野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/10/23

野球小説アンドロメダ・Jと小次郎20

☆☆☆☆☆







 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成の
ゴールに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。






☆☆☆☆☆








 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、
東京グレート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリ
ーダー・大田原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。
そして舞台は全国の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。








☆☆☆☆☆Jと小次郎20







 入れ替わり、たちかわりだった。何度も何度も確認した。最低でも10回
…。それくらい念入りなアクションだった。人の運命を握る、というのはそ
れほどの重い責任ということだろう。そこにはアンドロメダ調査員の神威小
次郎(元大阪ロックスター投手)の気持ちがこもっていた…。








 アンドロメダリーダーの大田原健太郎の評価は走、攻、守いずれも特Aだ
った。「去年も見たけど、まさかここまで伸びるとは…。正直、驚いている
よ」。長崎の某ホテルのバーで健太郎は神威にこう漏らした。素直な感想だ
った。






 九州のジェイムス・ディーンこと桜福坂3年の速水拳は現役の人気モデル
だ。昨夏の甲子園に出場して騒がれたものの、野球よりも、その甘いマスク
とスタイルの方が注目を集めた。健太郎も「野球が副業かな」と思うくらい
のレベルだった。それが、ひと冬、そして春を越えて、見違える存在感にあ
ふれていた。







 神威がアンドロメダのすべてを結集して、速水バックアッププロジェクト
を組んだ。それは健太郎も、もちろん知っていた。しかし、ここまで能力を
アップさせるのは、予想をはるかに越えていたという。









 「神威のレポートに間違いはなかったな」。健太郎は神威をほめたたえた。
速水が特別講師の鬼崎平三(元大阪ロックスター二塁手)を覚えたてのシュー
トで封じ込んでから、神威はアンドロメダへのレポートを作成した。その内容
は事細かい。技術だけでなく、性格などあらゆる面を網羅するものだった。健
太郎たち調査員は、それに目を通した後、長崎を訪ねていた。規約通り、何度
も何度も…。








 神威のレポートは、速水をアンドロメダメンバーに推薦するものだった。そ
して、綿密な調査、チェックの末、某ホテルのバーで健太郎は速水のメンバー
入りGoサインを神威にめでたく通達したのだった。








 それから…。








 神威は速水との契約交渉に入った。 「ジェイ! アンドロメダは君を正式にメ
ンバーに迎え入れたいということになった。契約となれば、これからさらにあらゆ
る援助をさせていただく。条件は、前も説明したようにプロ入りした場合のマネジ
メントを当社でやらせてもらうということだけ。プロ入りできなくても、費用など
の請求はいっさいない。それは信じてもらっていいです」と…






 これに速水はクスクス笑っていた。







 「ジェイ! 何がおかしいの? 私は何かおかしなことを言っている?」。神威は
ふに落ちなかった。







 しかし、速水はそんな神威の言葉を聞いて、また吹き出した。それも思いっきり…。








 「だって神威さんが標準語をしゃべっとるけん。何かおかしかですよ。発音がぁ
…」。








 神威はちょっとムッとした。こっちが真剣な話をしているのに「何なんだ」と思っ
た。でも、すぐに「ま、いいか」とも思った。この数ヶ月の間で神威と速水は本当に
気心が知れた間柄になった。こんな会話も、こんな笑いも、自然にできるようになっ
たのも、これまでの積み重ねだ。初めて、あの山で出会った日さえ、今では懐かしく
思えてきた。







 「じゃあ、これでどがん? アンドロメダと契約ば、してくれる?」。神威は笑い
ながら話した。






 「もちろん、よかですよ」。速水も最高のスマイルだった。






 形式的なものだった。神威も断られるわけがないと思っていた。でも、一応、形式
だから…。ただし…。








 「もしも、甲子園にいけんかったら、今年プロに入れなかったら、諦めてください
ね」。速水はこう付け加えてきた。








 「一発勝負で終わるとね?」。神威はちょっと困惑気味に話した。








 「ええ、約束ですから…」。速水はサラリと言った。お世話になっている雑誌社と
の約束だった。今年になってモデル活動を休止した時の…。野球の夢へのチャレンジ
が終わったら、モデル業のかたわら、タレント、俳優を目指すことになっていた。








 「そがん、約束ば…。まぁ、ジェイらしかたい。よかよか。甲子園もいけるし、プ
ロもいける。問題なかばい」。神威はあえて強気に言い放った。正直、不安がゼロで
はなかったが、ここはそんなそぶりを速水に見せたくなかった。夢に向かって一直線
に走らせるために…。


 





 夢…









 昔の神威の夢もプロ野球選手になることだった。最初は漠然としていたが、シュート
をマスターしてから、その気になった。好きな女性もできた。徐々に将来設計ができて
もいた。ところが…。 あの日、心斎橋…。神威に絶望を経験させる、まさかの出来事
が…。






 「お姉ちゃん、ごめん、ごめん。ちょっと遅れたかなぁ」。順子(聖子)の妹・百恵
の登場がその幕開けだった…。





                               つづく




☆☆☆☆☆


 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には
一切関係ありません。
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