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  • 最新号 2008/07/11
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2008/07/11

センター試験生物[20-15]

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[20−15]

【問題15】
連鎖・組換えの「二重交叉」

今日で、遺伝の問題は最後です。
最後はチョット特殊な「二重交叉」です。

えっ、これで最後?
「胚乳の遺伝」や「種皮の遺伝」、「細胞質遺伝」や「集団の遺伝」はしないのか?って。

はい、しません。する必要がありません。
センター試験の範囲を(やや)超えているから、出題者は絶対に出せないのです。

もし出題すると、全国の高校の生物の先生から、
「非難ゴウゴウ&自分の現在の職の危険」があるからです。

では、「二重交叉」の問題をどうぞ。


■ある植物において、
□花の色;赤色(A)・白色(a)
□草丈 ;正常(B)・矮性(b)
□茎の毛;有毛(E)・無毛(e)
 の3つの形質に関して交雑実験を行った。
これらの3対の対立遺伝子は同一染色体上に存在し、
アルファベットの大文字は小文字に対して優性である。
これらの3対の遺伝子について、2種類の純系の親(P)をかけ合わせ、
F1;AaBbEeをつくり、
そのF1を検定交雑すると、以下のような結果が得られた。
 
 表現型      個体数
赤・正・有     21
赤・正・無    334
赤・矮・有      52
赤・矮・無     97
白・正・有    103
白・正・無      48
白・矮・有    326
白・矮・無     19
        合計1000個体

問(ア)染色体地図を完成させよ。

問(イ)F1をつくるのに用いた両親の遺伝子型を記せ。

《解答・解説》
(ア)

A┌14┐e┌24┐B
┻━━━━┻━━━━┻
┳━━━━┳━━━━┳
a・・・・E・・・・b

※14と24を約分して、7と12でも可。

(イ)AABBee × aabbEE


《準備》
まず、表の横に面倒くさがらずに[ABE][AB ]などの表現型を書く。
小文字を省略、この方がパッと見て分かる。
これも面倒な人は、赤色・正常などの優性形質に、丸印を入れてもよい。
とにかく、優劣がパッと見て分かるようにする。

そのように書き換え(書き足し)あとの解説の印を入れたのが下の表。

  表現型  個体数
▲[ABE] 21●○
◎[AB ]334  
 [A E]  52●
 [A  ] 97  ○
 [ BE]103  ○
 [ B ]  48●
◎[  E]324  
▲[   ] 19●○
                        
<印の説明>
◎本来の連鎖、組換えなし
▲二重交叉
●A−e・a−E間の組換え
○e−B・E−b間の組換え

<考え方・考える順>[これがベスト]

1.数字の最も大きい2つが「◎;本来の連鎖」。
  なぜなら、組み換えはめったに起こらないから。

2.数字の最も小さい2つが「▲;二重交叉」の結果生じた配偶子によりできた子ども。
  なぜなら、2箇所も染色体が交叉して、遺伝子が組み換わることは、もっとめったに起きないから。

《最重要ポイント》
3.上の2つ(◎と▲)を比べ、入れ替わっている1つのアルファベットが、3つの遺伝子の「真ん中」と分かる。   
なぜ分かるかというと、
(例)  
・B・・A・・E
 ̄ ̄\/ ̄\/ ̄ ̄
__/\_/\__
・b・・a・・e
のように、二重交叉は真ん中の遺伝子のみが入れ替わるから。
     
よって今回は、E(e)が「真ん中」

4.あとは組み換え率を公式により計算するだけ。
(公式)
組み換えの結果生じた配偶子/全配偶子×100
<計算方法>
●〔A−e・a−E間〕
分子に来るのは本来の連鎖(A−e・a−E)と入れ替わっている([AE][ae])もの;●印)
21+52+48+19/1000×100
=140/1000×100=14
○〔e−B・E−b間〕
分子に来るのは本来の連鎖(e−B・E−b)と入れ替わっている([BE][be]のもの;○印)
21+97+103+19/1000×100
=240/1000×100=24

これで、染色体地図は完成する。

※ここでさらにもう一点
両端の遺伝子〔A−B・a−b間〕を計算した人。
組み換え率は、14+24=38になるはずなのに、上と同様にすると30にしかならなくて合わないよね。
これについては、本によって
・遺伝子間距離が長くなる と二重交叉が生じて、その分だけ短くなる。
とか、
・染色体のねじれやすさによって遺伝子間距離は決まるので、実際の距離より短い。
などと苦しい説明をしていますが、本当は、以下の計算でピッタリ合います。
52+97+103+48+(21+19)×2/1000×100
=380/1000×100=38

分子の公式上は足さない
(21+19)×2は
二重交叉により、見かけ上は入れ替わっていない
[ABE][abe]も、実は途中で交叉している。
しかも2回(だから×2)。
それを分子に加えると、ほらピッタリでしょう。

ただ、この考え方は少し難しいので、やるのなら、
両端は計算せず、右と「真ん中」、「真ん中」と左で充分でしょう。

これで『二重交叉』の問題は完璧です。

《おまけ》
設定は「問題15」と同じで、表中の数字が、
特大・中・小・極小、ではなく、以下のような数字の時、どうする?

 表現型      個体数
赤・正・有    425
赤・正・無     75
赤・矮・有     75
赤・矮・無    425
白・正・有    425
白・正・無     75
白・矮・有     75
白・矮・無    425
      合計  2000
                        
結論から先に言うと、
連鎖はB−Eのみで、
Aは別の染色体上なのです。公式で組み換え率を計算すると、
〔A−B間〕=50%
〔A−E間〕=50%
〔B−E間〕=15%
となります。

《問題10》の《参考》で書いたように、
組み換え率=50%は
独立(別々の染色体上に存在)なのです。

これで『二重交叉』の問題(表で8通りの子どもの問題)は完璧&完璧です。

以上で「遺伝の問題」はすべて終了しました。
長い間、ご苦労様でした。

[問:15−A]
クローン臓器はなぜ常に移植可能なのか(北海道大)
[答:15−A]
細胞表面の抗原物質が患者由来の遺伝子から形成されるので、患者と共通の抗原をもつため拒絶反応が起こらないから

[問:15−B]
真核生物の転写で一般的に認められている「スプライシング」とは何か。
それが主に行われる細胞小器官の名前を含めて記せ。(岐阜大)
[答:15−B]
真核生物でイントロンごと転写したmRNA前駆体から、核においてイントロンごと切り離す。

次回は本来の順に『細胞』からはじめますが、しばらくおやすみの9月再スタートの予定です。
論述も同じ9月再スタートです。

夏休みを有意義に過ごしてください。
では一旦サヨウナラ。

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