野球小説アンドロメダ  RSSを登録する

野球マンガみたいな野球小説です。ホームドラマのような野球小説です。流し読みでOKの野球小説です。年齢、性別関係なく読めます。魅力あふれる若者たちの未来を想像していただければ幸いです。20XX年、新プロ野球伝説・アンドロメダ、プレーボールです。

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2009/08/28

野球小説アンドロメダ・Jと小次郎12

☆☆☆☆☆





 20XX年、未知なる魅力あふれる野球戦士たちが、それぞれの夢達成のゴ
ールに向かって、走り出した。それは理想の世界だろうか、それとも…。





☆☆☆☆☆






 球界の危機的状況を感じ取った選手会リーダー・高杉明太郎はある日、東京グ
レート総務課長の村澤三四郎、マネジメント会社アンドロメダのリーダー・大田
原健太郎と出会い、未知の魅力にあふれた選手の発掘を誓う。そして舞台は全国
の高校へ。アンドロメダ球児たちの夏が始まった。






☆☆☆☆☆Jと小次郎12






 男と男の戦いだった。力対力の激突だった。怒号も飛びかった。異様な汗が流
れた。ともに顔は真っ赤だった。周囲はそれを無言で見つめた。とても間に割っ
て入るムードではなかったという。その時、そこは間違いなく戦場だった…。









 マウンド上で大阪ロックスターの神威小次郎(現アンドロメダ調査員)はボー
ルを握りしめていた。それこそ、気持ちをボールに込めるように…。大きなマス
クをしていてもわかる。目が血走っていた。体全体から気合いがほとばしってい
た。







 「神威! ちょっとこいや!」









 大阪・千里にあるロックスターグラウンド。鬼崎平三二塁手はそういって神威
にグラブとボールをポーンと投げた。







 「ワシがてめえの性根をたたきなおしてやる! さあ、来い! 勝負やぁ!」









 これから練習が始まるところである。まだアップもしていない時である。鬼崎
はそんなことお構いなしに大声で神威に野球での挑戦状をたたきつけたのだ。








 神威にとって鬼崎との対決はかつて夢にみたほどのことだった。長崎・戊須高
校時代、控え投手だった神威は、1歳上で長崎・和場工を引っ張る鬼崎にあこが
れた。闘争心ムキだしの鬼崎のプレースタイルが大好きだった。しかし、今はも
うそんな感慨など全くない。チームメイトではあるが、今は憎いヤツ。ボコボコ
に殴られた天敵だ。大きなマスクで隠すしかないほど腫れ上がった顔も、鬼崎を
みればさらにうずき出した。






 「……」







 一瞬、ぶち切れそうになった自分をなだめるように、神威は無言でマウンドに
向かい、そして鬼崎に負けないくらいの鬼のような形相でボールを握り締めたの
だった。







 「さぁ、投げてこいやぁ!」








 打席に入った鬼崎はバットをマウンドの神威にかざして挑発しながら、雄叫びを
あげた。ロックスターナインが固唾を呑んで見守るなか、対決開始だ。









 大きく振りかぶって、神威は投げた。気持ちのこもったボールはいつも以上の勢
いがある。外角低めにストレートがズバっと決まった。鬼崎のバットはピクリとも
動かない。







 「次ぃ!」







 鬼崎は構わず、大声を轟かせた。神威も無言でまた投げた。速球がうなる。間違い
なく、いつもより速い。真ん中低めにズドーンと決まった。鬼崎のバットはこれまた
反応できない。







 「次ぃ!」






 しかし、鬼崎の威勢のよさは変わらない。神威はちょっとムッとしながら、次のボ
ールを投げた。







 「しまった!」








 投げた瞬間、神威は心の中でこう叫んだ。気負いすぎたのか、3球目はちょっと指の
かかりが悪かったのだ。








 だが、運が味方した。コースがよかった。内角低め。きわどいがストライクだ。鬼崎
は読み違えたのか、またもバットが出なかった…。








 「よっしゃー、三振だ! どうだ!」。神威は心の中で激しくそう叫んでいた。声に
出さなかったのは意地と照れが交錯していたからだろう。勝った、と思った、という。







 ところが…。







 「次ぃ!」








 鬼崎は何事もなかったように、また次の球を要求した。神威はまたキレそうになった。
だが、それをも鬼崎は見透かしたように、さらに怒号を浴びせてきた。鬼のような形相で
…。ロックスターグラウンドはさらにまた、凍てついたのだった…。




                                 つづく 

☆☆☆☆☆


 アンドロメダの物語はフィクションです。実在の人物、地名、組織には一切関
係ありません。
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