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上司は部下より先にパンツを脱げ,マネジャーの基本&実践力がイチから身につく本,チームのルールの著者であり新聞雑誌に多数連載を持つ人気コラムニストが自らの体験と成功事例で教科書に載ってない人の育て方や組織作り等目からウロコのノウハウ満載コラム

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2009/06/30

人と組織の悩みコラム Vol.146『早くお風呂に入りなさい!』




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2009年6月30日号
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     人と組織の悩みが嘘のように晴れるコラム100選 

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◆ 早くお風呂に入りなさい! ◆


「早くお風呂に入りなさい!」姉に急かされた。

母の看病とそれに続く葬儀で帰省し、姉夫婦の家で世話になっている。
44歳を過ぎたおじさんの僕だが、姉にとっては未だに子供のように映るらしい。


「肉だけでなくサラダも食べなさい!」

「私が今日は病院に泊まるから、明日の朝4時に交代しなさい!」

「外で食べるとお金がかかるから、今日は妹の家でご飯作ってもらいなさい!」

「疲れてるだろうから、もう寝なさい!」


「はい」というより他に選択肢はない。

何度か抵抗を試みた。
「うーん……。今原稿を書いているから、誰か先に風呂入ってくれないかな?」

すると、あっという間に畳み込まれる。


「お客さんだから先に入ってもらおうと思って準備したんだよ」

「もうすぐみんな帰ってくるから先に入っておいた方がいいってば」

「誰も入らないでおいてもガス代がもったいないし」


気がつけば、僕は脱衣所に立たされている。
こちらのペースなど、一切お構いなしだ。

しかし、姉の行為はすべて深い愛情に根差している。
100%間違いなく僕を愛し、僕のために言ってくれている。それがわかる。
だから腹は立たない。僕は苦笑いをしながら言うことを聞くしかないのだ。

そんな日々が3日続いた時、僕は思った。
この生き方は楽だな、と。

あらゆる行動が次々と指示命令される。しかも5W1Hがすべてスペシフィック
(特定的)に告げられるのだ。

何も考えなくても良い。僕には迷ったり、判断をする余地すら無い。

背けば叱られる。ミスれば延々と小言を言われる。
操縦士の操るままに動く従順なロボットの出来上がりだ。

ちょっと待てよ。僕は思った。
よもやオレは、会社でこれと同じことをしてはいないだろうか?
瞬間、背筋が寒くなった。

会議や打ち合わせの場面を思い出す。思い当たる節がいくつかある。

しかし一方で、真逆だな、と思える点もあった。
そこでもう一度、自分自身の行動を反芻してみる。


よし、これならばいい。
もう一度自分自身の指針を明確にし行動に気をつけよう。そう思った。

それは、スペシフィック(特定的)な指示だけは今後もすまい、ということだ。

例えば、僕がチームのメンバーに風呂に入れ、と言うならばこうなるだろう。


「みんな風呂に入ってくれ。順番は任せる」


つまりは、大きなWHAT(何をすべきか?)は示す。
小さなHOW(どうすべきか?)は相手に委ねる。これが基本方針だ。

短期的にミスなくタスクを完了するならば、スペシフィックな指示命令が確実
だ。つまりは事細かに5W1Hで指示を出し相手に考える余地を与えない。

しかし、長期的な人材育成を考えるならば、それは逆効果。
だから、あえてホワイトスペース(余白)をつくる。それがHOW(どうすべき
か?)を相手へ任せる、ということになる。

ただし、HOWを任せる場合も注意が必要だ。10人10色。人の価値観は様々だ。
相手に100%委ね任せてしまっては統制が取れなくなってしまう。

だから、HOWにも大まかな指針が必要だ。先の風呂の例でいえばこうなる。


「後の人が待っているから、相手を思いやり間を空けないようにしてやれよ」


これが、つまりスペシフィックではない大まかな指針だ。
そして、これが俗に世に言うところの「理念」となる。

「理念」無くして相手へ任せてしまうと、それぞれが自分個人の「好き嫌い」
もしくは「過去の経験則」で行動し、収拾がつかなくなってしまう。

ただ、やみくもに任せ委ねればいいということでもない。
WHAT(何をすべきか?)と大まかな指針=理念はしっかりと確認しなければな
らないのだ。もう一度おさらいするとこのようになる。


1.人を育てるには、相手にホワイト・スペース(余白)を与えることが必要

2.WHAT(何をすべきか?)は示すがHOW(どうすべきか?)は任せる

3.ただし、大まかな方針「理念」の共有は必要。さもなくば収拾がつかない


ということになる。

こうして、原稿を書いているそばから、またもや姉から指示が飛ぶ。


「ヒロシ!これワープロで打ってプリントして!」

「ヒロシ!忘れものがあるかどうか葬儀場に電話して確認して!」


姉は僕にたくさんの示唆を与えてくれる。
しかし、今のところ僕は姉のいいなりになることを止めるつもりはない。
たまの実家に帰った時くらいは、楽をさせてもらってもいいではないか。
そう思うからだ。



■御詫びと御礼■

昨日のメールマガジンに対したくさんの方からご鄭重な弔意を頂戴しました。
また併せて「なぜ事前に教えてくれなかったのか?」というお叱りも頂戴し
ました。遠方での葬儀ゆえ、勝手ながら外部の方へは一切連絡をせずに身内
のみで慎ましく葬儀を済まさせていただきました。この場をお借りして皆様
へ御詫びと御礼を申し上げさせていただきます。ありがとうございました。



株式会社フェイス総研 
代表取締役社長 小倉 広


○プロフィールはこちら 
⇒ http://www.faith-h.net/fs/consultant.html#ogura 

○バックナンバーはこちら 
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○小倉広へ感想・意見を送る
⇒ info@faith-h.net 




ソメノ編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
会社からの帰宅途中にある「ステーキ ニュー○○」。客席10席程に対し店員
がなぜか3人もいます。全員カウンター内に所狭しと立っており、1人が冷蔵
庫へ行くために他の2人はいちいちカウンターから出るか、イナバウアー状態
でやり過ごすという光景を見る事ができます。これだから「ニュー○○」ファ
ンはやめられません。次に気付くのは、店の壁、メニュー、カウンターに大量
に貼られた注意書き。「ご飯大盛り無料でも残したら○○円頂きます」「テリ
ヤキソースは鉄板が焦げるので後回しです」「ヒレ肉のみ牛肉高騰のためセッ
ト不可」など、店に入った時から来店者と店の無言の戦いが始まります。特に
「終電がありますのでラストオーダー、閉店時間厳守」は強烈で、終電が迫る
と食べ終わったと判断された皿から下げられます。もしここが西部の町ならば、

ホルスターに手をかけ「表に出なよ」と言うところをグッと我慢して

来店者にはホワイト・スペース(メニュー)を与え、WHAT(何がオススメか?)
は示すが HOW(塩かタレか?)は任せる。ただし、大まかな方針「サラダセッ
トがお得」等の共有が必要、と彼らへ対し声高らかに主張したい。その前に3
人の店員のうち1人がお冷係専門ってどうなの?明日もお楽しみに〜
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