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2009/03/29

津田沼電車区事件【重要判例その59】

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 仕事が人を育てる。人が会社を育てる。
 人は仕事で想いをかなえる。

 重要判例から学ぶ!10分で経営を伸ばす人事労務戦略
 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/
           
           2009年3月29日発行 第59号
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 いのしし社労士@中村です。
 気がついたら開業して1年が経過しようとしています。

 1年間の成果なのでしょうか、顧問先が何とか2ケタとなり
 スポット業務も併せれば、何とか事務所経営が軌道に乗った
 かなぁという感じです。

 もちろん、まだまだ全然仕事量としては足りないのですが、
 もともと一から始めた社労士業ですし、営業経験もない中で
 は、まあこれでもいい方ではなかろうか、と思います。

 どの業界でも同じでしょうが、社労士業もお客さまにコンサ
 ルティングができないと業界では生き延びていけないことを、
 この1年、骨身に染みて実感しています。

 もちろんコンサルティングを行うということは、社労士業の
 みならず、他士業、他業種との連携が不可欠でして、その意
 味においては、この1年は種まきの年だったと言えるでしょ
 う。

 種が芽を出して、花が咲くかどうか、これからが勝負です。
 また1年間、よろしくご指導くださいませ!

 それでは、判例解説にまいります。

 年休の争議行為利用〜津田沼電車区事件〜です。
 最高裁平成3年11月19日第三小法廷判決。

【いのしし事務所のお知らせ】**************************

 いのしし社労士の話が聴きたい人!

 「なぜ公務員を辞めてまで社労士になったの?」
 「開業までにどんなことをしてきたの?」
 「試験勉強や営業活動を維持するモチベーションは?」
 
 などを、みなさんと共有できればと思います。
 ご依頼くだされば、どこへでも行きます!

 まずは、info@inoshishisyaroshi.com まで!

**********************************************【感謝】

【どんな話?】

 国鉄清算事業団(事業団)の津田沼電車区で働くAさんは、
 旧国鉄の労働組合のひとつである「動労千葉」津田沼支部の
 執行委員。

 当時、津田沼電車区は、運転部門と検修部門があり、Aさん
 は検修係の仕事をしていましたが、年休については、部門の
 長ではなく電車区長が決定していました。

 さて、動労千葉は、旧国鉄の労働組合の中でも活発な活動を
 することで知られていましたが、当初予定していた昭和60
 年11月29日からのストライキを半日繰り上げ、同28日
 に24時間ストを実施しました。

 その結果、多数の列車が運休、遅延するなど影響が出ました。

 Aさんはその前の21日、電車区長に28日午後半日休暇の
 申請を出していました。

 動労千葉のストライキ繰上げの情報を知ったAさんは、助役
 に年休申請が事実上承認されたままというのを確認すると、
 そのまま28日は出勤せず、ストライキに参加。

 執行委員としてストライキの実行に積極的な役割を果たしま
 した。

 事業団側はAさんの年休を欠勤扱いとし、賃金をカットしま
 したが、Aさんは

 「ちゃんと年休申請して、承認したじゃないか!」
 
 と賃金の支払いを求めて裁判を起こしました。

【争点】

 今回は、最初からストライキを行うことを目的に年休を申請
 したわけではなく、たまたま取った休みにストライキが重な
 っただけという状況です。

 ですから、Aさんとしてはストライキがあろうとなかろうと、
 もともと年休を取る予定だったので問題はないはず!と主張
 しています。

 第一審では、仮に電車区長が年休の時季を変更したとしても、
 それには従わなかったであろうことから、Aさんの年休は、
 それに名を借りたストライキであり、本来の年休権行使では
 ないとして、Aさんの主張を退けました。

 第二審でもAさんは敗訴。Aさんは最高裁に上告しました。

【判決は?】

 最高裁はAさんの主張を退け、上告を棄却。事業団の勝訴が
 確定しました。

 Aさんは、事業の正常な運営を妨げる目的でストライキに参
 加し、たまたま年休を出していたのをいい事に、それを利用
 したに過ぎません。

 年休というのは、職場が正常に運営されるための勤務シフト
 があることを前提にしていますから、その前提を崩すための
 年休利用は法の趣旨に反しています。

 したがってAさんが28日に取った年休はそもそも成立しな
 いことになると判断しました。

【いのしし社労士の解説】

 この判例が注目されるのは、組合のスト指令による年休取得
 ではなく、自発的意思に基づくスト参加のための年休取得で
 あっても年休が成立しないことを示したところにあります。

 白石営林署事件でも解説していますが、そもそも年休をどの
 ように使うかは、その職場の全員が参加するストライキを目
 的とした一斉休暇闘争以外は、労働者の自由ということにな
 っています。

 学説では、年休を取るということは、労働の義務が消滅する
 ことを意味し、労働の義務を意図的に放棄する「ストライキ」
 の考え方は、年休を取った労働者には成立しない、というの
 が理論的に正しいと考えられています。

 逆に本件第二審では、仮にスト参加指令がなく個人的にスト
 に参加しようとして年休を取った場合でも、事業の正常な運
 営が妨げられるくらいのストライキであれば年休権は発生し
 ない、と判示していますから、年休の利用目的については、
 学説と裁判例は真っ向から対立していると言うことができる
 でしょう。

【関係条文・判例】

 労働基準法第39条各項(年次有給休暇)。判例では、白石
 営林署事件、国鉄郡山工場事件、国鉄直方自動車営業所事件、
 夕張南高事件がある。

【学説など】

 年休の争議行為利用について、年休成立の肯定説、否定説、
 年休成否二分説(中間説)がある。

 ストライキによって労働者の年休権が意味のないもの(否定
 説)になるのか、それとも年休権を優先して労働の義務がな
 くなり、ストライキの参加の有無が年休権の成立には無関係
 (肯定説)となるのかで議論が分かれている。

 さらに中間説は、一斉休暇闘争での年休を否定しつつ、他の
 職場でのストライキ参加は年休の成否に影響しないという説
 である。

【出典】

 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」

【次回は?】

 時間外労働義務〜日立製作所武蔵工場事件〜です。

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【相互リンク】

 さむらいコピーライティング道
 http://www.mag2.com/m/0000250767.html

 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。
 http://www.mag2.com/m/0000253225.html

 ☆chu_sanの魔法の人事労務☆
 http://www.mag2.com/m/0000144368.html

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【発行・編集】いのしし社会保険労務士事務所
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