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2008/10/19

東亜ペイント事件【重要判例その47】

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 仕事が人を育てる。人が会社を育てる。
 人は仕事で想いをかなえる。

 重要判例から学ぶ!10分で経営を伸ばす人事労務戦略
 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/
           
           2008年10月19日発行 第47号
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
 いのしし社労士@中村です。
 
 11月に入って正式に告知しますが、九州の社労士仲間でつ
 くっている自主研修グループ「博多納涼会」のセミナーの日
 程が決まりました。


 日 時 12月6日(土)午後1時30分〜4時30分
 場 所 福岡県春日市「クローバープラザ」

 
 で、内容なのですが、福岡県の社労士なら知らない人はいな
 い!というくらいの方に講師をお願いしていて、主催側とし
 ても、ちょっとビビってます(笑)

 内容も先生にお任せしていますので、正式に決まり次第、ブ
 ログやメルマガにて告知させていただきたいと思います。

 会場の関係で、あまり多くの方が入らないかと思いますので、
 日程の都合の付く方は、とりあえず予定だけ入れていただけ
 ると嬉しいです。

 あ、もちろん10月31日のいのししセミナーも、まだ参加
 受付中です。よろしくお願いします!
 
 それでは、判例解説にまいります。

 配転〜東亜ペイント事件〜です。
 最高裁昭和61年7月14日第二小法廷判決。

【いのしし事務所のお知らせ】************************
 いのしし社労士の「猪突猛進セミナー」
 10月31日(金)午後2時から4時30分
 福岡市博多区「福岡センタービル」10階にて
 「会社を就業規則の作り方、教えます!!!」を開催
 
 セミナーの詳細
 http://inoshishisyaroshi.com/081031seminar.pdf
 ブログでの告知
 http://ameblo.jp/fukuoka-sr/entry-10149694321.html
 申込み・問合せ
 http://tinyurl.com/69q3qc
 ********************************************【感謝】

【どんな話?】

 Aさんは、東亜ペイントで働く営業マン。

 昭和40年、新卒と同時に大阪営業所に配属、その後別の会
 社の大阪営業所に出向となりましたが、出向を解かれた後も
 神戸営業所で営業の仕事をするなど、一貫して営業畑でした。

 そんなある日、昭和48年のことですが、Aさんは広島営業
 所への転勤を打診されました。

 Aさんには高齢のお母さん(当時71歳)と、共働きで保育
 士の妻と幼い子供(2歳)がいて、堺市内に住んでいました。

 特にお母さんは大阪から離れたことがなく、妻も仕事を辞め
 ることが難しかったのです。

 そこでAさんは転勤を拒否したところ、会社は名古屋営業所
 に転勤を内示。

 Aさんは当然、これも拒否しました。会社はAさんの同意を
 得られないまま、名古屋営業所への転勤を命令しました。

 Aさんは会社の命令に応じなかったため、会社は就業規則に
 定める懲戒規定に当てはまるとして、Aさんを懲戒解雇しま
 した。

 Aさんは、

 「この配置転換命令は、会社の権利濫用で無効だ」
 「配転命令が無効なのだから、当然、懲戒解雇も無効だ!」

 として会社を訴えました。

【争点】

 Aさんの個人的な事情と会社の業務上の都合のどちらを優先
 するの?と、むちゃくちゃ単純に言うとそれが争点です。

 第一審、第二審ともに会社の配転命令は、配転命令権の濫用
 として無効と判断。Aさんが勝訴しました。

 そこで会社側は、最高裁に上告しました。

【判決は?】

 最高裁は原審の判断の一部を破棄し、高等裁判所に差し戻し
 ました。事実上、会社側の逆転勝訴となります。

 会社が行った配転命令は業務上の必要性があり、転勤がAさ
 んの家庭に与える不利益は、世間一般的には、甘んじて受け
 る程度のものだとしました。

 会社には労働協約や就業規則で転勤命令についての定めがあ
 るし、実際、東亜ペイントでは営業マンの転勤は頻繁に行わ
 れています。

 Aさんが入社したときも特に大阪に勤務地を限定するという
 約束をしていたわけではないので、会社としては、Aさんに
 同意を得ることなく、転勤させる権限があるとしました。

【いのしし社労士@霞雲の介の解説】

 この判例は、転勤を伴う配置転換命令の法律的な位置づけを
 明らかにした大変重要なものです。

 もちろん、転勤によって従業員の生活は変化を余儀なくされ
 ますので、会社の配転命令権は無制限に行うことができると
 いうわけではありません。

 したがってその濫用に当たる場合とはなにか、も判示されて
 います。

 (1)業務の必要性がない場合、
 (2)業務の必要性があったとしても 
   ア 他の不当な動機・目的がある場合、
   イ 労働者に通常、甘んじて受けるレベルを著しく超え
     る不利益がある場合、

 としています。

 さらにここでいう業務上の必要性についても、例えばAさん
 以外に名古屋でこの仕事ができる人はいない!と言った、高
 度な必要性は不要で、

 (1)労働力の適正配置、
 (2)業務の能率増進、
 (3)労働者の能力開発、
 (4)勤務意欲の高揚、
 (5)業務運営の円滑化、

 などの企業の合理的運営に資することが認められる限りは、
 業務上の必要性がある、と見なされます。

 ですから、勤務地や職種の限定について事前の合意がない限
 りは、就業規則での配置転換の規定やそれに基づく配転命令
 は有効であるとされています。

 しかし近年では、育児介護休業法第26条において、転勤で
 育児や介護が困難になる場合は、配慮が必要である旨定めら
 れていますし、下級審では、育児介護を理由とした配転無効
 の例も多く出されています。

 特に従業員の家族にお世話が必要な方がいる場合には、転勤
 を伴う配転命令には注意が必要だと言えます。

【関係条文・判例】

 職種転換については、九州朝日放送事件がある。また配転命
 令の濫用が認められたケースとして、北海道コカコーラボト
 リング事件、単身赴任の不利益性を争点として、帝国臓器製
 薬事件、ケンウッド事件がある。

 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/s0524-2b.html
 (労働契約法の在り方研究会より参照)

【学説など】

 勤務地・職種の限定の合意がある場合は、配転は両当事者の
 合意が必要だということについて、学説に異論はない。

 勤務地・職種は労働契約の要素部分だとして、配転命令権の
 設定には特別の合意を要するとした特約説、配転を契約その
 ものの変更として、命令による配転を否定する配転命令権否
 認説がある。

 また配転命令の性質について、労働契約の履行として事実行
 為(人の精神作用の表現に基づかないで法律効果を発生させ
 る行為)とする説と、形成権(単独の意思表示のみによって
 法律効果を生じさせることのできる権利)とする説がある。

【出典】

 「別冊ジュリスト労働判例百選第7版」

【次回は?】

 有期契約の更新拒否〜日立メディコ事件〜です。

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【相互リンク】

 さむらいコピーライティング道
 http://www.mag2.com/m/0000250767.html

 【海賊版】そろそろ社会保険労務士の出番です。
 http://www.mag2.com/m/0000253225.html

 ☆chu_sanの魔法の人事労務☆
 http://www.mag2.com/m/0000144368.html

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【発行・編集】いのしし社会保険労務士事務所
【問合せ】http://tinyurl.com/69q3qc
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