 【問合せ】http://tinyurl.com/69q3qc 【発行システム】http://www.mag2.com/ 【配信中止】http://www.mag2.com/m/0000252731.html 【免責事項】内容は筆者独自の見解です。また、掲載情報に基づいて 被ったいかなる損害・被害についても、筆者は一切の責任を負いか ねます。ご了承ください。 ================================


