野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/10/09

野球小説アンドロメダ・Jと小次郎18

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 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成の
ゴールに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。






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 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、東
京グレート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリーダ
ー・大田原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。そし
て舞台は全国の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。








☆☆☆☆☆Jと小次郎18






 すべてをさらけ出してくれた。真剣に向き合ってくれた。うーん、いい感
じ…。うーん、幸せ…。頬が緩む。頬が赤く染まる…。それがまさかMAX
だったとは…。束の間だったとは…。もちろん、この時に気づくハズもなか
ったが…。










 大阪ロックスター投手の神威小次郎(現アンドロメダ調査員)にとって北
新地のクラブホステス・順子(聖子)の存在はいつしか大きなものになって
いた。先輩・鬼崎平三に連れられ、その店で出会ったのがきっかけだ。店に
いくたびに、順子は必ず神威についた。いろんな話もした。鬼崎のきつーい
しごきにヘロヘロとなりながらも、順子とバカ笑いすれば癒された。それが
次への活力になったといっても大げさではなかった。








 そんな順子が「鬼さんとの勝負に神威さんが勝ったらデートしましょう」っ
て元気づけてくれた。神威が張り切ったのは当然だった。そして勝った。鬼を
封じた。さっそく鬼崎とともに店に繰り出し、順子にも報告した。「じゃあ、
明日ね」。即座に言ってくれた。神威が心の中で小躍りしていたのは言うまで
もない。その晩は酒を飲みながらも夢心地だった。









 その日、ロックスターの練習はオフだった。後で考えると、うまい日程にも
なっていたものだ。神威は午前11時に北千里で順子と待ち合わせた。デート
スケジュールも決めていた。目的地は六甲山。神威運転の車でドライブだ。六
甲の有名なホテルでランチをとり、六甲の大自然を満喫した後、お隣の有馬温
泉に流れるコースだ。







 しかし、これには順子からダメ出しがあった。「夜はダメなのよ。ちょっと
用事があって…。それに夕方には心斎橋に来て欲しい。神威さんに会って欲し
い人もいるし…」と…。







 「会って欲しい人って…」。神威は気になった。だが、順子は「それはあと、
あと」といって人なつっこい笑顔をふりまくだけだった。それだけでもう神威
はメロメロになる。「まぁ、いいか」ってつぶやきながら、車を予定通り、六
甲に走らせた。







 楽しい時間だった。ランチも大自然も、最高だった。2人にはぎこちなさが
なかった。何をやるにも息がピッタリだった。相性がよほどいいのだろう。笑
いもたえなかった。長崎弁丸出しの神威のトークも順子の前では不思議といつ
も以上にさえまくる。これがよかった。これが神威にはうれしかった。いい子
に出会えたと思える理由でもあった。








 「これからもおいとつきあってくれる? そのぉ、個人的にさ…」。神威は
抜けるような青空の下で、ついポロリと本音ももらした。これを聞いても順子
は笑顔だった。「私でいいの?」とさらりと聞いてきた。「そりゃあ、よかに
決まっとるって」。神威も笑いながら返した。こんな会話さえ自然だった。そ
して…。








 「私、今度、独立してお店を出そうと思っているの。最初は小さい店からにな
るけど、それを大きくするのが夢なの。ずっと考えてきたことなのよ。お店の名
前も決めているの。ダース。1ダース、2ダースのダース。12個で1ダースで
しょ。いつか、そんないっぱいの仲間でワイワイ楽しめるように、12人、24
人、36人って女の子を雇えるように頑張ろうと思って。楽しいお店にしたいの。
だから神威さん、私は決して家庭的ではないわよ。こんな私でいいの?」。順子
の目は輝いていた。生き生きとしていた。声が弾んでいた。それが神威にも伝わ
った。独立話も嫌でもなんでもなかった。むしろ応援したいって、その時、心底
思った、という。








 「よかっちゃなかぁ…。ダース。よか名前たい。きっと繁盛するとやろね。お
いはよかよ。応援するけん」。神威は迷わずそう答えていた。かっこつけていた
のではない。本当にそう思った。順子の夢を受け止めてやりたい、と思った。俺
にも野球があるのだから、と思った。「一緒に切磋琢磨たい」。こう言って笑っ
た。







 順子はうれしそうだった。こちらも幸せそうだった。2人は本当にいいムード
だった。

 





 しかし、順子の話はまだ続きがあった。六甲から有馬に回ることなく、大阪に
戻る帰りの車の中で順子は軽く微笑みながら、こう話した。「これから向かう心
斎橋で、私のこと、神威さんにもっと知って欲しい」と…。







 ハンドルを握りながら神威は「心斎橋に何かまだ秘密があるみたいだなぁ」って
ふざけ口調で返しながら、ハッと思った。「そういや、会わせたい人がいるとか言
っていたなぁ〟と…。「誰だろう?」「まさかいきなり(順子の)お父さんとかが
来るのではないだろうな」「そうだったら、どう言えばいいのだろう?」「いきな
りお嬢さんを下さいってか、いやそれはまだ早いよなぁ、いくらなんでも」…。短
い時間で一気にあれやこれや考えた。でも、そう考えるのも神威には至福の時だっ
た。








 そんな時、順子が唐突にこう言った。「心斎橋には鬼さんも来るのよ」。






 神威は思わず「えっ」と言った。「鬼崎さんが来る?」「えっ、どういうことそれ?」
「会わせたい人ってまさか…」「いや、そんなことあるわけないわな」「でも、どうし
て?」「なぜ? 何が…?」神威の頭の中でいろんな妄想が駆け抜けた…。



                        つづく


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 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には一切
関係ありません。
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