野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/10/30

野球小説アンドロメダ・Jと小次郎21

☆☆☆☆☆







 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成の
ゴールに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。









☆☆☆☆☆








 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、東京
グレート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリーダー・
大田原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。そして舞台
は全国の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。







☆☆☆☆☆Jと小次郎21







 宝物だった。かけがえのない…。大阪ロックスター投手の神威小次郎(現ア
ンドロメダ調査員)は、事も無げにそれを受け止めた。努めて前向きに…。も
ちろん、気にならないといえばウソにはなる。でもすぐに割り切った…ハズだ
った…。








 大阪・心斎橋のあるレストラン。個室だった。そこに神威と順子(聖子)と大
阪ロックスター内野手の鬼崎平三(現アンドロメダ特別講師)の3人が集結した。






「あれ? 百恵はまだ?」。順子は鬼崎に問いかけた。






「えっ、ああ、まだみたいだな」。鬼崎が妙によそよそしく答えた。と同時に、
そのウワサの人は現れた。







「ごめん、ごめん。遅れちゃったぁ」。








 神威は初めて見る順子の妹・百恵を見て驚いた。その時はまだ声に出していない。
順子も鬼崎も百恵も神威のそんな表情に気がついているのに、まだ説明しなかった。
まだ…。








 まずは順子が自分たち姉妹のことを話し始めた。2人の両親は離婚していて、順子
の本名は古代聖子で、妹は大道寺百恵と性が違うこと。年齢は一つ違い。現在、百恵
は大学生で将来、女性実業家になることを目指して勉強中であること…。それこそ、
子供の頃から現在に至るまでをウソ偽りなく…。順子はとにかく神威にすべてを知っ
てほしかったのだろう。話は実に手際よく、段階を踏まれていた。もっとも、神威は
その話にうなずきながらも、気になってしかたなかったが…。








 順子もそれはやはりわかっていた。そして、さぁ、これからとばかりの表情で、鬼
崎の方を見た。鬼崎は黙っていた。しかし、目で語りかけていた。「大丈夫だ!」と
…。








「それでぇ…」と順子がついに切り出した。それは百恵が連れてきたベビーカーに乗
っている子供のことだった…。








「この子は大祐といいます。もうすぐ2歳です。神威さん! 大祐は私の子なんです」









 あまりにも順子のストレートな告白に神威は正直、驚きを隠せなかった。百恵が現れ
た時、もしや、と神威の頭は働いていたものの、いざ現実となると、衝撃だった。そり
ゃあ、そうだろう。子供がいたなんてそぶりは、これまでまったくなかったのだから…。
しかも、この日の昼にはそんなことも知らずに順子にプロポーズもどきまでやっている。
あまりに情報不足、相手のことを理解する前に動いた自分が恥ずかしくも思っていた。








「大祐、クンかぁ。かわいかねぇ…。うんうん、よく見たら君に目が似ているよ」。神
威は平静を装うように、逆にはしゃいだ。







 だが、順子はまだ強引に話を続けた。「それでぇ、大祐の父親なんですけど…」と…。







 神威はあまり聞きたくない、と思いつつはしゃぎながら耳を傾けた。








「その人とは私が前にいた東京の店で知り合いました。不倫でした。それで大祐ができ
てしまった。悩みました。でも、その人が家族を捨てることができないのもわかってい
ました。私はそれを承知でお付き合いしていましたから…。だから子供ができたから、
どう、とか言いたくなかった。で、いろいろ考えた末に別れようと決めた。そして子供
は1人で育てよう、と…。実は相手の方には大祐ができたことも伝えていません。私だ
けで決めました。東京を出て、百恵のいる大阪に引越しました。大祐が1歳になった頃
から、今のお店で働いています。夜は大祐を百恵にみてもらっていました。この話、神
威さんに、何度も言おうと思いました。でもなかなかいえなくて、でも、もう隠すわけ
にはいかない。それで…」









 話しながら順子はちょっと涙ぐんでいるようだった。百恵も神妙な顔をしていた。事
前に話を聞いていた鬼崎の目も潤んでいるようだった。神威も言葉がなかった。ただ大
祐だけが、そんな神威を見ながら、笑顔を弾けさせていた…。








 神威は正直、ちょっとだけ考えた。頭の中で「どうする小次郎!」と自分に問いかけ
てもみた。でも答えはすぐに出た。迷うこともない。







「おいは構わんよ。大祐、クンがもうかわいくてたまらんごとなったけんね。気にせん
でよか。大祐クンとも仲良くしていくたい!」






 神威は力強く言い切った。






 鬼崎が順子を見ながら「おいの言った通りやったやろ」の顔をしていた。






 百恵は軽く微笑んだ。

 




 大祐はまた笑っている。






 順子の目からは涙がこぼれた…。






 5人は食事した。楽しい時間だった。盛り上がった。鬼崎は百恵が気に入ったようでも
あった。大祐は神威が気に入ったようだ。不思議なことにどんなに泣いていても、大祐は
神威に抱かれるとピタッと泣きやみ、笑い出した。







 ところが…。








 この後だった。まさかの出来事は…。


                            つづく
☆☆☆☆☆


 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には一切
関係ありません。
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