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2009/01/04

三井倉庫港運事件【重要判例その53】

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 仕事が人を育てる。人が会社を育てる。
 人は仕事で想いをかなえる。

 重要判例から学ぶ!10分で経営を伸ばす人事労務戦略
 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/
           
           2009年1月4日発行 第53号
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 いのしし社労士@中村です。

 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願
 いします。

 年賀状やメールで、このメルマガを楽しみにしていますと、
 多くの方から励ましをいただきました。

 あらためて、このメルマガがみなさんのお役に少しは立って
 いるんだなぁと、うれしく思った次第です。

 昨年は12月いっぱい、発行のお休みをいただき、英気を養
 ってまいりました。今年はできるだけ週刊連載を守って、読
 者のみなさまのご期待に応えていきたいと思っております。

 引き続きご愛読くださいますよう、よろしくお願い致します。 
 それでは、判例解説にまいります。

 ユニオン・ショップ協定の効力〜三井倉庫港運事件〜です。
 最高裁平成元年12月14日第一小法廷判決。

【いのしし事務所のお知らせ】****************************

 いのしし社労士の話が聴きたい人!

 「なぜ公務員を辞めてまで社労士になったの?」
 「開業までにどんなことをしてきたの?」
 「試験勉強や営業活動を維持するモチベーションは?」
 
 などを、みなさんと共有できればと思います。
 ご依頼くだされば、どこへでも行きます!

 まずは、info@inoshishisyaroshi.com まで!

************************************************【感謝】

【どんな話?】

 海運会社である三井倉庫港運。そこの労働者は「全港湾」と
 いう労働組合に所属し、会社と全港湾はいわゆる「ユニオン
 ショップ協定(以下「ユ・シ協定」)」を結び、組合を脱退
 ・除名した従業員は解雇することにしていました。

 ところが、ある6人の従業員は「運輸一般神戸支部」という
 別の労組にも同時に加入しました。

 そして全港湾の方針や運営に不満があったのでしょう。昭和
 58年2月21日午前8時半ごろ、全港湾を脱退し、運輸一
 般神戸支部の職場分会を結成、会社に通告しました。

 全港湾側はユ・シ協定に基づいて6人の解雇を申し入れ、同
 日午後6時ごろ、会社側もその6人を解雇。

 その後、全港湾はその6人に復帰を働きかけ、結果、3人は
 全港湾に復帰しましたが、残りの3人は、運輸一般に残りま
 した。

 一方、脱退した従業員が加入した運輸一般は、3人の解雇は
 無効だと主張して、団体交渉を会社に求めましたが、会社側
 はユ・シ協定を理由に団交拒否。

 この3人は、運輸一般を通じて労働委員会に救済を申し立て
 つつ、解雇無効を求めて裁判を起こしました。

【争点】

 大ざっぱに言えば、全港湾と会社が結んだ労使協定と運輸一
 般の団結権のどちらが優先されるのかが争点となります。

 ちなみにユ・シ協定で有名な日本食塩事件(最高裁昭和50
 年4月25日)では、ユ・シ協定による解雇を、

 「当該労働者が正当な理由がないのに労働組合に加入しない
 ために組合員たる資格を取得せず、又は労働組合から有効に
 脱退し若しくは除名されて組合員たる資格を喪失した場合に
 限定」

 しています。第一審、第二審ともに3人が勝訴。会社側が最
 高裁に上告しました。

【判決は?】

 時系列でみたとき、3人が組合を脱退して、別労組を結成し
 たのが午前8時半ごろ、会社側がユ・シ協定を理由に3人を
 解雇したのが同日の午後6時ごろとなっています。

 したがって、会社側が3人を解雇したときには、この3人は
 別の労組の組合員であって、会社と全運輸が結んでいるユ・
 シ協定による解雇義務はこの3人については生じていないと
 認定。

 他にこの解雇について合理性を裏付けるような事情もないの
 で、この解雇は、解雇権濫用により無効だと判断されました。

【いのしし社労士の解説】

 この判決はユニオンショップ協定については労働者個人の団
 結権・組合選択の自由を優先した判断を最高裁が持っている
 ことを示しています。

 判決文では、労働者はどの労働組合を選ぶかは自由だし、ユ
 ・シ協定を結んでいない労働組合の団結権も、同様に保障す
 べきだとしています。

 その上で、解雇を脅しに特定の労組の加入を強制することは、
 労働者の権利をおびやかすものだとして、ユ・シ協定による
 解雇は許されないと判じています。
 
 したがって、今回のケースのように、全港湾を脱退、あるい
 は除名され、別の労組に加入、または結成したようなときは、
 ユ・シ協定のうち解雇を定めた部分は、当然に無効となるわ
 けです。

 この事件の顛末ですが、解雇処分後の昭和59年1月に全港
 湾側がこの3人を除名処分しています。

 もし会社側が、組合側の除名処分を待って解雇していれば、
 除名処分の理由いかんで、会社側の闘う余地は残っていたか
 も知れないなぁと思いました。

 ちなみにユ・シ協定の存在については、加入しない自由と加
 入を強制されることで得られる組合の団結力(すなわち会社
 との交渉力)を比較したら、後者の利益の方が憲法で定める
 団結権の趣旨に合っているとして、有効だとする説が一般的
 だとされています。

【関係条文・判例】

 憲法第28条(団結権)、民法第90条(公序良俗)
 
 判例では前述の日本食塩事件のほか、日本鋼管鶴見製作所事
 件、東芝労働組合小向支部東芝事件などがある。

【学説など】

 ユ・シ協定については、組合から除名された従業員の解雇に
 ついて、以下の説がある。

 無効説 除名が無効なら解雇も当然無効である。  
 有効説 除名と解雇は別の問題とする。
 中間説 使用者側が除名を無効と知り得るなど、一定の条件
     下では解雇を無効とする。 

 またユ・シ協定は、除名・脱退者の解雇を当然にもたらす規
 範的効力を有さず、解雇を使用者に義務付ける債務的効力を
 有するだけとされている。

【出典】

 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」

【次回は?】

 有期契約と試用期間〜神戸弘陵学園事件〜です。

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【相互リンク】

 さむらいコピーライティング道
 http://www.mag2.com/m/0000250767.html

 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。
 http://www.mag2.com/m/0000253225.html

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【発行・編集】いのしし社会保険労務士事務所
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